JPS6345849Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、トラクタ等に牽引されて畑地や牧草
地等に作溝と施肥とを一連的に行うスラリーイン
ジエクタに係り、詳しくは、ローリングコールタ
で切り込み形成された切り溝底に沿つて土壌を押
しのけながら施肥溝を形成するチゼルと土壌との
摩擦抵抗を減少させ、もつて、大きな牽引力を必
要とすることなくスラリーインジエクタを牽引し
て作溝と施肥との一連作業を容易かつ円滑に行う
ことができるスラリーインジエクタに関するもの
である。

従来のスラリーインジエクタは、トラクタ等に
牽引される機前フレームの前部にローリングコー
ルタを配設し、その後方にチゼルと施肥用スラリ
ーの注入ノズルを配設してなるものであつて、作
溝と施肥とを一連的に行うにあたつては、先ずロ
ーリングコールタで畑地や牧草地等の地表面に切
込みを入れ、次いで切込みされた切溝幅より広幅
なチゼルでその切溝に沿つて土壌を押しのけなが
ら施肥溝を形成し、該施肥構内に液状厩肥等のス
ラリーを施肥用スラリーの注入ノズルで注入して
いたので、施肥溝を形成する過程でチゼルと押し
のけられる土壌との間に大きな摩擦抵抗が生じ、
スラリーインジエクタを牽引するのに大きな牽引
力が必要となる欠点があつた。

本考案は、上記の如き実状に鑑み、特にローリ
ングコールタとチゼルとの間に、土壌潤滑用スラ
リーの注入ノズルをチゼルの近傍上方に臨ませて
開口配設したことにより、チゼルによる施肥溝の
形成に先立つて、該チゼルの近傍上方の土壌を施
肥用スラリーの一部を利用して効果的に潤滑し、
チゼルの牽引抵抗を著しく減少せしめて施肥溝の
形成を容易にし、もつて、大きな牽引力を必要と
することなくスラリーインジエクタを牽引し得
て、作溝と施肥との一連作業を容易かつ円滑に行
うことができるスラリーインジエクタを提供しよ
うとするものである。

本考案の構成を図面に示された一実施例につい
て説明すれば、１はスラリーインジエクタの機体
フレームであつて、該機体フレーム１の前部下方
に垂設された支承アーム２にはブラケツト３を介
して円板状のローリングコールタ４が遊転自在に
軸架されており、その周縁には尖鋭状の刃部４ａ
が形成されている。５はローリングコールタ４の
後方に配設されたチゼルであつて、該チゼル５は
機体フレーム１の後部下方に上記ローリングコー
ルタ４の接地高さと略同高に垂設された支持アー
ム６の下端部に装着されていると共に、チゼル５
及び支持アーム６はローリングコールタ４の幅員
より広幅で、かつ前方向けて尖鋭状の刃部５ａが
形成されている。７は上記支持アーム６の後部に
装着された施肥用スラリーの注入ノズルであつ
て、その上端部は連結ホース８を介して機体フレ
ーム１に搭載されたスラリータンク９に連通し、
下端部は前記チゼル５の後部に接して開口してい
る。

一方、前記ローリングコールタ４とチゼル５の
支持アーム６との間には、該ローリングコールタ
４の幅員と略同幅に形成された補助チゼル１０が
支持アーム６の前部に固着されたブラケツト１１
を介して装着されており、かつ、その前縁には尖
鋭状の刃部１０ａが形成されている。また、上記
補助チゼル１０の後部には連結ホース８の途中か
ら分岐した分流ホース１２に連通する土壌潤滑用
スラリーの注入ノズル１３が前記チゼル５の近傍
上方に臨ませて開口装着されていて、スラリータ
ンク９から施肥用スラリーの注入ノズル７に圧送
されるスラリーの一部がチゼル５の近傍上方の土
壌に向けて噴射されるようになつている。

なお、土壌潤滑用スラリーの注入ノズル１３は
前記補助チゼル１０の幅員内に納まる程度の太さ
に形成されている。１４はスラリーを圧送するス
ラリーポンプである。

叙上の如く構成されたスラリーインジエクタを
トラクタ等に装着して牽引すると、ローリングコ
ールタ４はスラリーインジエクタの自重によりそ
の刃部４ａが畑地や牧草地等の地表面に押込まれ
て遊転しながら進行し、その過程で土壌を切削し
て切込み溝を形成する。次いで、この溝内を補助
チゼル１０に先導されて通過する土壌潤滑用スラ
リーの注入ノズル１３が、スラリータンク９に連
通する連結ホース８から分岐した分流ホース１２
を介して施肥用スラリーの一部をチゼル５の近傍
上方の土壌に向けて噴射すると共に、上記ローリ
ングコールタ４により作溝された溝底に沿つてチ
ゼル５が土壌を押しのけながら進行して施肥溝を
形成し、この施肥溝内に施肥用スラリーの注入ノ
ズル７がスラリーを注入していく。

ところで、上記一連の作溝および施肥作業にお
いて、特に本考案においては、ローリングコール
タ４とチゼル５との間に、土壌潤滑用スラリーの
注入ノズル１３をチゼル５の近傍上方に臨ませて
開口配設したので、チゼル５による施肥溝の形成
に先立つてチゼル５の近傍上方の土壌が上記土壌
潤滑用スラリーの注入ノズル１３から噴射される
スラリーによつて潤滑される。このため、チゼル
５や支持アーム６と土壌との摩擦抵抗が著しく減
少され、施肥溝の形成を容易に行うことができ
る。

そのうえ、本実施例では、上記補助チゼル１０
をローリングコールタ４の幅員と略同幅に形成す
ると共に、その後部に装着した土壌潤滑用スラリ
ーの注入ノズル１３も、該補助チゼル１０の幅員
内に納まる太さに形成したので、ローリングコー
ルタ４によつて作溝された溝内を通過する際、こ
れら補助チゼル１０、土壌潤滑用スラリーの注入
ノズル１３と溝内の土壌との摩擦抵抗は殆んどな
い。したがつて、本考案によれば、従来の如く、
大きな牽引力を殊更必要とすることなくスラリー
インジエクタを牽引し得て、作溝と施肥との一連
作業を容易かつ円滑に行うことができる。

これを要するに本考案は、ローリングコールタ
の後方にチゼルと施肥用スラリーの注入ノズルを
配設し、該ローリングコールタとチゼルとの間に
土壌潤滑用スラリーの注入ノズルを配設すると共
に、上記土壌潤滑用スラリーの注入ノズルをチゼ
ルの近傍上方に臨ませて開口したから、チゼルに
よる施肥溝の形成に先立つて、該チゼルの近傍上
方の土壌を施肥用スラリーの一部を利用して効果
的に潤滑し、チゼルの牽引抵抗を著しく減少させ
て施肥溝の形成を容易に行うことができ、殊更大
きな牽引力を必要とすることなくスラリーインジ
エクタを牽引し得て、作溝と施肥との一連作業を
容易かつ円滑に行うことができる極めて有用な実
用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るスラリーインジエクタの一
実施例を示すものであつて、第１図は要部の側面
図、第２図は第１図におけるＡ−Ａ線断面図であ
る。 図中、１は機体フレーム、４はローリングコー
ルタ、５はチゼル、７は施肥用スラリーの注入ノ
ズル、１０は補助チゼル、１３は土壌潤滑用スラ
リーの注入ノズルである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ローリングコールタの後方にチゼルと施肥用ス
   ラリーの注入ノズルを配設し、該ローリングコー
   ルタとチゼルとの間に土壤潤滑用スラリーの注入
   ノズルを配設すると共に、上記土壌潤滑用スラリ
   ーの注入ノズルをチゼルの近傍上方に臨ませて開
   口したことを特徴とするスラリーインジエクタ。