JPS6350035Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、プレス型のパンチ回り止め装置に関
する。

〔背景技術とその問題点〕

プレス型に用いられるパンチは、先端が丸型の
場合には、パンチに対向するダイに対し不整合の
問題を生じることがないから、回り止め装置を必
要としない。ところが、先端形状が異形、例えば
三角形或いは四角形等の場合には、ダイに対し不
整合となる結果、パンチの回り止め装置を必要と
する。

従来、一般的なパンチの回り止め装置として
は、第５図〜第７図に示す如く、ホルダ１に先端
が例えば四角形等の異形形状のパンチ２の丸シヤ
ンク３が嵌合する断面円形のパンチ挿入孔４を形
成し、このパンチ挿入孔４の一端開口側にキー溝
５を有する座部６を形成する一方、前記パンチ２
の丸シヤンク３の上端に前記座部６に嵌合する鍔
７を一体的に形成し、この鍔７の一部に平面状の
切欠き８を形成し、この切欠き８と前記キー溝５
内に収納されたキー９の係止面とにより丸シヤン
ク３の回り止めを図るもの、が知られている。

ところが、このものは、切欠き８が鍔７にしか
ないため、パンチ２をホルダ１のパンチ挿入孔４
内に打込むとき、丸シヤンク３が鍔７の厚さを除
いた長さ打込まれた後、切欠き８とキー９とを正
しく位置合わせできない場合がある。つまり、パ
ンチ２の丸シヤンク３とホルダ１のパンチ挿入孔
４との嵌合はいわゆる中間バメのため、ある程度
の長さ打込まれた後は、パンチ２を回転させ切欠
き８をキー９に対して平行に調整することは極め
て困難である結果、不確実な位置決めしかできな
い。

また、特殊なパンチの回り止め装置としては、
第８図〜第１０図に示す如く、ホルダ１のパンチ
挿入孔４の内面に一部がパンチ挿入孔４内へ突出
した断面円形のピン１０をパンチ挿入孔４の軸方
向に沿つて埋め込み、一方前記パンチ２の丸シヤ
ンク３の軸方向全長に亘つて前記ピン１０の円弧
に対応する凹円弧状の切欠き１１を形成したも
の、が知られている。

この構造のものは、切欠き１１が丸シヤンク３
の全長に亘つて形成されているため、第５図〜第
７図における欠点を防止できる反面、ホルダ１の
加工に多大の工数を要する欠点がある。

〔考案の目的〕

ここに、本考案の目的は、加工工数を増やすこ
となく、確実な回り止めができるプレス型のパン
チ回り止め装置を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段および作用〕

そのため、本考案では、第５図〜第７図に示す
平面の切欠きをパンチのシヤンク部上端の鍔だけ
でなくシヤンク部全長まで延長することにより、
ホルダへの組込み時、シヤンク部の嵌合と回転方
向の位置決めとを同時に行うことができるように
したものである。

具体的には、後述の第１図〜第３図に基づく説
明のように、ホルダにパンチ挿入孔とキー溝とを
設け、キー溝にキーを適合させるとともに、パン
チ挿入孔にパンチを挿入する。その際、前記キー
の係止面である側面に、シヤンク部上端の鍔を含
めてシヤンク部全長に亘つて形成されている前記
キーの係止面と同一の平面の切欠きを接触させる
と、パンチはパンチ挿入孔に回り止めされた状態
で挿入されるため、これによりシヤンク部の嵌合
と回転方向の位置決めとを同時に行うことができ
るようにしたものである。

〔実施例〕

第１図〜第３図は本考案の一実施例を示してい
る。これらの図において、ホルダ２１には、断面
円形のパンチ挿入孔２２が形成され、このパンチ
挿入孔２２の一端開口側に矩形状のキー溝２３を
有する略円形状の座部２４が形成されている。前
記座部２４とパンチ挿入孔２２との部分には先端
が四角等の異形形状のパンチ２５が、前記キー溝
２３には平面に形成された係止面２６Ａを有する
角柱状のキー２６がそれぞれ嵌合されている。本
実施例のパンチ２５には、前記パンチ挿入孔２２
に挿入される丸シヤンク２７および前記座部２４
内に収納される鍔２８の全長に亘つて前記キー２
６の係止面２６Ａと同一の平面の切欠き２９が形
成されている。

これにより、パンチ２５をホルダ２１の上方よ
り打込む際、パンチ２５の切欠き２９をキー２６
の係止面２６Ａに対して平行に位置させた後、パ
ンチ２５を打込めば、パンチ２５はパンチ挿入孔
２２内に嵌合されると同時に回転方向の位置決め
がなされるため、確実な回り止めが可能である。

従つて、本実施例によれば、パンチ２５をホル
ダ２１の上方より打込む際、パンチ２５の切欠き
２９をキー２６の係止面２６Ａに対して平行に位
置させると、パンチ２５の打込み時に嵌合と同時
に回転方向の位置決めが行われ、最終的に鍔２８
の切欠き２９がキー２６の係止面２６Ａに正確に
係止されるため、確実な回り止めができる。

しかも、ホルダ２１側の加工は第５図〜第７図
に示す場合と同様な平面の加工で済むため、第８
図〜第１０図に示す場合に比べ多大な加工を必要
としない利点がある。

なお、通常、丸シヤンク２７の先端には、その
丸シヤンク２７の外径より0.03〜0.05mm程度細い
打込み案内部が設けられているが、本考案のパン
チの場合でも、例えば第４図に示す如く、丸シヤ
ンク２７の下方にそれより僅か細い打込み案内部
３０を設ければ、ホルダ２１への打込みを円滑に
行なうことができる。

また、異形形状とは、上記実施例で述べた四角
形に限らず、三角形以上の多角形或いは十字形や
だるま形状等、パンチを回動したとき先端形状が
常時同一姿勢でないもの全てを含む。

〔考案の効果〕

以上の通り、本考案によれば、加工工数を増や
すことなく、確実な回り止めが可能なプレス型の
パンチ回り止め装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２
図はその底面図、第３図は第１図の−線断面
図、第４図は本考案の他の実施例を示す正面図、
第５図は従来のパンチ回り止め装置を示す正面
図、第６図はその底面図、第７図は第５図の−
線断面図、第８図は従来の他のパンチ回り止め
装置を示す正面図、第９図はその底面図、第１０
図は第８図の−線断面図である。 ２１……ホルダ、２２……パンチ挿入孔、２３
……キー溝、２５……パンチ、２６……キー、２
７……丸シヤンク、２９……切欠き。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ホルダにパンチ挿入孔とキー溝とをそれぞれ形
   成し、前記パンチ挿入孔に先端が異形のパンチを
   挿入するとともに、前記キー溝にキーを嵌合し、
   このキーによつて前記パンチの回転を防止するパ
   ンチ回り止め装置において、前記パンチ挿入孔に
   挿入されるパンチのシヤンク部上端の鍔を含めて
   シヤンク部全長に亘つて前記キーの係止面と同一
   の平面の切欠きを形成したことを特徴とするプレ
   ス型のパンチ回り止め装置。