JPS634560Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は曝気用の噴射水の反動力を駆動源と
した集泥機を有する浄化槽に関する。

この考案は例えば、浮遊形の噴出曝気機や槽内
に配置固定されたジエツトエアレーシヨン装置等
の噴出曝気機の噴出水の反動力が極めて大きいこ
とに着目したものであつて、噴出水の反動力を集
泥機の駆動源とすることにより、専用の駆動源を
不要とし、構造を簡略化して、製造費の低減を図
つた浄化槽を提供することを目的とする。

以下、この考案の一実施例について図面を参照
して説明する。

浄化槽本体１の内部は、第１図、第２図に示す
ように、環状の仕切壁２によつて、ドーナツ状の
外側部の曝気槽３と、この曝気槽３に囲まれた中
心部の沈殿槽４とに仕切られている。そして上記
曝気槽３には、その一端に流入口５が設けられて
いると共に内周壁には液の旋回を防止するじやま
板６が設けられている。また、上記仕切壁２に
は、曝気水の沈殿槽への移流管７と沈殿処理水排
水用の排水管８が設けられ、さらに上記仕切槽４
の底部には、汚泥排出口９が設けられ、沈殿汚泥
はここから返送汚泥として曝気槽へ返送され、一
部は余剰汚泥として引抜かれる。

上記沈殿槽４内には、後述するノズルからの噴
射水の反動力により回転する垂直回転軸１０が配
置されている。この垂直回転軸１０の下部には沈
殿槽４底部の沈殿汚泥を掻き寄せる集泥機１１
が、他方、上部には曝気槽３まで伸びた集泥機１
１の半径に対して十分に長い中空状の１又は複数
の腕１２が設けられている。そして、この十分に
長い腕腕１２の先端（垂直回転軸１０から最遠い
側）側には曝気槽３内に位置する気液混合液の噴
出ノズル１３が取付けられている。

曝気槽内の混合液は、ポンプにより引き抜かれ
腕１２を介し、ノズル１３より、噴射される。こ
こでノズル１３にはブロアから空気を供給しても
よいが、噴出水のエゼクタ機能により水面上から
空気を吸引する。ノズルからは気液混合液が一方
向にジエツト流水として噴射される。従つて、こ
のノズル１３からの気液混合液の噴射の反動力に
よつて、集泥機１１および腕１２が回転すること
となるが、この回転を円滑に行なうため、腕１２
には仕切壁２の上面をころがる車輪１７が取付け
られている。

次に、この考案の動作について説明する。

汚水は流入口５より曝気槽３へ流入し、ここで
ノズル１３からの気液混合液の一方向のジエツト
噴射により曝気撹拌される。そして、ここで曝気
された曝気混合液は第１図に示すように移流管７
から沈殿槽４のセンターウエルへ送られ、沈殿処
理され、上澄液は処理水として外部へ排出され沈
殿汚泥は曝気槽へ直送される。

この際、ノズル１３からの混合液の噴射の反動
力によつて、腕１２、垂直回転軸１０、集泥機１
１が回動し、この回動によつて沈殿槽４底部の汚
泥は集泥機１１によつて掻き寄せられ、排出口９
から排出される。従つて、従来のように、集泥機
１１を駆動させる特別の装置は必要なく、また、
構造も簡略化できる。

この際、ノズル１３は十分に長い腕１２の先端
側に取付けられているので、ノズル１３からの混
合液の噴射の反動によつて、この腕１２に十分に
大きな回転モーメントを与えることができる。従
つて、ノズル１３からの混合液の噴射力が小さく
ても、腕１２の長さに対して十分に小さい半径の
集泥機１１を強力に回転駆動することができる。

集泥機１１の回転速度の調整は、例えば、ノズ
ル１３からの混合液の噴射角を変更したり、一部
逆噴射できる構造としたり、さらには抵抗液をノ
ズル１３などに取付けてもよい。

また、集泥機１１を完全に停止し、曝気のみを
行ないたい場合には、仕切壁２上をころがる車輪
１７を止め、必要に応じてそれを解除し、沈殿槽
４底部の汚泥を外部へ排出すればよい。

尚、上記実施例では、ノズル１３からの噴射液
として、曝気槽３内の混合液を用いたが、何らこ
れに限定されることなく、流入水、返送汚泥等を
用いてもよい。

また、ノズルは液面上に設けて、液のみを噴射
する表面曝気方式としてもよい。

しかも、沈殿槽内に配置された垂直回転軸に腕
の中心部を軸支し、その腕を沈殿槽の外側部に配
置された曝気槽まで伸ばして、その腕を集泥機の
半径よりも十分に長くし、その十分に長い腕の先
端側にノズルを取付けたので、このノズルからの
噴射液の噴射力が小さくしても、腕に十分に大き
な回転モーメントを与えて、半径の小さい集泥機
を強力に回転駆動することができる。従つて、沈
殿槽底部の汚泥の掻き寄せ作用を確実かつ強力に
行えるばかりか、ノズルからの噴射液の噴射用ポ
ンプやブロワの小型化を図ることができる。

更に、上記腕に取付けられた車輪を、曝気槽と
沈殿槽との間を仕切る環状の仕切壁上でころがる
ようにし、この車輪のころがりを必要に応じて停
止させることにより、集泥機の回転を停止させて
曝気のみを行なわせ得るようにしたので、集泥機
の回転によつて沈殿槽底部の汚泥を掻き寄せなが
ら同時に曝気する作用と、曝気作用のみとを自在
に行えて、非常に都合の良い効果がある。

以上のようにこの考案によれば、集泥機の動力
源としてノズルからの噴射液の反動力を利用した
ので、特別な駆動源を必要とすることなく、構造
も簡易化でき、安価に製造できる等の効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の縦断面図、第２
図は同平面図を示す。 １……浄化槽本体、２……仕切壁、３……曝気
槽、４……沈殿槽、１０……垂直回転軸、１１…
…集泥機、１２……腕、１３……ノズル、１７…
…車輪。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ドーナツ形の外側部の曝気槽と中心部の沈殿
   槽とに環状の仕切壁によつて仕切られた浄化槽
   本体と、上記沈殿槽内に配置された垂直回転軸
   に中心部を軸支され、端部が上記曝気槽まで伸
   びた十分に長い腕と、この十分に長い腕の先端
   側に取付けられた曝気用の気液混合液または液
   をジエツト噴射するノズルと、このノズルの噴
   射反動力により回転する上記垂直回転軸に固定
   され、上記沈殿槽底部の汚泥を掻き寄せる上記
   腕の長さに対して十分に小さい半径の集泥機と
   を備えた浄化槽。 (2) 上記ノズルからのジエツト噴射液の噴射角の
   変更等により上記集泥機の回転速度の調整が行
   えることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の浄化槽。 (3) 上記腕には、上記仕切壁の上面をころがるよ
   うになされた車輪を設け、上記車輪の上記仕切
   壁上でのころがりを停止させることにより、上
   記集泥機の回転を停止させて曝気のみを行なわ
   せ、上記車輪のころがりを解除させることによ
   り、上記集泥機の回転と曝気とを行わせること
   を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
   載の浄化槽。