JPS634784Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は出窓の前面窓部が横断面円弧状に形成
された円弧形出窓用の雨戸装置の改良に関する。

出窓の前面窓部を横断面円弧状に形成すれば外
観上の体裁が良くなり、このような円弧形出窓に
雨戸を装置するには前面窓部に沿つて同円弧状の
雨戸用レールを設けてこのレールに横断面が該レ
ールと同曲率の円弧状となるような雨戸を摺動可
能に嵌合させるようにすれば最も理想的な雨戸装
置となる。ところが雨戸を横断面円弧状に形成す
ることは非常に高価となるため、実用性に乏しく
一般に使用され難い。そこで安価に雨戸を円弧形
出窓に装置するには円弧状レールに横断面直線状
雨戸を嵌合させるようにすればよいが、これだけ
ではレールに対する雨戸の摺動性が良くないので
この摺動性を改善する必要がある。

本考案は上記に鑑み、円弧形出窓に雨戸を安価
に装置できると共にレールに対する雨戸の摺動性
を良好ならしめた雨戸装置を提供することを目的
としたもので、以下本考案の一実施例を図面に基
いて説明する。

第１図〜第３図において１は窓外方に突出した
横断面円弧状の出窓用窓枠で、円弧状の上枠２及
び下枠３と左右両側の方立４，４とから構成さ
れ、この窓枠１の中央部に横断面円弧状の固定窓
障子５が嵌め殺し式に嵌装され、この窓障子５の
両側に可動窓障子６，６が上下の障子用レール７
ａ，７ｂを介して引違い式に嵌装され、更に可動
障子６，６の裏面側即ち室内側に網戸８，８が嵌
装されており、而して窓枠１とこれに嵌装された
窓障子５，６，６及び網戸８，８とにより出窓の
前面窓部が構成される。尚、窓障子５，６は窓枠
１の上枠２及び下枠３と同じ曲率の円弧状に形成
されている。第２図、第３図で明らかなように窓
枠１を構成する上枠２及び下枠３の室外側縁部に
沿つて縦断面コ字状の凹型雨戸用レール部９，１
０が上枠２及び下枠３と同じ曲率の円弧状に設け
られ、この凹型レール部９，１０にそのレール溝
巾より厚みの狭い横断面直線状、即ち通常の平板
状の雨戸１１が複数個嵌め込まれている。上記レ
ール部９，１０は上枠２及び下枠３と夫々一体に
形成することもできる。また上記上下の雨戸用レ
ール部９，１０の両端部は第２図に示すように所
謂出窓の袖部から漸次建屋１２の外壁１２ａに近
接するように延長され、この上下の雨戸用レール
部９，１０の延長部９ａ，１０ａに戸袋１３が適
宜形成される。

第４図、第５図で明らかなように、各雨戸１１
の室内側側面Ａにおける上下各端部の中央部位に
は所要厚みを有する摩擦係数の小さな矩形状案内
片１４が固着され、また該雨戸１１の四隅角部に
は所要厚みを有する摩擦係数の小さな横断面コ字
状案内片１５が該雨戸１１の室内側側面Ａ及び室
外側側面Ｂを挾持する如くして嵌着されている。
これらの案内片１４，１５は雨戸１１を上記凹型
の円弧状レール部９，１０に対し三点支持させる
ためのものであり、従つて案内片１５については
少なくとも雨戸１１の四隅角部における室外側稜
角部Ｃ，Ｃ，Ｃ，Ｃを覆う状態で突出するような
ものであればその形状は任意でよい。またこれら
の案内片１４，１５は摩擦係数の小さな材料、例
えばテフロン（商標名）で形成されている。

このような案内片１４，１５を有する雨戸１１
が上下の円弧状雨戸用レール部９，１０に嵌め込
まれると、第２図で明らかなように雨戸１１は上
下の円弧状レール部９，１０の夫々に対し室内側
に位置する矩形状の案内片１４と双方のコ字形案
内片１５，１５における室外側突出片部分１５
ａ，１５ａとの三点で接触することになり、而し
て雨戸１１はこの三点支持により上下の円弧状レ
ール部９，１０の夫々に沿つてスムーズに摺動で
きるわけである。

尚、第３図において１７は雨戸１１の下端部に
配備された雨戸ロツク用ピンであつて、雨戸閉止
位置においてレール部１０の底壁に設けた図外穴
に係入させるようにしてある。

また、上記実施例においては雨戸に案内片を固
定的に取付けているが、このような案内片に代
え、雨戸用レール部に対し転移可能な案内コロを
用いてもよく、その実施例を第６図イ，ロに示し
ている。この図によれば、例えば雨戸１１′下端
部の室内側中央部と室外側両稜角部に切欠凹部１
８，１９，１９を設けてこれらの凹部１８，１
９，１９に案内コロ２０，２１，２１を回転可能
に軸着し、これらの案内コロ２０，２１，２１を
凹型雨戸用レール部１０に対し三点支持させて転
接できるようにしたものである。

以上説明したように本考案の円弧形出窓用雨戸
装置は、横断面円弧状出窓用窓枠に沿つて該窓枠
と一体又は別体に同円弧状の雨戸用レール部を設
け、該雨戸用レール部に横断面直線状の雨戸を摺
動可能に嵌合すると共に該雨戸の室内側中央部と
稜角部と該雨戸の室外側両稜角部とに摩擦係数の
小さな案内片又は案内コロを突設しているので、
直線状の雨戸は円弧状レール部に摩擦係数の小さ
な案内片又は案内コロで三点支持されてがたつく
ことなく円滑に摺動することができる。従つて本
考案によれば円弧形の出窓に雨戸を安価に装備で
きると共に雨戸のレールに対する摺動性を良好な
らしめることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本考案の一実施例を示すもの
で、第１図は外観正面図、第２図は横断平面図、
第３図は縦断側面図、第４図は室内側から見た雨
戸の正面図、第５図は雨戸の要部拡大斜視図、第
６図イ，ロは他の実施例を示す要部斜視図及び横
断平面図である。 １……出窓用窓枠、９，１０……円弧状の雨戸
用レール部、１１……直線状雨戸、１４，１５…
…案内片、２１……案内コロ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横断面円弧状出窓用窓枠に沿つて該窓枠と一体
   又は別体に同円弧状の雨戸用レール部を設け、該
   雨戸用レール部に横断面直線状の雨戸を摺動可能
   に嵌合すると共に該雨戸の室内側中央部と該雨戸
   の室外側両稜角部とに摩擦係数の小さな案内片又
   は案内コロを突出させ、これら案内片又は案内コ
   ロの三点支持により雨戸を上記レール部に沿つて
   摺動させるようにした円弧形出窓用雨戸装置。