JPS6346217Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は工作機械のテーブルの移動により露出
されるベツド側案内の防塵をするカバーに関する
ものである。

角テーブル形の工作機械では、テーブルの移動
によりベツド側案内面が露出するので、これに切
削屑などが入らないように防塵カバーを設けてい
る。この防塵カバーの従来例を第１図に示す。同
図のａはテーブルがベツドの中央（動きの中央）
の位置にある場合、ｂはテーブルが左のストロー
ク端に移動した場合を示している。両図におい
て、１はテーブル、２はテーブル１の両端に固定
された防塵カバー、３はテーブル側案内、４はベ
ツド側案内、５はベツド、６は転動ボールを示
す。

いま、ベツド側案内４の長さ（即ちベツド５の
長さと同じ）をＬ、テーブル１が左右に移動する
全ストローク長をＳとすると、防塵カバー２の長
さは少なくとも1/2Ｓ必要となる。実際はカバー
の材料厚さ、カバー余裕等を考慮した長さａを加
えた（1/2Ｓ＋ａ）だけ必要となるがａはＳに比
べて非常に小さいので、説明を簡単にするため省
略することにする。

第１図において、ベツド５の端からカバー２が
突き出る長さは、ａに示す場合は1/2Ｓ、ｂの場
合はＳとなる。第１図の従来例によるカバーの構
成は簡単であるが、カバー２がこのように長く突
き出ると、テーブルへの近寄り性が悪くなり、機
械の据付け面積が増大し、またカバーの重量増加
によるテーブル精度の悪化などの問題を生じる。

従来例として、第１図のほか、ジヤバラ式構造
のもの、テレスコ式（多段出し入れ式）構造のも
のなどがあるが、前者は構造が複雑で価格が高
く、かつ耐久性がなく、また後者も構造複雑で価
格が高く、かつ移動のための抵抗力及変動により
高精度の位置決めを行う場合には適さない。

本考案の目的は、比較的単純な構造で、テーブ
ルへの近寄り性を増し、高精度のテーブル運動及
び高精度の位置決めにも支障を生じないようにし
たテーブル防塵カバーを提供することにある。

本考案の防塵カバーの要点は、カバーの突出量
を少なくするため、主カバーと可動カバーよりな
る２枚構成のテレスコ形とし、またテレスコ形で
は動きがスムーズでないため、可動カバーに転動
ローラを設けてベツド上を軽く移動できるように
した。

以下、図面に例示した実施例により、本考案を
具体的に説明する。第２図は本考案の一実施例の
正面図を示し、同図ａはテーブルが動きの中央に
あるとき、ｂは左ストローク端にあるときを示
す。第３図ａは第２図の中央部横断面図同図ｂは
側面図、第４図は可動防塵カバーの斜視図、第５
図はテーブルが移動したときの主防塵カバーと、
可動防塵カバーとの関係を示し、そのａはテーブ
ルが中立位置にあるとき、ｂはテーブルが1/4Ｓ
だけ移動したとき、Ｃはテーブルが1/2Ｓだけ移
動したときを示す。同図において、１，３，４，
５，６は第１図のものとそれぞれ同一部分を示
す。７は主防塵カバーにして、テーブル１の移動
方向両端面にそれぞれ取付けられており、第１図
の防塵カバー２と異なる点は、長さがＳ／２から
１／４Ｓに短かくなつたこと、端面が第３図ｂに示
すごとく、下方向に突出する周縁７ａをもつ開口
部を形成していることである。８は可動防塵カバ
ーのカバー部であつて左右一対よりなり、それぞ
れ1/4Ｓの長さをもち、主防塵カバー７の端面の
開口部を出入できるような形状になつており、そ
の内側端には前記周縁７ａに係合しうる如く上方
に突出する突縁８ａを有している。９は連結部に
して、上記テーブル１の移動方向に長さ（Ｌ＋
Ｓ／４）にて形成され、両端部を上記左右のカバ
ー部８のテーブル１の移動と直角方向両端面に固
定され、これによつて該カバー部８とこれらの間
にあるテーブル側案内３、ベツド側案内４を覆つ
ている。また上記連結部９には上記ベツド５上を
転動するローラ１０とこのローラ１０を支持する
軸１１とを支承している。

上記の構成であるから、第５図ａに示す如くテ
ーブル１が中立位置にあるときには、テーブル１
の左側の主防塵カバー７よりカバー８が外方に突
出し、そのカバー８の先端部の突出位置はベツド
５の端部より1/2Ｓになつている。またテーブル
１の右側の主防塵カバー７とカバー８とは重合
し、これらの先端部はベツド５の端部より1/4Ｓ
になつている。この状態から第５図ｂに示す如く
テーブル１が左方向に1/4Ｓだけ移動すると、カ
バー８は停止して第５図ａと同一位置を保持し、
左側の主防塵カバー７がカバー８に重合し、右側
の主防塵カバー７がカバー８上を1/4Ｓだけ移動
する。さらにテーブル１が第５図ｃに示す如く左
方向に1/4Ｓだけ移動すると、これに伴なつて右
側の主防塵カバー７の周縁７ａが右側のカバー８
の突縁８ａを介して２個のカバー８および連結部
９を同時に左方向に1/4Ｓだけ移動して右側のカ
バー８の先端部がベツド５の端部に達し同時に左
側のカバー８の先端部がベツド５の端部より3/4
Ｓだけ突出する。つぎにテーブル１が第５図ａ位
置から1/2Ｓだけ右方向に移動する場合には、テ
ーブル１の左側の主防塵カバー７の周縁７ａが左
側のカバー８の突縁８ａを介して、２個のカバー
８および連結部９を同時に右方向に移動する。即
ち主防塵カバー７およびカバー８が第５図ａに示
す関係を保持して距離Ｓ／２だけ移動し、左側の
カバー８の先端部がベツド５の端部に達し、同時
に右側のカバー８の先端部がベツド５の端部より
距離3/4Ｓだけ突出する。

このように本考案はベツド５の端から主防塵カ
バー７及び可動防塵カバーのカバー部８が突出す
る長さを見ると、第２図ａの場合では1/2Ｓ、ｂ
の場合では3/4Ｓであり、第１図の従来例に比べ
て1/4Ｓ短かくなる。しかも、本考案の可動防塵
カバー８はテーブル１の移動による周縁７ａと突
縁８ａの引掛かりにより移動するほか、手動によ
り都合のよい位置に移動でき、カバーの突出長を
必要最小長に調節することができるので、テーブ
ル１への近寄り性が良くなる。可動防塵カバー８
の移動は転動ローラ１０の作用により、軽くスム
ーズに行うことができる。またテーブル１に取付
けられた主防塵カバー７は長さ、重量共従来のも
のの約1/2になるので、高精度のテーブル運動及
び位置決めにも支障を生じない。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のテーブル防塵カバーの一例を示
す正面図、第２図は本考案の一実施例を示す正面
図、第３図はその横断面図及び側面図、第４図は
第２図の可動防塵カバーの斜視図、第５図はテー
ブル移動時の主防塵カバーと可動防塵カバーとの
関係を示す図である。 １……テーブル、４……ベツド側案内、５……
ベツド、７……主防塵カバー、７ａ……主防塵カ
バーの周縁、８……可動防塵カバー、８ａ……可
動防塵カバーの突縁、９……連結部、１０……転
動ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 工作機械のテーブルの下端面のテーブル側案内
   を移動自在に保持するベツド側案内をベツド上に
   設け、上記テーブルの移動により露出する上記ベ
   ツド側案内を防塵する工作機械用テーブル案内防
   塵カバーにおいて、前記テーブルの左右全ストロ
   ーク長をＳ、前記ベツド側案内の長さをＬとした
   とき、前記テーブルの移動側両端面にそれぞれ固
   定され、該テーブルの移動方向の長さをＳ／４に
   し、その先端部に下方向に突出する周縁をもち、
   その下方に開口部を形成した一対の主防塵カバー
   を設け、これら一対の主防塵カバーの端面開口部
   をそれぞれ出入可能に形成され、上記テーブルの
   移動方向の長さをＳ／４にし、その内側端に上記
   周縁と係合する如く上方向に突出する突縁を有す
   る一対の可動防塵カバーを設け、これら一対の可
   動防塵カバーのテーブルの移動と直角方向端面に
   両端部を固定して上記両案内の外側を覆う如く形
   成され、かつテーブルの移動方向の長さをＬ＋
   Ｓ／４にし、前記ベツド上を転動するローラ及び
   ローラ軸を保持する連結部を設けたことを特徴と
   する工作機械用テーブル案内防塵カバー。