JPS6348132B2 - - Google Patents
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- Publication number
- JPS6348132B2 JPS6348132B2 JP58113084A JP11308483A JPS6348132B2 JP S6348132 B2 JPS6348132 B2 JP S6348132B2 JP 58113084 A JP58113084 A JP 58113084A JP 11308483 A JP11308483 A JP 11308483A JP S6348132 B2 JPS6348132 B2 JP S6348132B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mol
- dielectric
- present
- oxide
- dielectric constant
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
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- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
- Ceramic Capacitors (AREA)
- Inorganic Insulating Materials (AREA)
Description
産業上の利用分野
本発明は酸化バリウム(BaO)、酸化チタン
(TiO2)、酸化サマリウム(Sm2O3)および酸化
ジルコニウム(ZrO2)の成分で構成される高周
波用誘電体磁器組成物に関するものである。 従来例の構成とその問題点 近年、波長が数センチメートル以下のマイクロ
波やミリ波(以下、これらをマイクロ波と総称す
る)を取扱う高周波回路技術の進展にともないこ
の回路を小形化することが積極的に進められてい
る。これまでは、この高周波回路には空胴共振
器、アンテナなどが使用されてきたがこれらの大
きさはマイクロ波の波長と同程度になるため小形
化に対する障害となつていた。これを解決するた
めに誘電率の大きい誘電体磁器を使用することに
よつて波長そのものを短縮する方法がとられてき
た。このような用途に適する材料としてはTiO2
系のものがよく使用され、たとえばTiO2−ZrO2
−SnO2系、CaTiO3−MgTiO3−La2O3−2TiO2
系、最近ではBa(Zn1/3Ta2/3)O3−Ba(Zn1/3
Nb2/3)O3系などの誘電体磁器が知られている。
しかしながら、これらの材料で誘電体共振器を作
つた場合には比誘電率が30程度と低いため、たと
えば共振周波数が約11GHzのX帯の誘電体共振器
ではεr=30の材料を使用した場合には直径5.6mm、
厚さ2.2mm程度の小さなユニツトになるが、周波
数が下つて2GHz程度のUHF帯での使用となると
同じεr=30の材料のときには直径30.7mm、厚さ
12.3mm程度と形状が著しく大きくなる。ここで使
用する材料の比誘電率が80程度に大きくできれば
その大きさは直径18.8mm、厚さ7.5mm程度と小形
化することができるが、従来の材料ではこのよう
な要求を満足させることはできなかつた。 発明の目的 本発明は上記の欠点を改善するためになされた
ものであり、比誘電率と無負荷Qの向上と共振周
波数の温度係数が安定した値をもち、用途に応じ
てこの温度係数を広範囲に変化させうる誘電体磁
器を提供することを目的とするものである。 発明の構成 発明者らは前記の要望をみたす材料について
種々検討した結果、xBaO−yTiO2−zSm2O3で
表わされる組成において、5≦x≦23(モル%)、
57≦y≦82.5(モル%)、2.5≦z≦37.5(モル%)、
x+y+z=100(モル%)の範囲にある主成分に
対してZrO2が5重量%以下添加含有されている
組成の磁器がすぐれた高周波用誘電体磁器になる
ことを見出した。 実施例の説明 出発原料には化学的に高純度のBaCO3、TiO2、
Sm2O3およびZrO2を所定の組成になるよう秤量
しめのうボールを備えたゴム内張りのボールミル
で純水とともに湿式混合した。この混合物をボー
ルミルからとり出して乾燥したのち、空気中にお
いて900℃の温度で2時間仮焼した。仮焼物は純
水とともに前記のボールミル中で湿式粉砕した。
粉砕泥しようを脱水乾燥したのち、粉末にバイン
ダとして濃度3%のポリビニールアルコール溶液
を8重量%添加して均質とし、さらに32メツシユ
のふるいを通して整粒した。整粒粉体は金型と油
圧プレスを用いて成形圧力800Kg/cm2で直径20mm、
厚さ約8mmの円板に成形した。成形体は高純度の
アルミナさや鉢の中に入れ、組成に応じて空気中
において1220〜1550℃の範囲内の温度で2時間保
持して焼成し、表に示す配合組成の誘電体磁器を
得た。この磁器素子を使用して誘電体共振器法に
よる測定から共振周波数と無負荷Qと比誘電率を
求めた。共振周波数の温度依存性は−30℃から70
℃の範囲で測定し温度係数τを求めた。共振周波
数は2〜4GHzであつた。これらの得られた実験
結果を表に示す。なお、表において*印した試料
は本発明の範囲外の比較例であり、これ以外の試
料が本発明の範囲内の実施例である。
(TiO2)、酸化サマリウム(Sm2O3)および酸化
ジルコニウム(ZrO2)の成分で構成される高周
波用誘電体磁器組成物に関するものである。 従来例の構成とその問題点 近年、波長が数センチメートル以下のマイクロ
波やミリ波(以下、これらをマイクロ波と総称す
る)を取扱う高周波回路技術の進展にともないこ
の回路を小形化することが積極的に進められてい
る。これまでは、この高周波回路には空胴共振
器、アンテナなどが使用されてきたがこれらの大
きさはマイクロ波の波長と同程度になるため小形
化に対する障害となつていた。これを解決するた
めに誘電率の大きい誘電体磁器を使用することに
よつて波長そのものを短縮する方法がとられてき
た。このような用途に適する材料としてはTiO2
系のものがよく使用され、たとえばTiO2−ZrO2
−SnO2系、CaTiO3−MgTiO3−La2O3−2TiO2
系、最近ではBa(Zn1/3Ta2/3)O3−Ba(Zn1/3
Nb2/3)O3系などの誘電体磁器が知られている。
しかしながら、これらの材料で誘電体共振器を作
つた場合には比誘電率が30程度と低いため、たと
えば共振周波数が約11GHzのX帯の誘電体共振器
ではεr=30の材料を使用した場合には直径5.6mm、
厚さ2.2mm程度の小さなユニツトになるが、周波
数が下つて2GHz程度のUHF帯での使用となると
同じεr=30の材料のときには直径30.7mm、厚さ
12.3mm程度と形状が著しく大きくなる。ここで使
用する材料の比誘電率が80程度に大きくできれば
その大きさは直径18.8mm、厚さ7.5mm程度と小形
化することができるが、従来の材料ではこのよう
な要求を満足させることはできなかつた。 発明の目的 本発明は上記の欠点を改善するためになされた
ものであり、比誘電率と無負荷Qの向上と共振周
波数の温度係数が安定した値をもち、用途に応じ
てこの温度係数を広範囲に変化させうる誘電体磁
器を提供することを目的とするものである。 発明の構成 発明者らは前記の要望をみたす材料について
種々検討した結果、xBaO−yTiO2−zSm2O3で
表わされる組成において、5≦x≦23(モル%)、
57≦y≦82.5(モル%)、2.5≦z≦37.5(モル%)、
x+y+z=100(モル%)の範囲にある主成分に
対してZrO2が5重量%以下添加含有されている
組成の磁器がすぐれた高周波用誘電体磁器になる
ことを見出した。 実施例の説明 出発原料には化学的に高純度のBaCO3、TiO2、
Sm2O3およびZrO2を所定の組成になるよう秤量
しめのうボールを備えたゴム内張りのボールミル
で純水とともに湿式混合した。この混合物をボー
ルミルからとり出して乾燥したのち、空気中にお
いて900℃の温度で2時間仮焼した。仮焼物は純
水とともに前記のボールミル中で湿式粉砕した。
粉砕泥しようを脱水乾燥したのち、粉末にバイン
ダとして濃度3%のポリビニールアルコール溶液
を8重量%添加して均質とし、さらに32メツシユ
のふるいを通して整粒した。整粒粉体は金型と油
圧プレスを用いて成形圧力800Kg/cm2で直径20mm、
厚さ約8mmの円板に成形した。成形体は高純度の
アルミナさや鉢の中に入れ、組成に応じて空気中
において1220〜1550℃の範囲内の温度で2時間保
持して焼成し、表に示す配合組成の誘電体磁器を
得た。この磁器素子を使用して誘電体共振器法に
よる測定から共振周波数と無負荷Qと比誘電率を
求めた。共振周波数の温度依存性は−30℃から70
℃の範囲で測定し温度係数τを求めた。共振周波
数は2〜4GHzであつた。これらの得られた実験
結果を表に示す。なお、表において*印した試料
は本発明の範囲外の比較例であり、これ以外の試
料が本発明の範囲内の実施例である。
【表】
* 本発明範囲外の比較例
表から明らかなように、本発明の範囲内の誘電
体磁器は比誘電率を大きく保ちながら無負荷Qを
大きくすることができる。また、安定した共振周
波数の温度特性を示すので本発明の誘電体磁器は
発振器や共振器などの温度依存性を安定化するの
に有用であり、さらに比誘電率が大きいことから
UHF帯での使用に適し、小形で高性能の電子回
路部品を作ることができる。 主成分組成の範囲を限定した理由を説明する
と、BaO量(x)が23モル%より多かつたりあ
るいはTiO2量(y)が57モル%より少なかつた
りあるいはSm2O3量(z)が2.5モル%より少な
かつたりすると磁器の焼結が困難となり、無負荷
Qが低下して測定不能となるために、本発明の範
囲から除かれる。また、xが5モル%より少なか
つたりあるいはzが37.5モル%より多かつたりす
ると磁器の焼結が不安定となるとともに無負荷Q
が低下して測定不能となり、また、yが82.5モル
%より多くなると、磁器の焼結が不安定となると
ともに温度特性の変化が著しく大きくなるため
に、本発明の範囲から除かれる。 また、副成分のZrO2の添加量については、添
加量の増加とともに磁器の焼結温度を低下するこ
とができるとともに無負荷Qを大きくすることが
でき、また温度特性を変化させることができる
が、5重量%を越えて添加すると比誘電率と無負
荷Qの低下が著しくなるために本発明の範囲から
除かれる。 発明の効果 本発明の誘電体磁器組成物はマイクロ波周波数
帯において比誘電率が大きく、無負荷Qが大き
く、さらに共振周波数の温度係数が安定した値を
示すので発振器や共振器などの温度依存性を安定
化するのに有用である。また、比誘電率が大きい
ことからUHF帯での使用に適し、小形で高性能
の電子回路部品を作ることができる。さらに、材
料の組成を変えることによつて所望の共振周波数
の温度係数を選らぶことができるので、誘電体共
振器を組立てたとき周囲の金属板による温度特性
におよぼす影響をなくする温度補償作用をもたせ
ることができる。また、本発明の誘電体磁器組成
物は誘電体共振器のみならず、マイクロ波用の基
板や誘電体調整棒などの用途にも有用な素材を提
供することができ、工業的に利用価直の大きいも
のである。
表から明らかなように、本発明の範囲内の誘電
体磁器は比誘電率を大きく保ちながら無負荷Qを
大きくすることができる。また、安定した共振周
波数の温度特性を示すので本発明の誘電体磁器は
発振器や共振器などの温度依存性を安定化するの
に有用であり、さらに比誘電率が大きいことから
UHF帯での使用に適し、小形で高性能の電子回
路部品を作ることができる。 主成分組成の範囲を限定した理由を説明する
と、BaO量(x)が23モル%より多かつたりあ
るいはTiO2量(y)が57モル%より少なかつた
りあるいはSm2O3量(z)が2.5モル%より少な
かつたりすると磁器の焼結が困難となり、無負荷
Qが低下して測定不能となるために、本発明の範
囲から除かれる。また、xが5モル%より少なか
つたりあるいはzが37.5モル%より多かつたりす
ると磁器の焼結が不安定となるとともに無負荷Q
が低下して測定不能となり、また、yが82.5モル
%より多くなると、磁器の焼結が不安定となると
ともに温度特性の変化が著しく大きくなるため
に、本発明の範囲から除かれる。 また、副成分のZrO2の添加量については、添
加量の増加とともに磁器の焼結温度を低下するこ
とができるとともに無負荷Qを大きくすることが
でき、また温度特性を変化させることができる
が、5重量%を越えて添加すると比誘電率と無負
荷Qの低下が著しくなるために本発明の範囲から
除かれる。 発明の効果 本発明の誘電体磁器組成物はマイクロ波周波数
帯において比誘電率が大きく、無負荷Qが大き
く、さらに共振周波数の温度係数が安定した値を
示すので発振器や共振器などの温度依存性を安定
化するのに有用である。また、比誘電率が大きい
ことからUHF帯での使用に適し、小形で高性能
の電子回路部品を作ることができる。さらに、材
料の組成を変えることによつて所望の共振周波数
の温度係数を選らぶことができるので、誘電体共
振器を組立てたとき周囲の金属板による温度特性
におよぼす影響をなくする温度補償作用をもたせ
ることができる。また、本発明の誘電体磁器組成
物は誘電体共振器のみならず、マイクロ波用の基
板や誘電体調整棒などの用途にも有用な素材を提
供することができ、工業的に利用価直の大きいも
のである。
Claims (1)
- 1 酸化バリウムと酸化チタンと酸化サマリウム
と酸化すずからなる誘電体磁器で、その主成分組
成式をxBaO−yTiO2−zSm2O3と表わしたとき、
x、y、zが5≦x≦23(モル%)、57≦y≦82.5
(モル%)、2.5≦z≦37.5(モル%)、x+y+z
=100(モル%)の範囲にあり、この主成分に対し
てZrO2が5重量%以下添加含有されていること
を特徴とする誘電体磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11308483A JPS603801A (ja) | 1983-06-22 | 1983-06-22 | 誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11308483A JPS603801A (ja) | 1983-06-22 | 1983-06-22 | 誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS603801A JPS603801A (ja) | 1985-01-10 |
JPS6348132B2 true JPS6348132B2 (ja) | 1988-09-27 |
Family
ID=14603072
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11308483A Granted JPS603801A (ja) | 1983-06-22 | 1983-06-22 | 誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS603801A (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR960006230B1 (ko) * | 1991-08-09 | 1996-05-11 | 티디케이 가부시끼가이샤 | 고주파 유전체 재료와 공진기 및 그 제조방법 |
JP3840869B2 (ja) | 1999-10-28 | 2006-11-01 | 株式会社村田製作所 | 高周波用誘電体磁器組成物、誘電体共振器、誘電体フィルタ、誘電体デュプレクサおよび通信機装置 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6053408B2 (ja) * | 1978-03-23 | 1985-11-26 | ニチコン株式会社 | 還元型半導体磁器組成物 |
JPS5937526B2 (ja) * | 1980-07-01 | 1984-09-10 | 松下電器産業株式会社 | 誘電体磁組成物 |
-
1983
- 1983-06-22 JP JP11308483A patent/JPS603801A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS603801A (ja) | 1985-01-10 |