JPS6349439Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、主推進器の放出エネルギーを適確
に回収し、かつ舵の機能をもはたす船舶における
アクテイブラダー兼船尾スラスター装置に関する
ものである。

従来船舶の主推進器特にスクリユープロペラに
おいては、推力のほか回転流も伴うが、この回転
流は船舶の推進力として機能せず、無駄に消費し
ていた。

また、港内での操船にはバウスラスター、スタ
ンスラスターを別途に装備し、設備コスト的に高
価なものとなつていた。この考案は、前述の問題
点を解決するため考案されたもので、主推進器の
後方に、プロペラとストラツト付のコルトノズル
を軸を介して取付け、該コルトノズルのプロペラ
部と船内の発電機兼モータとを連結し、該コルト
ノズルを水平回動させる如くなしたことに特徴を
有するものである。

次に、この考案を実施例とともに図面を参照し
ながら説明する。図面において、１は船体の船
尾、２は主推進器、３は主機、４は推進軸からな
る従来の構造で、この考案では、主推進器２の後
方にコルトノズル５が軸６に固着して設けられて
いる。軸６は船内の公知の操舵機構７に結合され
ていて、軸６の回動により、コルトノズル５が水
平方向に回動する如くなつている。コルトノズル
５には、ストラツト８がその中心にかつ径方向に
取付けられている。このストラツト８は、舵の役
目をし、このストラツト８内及び軸６の内部を径
由して操舵機構７上の発電機兼モータ１０の軸に
連結されている。

この考案は、以上の構成からなり、船舶が航行
時には、主推進器２の発生するエネルギーのうち
回転流がプロペラ９に作用し、プロペラ９を回転
させる。プロペラ９の回転力は軸６内を経由して
発電機１０を回転し、電気エネルギーとして変換
される。

また、船舶の舵の働きはコルトノズル５を所定
角水平回動させることによりコルトノズル５及び
ストラツト８が舵として働く。

さらに、港内にあつてサイドスラスターとして
機能させるときは、発電機兼モータ１０に船内よ
り電力を供給すると、モータとして機能し、プロ
ペラ９を回転させ、そのときコルトノズル５を所
定方向に向けておけば、その方向に推力が発生
し、サイドスラスターとしての機能が与えられ
る。

この考案は以上の通り、主推進器の無駄とされ
ていた回転エネルギーを効率良く回収し、さらに
サイドスラスターの働きもさせるもので、設備コ
スト的に安価な装備を提供し、省エネ時代にふさ
わしい考案である。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の全体を説明する概略側面
図。 １……船尾、２……主推進器、３……主機、４
……推進軸、５……コルトノズル、６……軸、７
……操舵機構、８……ストラツト、９……プロペ
ラ、１０……発電機兼モータ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主推進器の後方に、プロペラとストラツト付の
   コルトノズルを軸を介して取付け、該コルトノズ
   ルのプロペラ部と船内の発電機兼モータとを連結
   し、該コルトノズルを水平回動させる如くしてな
   る船舶におけるアクテイブラダー兼船尾スラスタ
   ー装置。