JPS6348354Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はナツトランナーソケツト装置に関し、
ソケツトへのナツトの自動挿入を容易，確実且つ
迅速に行えるよう企図したものである。

近年、ボルトナツトによる締付を自動化しよう
とするものも多く、例えば、自動車の車体に車輪
を自動的に取付ける車輪自動取付装置において
は、ナツトランナーソケツトに装着されたナツト
を所定の車輪取付ボルトに挿入し、ナツトランナ
ーで回転駆動して締付を行つている。このナツト
ランナーソケツトへのナツトの供給は、ナツトラ
ンナーに近接して設置されたナツト自動受渡し装
置によりなされるが、ナツト自動受渡し装置はナ
ツトを所定の位置に位置決めして待機すると共
に、エアシリンダで駆動されるプツシヤでナツト
ランナーソケツトに向つてナツトを押出してナツ
トランナーソケツト内にナツトを挿入する。ここ
で、ナツトランナーソケツトにナツトが挿入され
るには、ナツトランナーソケツト六角位相をナツ
ト六角位相に一致させなければならないが、従来
はナツト挿入時におけるナツトランナーソケツト
の回転角度位置が不定であるため、プツシヤによ
るナツトの押出時に同時にナツトランナーソケツ
ト側を低速で回転させることにより、挿入時にそ
の一致を行わせている。ところがこの場合、位相
が一致する前にナツトランナーソケツト端面にナ
ツトが強く押当てられたり、ナツトがナツトラン
ナーソケツトに引掛つて、ナツトがナツトランナ
ーソケツトと一緒に回転してしまういわゆるつれ
回りを起こすことがあり、こうなるとナツトの自
動挿入ができないばかりでなく、ナツトの回転に
よりプツシヤが摩耗するという欠点があつた。

本考案は上記の従来の欠点を解消するもので、
ナツトランナーソケツトへのナツトの自動挿入を
行う際、ナツトランナーソケツトのナツト挿入角
穴の回転角度位置を予めナツトに合わせておくこ
とにより、ナツトの自動挿入を容易且つ確実に、
しかも迅速に行えるナツトランナーソケツト装置
の提供を目的としている。かかる目的を達成する
ための本考案のナツトランナーソケツト装置の構
成は、基端をナツトランナーの駆動軸に連結され
先端にナツトの挿入される角穴が形成されたナツ
トランナーソケツトと、前記ナツトランナーソケ
ツトにその回転軸と直交する方向に取付けられた
ピンに該ピンの軸回りに回動自在に支持されたラ
チエツトコマと、前記ラチエツトコマに隣接して
配設されると共に前記ナツトランナーソケツトを
逆転させたときに該ラチエツトコマと係合して該
ナツトランナーソケツトを所定の回転角度位置で
固定する係止溝を有するブツシユと、前記ラチエ
ツトコマを前記ブツシユに圧接するばねとを具え
たことを特徴とする。

以下本考案の一実施例を図面により詳細に説明
する。第１図に示すように、ナツトランナー１は
図示しない移動機構に支持されたナツトランナー
固定板２に取付けられ、その角棒状の回転駆動軸
３を前部に突出させている。ナツトランナー１の
前方にはナツトランナー固定板２に固定支持され
たプレート４が配設され、プレート４には駆動軸
３の延長線上に円形孔が穿設され、そこにブツシ
ユ５が固着されると共に、ブツシユ５にメタル６
を介してナツトランナーソケツト７を回動自在且
つ軸方向摺動自在に支持する。ナツトランナーソ
ケツト７のナツトランナー１側の基端には角形穴
７ａが形成され、その角形穴７ａにナツトランナ
ー１の駆動軸３を互いに回動不能且つ軸方向摺動
自在に挿入し、またナツトランナー１とナツトラ
ンナーソケツト７との間に圧縮コイルばね８を装
着してナツトランナーソケツト７を前方に付勢す
る。

一方、ナツトランナーソケツト７の前記ブツシ
ユ５に隣接したナツトランナー１側にピン９をナ
ツトランナーソケツト７の軸と直交する方向に貫
通して取付け、ピン９の両端部にそれぞれメタル
１０を介してラチエツトコマ１１をこのピン９の
軸回りに回動自在に取付ける。そして、ナツトラ
ンナーソケツト７にピン押え１２をナツトランナ
ー１側から挿嵌してナツトランナーソケツト７外
周の突出部７ｂに当接させて止めリング１３で固
定することにより、ピン９及びラチエツトコマ１
１を保持している。また、１４はスペーサであ
る。

ラチエツトコマ１１は、第２図に示すように、
その外周部にナツトランナーソケツト７の突出部
７ｂに当接して一方向の回動が阻止される係合部
１１ａと、前記ブツシユ５側に突出した爪部１１
ｂとを有しており、前記圧縮コイルばね８により
ブツシユ５に圧接されている。一方、ブツシユ５
のラチエツトコマ１１に対向する側面には、第３
図に示すように、円周６等分割した位置にそれぞ
れラチエツトコマ１１の爪部１１ｂの嵌入し得る
断面三角状の係止溝５ａを形成し、ナツトランナ
ーソケツト７を正転方向（ナツトを締める方向）
に回転させるときはラチエツトコマ１１が第２図
で反時計方向に回動してナツトランナーソケツト
７の回転を可能とすると共に、反対に逆転方向に
回転させるときはラチエツトコマ１１の爪部１１
ｂがブツシユ５の係止溝５ａの一つに嵌入し且つ
係合部１１ａがナツトランナーソケツト７の突出
部７ｂに当接してナツトランナーソケツト７の回
転角度位置が固定されるようにする。

ナツトランナーソケツト７の先端部には六角ナ
ツトの挿入される六角穴７ｃを形成している。こ
こで、前記ブツシユ５にラチエツトコマ１１が嵌
入してナツトランナーソケツト７の回転角度位置
が固定されたとき、六角穴７ｃの六角位相がナツ
ト自動受渡し装置（図示せず）に保持されたナツ
トの六角位相と合致するようにブツシユ５の係止
溝５ａの位置、ラチエツトコマ１１の取付位置等
が選択されている。また、六角穴７ｃにはナツト
の脱落を防止するために、第５図に示すように、
その三側面にそれぞれ円柱形の永久磁石１５を埋
め込んで接着剤で固定し、さらにその外周に板ば
ねよりなるバンド１６を装着している。

このような構成において、ナツトランナーソケ
ツト７にナツトを挿入するときは、ナツトランナ
ー１によりナツトランナーソケツト７を逆転させ
ると、６分の１回転未満でラチエツトコマ１１の
爪部１１ｂがブツシユ５の係止溝５ａに嵌入して
ナツトランナーソケツト７のナツト転させると、
ナツト自動受渡し装置のナツトと適合した所定の
回転角度位置にナツト挿入角穴が固定されるの
で、ナツト挿入時はナツト自動受渡し装置で単に
ナツトを押出すだけでよく、容易且つ確実しかも
迅速にナツト挿入を行うことができる。また、本
願によれば、構造を簡単とすることができ、特別
な駆動源も必要としないので、小形化、低製造コ
スト化が図れ、またメンテナンスも容易である。
さらに、ナツト挿入時にナツトを回転させること
がないので、すべりによるプツシヤの摩耗を防止
することができる。一方、ナツト挿入が容易にな
るため、ナツト挿入角穴部に従来行つていた手仕
上加工が不要となり、コスト低減が図れる等種々
の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例に係り、第１図は側方
から見た断面図、第２図は上部から見た要部断面
図、第３図ａは第２図の−断面図、第３図ｂ
はその側面図、第４図は第１図の−断面図、
第５図ａはナツトランナーソケツト先端部の拡大
断面図、第５図ｂはその正面図である。 図面中、１はナツトランナー、３は駆動軸、５
はブツシユ、５ａは係止溝、７はナツトランナー
ソケツト、７ｃはナツト挿入角穴、８は圧縮コイ
ルばね、１１はラチエツトコマである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基端をナツトランナー１の駆動軸３に連結され
   先端にナツトの挿入される角穴７ｃが形成された
   ナツトランナーソケツト７と、前記ナツトランナ
   ーソケツト７にその回転軸と直交する方向に取付
   けられたピン９に該ピン９の軸回りに回動自在に
   支持されたラチエツトコマ１１と、前記ラチエツ
   トコマ１１に隣接して配設されると共に前記ナツ
   トランナーソケツト７を逆転させたときに該ラチ
   エツトコマ１１と係合して該ナツトランナーソケ
   ツト７を所定の回転角度位置で固定する係止溝５
   ａを有するブツシユ５と、前記ラチエツトコマ１
   １を前記ブツシユ５に圧接するばね８とを具えた
   ことを特徴とするナツトランナーソケツト装置。