JPS6345943B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、プリント型回路板の製造のような、
電気応用に使用するのにきわめて適当な物理的性
質と表面の外観との独特の組合せを有する新規な
押出型連続熱可塑性シート材料に関する。本発明
は、特に、回路板の製造に、又他の電気応用に使
用するのに適当な物理的性質と表面の外観との組
合せを有する押出型ポリアルキレンテレフタレー
トシート材料に関する。本発明は又、前述した押
出型シート材料の製造に使用するための方法及び
装置に関する。

ここで使用される場合、用語「シート材料」
は、一般的な意味で使用され、シートとフイルム
とを共に包含する。

常法では、プリント型回路板は、熱硬化性フエ
ノール系重合体及びエポキシ−ガラス系の積層型
シートから製造される。積層型フエノール系シー
トは、ダイ切断して所望の寸法及び形を有する電
気用成分（基質と称する）とする。次に電気回路
を基質につける。これらの基質が持たなければな
らないきわめて複雑な形のために、大量のスクラ
ツプが生じる。フエノール積層品及びエポキシ−
ガラス系は、回路板のような電気用成分中使用す
るのに本質的な物理的性質と表面の外観の必要な
組合せを有するが、フエノール積層品及びエポキ
シ−ガラス系は、その熱硬化性のために再生性で
はない。かくして回路板の製造の際これらの材料
を使用することは、望ましくない程大量の高価な
使用できないスクラツプを伴なう。

この問題への１アプローチは、充填型熱可塑性
重合体から射出成型回路板基質であつた。当業者
に周知のように、多数の充填型熱可塑性重合体、
並びに特にガラス充填型ポリエステル類、並びに
ポリアミド類は、電気応用のような、高温応用に
使用するのに必要な熱抵抗性、熱ひずみ温度、曲
げモジユラス、並びに可燃性の必要な組合せを有
する。然し、射出成型に伴なう大きな費用及び複
雑さによつて、射出成型基質は、打ち型のフエノ
ール積層品より回路板中使用するのにむしろ望ま
しくなくなつている。

充填型熱可塑性重合体の押出型シートから回路
板を製造することも示唆されている。押出は、充
填型熱可塑性シート材料を製造するための連続的
かつ比較的安価な方法であるという利点を有して
いる。然し、従来先行技術は、この目的に適当な
充填型熱可塑性重合体の押出型シートを開発する
ことができなかつた。先行技術の充填型、特にガ
ラス充填熱可塑性重合体の押出型シートの特に著
しい欠点は、この材料が非常にあらくかつ一様で
ない表面を有し、このことがその商業的用途、特
に回路板及び他の電気用成分中のその用途をきび
しく限定している。

この先行技術が充填型熱可塑性の満足な押出型
シートを開発することができないことは、充填型
ポリアルキレンテレフタレート組成物、特にガラ
ス充填ポリブチレンテレフタレート組成物に関し
て特に述べられている。当業者に周知のように、
米国特許第3764576；3801530；3873491；
3814725；3903042；4052356；4123415並びに
4124561号に記載されているもののような、ガラ
ス充填テレフタル酸ポリブチレン組成物は、物理
的性質の独特の組合せを有し、それによつてこれ
らの組成物が回路板基質として又他の電気応用に
おいて理想的に適当となつている。米国特許第
3742087及び3580964号は、充填型ポリブチレンテ
レフタレート組成物を押出してシート材料とする
ことができることを示唆しているが、このような
材料を得る先行技術の試みは、きわめて粗い・ロ
ーラーコースター表面を有する低溶融強度の商業
的に使用できない材料を生じている。押出型ポリ
ブチレンテレフタレートを得る先行技術の試み
は、事実成功しなかつたので、このような材料に
対する大きな需要にもかかわらず、押出型ガラス
強化ポリブチレンテレフタレートシート材料は、
現在市販されていない。

充填型熱可塑性シート材料を得る問題への他の
１アプローチは、米国特許第2950502及び3074114
号に開示されている。これらの特許の各々におい
て、充填剤材料と熱可塑性重合体との可塑化混合
物をカレンダーがけしてシートとし、次に加熱ロ
ールで得られたシートをみがくことによつて、充
填型熱可塑性シート材料が形成される。米国特許
第2950502号においては、シリコン化合物の層を
用いてみがき用ロールへのシートの粘着を防止す
る。然し、カレンダーがけを使用して熱可塑性重
合体とガラス繊維との混合物からシートを形成さ
せることは、押出と異なつて、実質的な量の望ま
しくないガラス繊維の破壊を生じるので、前記の
方法は、ガラス充填シート材料の生産に使用する
のに望ましくない。その上、米国特許第3074114
号の方法は、乾燥を要する重合体について使用す
るのに不適当であり、又非常に高いロール速度を
用いるのでよい表面の外観を得ることができな
い。これらの特許の各々は、基本的にはよい色と
型の区別を有する床張り用の損耗面を製造するこ
とに関し、電気用途に適当な充填型熱可塑性シー
トの製造に関するものではない。

米国特許第2061042号は又、押出装置のスクリ
ユーとシートダイとの間にブレーカープレートを
置いてセルロースエステルの流れ中圧力低下を生
じさせ、そして比較的一様なダイ圧を発生させる
ことによつて比較的一様な厚さを有する非充填型
セルロースエステルシート材料を形成させること
ができることを開示している。然し、先行技術は
尚、押出型・充填型熱可塑性シート材料の適当な
製法を開発しなければならない。

従つて、当該技術において電気応用中使用する
のに適当な押出型熱可塑性シート材料、並びに前
記の材料の適当な製法を開発する大きな必要が存
在する。

従つて、電気応用において使用するのに適当な
新規な連続・押出型・熱可塑性シート材料を提供
することが本発明の１目的である。

更に本発明の１目的は、電気応用において使用
するのに適当である結晶性熱可塑性重合体よりな
る新規な押出型シート材料を提供することであ
る。

本発明の特定の１目的は、電気応用において使
用するのに適当な新規な押出型ポリアルキレンテ
レフタレートシート材料を提供することである。

本発明の尚他の１目的は、前述したシート材料
の各々を製造するための方法及び装置を提供する
ことである。

前記及び他の目的を成就する際、本発明に従つ
て電気応用、並びによい表面の外観を有する充填
型材料が望ましい場合の他の応用において使用す
るのに適当な新規の押出型熱可塑性シート材料が
提供された。この材料は、、約５〜60重量％の強
化用充填剤材料を含有し、重合体富有表面を有
し、そして更に少なくとも15の光沢値及び約150
マイクロインチより小さい表面凹凸度を有する、
熱可塑性重合体の押出型シート材料よりなる。

第二の面においては、本発明は又、前述したシ
ート材料の製法を提供する。この方法は、約５〜
60重量％の強化用充填剤材料を含有する熱可塑性
重合体材料を溶融押出して連続薄層状溶融流と
し、該薄層状溶融流を熱・高みがき面（hot、
highly polished surface）に運び、次に約200〓
から熱・高みがき面に熱可塑性重合体が粘着する
温度付近までの温度において、又充填剤材料を溶
融流の表面から後退させそして平滑・光沢性・重
合体富有面を有する連続充填型熱可塑性シート材
料を得るのに十分な圧力において、溶融流を熱・
高みがき面と接触させることよりなる。

本発明の他の実施態様においては、熱可塑性重
合体流（stream）が、押出の方向に実質的に配
向型の流れ及びその進入点において低下した軸回
転性の流れを有するような条件下に充填型熱可塑
性重合体をシートダイ中に押出することによつて
表面の外観の改善が更に得られる。熱・高みがき
面としてその間にローラー間げきを囲む加圧ロー
ル系を利用し、次に充填型熱可塑性重合体の溶融
ため（melt reservoir）がロール間げきから上流
にであるがその位置の近くに保たれるような条件
下に充填型熱可塑性重合体をロール間げきを通し
て送ることによつて、シートの質を更に改善する
ことができる。

本発明によれば又、本発明中使用するための装
置が提供される。この装置は、スクリユー押出
機；シートダイ；栓抜き様流れ（cork screw−
like flow）から、実質的に配向型の薄層状の流
れ（oriented laminar flow）に熱可塑性重合体
の流れを変換するシートダイ；並びに加熱・高み
がき加圧ロール系よりなる。

更に１実施態様においては、本発明は又、充填
型熱可塑性シート材料の押出において使用するた
めのブレーカープレートを提供する。このプレー
カープレートは、プレートを通過する熱可塑性重
合体の流れを徐々に集め（converge）そしてそ
の中の充填剤材料を配列（align）する複数の間
隔を置いた複数の穴（port）を有する堅いプレー
トよりなる。

本発明の発明思想を通して、充填型シート材料
の物理的性質、並びに非充填型シート材料と殆ん
ど同じよい表面外観を有する新規の押出型熱可塑
性シート材料を得ることができる。その上、本発
明の新規なシート材料は、同じ厚さの成型試料に
比して改善された絶縁耐力を示し、かくして電気
応用に使用するのにきわめて適当である。

本シート材料は、シート材料をつくるのに都合
のよい、当該技術熟練者に周知の熱可塑性材料の
いずれからなつていてもよい。本発明の特に有利
な用途は、従来押出するのがきわめて困難であつ
たポリアルキレンテレフタレート及びポリアミド
類のような結晶性熱可塑性重合体から新規・良
質・押出型シート材料の製造の際である。商業的
に使用できる押出型ポリアルキレンテレフタレー
ト、特にポリブチレンテレフタレートシート材料
は、その独特の物理的性質の組合せのためにきわ
めて望ましいので、本発明はかくして、その更に
好適な１面においては、新規の充填型ポリアルキ
レンテレフタレートシート材料及びその製法を提
供する。この材料は、ポリブチレンテレフタレー
トのような、ポリアルキレンテレフタレート単独
重合体及び共重合体、それらの混合物、並びに少
量（minor amount）の他の熱可塑性重合体との
それらの混合物よりなる群から選択されるポリア
ルキレンテレフタレート重合体の、約５〜60重量
％の強化用充填剤（reinforcing filler）材料を含
有する、重合体富有表面、少なくとも15の光沢
値、並びに約150マイクロインチより小さい表面
凹凸度を有する押出型シートよりなる。

本発明の他の目的、特徴、並びに利点は、添付
図面の図と関連して取られている、次の本発明の
詳細な説明から当該技術熟練者に明らかになる。
添付図面中： 第１図は、本発明の装置及び方法の断面図であ
る。

第２図は、本発明の押出型充填型シート材料の
好適な製法の、断面の、模式流れ図である。

第３Ａ図は、第１図の装置中用いられるブレー
カープレートの拡大端面図である。

第３Ｂ図は、第２Ａ図のブレーカープレートの
線２Ｂに沿つた断面図である。

第４Ａ図は、ブレーカープレートの第２の実施
態様の拡大端面図である。

第４Ｂ図は、第３Ａ図のブレーカープレートの
線３Ｂに沿つた断面図である。

第５Ａ図は、第１図の装置中用いられるブレー
カープレートの他の１実施態様の拡大断面図であ
る。

第５Ｂ図は、第４Ａ図のブレーカープレートの
線４Ｂに沿つた断面図である。

第６図は、本発明のシート材料の重合体富有
（polymer−rich）面を例示する、倍率500×で示
された、ガラス充填ポリ（テレフタル酸１，４−
ブチレン）の押出型シートの写真である。

第７図は、倍率200×で示された、ガラス繊維
を露出させるため割つた後の、第５図の押出型シ
ートの押出の方向に垂直の面に沿つた垂直断面の
写真である。

本発明は、押出型・充填型熱可塑性シート材料
を圧力及び高温下に高みがき面と接触させると、
シートの内部への充填剤材料の移動をおこし、そ
の上に平滑・光沢・重合体富有面を生じるという
発見を前提としている。充填型熱可塑性重合体を
押出してシートとし、次にその上に重合体富有面
を生じるのに十分な温度及び圧力下にシートを高
みがき面と接触させることにより、充填型シート
材料の物理的性質、非充填型シート材料と殆んど
同じよい表面の外観を有する新な押出型シート材
料を得ることができる。その上、その重合体富有
面の効果として、本押出型シート材料は、非重合
体富有面を有する常用の充填型シート材料と比較
して改善された絶縁耐力、電気的最終用途にきわ
めて望ましい特徴を有する。

充填剤材料をシートの表面から移動させる外
に、接触工程の間シート材料に加えられる熱及び
圧力は、熱可塑性重合体が安定なシートになるの
を助けるようにも思われる。テレフタル酸ポリブ
チレンのような、押出が困難である低溶融強度結
晶性熱可塑性重合体の製造の際この特徴は特に有
利であり、この重合体よりなる安定なスープふう
でない（non−soupy）シート材料を最初に製造
することを可能にする。

本発明の新規な押出型・充填型熱可塑性シート
材料は、シート材料をつくるのに都合がよい当該
技術熟練者に周知の熱可塑性重合体のいずれから
なつていてもよい。適当な熱可塑性重合体の例
は、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリ
オレフイン類、並びにそれらの共重合体、酸化ポ
リフエニレン重合体及び共重合体、ポリスチレ
ン、スチレン−アクリロニトリル重合体、スチレ
ン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体のよ
うなスチレン重合体及び共重合体、ポリアリール
エーテル重合体及び共重合体、ポリカルボネート
重合体、ポリウレタン重合体及び共重合体、塩化
ビニル、ポリテトラフロロエチレンのようなハロ
ゲン化ビニル重合体及び共重合体、並びにポリメ
タクリル酸メチルのようなアクリル系重合体を包
含する。

前述したように、本発明の新規な充填型シート
材料は、低溶離強度ポリエステル、ポリアミド、
並びにポリオキシメチレン重合体及び共重合体の
ような、従来押出してシートとすることが困難で
あつた熱可塑性重合体よりもなつていてよい。即
ち、以下更に詳細説明するように、本発明は、商
業的に使用可能な押出型ポリブチレンテレフタレ
ートシート材料を最初に提供する。本発明は新規
なシート材料を構成することができる他のこのよ
うな低溶融強度熱可塑性重合体の例は、ポリカプ
ロラクタム、ポリヘキサメチレンアジピン酸アミ
ド、ポリヘキサメチレンセバシン酸イミド、ポリ
ヘキサメチレンラウリン酸アミド、ポリ（１，２
−アミノラウリン酸）、並びにポリ（１，１−ア
ミノウンデカン酸）のようなポリアミド類；ポリ
ブチレンテレフタレート及びその共ポリエステル
類、テレフタル酸ポリエチレン、グリコール改質
テレフタル酸ポリエチレン、ポリ（テレフタル酸
１，４−シクロヘキサメチレン）及びそのグリコ
ール改質共ポリエステル類、ポリ（テレフタル酸
ブチレンテトラメチレンエーテル）のようなポリ
エステル類及びエトキシ化テトラブロホビスフエ
ノールＡ改質ポリブチレンテレフタレートのよう
なハロゲン化ポリエステル類；並びにポリオキシ
メチレン自体及びウイリング等、米国特許第
3027352号（この全体を参考文献として組入れる）
中に記載されているような種々のアセタール共重
合体のようなポリオキシメチレン重合体を包含す
る。本発明のシート材料は又、ペンタエリスリト
ールを基にする枝分れポリブチレンテレフタレー
ト重合体のような枝分れポリエステル類よりなつ
ていてよい。枝分れポリブチレンテレフタレート
重合体及びそれらの製造は、米国特許第3953404
号（この全体を参考文献として組入れる）に記載
されている。前記の重合体のいずれかの、互の
（例えば、ポリエチレンテレフタレートのポリブ
チレンテレフタレートとのブレンドのような）、
或いは他の熱可塑性重合体との（例えば、ポリア
ルキレンテレフタレートのポリカーボネートと
の）混合物も用いることができる。

本シート材料は又、約５〜60％、好適には20〜
45％（重量）の強化用充填剤材料を含有する。こ
こで使用される場合、用語「強化用充填剤材料」
は、非連続性充填剤材料を意味する。適当な強化
用充填剤の例は、ガラス繊維、アスベスト繊維、
セルロース繊維、炭素繊維、ポリテトラフロロエ
チレン繊維のような合成繊維、金属繊維、並びに
雲母、タルク、珪酸カルシウム、カーボンブラツ
ク、カオリン、チヤイナ・クレイ、金属粉末等の
ような他の充填剤材料を包含する。特に好適なシ
ート材料は、ガラス繊維及び前述した強化用繊維
及び（又は）追加の充填剤とのガラス繊維の組合
せで充填された前述した熱可塑性重合体の１種よ
りなる。

充填剤材料の特に魅力的な組合せは、組成物の
ドリツピングを遅延させるのに十分な量のポリテ
トラフロロエチレンとガラス繊維の組合せよりな
る。

ガラス繊維は、当該技術熟練者に周知のこれら
のガラス繊維よりなつていてもよい。適当なガラ
ス繊維が広く市販されており、いずれのこのよう
なガラス繊維も本発明中使用するのに適当であ
る。最後に電気的用途に用いられるべきシート材
料の場合には、Ｅ型ガラスとして知られている、
比較的ソーダを含まないホウ珪酸石灰−アルミニ
ウムガラスよりなる繊維状ガラスフイラメントを
使用することが好適である。電気的性質があまり
重大でない場合には、他の型のガラス繊維、例え
ばＣ型ガラス繊維を用いてもよい。

ガラス繊維は、水蒸気、空気ブローイング、焔
ブローイング、並びに機械プリングのような標準
法によつてつくられる。典型的には、ガラス繊磯
は、約0.00012〜0.00075インチの直径、並びに約
１／１６〜約２インチの長さを有する。ガラス繊維は
又、束にしてシートの重合体成分を通して移動す
ることができるトウ及び細糸にしてよい。然し、
ガラス繊維の正確な長さ及び厚さは、本発明に決
定的ではない。

ミルがけガラス及びガラス球も用いることがで
きる。

本シート材料は又、染料、顔料、長鎖脂肪族ロ
ウのような潤滑剤、チクソトロピイ剤、可塑剤、
難燃剤、抗酸化剤、ドリツプ遅延剤のような他の
所望の添加剤を含有していてよい。特に好適なシ
ート材料は、前述した熱可塑性重合体の１種、約
５〜60％、好適には20〜45％（重量）のガラス繊
維、並びに難燃性量の適当な難燃剤よりなる。本
発明のシート材料は又、弾性体のような衝撃改質
剤、ポリメタクリル酸メチルのようなアクリル系
重合体、或いはポリカルボネート重合体を含有し
てよい。

当該技術熟練者に周知のいずれの適当な難燃剤
も本発明中用いることができる。当該技術熟練者
に周知のもののような、難燃剤の共働の組合せが
特に好適である。適当な難燃剤の例は、芳香族ハ
ロゲン化物と燐、ヒ素、アンチモン及びビスマス
のような元素週期律表ｂ族元素との組合せ；並
びにハロゲン化芳香族カーボネート重合体及び米
国特許第4124561号（その全体を参考文献として
組入れる）に記載されているもののようなアンチ
モン化合物とのその組合せを包含する。特に好適
な難燃剤は、ガル、米国特許第4124561号中開示
されている難燃剤、並びにデカブロモビフエニル
エーテルと三酸化アンチモンとの組合せよりな
り、後者の組合せが最も好適である。三酸化アン
チモンとデカブロモフエニルエーテルとの難燃剤
は、通常約２〜10重量％の三酸化アンチモン、並
びに約３〜15重量％のデカブロモビフエニルエー
テルを与えるのに十分な量で使用される。難燃剤
として前述したハロゲン化ポリカーボネート重合
体の１種が用いられる場合には、シート材料は、
通常約10〜50重量％のポリカーボネート重合体を
含有する。ハロゲン化ポリカーボネート、三酸化
アンチモン、並びにデカブロモビフエニルエーテ
ルの共働の組合せもきわめて好適である。

ポリアルキレンテレフタレートシートの製造の
際、ポリアルキレンテレフタレート重合体自体も
難燃剤となることができる。例えば、エトキシル
化テトラブロモビスフエノールＡで改質したポリ
ブチレンテレフタレートよりなる難燃性ブロム化
共ポリエステルを用いることができる。この型の
重合体の利点は、別の難燃剤の必要性がなくな
り、それによつて「ブルーミング」が除かれるこ
とである。

本発明のシート材料のきわめて有意義な特徴
は、それらが重合体富有面を有することである。
前述したように、この独特の特徴の効果として、
本シート材料は、充填型熱可塑性重合体シートと
殆んど同じよい表面外観を有する。重合体富有面
の存在は又、同じ厚さの成型試料と比較した場
合、改善された絶縁耐力を本発明のシート材料に
与える。ここで使用される場合、用語「重合体富
有面」は、本発明のシート材料が露出されたガラ
ス繊維のような充填剤材料を実質的に含まず、そ
して実質的に非充填型熱可塑性重合体の層よりな
ることを意味する。このような表面を有するシー
ト材料は、ガードナー・マルチ−アングル・グロ
スメーター66−9095型を使用し、45゜の測定角に
おいてASTM法E97によつて測定した場合、少な
くとも15、好適には少なくとも30、そして最も好
適には少なくとも50の光沢度を示す。31重量％の
ガラス繊維を含有しかつこのような表面を有する
ポリ（テレフタル酸１，４−ブチレン）を第５図
に例示する。

本発明のシート材料の独特の重合体富有面、並
びにこれらの材料をつくるのに用いられる新規な
方法の結果として更に、本押出型シート材料は
又、ギルド・カンパニーから入手し得るブラツシ
ユ・サーフインジケーター（商標）平滑度メータ
ー、標準ASA電気生成型金属標準、並びに一定
の毎秒1/8インチのスタイラス・アーム速度を使
用し、アメリカン・スタンダード・サーフエス・
テクスチユア法ASA B461−1962に従つてシー
トの中心において測定して、150マイクロインチ
より小さく、好適には100マイクロインチより小
さく、そして最も好適には50インチより小さい表
面凹凸度を示す。前記の標準試験法及び装置は当
該技術熟練者に周知であるので、簡略化のために
そのこれ以上の説明は除く。

本発明の新規なシート材料は、典型的には約
0.01〜約0.125インチ、好適には0.04〜0.07インチ
の厚さを有し、通常シート及びフイルムと称され
るものを共に含む。本シート材料は又、良好な表
面外観を有する充填型・押出型熱可塑性シート材
料が望ましいいずれの応用においても用いること
ができる。改善された絶縁耐力及び良好な表面外
観を含む、それらのすぐれた物理的性質のため
に、本シート材料の特に有利な用途は、プリント
型回路板、電気支持板、電圧計、並びにはくスイ
ツチ用の基質（substrate）としての電気添応用
にある。

本発明による特に好適なシート材料は、結晶性
熱可塑性重合体及びガラス繊維のような強化用充
填剤材料よりなる。このようなシート材料は、電
気的応用に使用するのにきわめて適当な物理的性
質の独特の組合せを有している。ここで使用され
る場合、用語「結晶性熱可塑性重合体」は、定ま
つた幾何学的形態を有する固体結晶を形成するこ
とができるような熱可塑性重合体をいう。適当な
結晶性熱可塑性重合体の例は、ポリエチレン、ポ
リプロピレンのようなポリオレフイン類及びそれ
らの共重合体；酸化ポリフエニレン重合体；ポリ
オキシメチレン単独重合体及び共重合体；ポリヘ
キサメチレンアジピン酸アミド、ポリヘキサメチ
レンセバシン酸イミド、ポリカプロラクタム、ポ
リヘキサメチレンラウリン酸アミド、ポリ（１，
２−アミノラウリン酸）、並びにポリ（１，１−
アミノデカン酸）のようなポリアミド類；並びに
テレフタル酸ポリエチレン、テレフタル酸ポリプ
ロピレン、並びにポリブチレンテレフタレートの
ようなポリエステル類を包含する。好適な１実施
態様においては、本シート材料中用いるのが好適
である結晶性熱可塑性重合体は、ポリヘキサメチ
レンアシピン酸アミド；ホルムアルデヒドと酸化
エチレン又は１，３−ジオキソランとから生成す
るアセタール共重合体；テレフタル酸ポリエチレ
ン；テレフタル酸ポリブチレンテレフタレート；
テレフタル酸ポリエチレンとポリブチレンテレフ
タレートとのブレンド；並びにポリエチレンテレ
フタレート及びポリブチレンテレフタレートのポ
リカーボネートとのブレンドよりなる。

前記の結晶性熱可塑性重合体は、当該技術熟練
者に周知であり、広く市販されている。例えば、
ポリヘキサメチレンアジピン酸アミドは、ナイロ
ン6/6として容易に市場で入手できる。同様に、
上述した好適なアセタール共重合体は、セラニー
ズ・プラスチツク・マテリアルス・カンパニーか
らセルコンという商品名で市場で得ることがで
き、或いはウイリング等、米国特許第3027352号
（その全体を参考文献として組入れる）中記載さ
れている方法によつて製造することができる。好
適なポリヘキアメチレンアジピン酸アミド重合体
及びアセタール共重合体は、夫々約50と約300の
相対粘度、並びに約18000と約50000の重量平均分
子量を有するものである。熱抵抗、例えばUL認
定Ｂ級ステータス（130℃）、熱ひずみ温度、高曲
げモジユラス、低着焔性、並びにその非ドリツピ
ング及び非燃焼特性の独特の組合せ（このこと
は、プリント型回路板の製造の際使用するのに理
想的に適当である）のために、ガラス繊維強化型
ポリアルキレンテレフタレートは、本シート材料
中使用するのに最も好適な重合体である。本発明
中使用するのに適当なポリアルキレンテレフタレ
ートは、テレフタル酸ポリエチレンとポリブチレ
ンテレフタレートの単独重合体、共重合体、それ
らの混合物、並びに少量の前述したような他の熱
可塑性重合体とのそれらの混合物よりなる。特に
有利なポリブチレンテレフタレート重合体は、ポ
リブチレンテレフタレートの単独重合体よりな
る。このような重合体は、当該技術熟練者に周知
であり、テレフタル酸又はテレフタル酸のジアル
キルエステル（特にテレフタル酸ジメチル）と４
炭素原子を有するジオールとの反応生成物から製
造することができる。適当なジオールは、１，４
−ブタンジオール、１，３−ブタンジオール、
１，２−ブタンジオール、並びに２，３−ブタン
ジオールを含み、そのうち１，４−ブタンジオー
ルが最も好適である。これらの重合体の製造及び
これらを含有するきわめて望ましい組成物は、米
国特許第3801530；3764576；3814725；3873491並
びに3903042号（それらの全体を参考文献として
組入れる）に記載されている。

きわめて望ましい物理的性質を有している押出
型シートは、約５〜60重量％、好適には20〜45％
のガラス繊維、並びに随意には１〜12重量％の三
酸化アンチモン、３〜15重量％のデカブロモフエ
ニルエーテル、並びに前述したもののような、他
の随意の望ましい添加剤及び充填剤と組合せた前
述した重合体の１種よりなる。

本発明による特に好適な回路板基質は、約５〜
45重量％のガラス繊維、好適には20〜45重量％の
ガラス繊維、約１〜12重量％の酸化アンチモン、
約３〜15重量％のデカブロモジフエニルエーテ
ル、並びに１〜約50重量％のアスベスト繊維を含
有し、更に重合体富有面、少なくとも15、好適に
は30、そして最も好適には50の光沢値、並びに
150マイクロインチより小さく、好適には100マイ
クロインチより小さく、そして最も好適には50マ
イクロインチより小さい表面凹凸度を有するポリ
（テレフタル酸１，４−ブチレン）の押出型シー
ト材料よりなる。アスベスト繊維の代りにか、或
いはそれに加えて、シート材料は、約0.05〜約15
重量％又はそれ以上のポリテトラフロロエチレン
充填剤材料も含有していてよい。

上述した回路板基質中使用するのに好適なポリ
（テレフタル酸１，４−ブチレン）は、25℃にお
いて60：40のフエノールと１，２−オルトジクロ
ロベンゼンとの混合物中測定して、約0.2〜2.0デ
シリツトル／グラムの固有粘度を有する重合体よ
りなる。それらの比較的低コストのために、約
0.65〜約0.75デシリツトル／グラムの固有粘度を
有するポリ（テレフタル酸１，４−ブチレン）重
合体が特に好適である。

更に１実施態様においては、本発明は又、前述
した新規なシート材料の製造のための方法及び装
置を提供する。この方法は、前述した充填剤、好
適にはガラス繊維の１種又はそれ以上との例え
ば、ポリ（テレフタル酸１，４−ブチレン）のよ
うな、前述した熱可塑性重合体の１種の混合物を
溶融押出して連続薄層状溶融流とすることよりな
る。次に得られる薄層状溶融流を運び、約200〓、
好適には約250〓から、重合体が熱・高みがき面
に粘着する温度までの温度において、又充填剤材
料を表面から後退させそして平滑・光沢・重合体
富有面を形成させるのに十分な圧力において熱・
高みがき面と接触させる。

本方法の好適な実施の態様においては、充填型
溶融重合体が押出の方向に実質的に配置された流
れ及び低下した軸回転性の流れ（axial−
rotational flow）を有するように充填型重合体
がシートダイに供給される条件下に押出してシー
トとすることによつて、表面外観並びに溶融強度
の一層の改善を得ることができる。一層改善され
た表面外観を有するシートは、熱・高みがき面と
して加圧ロール系を用いそして次に充填型熱可塑
性重合体がロール間げきから上流であるがその位
置の近くに保たれるような条件下にそのロール間
げきを通して充填型重合体を送ることによつて、
得ることができる。

図面について、第１図は、本発明のシート材料
を製造するための好適な方法及び装置を例示す
る。説明のために、そこで例示されている方法を
ガラス繊維充填型ポリ（テレフタル酸１，４−ブ
チレン）シート材料の製造に関して説明するが、
本発明の方法は、前述した熱可塑性材料のいずれ
から、又は当該技術熟練者なら推考し得るいずれ
の他の熱可塑性材料からもすぐれたシート材料を
製造する際使用するのに同じく有利であることが
強調されるべきである。

第１図について、テレフタル酸ポリブチレンと
ガラス繊維との溶融混合物が常用のスクリユー押
出機１によつて押出され、これはベント式スクリ
ユー押出機を構成していてよい。溶融重合体の流
れが押出機１を離れる時、それは押出の方向の流
れの成分及び軸回転性の流れの成分、即ち、栓抜
き様流れを有している。次にガラス繊維充填型ポ
リブチレンテレフタレートをクロム内張りシート
ダイ５、好適にはコートハンガー型シートダイに
運び、そこでそれは不規則な面を有する連続薄層
状溶融流に変換される。

厳密な押出の条件は極度には決定的ではなく、
押出される特定の熱可塑性重合体及び用いられる
特定の押出装置によつて変動する。2.9〜１の圧
縮比を有する１ 3/4インチのスクリユー押出機の
場合には、熱可塑性重合体は、典型的には約460
〜520〓の温度、60〜95のスクリユーRPM、約
300〜500psigのヘツド圧、７〜10フイート／分の
処理量、約0.01〜0.125インチ、好適には0.04〜
0.07インチのゲージ厚、60〜110ポンド／時、好
適には約90ポンド／時の押出速度で押出される。
然し、シートダイ中一様な圧力が保たれること、
又ダイを越えて圧力の変動が避けられることが肝
要である。約0.5〜４インチ、典型的には約２イ
ンチのランド長を有する長いランドダイを用いる
ことによつても最良の結果が得られる。

好適な実施態様においては、ダイ５の口に入る
時、流が押出の方向に実質的に配向されている流
れを有する条件下に、シートダイ５にポリ（テレ
フタル酸１，４−ブチレン）のような、熱可塑性
重合体の流を供給することによつて、シートの外
観の一層の改善を得ることができることが発見さ
れている。この型の流れのパターンを達成するの
に当該技術熟練者に周知のいずれの方法を用いて
もよいが、第１図の実施の態様においては、ブレ
ーカープレート３がスクリユー押出機１とシート
ダイ５の口との間に置かれている。

第３〜５図に見られるように、ブレーカープレ
ート３は、複数の間隔を置いた一連の穴よりな
り、それらはシートダイ５の口に向つて収束して
いる。第３Ａ及びＢ図の実施態様においては、ブ
レーカープレート３は、収束性の斗形の頚部を
持つ中心の縦方向の通路２１、並びにそれの周り
に周辺に間隔を置いて第１組の６個の間隔を置い
た収束性の穴２３、並びにそれの周りに配置して
第２組の６個の間隔を置いた収束性の穴２５を有
している。ブレーカープレート３は又、ミル型供
給リング１９を備え、これはスクリユー１に面し
ている。

ブレーカープレート３中の穴の厳密な大きさ、
数、並びに間隔は決定的ではなく、第４及び５図
に例示されるとおり、所望のパターンの流れを達
成するために変ることができる。第４Ａ及びＢ図
においては、第３組の12個の間隔を置いた収束性
の穴３５が、中心の縦方向の通路２９、第１組の
６個の間隔を置いた収束性の穴３１、並びに第２
組の６個の間隔を置いた収束性の穴３３よりな
る、第３Ａ及びＢ図に例示されているものと同一
の穴の配置を取巻いている。供給リング２７もス
クリユー１から前述した穴の各々に熱可塑性物を
運ぶために備えられている。第５Ａ及びＢ図にお
いては、ブレーカープレート３は、供給リング３
７、中心の縦方向の通路３９、第１組の12個の周
囲の収束性の穴４３、並びに穴４３の周りに置か
れた第２組の12個の周囲の収束性の穴４５よりな
る。

上述したブレーカープレートの各々は、系中に
圧力低下を生じさせ、スクリユー１から出てくる
可塑性重合体流を、ダイ５の口において熱可塑性
重合体流を収束することによつて栓抜き様流れか
ら実質的に配向型流に変換する。その結果ダイ中
比較的一様な圧力が保たれ、その中の圧力の変動
が避けられ、優れた表面外観を有する充填型・押
出型シート材料が生じる。

複数の直線・非収束性の穴をその中に有するブ
レーカープレートを利用して圧力低下を生じさせ
かつ熱可塑性重合体の流れを配向させることがで
きるが、本発明のブレーカープレートを使用して
最良の結果が得られる。本ブレーカープレートの
新規な構造のために、直線・非収束性の穴をその
中に有するブレーカープレートの場合より大きな
圧力低下又大きな圧力の安定化をその場合に得る
ことができる。

熱可塑性重合体の押出の間に、スクリユー１の
周辺の周りに高せん断帯がつくられ、スクリユー
１の先端に低圧帯がつくられる。かくしてスクリ
ユーの周辺の周りの高圧帯から重合体を取り出す
よりスクリユー１の先端の低圧帯から重合体を取
り出すことによつて大きな圧力低下を生じさせる
ことができる。押出過程に含まれる高圧のため
に、若干の穴は、ブレーカープレートの周辺の周
りの高圧帯に備えられることが望ましい。

従つて、本発明のブレーカープレートにおいて
は、第３〜５図中例示されているブレーカープレ
ートの各々は、比較的大きな中心の穴を備え、そ
れを通して比較的低い圧力及びせん断条件下に重
合体溶融流の実質的な部分が取り出される。その
外、第３図中示されるブレーカープレートの穴２
３及び２５のような、それを取囲む穴は、シート
ダイ５の口に向つて収束する。穴２３及び２５の
ような、周辺の穴を収束させることにより、穴２
３及び２５を通つて流れる重合体溶融流は、中心
の穴２１を通つて流れる重合体より長い行程を有
する。これらの特徴の結果、比較的大きな圧力低
下及び安定化、その結果比較的安定な重合体の流
れが得られる。

圧力の安定化が安定な熱可塑性重合体の流れを
生じるのに重要であるだけではなく、コントロー
ルされた圧力条件下にブレーカープレートを通し
て溶融流を供給することによつて、熱可塑性重合
体自体の比較的小さな分解がおこり、それが更に
強化されたシートの性質及び外観に寄与する。比
較的大きな温度の一様性がブレーカープレートの
中心に向つて存在し、そしてブレーカープレート
を通つて穴を収束させることにより、同様に重合
体の分解を低下させる比較的一様な温度条件下に
熱可塑性樹脂がブレーカープレートを通して供給
されることを注記するべきである。

前記のブレーカープレートのその外の、そして
きわめて有意義な利点は、それらが溶融重合体の
流れを徐々に収束するので、その中に存在する充
填剤材料が押出の方向に配列され、バツクアツプ
しないことである。その中に直線の穴を有するブ
レーカープレートの場合には、ガラス繊維のよう
な、充填剤材料は、バツクアツプする傾向を有
し、系中サージを生じない。

繊維のそれらの縦軸について押出方向の配列の
結果は又、表面の外観、そして特に平滑度を更に
改善する。その外、充填剤の配列は、表面の外観
の改善に寄与するのみならず、充填剤の配列は
又、充填型熱可塑性重合体の溶融強度を強化し、
ポリアミド類及びポリエステル類のような低溶融
強度重合体をはるかに容易に押出してシートとす
ることができることが発見された。特定の理論の
いずれにも拘束されるものではないが、充填剤材
料の配列は、重合体鎖の間に橋かけ効果を生み出
し、強化された溶融強度のシート材料を生じると
考えられている。

本発明をブレーカープレートの使用に関して説
明したが、その代りに同様の機能を有する他の器
具も用いることができる。例えば、固定型混合機
（static mixer）を、単独でか又はブレーカープ
レート３と組合せて使用することができる。

その後その上に平滑な・光沢のある・重合体に
富む表面を形成するのに適当な温度及び圧力条件
下に得られる薄層状溶融流を熱・高みがき面と接
触させる。第１図に示すとおり、この熱・高みが
き面は、一般に９に示される、加圧ロール系より
なる。然し、所望の場合には、静電ピンナーも用
いることができる。加圧ロール系９は一般に、十
分な数のロールを有し、シート上に前述した重合
体富有面を形成するのに十分な温度及び圧力の条
件下に保たれる。そのロールの上に鏡面クロム仕
上を有する加圧ロール系を使用して最良の結果が
得られる。加圧ロール系は又、シートの冷却及び
その過早のセツトアツプを最小にするために、シ
ートダイ５のリツプにできるだけ近接させるのが
好適である。

加圧ロール系９は一般に、少なくとも２個のロ
ール間げきを有する。ロール１１，１２、並びに
１３よりなるとして第１図に例示されている、少
なくとも３個の高みがきロールの垂直スタツクを
用いることにより、特にポリ（テレフタル酸１，
４−ブチレン）のような結晶性重合体のシートの
場合に、強化された結果が得られる。このような
配置の利点は、加熱ロールのきわめて密な近接が
得られることであり、このことは、ポリブチレン
テレフタレートのような結晶性重合体のシートの
処理においてきわめて有利である。

ロール１１，１２、並びに１３は、光沢・平
滑・重合体富有面をシート材料上に生じるのに十
分な、そして好適には少なくとも15、好適には少
なくとも30、そして最も好適には少なくとも50の
光沢度及び150マイクロインチより小さく、好適
には100マイクロインチより小さく、そして最も
好適には50マイクロインチより小さい表面凹凸度
を有する重合体富有面を生じるのに十分な温度及
び圧力条件下に保たれる。典型的には、ロールの
温度は、約200〓から熱可塑性重合体がロールに
粘着する温度までの範囲である。できるだけ熱い
ロールを用いることによつて最良の結果が得ら
れ、約250〓から重合体の粘着温度までの温度が
特に好適である。ポリブチレンテレフタレートの
ような結晶性熱可塑性重合体に対しては、ロール
の温度は、一般に約200〓、そして好適には約250
〓から重合体の融点までの範囲である。

ロールの温度は又、同じであつてよく、或いは
シートが加圧ロール系９を通過するに従つてその
漸次の冷却を達成するために、上のロールから下
のロールに漸次低下してよい。テレフタル酸ポリ
ブチレンのような結晶性重合体のシートに対して
は、後者の方法が特に好適である。前に論じたよ
うに、充填剤材料をシートの内部に後退させる外
に、熱及び加圧ロール１１，１２、並びに１３は
又、ポリ（テレフタル酸１，４−ブチレン）のよ
うな低溶融強度結晶性重合体のセツトアツプを明
らかに助け、これらの型の重合体がうまく押出さ
れて安定・非流動シート材料となることを可能に
する。

ロール１１，１２、並びに１３は、例えば蒸
気、油、電気のような、当該技術熟練者に周知の
いずれの方法によつて加熱してもよい。約50〜70
ポンドの保持圧力（holging pressure）が又一般
にローラーの間に保たれる。ロール間げきの間隔
は、処理される特定の重合体によつて変る。最良
の結果は又、シート上に線状の張力を避け、そし
て差別収縮を最小にするように、ロールの速度を
押出機の速度に対応させることによつて得られ
る。

加圧ロール系９を通過して後、処理されたシー
ト材料を複数の伸ばしロール（straightening
roll）１５を通してこれをまつすぐにする。その
後テークーオフロール１５が仕上がりシート材料
を取り出して貯蔵等に送る。好適には、押出機、
ロール１１，１２、並びに１３、ロール１５、並
びにテーク−オフロール１７は、シート材料上線
状張力を避けるように同調されている。

第２図は、本発明のシート材料の好適な製法を
例示する。第２図の実施の態様においては、連
続・配向型薄層状溶融流を、ロール１１と１２と
の間に形成されているロール間げきからわずかに
上流でロール１２に導入し、溶融熱可塑性重合体
の溶融ため（reservoir）６がわずかに上流に、
しかしロール間げきの近くに保たれるような条件
下にロール間げきを通過させる。スタート−アツ
プの間、ロール１１〜１３及びテーク−オフロー
ルを押出機よりわずかにゆつくり運転し、その結
果溶融ため６がつくり出される。次に押出機１、
ロール１１〜１３、並びにテーク−オフロール１
５の速度を同謂させて所望の大きさの溶融ためを
保つ。好適には押出機１、ロール１１〜１３、並
びにテーク−オフロール１５用のドライブにマイ
クロプロセサーを介して相互連結されている、光
学センサー７を用いてその同調を助け、そして溶
融ため６を所望の値に一定に保つことが好適であ
る。

溶融ための大きさは、シート表面の外観に比較
的重要であり、至適の表面の外観のために小さす
ぎても厚すぎてもいけないことが見出されてい
る。至適のシートの外観のために必要な溶融ため
６の厳密な大きさは、処理される特定の組成物、
所望のシート材料の厚さ等によつて変り、実験に
よつて当該技術熟練者により容易に決定されるこ
とができる。

前述したようにして操作することによつて、第
１図中例示されているような、ローリング型の操
作に比してシートの外観の一層の改善が得られ
る。

本発明を更に詳細に説明するために、次の実施
例が示される。実施例は、単に例示のためのもの
であり、いかなる意味でも本発明を限定するもの
ではない。

例 0.72デシリツトル／グラムの固有粘度を有し、
そして31重量％の3/16インチ長のオウエンス・コ
ーニングK419AAガラス繊維、4.85重量％の三酸
化アンチモン、4.85重量％のデカブロモジフエニ
ルエーテル、並びに2.6重量％のアスベスト繊維
を含有するポリ（テレフタル酸１，４−ブチレ
ン）重合体を、１−3/4インチの直径の非ベント
式スクリユー（2.9〜１の圧縮比及び60のRPMを
有する）；並びにクロム張り・長ランド・幅８イ
ンチのフレツクス・リツプ・シート・ダイ（除去
可能な底、２インチのランド長、並びに調節可能
な0.03〜0.06インチのリツプを有する）を利用し
て押出してシートとする。第５Ａ図及び第５Ｂ図
に例示されている配置を有するブレーカープレー
トも用いられる。穴４１は、0.1875インチの直径
を有し、ブレーカープレートの縦軸に関して30゜
の角度にセツトされる。

処理の前に、前述した材料を275〓において３
時間乾燥する。その後、押出プロフアイルをセツ
トし、押出機を通して重合体約50ポンドを押出す
ることによつて押出機を平衡に達しさせる。次に
９フイート／分の押出速度、480〓の押出温度、
510〓のダイ温度、58のRPM、並びに800psiのヘ
ツド圧において0.0475インチの厚さを有する配向
型薄層状溶融流を得る。

次にシートダイにできるだけ近接した、10イン
チの直径の・高みがき加熱クロム張りロールの３
個のロールスタツクに得られる薄層状溶融流を通
す。トツプロールは、60ポンドの保持圧力によつ
て0.055インチに予めすきまをつくる。ロールの
温度は、トツプロールの温度265〓、ミドルロー
ルの温度255〓、並びにボトムロールの温度200〓
に、スターコ・オイル・サーモレーターを使用し
て保つ。ローラーの速度も、第２図中示されるよ
うに、重合体の溶融ためを得るように９フイー
ト／分の押出速度で同調される。

複数の伸ばしロールを通して後、仕上がりシー
トの物理的性質、表面凹凸度、並びに表面光沢
を、シートの８インチの試料を使用して測定す
る。すべての測定は、標準ASTM操作に従つて
行ない、物理的性質の測定は、押出の方向で行な
う。光沢は、ガードナー・マルチ−アングル・グ
ロスメーター66−9095型及びこの試験法において
要求されているとおりの標準高みがき金属標準品
を使用し、ASTM E97に従つて、45゜の角度にお
いて測定する。表面凹凸度は、ブラツシユ・サー
フインジケーター（商標）平滑度メーター及び
ASA電鋳型金属標準品を使用し、米国標準表面
テクスチユア法ASA B46・１−1962に従つて各
８インチのシート試料の中心において測定する。
上の機器の針を一定の1/8インチ／秒で試料を横
切つて動かす。これらの測定の結果を下に示す。

引張強度（psi） 13000 引張伸び（％） 0.97 引張モジユラス（×10⁶） 1.66 曲げモジユラス（×10⁶） 1.80 ブレーク時曲げ強度（psi） 25300 ガードナー衝撃（インチ・ポンド） ＜2.5 絶縁耐力（ボルト／ミル） 650 光 沢 16.5（トツプ面） 凹凸度（マイクロインチ） 60 前記のシートを又、顕微鏡下に検査してシート
表面の規則性、並びにその中のガラス繊維の配列
を調べる。第５図は、シート表面の、倍率×500
の拡大図の写真である。第６図は、ガラス繊維を
露出させるために割つた後の、前記のシートの押
出の方向に垂直な面に沿つた垂直断面の、倍率
200×拡大図の写真である。第５図中見られると
おり、又前記の光沢及び平滑度の測定によつて確
証されるとおり、この実験において製造されたポ
リ（テレフタル酸１，４−ブチレン）シート材料
は、きわめて平滑な・光沢のある・重合体富有面
を有し、その表面にきわめてわずかのガラス繊維
が見える。第６図は又、シート中ガラス繊維の実
質的な縦方向の配列を例示し、それは更にそのす
ぐれた表面外観及び溶融強度に寄与している。そ
の上、前記のデータが示すように、このシートは
すぐれた物理的性質を有している。即ち、その重
合体富有面のために、本シート材料は、常用の熱
可塑性シート材料に比して、有意に改善された絶
縁耐力を示し、電気用品にとつてきわめて有利で
ある。

比較のために、シートの常用の押出法を使用
し、即ち本発明のブレーカープレート及び熱及び
圧力処理なしに前記の実験をくり返す。得られる
シートは、きわめて流動性かつ非均一であり、き
わめて低い溶融強度を有することが見出されるの
で、その物理的決定を行なうことは不可能であ
る。

例 例の装置及び操作を利用して、0.72デシリツ
トル／グラムの固有粘度を有し、約30重量％の3/
１６インチ長のオウエンス・コーニングK419AAガ
ラス繊維を含有するポリ（テレフタル酸１，４−
ブチレン）を押出して0.060〜0.065インチの厚さ
を有する連続シートとする。得られるシートは、
きわめて望ましい表面の外観及び平滑度を有する
ことが見出される。

例 例の操作と同様に、0.060〜0.065インチの厚
さを有する押出型シート材料を、充填型ポリ（テ
レフタル酸１，４−ブチレン）組成物から製造す
る。この組成物は、55重量％の例のポリブチレ
ンテレフタレート重合体（そのうち51重量％は、
処方の前チツプの形態であり、そして4.5重量％
は、粉末の形態であつた）；31重量％のオウエン
ス・コーニング3/16インチK419AAガラス繊維；
5.5重量％のSb₂O₃；5.5重量％のデカブロモビフ
エニルエーテル；0.5重量％のデユポンテトロン
Ｋポリテトラフロロエチレン繊維；並びに２重量
％のユニオン・カーバイドのフエノキシPKHH
（ビスフエノールＡとエピクロロヒドリンとの反
応によつて製造されるチキソトロピー剤）よりな
つていた。

製造後、得られるシート材料の表面光沢及び表
面外観を決定し、商業的用途にきわめて適当であ
ることが見出されている。

前記の例は、本発明によつて製造することがで
きる新規かつ独特のシート材料を明らかに示す。
その上に重合体富有面を形成させることによつて
生じる表面の外観及び絶縁耐力の外に、前記の例
は又、得られるシートに対し加熱及び加圧処理及
び強化された溶融強度が有し、ポリ（テレフタル
酸１，４−ブチレン）のような押出の困難な重合
体から非スープ状の安定なシート材料の製造を可
能にする有益な効果を示す。従つて、本発明は、
押出型・充填型熱可塑性シート技術にきわめて必
要とされる寄与である。

本発明は、種々の好適な実施の態様について説
明され、多くの例によつて例示されているが、熟
練者は、その精神から離れることなしに種々の修
飾、置換、省略、並びに改変を行なうことができ
ることを容易に認める。従つて、本発明の範囲
は、特許請求の範囲によつて定められる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の装置及び方法の断面図であ
る。１……押出機；５……シートダイ；３……ブ
レーカープレート；９……加圧ロール系；１５…
…伸ばしロール；１７……テーク−オフロールで
ある。 第２図は、本発明の押出型充填型シート材料の
好適な製法の、断面の、模式流れ図である。番号
は第１図と同じである。第３Ａ図は、第１図の装
置中用いられるブレーカープレートの拡大断面図
である。第３Ｂ図は、第２Ａ図のブレーカープレ
ートの線２Ｂに沿つた断面図である。第４Ａ図
は、ブレーカープレートの第２の実施態様の拡大
断面図である。第４Ｂ図は、第４Ａ図のブレーカ
ープレートの線３Ｂに沿つた断面図である。第５
Ａ図は、第１図の装置中用いられるブレーカープ
レートの他の１実施態様の拡大断面図である。第
５Ｂ図は、第４Ａ図のブレーカープレートの線４
Ｂに沿つた断面図である。第６図は、本発明のシ
ート材料の重合体富有面を例示する、倍率500×
で示された、ガラス充填ポリ（テレフタル酸１，
４−ブチレン）の押出型シートの写真である。第
７図は、倍率200×で示された、ガラス繊維を露
出させるため割つた後の、第５図の押出型シート
の押出の方向に垂直の面に沿つた垂直断面の写真
である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 約５〜60重量％の強化用充填剤物質を含有す
   る熱可塑性重合体からなり、且つ重合体富有表
   面、少なくとも約15の光沢値、並びに約150マイ
   クロインチより小さい表面凹凸度を有することを
   特徴とする電気用等級の充填剤入り押出成形熱可
   塑性連続シート材料。 ２ 該シート材料の充填剤物質が実質的に一定方
   向に配列されている特許請求の範囲第１項記載の
   シート材料。 ３ 該充填剤物質がガラス繊維よりなる特許請求
   の範囲第１項又は第２項記載のシート材料。 ４ 該シート材料が少なくとも約30の光沢値、並
   びに約100マイクロインチより小さい表面凹凸度
   を有する特許請求の範囲第１項又は第２項記載の
   シート材料。 ５ 該熱可塑性重合体が、ポリオレフイン類；ポ
   リオキシメチレン単独重合体及び共重合体；ポリ
   フエニレンオキシド重合体；ポリアミド類；ポリ
   エステル類；それらの混合物；少量の他の熱可塑
   性重合体とのそれらの混合物よりなる群から選ば
   れた結晶性熱可塑性重合体よりなる特許請求の範
   囲第１項又は第２項記載のシート材料。 ６ 該熱可塑性重合体が更に難燃に有効な量の難
   燃剤を含む特許請求の範囲第５項記載のシート材
   料。 ７ 該熱可塑性重合体が、ヘキサメチレンアジパ
   ミド重合体；ポリオキシメチレン重合体及び共重
   合体；ポリアルキレンテレフタレート重合体及び
   共重合体；ポリアルキレンテレフタレート重合体
   及び共重合体の混合物；並びにポリアルキレンテ
   レフタレート重合体と少量の他の熱可塑性重合体
   との混合物よりなる群から選ばれたものである特
   許請求の範囲第１項又は第２項記載のシート材
   料。 ８ 該熱可塑性重合体が更に難燃に有効な量の難
   燃剤を含む特許請求の範囲第７項記載のシート材
   料。 ９ 該熱可塑性重合体が、ポリアルキレンテレフ
   タレート重合体；ポリアルキレンテレフタレート
   重合体の混合物；又はポリアルキレンテレフタレ
   ート重合体と少量の他の熱可塑性重合体との混合
   物より成る群から選ばれたものであり、且つ該充
   填剤物質がガラス繊維である特許請求の範囲第１
   項又は第２項記載のシート材料。 １０ 該シート材料が少なくとも約30の光沢値、
   並びに約100マイクロインチより小さい表面凹凸
   度を有する特許請求の範囲第９項記載のシート材
   料。 １１ 該ポリアルキレンテレフタレート重合体が
   ポリエチレンテレフタレート、ポリ（１，４−ブ
   チレンテレフタレート）、ポリエチレンテレフタ
   レートとポリ（１，４−ブチレンテレフタレー
   ト）との混合物、及びそれらと少量の他の熱可塑
   性重合体との混合物より成る群から選ばれたもの
   である特許請求の範囲第９項記載のシート材料。 １２ 該ポリアルキレンテレフタレート重合体が
   ポリ（１，４−ブチレンテレフタレート）よりな
   る特許請求の範囲第９項記載のシート材料。 １３ 該ポリアルキレンテレフタレート重合体が
   ブロム化ポリブチレンテレフタレート重合体より
   特許請求の範囲第９項記載のシート材料。 １４ 該シート材料が約20〜約45重量％のガラス
   繊維及び難燃に有効な量の難燃剤を含有する、約
   0.65〜約0.75デシリツトル／ｇの固有粘度を有す
   る比較的低溶融強度のポリ（１，４−ブチレンテ
   レフタレート）の単独重合体よりなる特許請求の
   範囲第９項記載のシート材料。 １５ 該シート材料が更にドリツピングの遅延に
   有効な量のポリテトラフロロエチレンドリツピン
   グ遅延剤よりなる特許請求の範囲第１４項記載の
   シート材料。 １６ ガラス繊維が該シート中に実質的に一定方
   向に配列されている特許請求の範囲第９項記載の
   シート材料。