JPS6346782Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主として電線管等の配管施工時に壁
や天井面等の取付面に前記電線管等を取付固定す
る際に使用される配管固定装置であつて、詳しく
は、管周壁の一部を嵌合可能な円弧状凹部を各々
有するクランプ台と片サドルとを備え、前記両円
弧状凹部を互いに対向させる姿勢で管の周壁に嵌
合させて、前記片サドルの取付基板の下面を前記
クランプ台のサドル取付部の上面に対して固定す
るとともに、管軸芯に直交する方向の軸芯まわり
での前記クランプ台と前記片サドルとの相対揺動
を規制する嵌合部を、前記サドル取付部と前記取
付基板とに亘つて設けてある配管固定装置に関す
る。

冒記した配管固定装置は、円形の外周面を備え
た管を配管固定装置の取付面から浮上した姿勢で
固定する場合に、クランプ台と片サドルとの各々
に形成した円弧状凹部に管の周壁を嵌合して、円
弧状の広い接触面積を介して管を支持し、管の重
量並びに管に作用する外力を広い面積で受け止め
て、管を浮上状態で支持したときに管に生じる曲
げモーメントを極力少なくし、管の損傷を効果的
に防止するとともに、片サドルに特有の管軸芯に
直交する方向の軸芯まわりでの揺動を防止して、
管を長期に亘つて安定した姿勢で固定できる利点
があり、特に電線管のような比較的強度の低い管
を、製作上の制約から比較的厚肉に形成されてい
る鋳物製のスイツチボツクス管に接続しなければ
ならないときのように、取付面から浮上する姿勢
で配管する必要のある場合に有利である。

かかる利点を有する配管固定装置においては、
従来、配管固定装置の取付面から浮上せず、取付
面に接して配設される管に対して、クランプ台を
用いずに片サドルのみを使用して固定できるよう
な工夫が為されておらず、取付面に接して配設さ
れる管に対しては別途専用の配管固定装置を用い
る必要があつた。

即ち、冒記した配管固定装置における従来の片
サドルは、嵌合支持すべき管の径を考慮せずに取
付基板の下面位置が設定されていた為に、取付基
板の下面を取付面に接当させた状態における片サ
ドルの円弧状凹部の内周面と取付面との間隔が、
管の径と合致せず、取付面に接して配設されてい
る管に対して、片サドル単独で嵌合固定できなか
つたのである。

本考案は上記実状に鑑みて為されたものであつ
て、サドル取付部と取付基板とに亘つて設けられ
て、クランプ台と片サドルとの相対揺動を規制す
る嵌合部を有効利用して、壁面等の取付面に接し
て配設される管に対しても、片サドルのみを用い
て固定できる汎用性の高い配管固定装置を提供す
ることを目的とする。

上記目的を達成する為の本考案の特徴構成は、
冒記した配管固定装置において、前記取付基板の
下面と前記サドル取付部の上面とを互いに嵌合さ
せる凹凸面に形成して前記嵌合部を構成するとと
もに、前記取付基板の下面に形成する凹凸面の突
出頂部を含む面を一連の平面状に形成し、前記サ
ドル取付部に嵌合固定した状態での前記取付基板
の下面に形成される凹凸面の突出頂部を含む面が
前記クランプ台に形成されている円弧状凹部の円
弧面に接する位置に、前記取付基板の突出頂部を
形成してある点にあり、かかる構成から次の作用
効果を奏する。

即ち、取付基板に嵌合用の特別な突起部を連設
することなく、取付基板の下面とサドル取付部の
上面とを互いに嵌合する凹凸面に形成して、管軸
芯に直交する方向の軸芯まわりでのクランプ台と
片サドルとの相対揺動を規制する嵌合部を構成
し、取付基板の下面に形成される凹凸面の突出頂
部を含む面を一連の平面状に形成してあるから、
片サドルのみを壁面等の取付面に取付ける場合で
も、片サドルの取付基板の下面側が取付面に対し
て安定した姿勢で接当する状態で固定できる。

そして、この取付基板の下面に形成される凹凸
面の突出頂部を含む面がクランプ台に形成されて
いる円弧状凹部の円弧面に接するから、クランプ
台を用いないで、片サドルのみを取付面に固定し
ても、片サドルに形成した円弧状凹部の内周面と
取付面との間隔を管の径に合致させることができ
る。

従つて、壁面等の取付面に接して配設される管
に対しても、別途専用の配管固定装置を用いるこ
となく、片サドルのみを用いて固定することがで
き、汎用性の高い配管固定装置を提供できるに至
つた。

以下、本考案構成の実施例を図面に基づいて説
明する。

第１図について、８は鋳物製のスイツチボツク
スであつて、三方に管（電線管等）Ｐ用接続口８
ａを有する。この接続口８ａに、一側端を螺合さ
せた管Ｐを壁や天井面といつた取付面に取付固定
する配管固定装置Ａが使用される。この配管固定
装置Ａの構成を第１図乃至第３図に基づいて説明
すると、管周壁の一部を嵌合可能なを円弧状凹部
１を各々有するクランプ台２と片サドル３とを備
え、前記両円弧状凹部１を互いに対向させる姿勢
で管Ｐの周壁に嵌合させて、前記片サドル３の取
付基板４の下面７を前記クランプ台２のサドル取
付部５の上面６に対して固定するとともに、管軸
芯に直交する方向の軸芯まわりでの前記クランプ
台２と前記片サドル３との相対揺動を規制する嵌
合部を、前記サドル取付部５と前記取付基板４と
に亘つて設けてある。

前記嵌合部は、凹入部７ａを形成することで凹
凸面に形成される前記片サドル３の取付基板４の
下面７と、これに対応する突起部６ｂを形成する
ことで凹凸面に形成されるクランプ台２のサドル
取付部５の上面６とを締付け状態で互いに嵌合す
るようにして構成してあると共に、前記取付基板
４の前記凹入部７ａを形成する状態で立設されて
いる側辺部４ｂの、クランプ台２の上面６に接当
する突出頂部４ａを含む面を一連の平面状に形成
して、この突出頂部４ａを含む面と、クランプ台
２に形成した円弧状凹部１の最低部１ａとが同一
又はほぼ同一面内に位置するように構成してあ
る。前記クランプ台２の突起部６ｂと片サドル３
の取付基板４には長孔６ａ，４ｃが設けられ、も
つて載付けた管Ｐの側方方向で前記サドル３を位
置調整自在に構成する。

第４図のように、前記管Ｐを取付面に対して直
付取付が可能である場合には、前記サドル３のみ
で取付固定可能である。

第５図及び第６図は別実施例を示すもので、前
記凹入部７ａをクランプ台２側に形成してその上
面６を凹凸面に形成し、このクランプ台２に形成
した凹入部７ａに対して嵌入する突起部６ｂを片
サドル３の取付基板４に形成してその下面７を凹
凸面に形成し、これらの凹入部７ａと突起部６ｂ
とを締付け状態で互いに嵌合して相対姿勢を規制
する状態の嵌合部に構成してもよく、前記片サド
ル３の取付基板４に形成した突起部６ｂの突出頂
部４ａを含む面と前記クランプ台２の円弧状凹部
１の最低部１ａとが同一又はほぼ同一面内に位置
するように構成してある。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る配管固定装置の実施例を示
し、第１図は施工状態を示す斜視図、第２図は取
付状態を示す全体縦断側面図、第３図は第２図の
−線断面図、第４図は別使用例を示す全体側
面図、第５図及び第６図は夫々別実施例を示す分
解斜視図、取付状態を示す全体縦断側面図であ
る。 １……円弧状凹部、２……クランプ台、３……
片サドル、４……取付基板、４ａ……突出頂部、
５……サドル取付部、６……上面、７……下面、
Ｐ……管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 管周壁の一部を嵌合可能な円弧状凹部１を各々
   有するクランプ台２と片サドル３とを備え、前記
   両円弧状凹部１を互いに対向させる姿勢で管Ｐの
   周壁に嵌合させて、前記片サドル３の取付基板４
   の下面７を前記クランプ台２のサドル取付部５の
   上面６に対して固定するとともに、管軸芯に直交
   する方向の軸芯まわりでの前記クランプ台２と前
   記片サドル３との相対揺動を規制する嵌合部を、
   前記サドル取付部５と前記取付基板４とに亘つて
   設けてある配管固定装置において、前記取付基板
   ４の下面７と前記サドル取付部５の上面６とを互
   いに嵌合する凹凸面に形成して前記嵌合部を構成
   するとともに、前記取付基板４の下面７に形成さ
   れる凹凸面の突出頂部４ａを含む面を一連の平面
   状に形成し、前記サドル取付部５に嵌合固定した
   状態での前記取付基板４の下面７に形成される凹
   凸面の突出頂部４ａを含む面が前記クランプ台２
   に形成されている円弧状凹部１の円弧面に接する
   位置に、前記取付基板４の突出頂部４ａを形成し
   てあることを特徴とする配管固定装置。