JPS6349505Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はホテルの客室のドアや、建物内部の廊
下等の防火区画に用いられるドアなどの防火ドア
の改良に関する。

従来、防火ドアとしては、上枠および縦枠と接
する部分には戸じやくりが設けられ、ドア本体を
境に、火災時には煙や火炎が透通しない様考慮さ
れているが、下枠部には戸じやくりを設けた沓摺
を用いると避難時、つまづくことがあり、また、
ホテル客室のドアの場合、廊下側より新聞等を差
入れるため、下枠とドア下端との間にすき間が必
要となる理由から、戸じやくりなしの下枠が用い
られている。このため、上枠、縦枠で、ドアと枠
の気密性、遮音性、防火性を保持しても、下部が
遮へいされていないため、廊下側の音が入りこん
でくる。また、火災時には、廊下に煙が充満する
と、ドア下端の隙間より、煙が侵入し、避難に支
障をきたす等の欠点があつた。

本考案は上記欠点を除去するためになされたも
ので、それ故本考案の目的はドアと枠との間の気
密性を保持し得ると共に、避難時につまづくこと
もなく且つ床面から新聞等の挿入もできる防火ド
アを提供することである。

次に図面を参照のもとに本考案の実施例につい
て説明する。第１図および第２図は防火ドアの全
体を示すものであつて、図において、１はドア本
体であり、その周囲に下枠２、縦枠３、上枠４が
備えられている。通常、縦枠３と上枠４における
ドア１に接する面には戸じやくりが設けられ、そ
れによつて遮炎および防煙効果を発揮している。

本考案による防火ドアは第３図および第４図に
示すように、ドアの下框５の内側には或る程度上
下に摺動できるようにスライドフレーム６が取付
けられ、且つスライドフレーム６には、ローラ７
がシヤフト８により取付けられている。ローラ７
は吊元側と戸先側とでは回転半径が異なるため１
本のローラでは回動しないので長手方向に分割さ
れた分割形になつており、例えば、数センチメー
トルの長さに分割されたものが互に隙間なく取付
けられ、全体としてドアの幅にほぼ等しい長さに
なつている。スライドフレーム６を摺動自在に設
置するため、この実施例ではスライドフレーム６
の端部にはスライド用の孔としての上下に長い長
孔９が形成されており、ドアの下部に固定された
スライドピン１０がそこに挿入されている。スラ
イドピン１０は取付板１１によりドアの下部の所
定位置に固定されている。

好ましくは、図示のように、スライドフレーム
６の上板には上方に突出する少なくも一対のガイ
ドピン１２が設けられ、それらのガイドピン１２
は下框５の上板のガイド孔を貫通している。また
各ガイドピン１２にはスライドフレーム６と下框
５の各上板の間において圧縮ばね１３が設置さ
れ、これによりローラ７を下枠の面に密着させる
ことができ、且つローラ７はばね１３のクツシヨ
ンを伴つてガイドピン１２をガイドに上下に移動
することができる。

また、下枠の面には第５図に示すように、ロー
ラ７を受け入れる断面円弧状の浅い凹部１４が設
けられているのが好ましく、それによつて、ドア
閉鎖時に下框と下枠との間の気密性を一層向上す
ることができる。なお、第４図の１５は取付板１
１をドアの下部に固定するビスである。

従つて、この防火ドアでは、ドアの下端と下枠
の隙間はローラ７により遮へいされ、ドアを開閉
しても、床面、及び下枠面に対しては、ローラ７
はその長さが分割されているので、抵抗なく動か
される。また、床面レベルに歪や凹凸があつて
も、ローラ７はスライドフレームごと上下に移動
できるので、円滑に開閉される。さらに従来のド
アの構造では、第６図に示すようにドア１の下端
と下枠２との間にすき間ｃを設け、そこから新聞
等を挿入していたが、本考案のものでは床面のす
き間より新聞を挿入しても、スライドフレームと
共にローラ７は上に押し上げられるので、新聞の
挿入ができる。

それ故、本考案によれば、ドアの下端と下枠と
の間はローラによつて閉じられているので気密
性、遮音性、防火性にすぐれていると共に、下枠
には戸じやくりなどのように歩行の障害となる物
は設けないので、避難時につまづくことはない。
そして、床面から新聞等の挿入も可能であり、ホ
テル客室用のドアとして好適に用いることができ
る。さらに、床面にレベル誤差が在つてもドアの
開閉は円滑になされる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による防火ドアの概路を示す縦
断面図、第２図はその正面図、第３図は本考案の
一例による防火ドアの下部の縦断面図、第４図は
第３図の線Ａ−Ａに沿つて取つた断面図、第５図
は本考案の他の実施例を示す第３図に類以の断面
図、そして第６図は従来の防火ドアの下部の縦断
面図である。 図中、１……ドア、２……下枠、５……下框、
６……スライドフレーム、７……ローラ、９……
長孔、１０……スライドピン、１２……ガイドピ
ン、１３……ばね、１４……下枠の凹部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ドアの下框内に上下に摺動自在に取付けられ
   たスライドフレームと、ドア下端のすき間をふ
   さぐため下枠に接するように前記スライドフレ
   ームにシヤフトにより取付けられたローラを含
   み、前記シヤフトは前記ローラを貫通し、前記
   ローラは前記シヤフトの軸線に沿つて適当数に
   分割され、該分割されたローラは互に隙間なく
   取付けられて全体としてドアの幅にほぼ等しい
   長さになつていることを特徴とする防火ドア。 (2) 前記スライドフレームはその各端面に設けら
   れた上下に長い長孔に対し前記下框に固定され
   たスライドピンが係合することによつて前記下
   框に取付けられている実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の防火ドア。 (3) 前記スライドフレームの上板には上方に突出
   して前記下框の上板の孔を貫通する少なくも一
   対のガイドピンが設けられ、前記ガイドピンの
   周囲で前記スライドフレームと前記下框の上板
   との間にはばねが設置されている実用新案登録
   請求の範囲第１項記載の防火ドア。