JPS6345243Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野〕 本考案は、ラツクに収容した食器群に対して洗
剤溶液を噴出供給する洗浄動作と、すすぎ水を噴
出供給するすすぎ動作とを行つて該食器を洗浄す
るようにした食器洗浄機の改良に関し、詳しく
は、すすぎ時におけるすすぎ水量の低減対策に関
する。

（従来の技術） 従来より、この種の食器洗浄機として、例え特
開昭58−173525号公報に開示されるように、内部
に洗剤溶液を貯溜する洗剤溶液タンクと、内部に
すすぎ水を貯溜するすすぎ水タンクとを備え、洗
浄室に収容された食器群の洗浄時には上記洗剤溶
液タンクの洗剤溶液を洗浄室内に循環供給する一
方、すすぎ時には上記すすぎ水タンクのすすぎ水
を洗浄室内に供給して、洗浄室の食器群を良好に
洗浄するようにしたものが知られている。そし
て、このものでは、洗浄時における洗剤溶液の循
環供給をこの供給専用の洗浄ポンプで行い、すす
ぎ時におけるすすぎ水の供給を別途に設けたすす
ぎポンプで行つている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記従来のものでは、洗浄ポン
プとすすぎポンプとの二台のポンプを要するた
め、その分高価格になり、装置の低価格化を図り
得ないという欠点があつた。

そこで、本出願人は、先に、実願昭59−23697
号明細書および図面に示すように、洗剤溶液タン
クおよびすすぎ水タンクに選択的に連通接続され
る洗浄ポンプを設け、該洗浄ポンプの回転駆動に
より、洗剤溶液の循環供給とすすぎ水の供給とを
兼用して行つて、すすぎポンプを不要にし、その
分、装置の低価格化を図るようにしたものを提案
している。

しかるに、その場合、食器に対する洗剤溶液の
洗浄効果を高めるべく、洗浄ポンプの回転数を所
定の高回転数値に設定して洗剤溶液の循環量を多
くすると、すすぎ時、洗浄ポンプの高回転に伴い
すすぎ水量が必要以上に増大して上記洗剤溶液循
環量に同等となり、このため、大容量のすすぎ水
タンクを要して、装置全体が大型化することにな
る。

このため、すすぎ水量を低減すべく、例えば洗
浄ポンプの上流側の水配管にすすぎ水量を制限す
るオリフイスを設けることが考えられるが、この
場合には、洗浄ポンプ内が負圧になつてキヤビテ
ーシヨンを起し易く、ポンプの寿命が短くなる。

本考案は斯かる点に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、上記の如く洗浄時の洗剤溶液の
循環供給とすすぎ時のすすぎ水の供給とを同一ポ
ンプで行う食器洗浄機において、食器群の洗浄時
には洗浄室への洗剤溶液の通路面積を大きくし、
すすぎ時には洗浄室へのすすぎ水の通路面積を小
さくするようにすることにより、洗浄時には洗剤
溶液の循環量を多くして食器の洗浄効果を高める
とともに、すすぎ時にはすすぎ水量を上記の場合
よりも低減して、その分、小容量のすすぎ水タン
クを選定し得るようにすることにある。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するため、本考案の解決手段
は、第１図に示すように、洗剤溶液を貯溜する洗
剤溶液タンク１３と、すすぎ水を貯溜するすすぎ
水タンク１５とを備え、洗浄時には上記洗剤溶液
タンク１３の洗剤溶液を洗浄室５内に循環供給す
る一方、すすぎ時には上記すすぎ水タンク１５の
すすぎ水を洗浄室５内に供給するようにした食器
洗浄機であつて、上記洗剤溶液タンク１３および
すすぎ水タンク１５に選択的に連通接続される洗
浄ポンプ２５を備えるとともに、上記洗浄室５に
配設される洗浄ノズル２９，３０を先端に有する
二本の洗浄配管２７，２８を上記洗浄ポンプ２５
に連通接続し、この両洗浄配管２７，２８の一方
に、洗浄時に開き、すすぎ時に閉じる開閉弁３５
を介設する構成としたものである。

（作用） 以上により、本考案では、食器の洗浄時には、
開閉弁３５の開動作により洗剤溶液タンク１３の
洗剤溶液が二本の洗浄配管２７，２８を経て洗浄
室５に循環供給される一方、すすぎ時には、開閉
弁３５の閉作動によりすすぎ水タンク１５のすす
ぎ水が一本の洗浄配管２７のみを経て洗浄室５に
供給されることによつて、洗浄時には、洗剤溶液
の循環量が多くなつて食器の洗浄効果が高められ
るとともに、すすぎ時には、すすぎ水量が上記洗
浄時における洗剤溶液循環量よりも少なくなつて
ほぼ適正量になるとともにその水圧が高圧になつ
て、食器のすすぎが効果的に行われるのである。

（実施例） 以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図は本考案に係る食器洗浄機の全体構成を
示し、１はケーシングであつて、該ケーシング１
の内部は、天板２および底板３によつて上下に三
室に仕切られて、上から順にタンク室４、洗浄室
５およびポンプ室６が形成されている。

上記洗浄室５の内部には、底板３上に立設した
縦軸１０と、該縦軸１０の上端部に回転自在に取
付けたターンテーブル１１とが配設されていて、
該ターンテーブル１１上には、食器Ｓ群を収容す
る有底筒形状の網体よりなるラツク１２が載置さ
れる。また、洗浄室５の底部には、底板３をポン
プ室６側に凹陥せしめて形成した洗剤溶液タンク
１３が配置されており、該洗剤溶液タンク１３に
は上記食器Ｓ群を洗浄するための洗剤溶液が貯溜
されている。

一方、タンク室４には、上記食器Ｓ群をすすぐ
ための温水のすすぎ水を貯溜するすすぎ水タンク
１５が配設されていて、該すすぎ水タンク１５の
内部には、すすぎ水を加熱する加熱ヒータ１６が
配設されているとともに、その上端側部には給水
管１７の開口部が臨んでいる。

また、上記洗剤溶液タンク１３には、洗浄時に
開く洗浄用開閉弁２０を介設した洗浄用配管２１
が、すすぎ水タンク１５には、すすぎ時に開くす
すぎ用開閉弁２２を介設したすすぎ用配管２３が
それぞれ接続され、この両配管２１，２３の他端
には共通配管２４を介してポンプ室６に配置され
た洗浄ポンプ２５が連通接続されており、該洗浄
ポンプ２５は上記各開閉弁２０，２２によつて洗
剤溶液タンク１３とすすぎ水タンク１５とに選択
的に連通される。また、洗浄ポンプ２５は単位時
間当りの回転数が予め所定の高回転数になるよう
設定されている。該洗浄ポンプ２５の吐出側に
は、各々上下に延びる第１および第２の洗浄配管
２７，２８の一端が共通配管２６を介して連通接
続されていて、該両洗浄配管２７，２８の他端
は、それぞれ底板３を貫通して洗浄室５の上部ま
で延び、その上端部には、第２図にも示すよう
に、それぞれ水平方向に延び、下方に向つて開口
する複数個の噴口２９ａ，３０ａを有する洗浄ノ
ズル２９，３０が設けられている。また、上記第
１の洗浄配管２７の途中には、ラツク１２の下方
に水平方向に延び、上方に向つて開口する複数個
の噴口３１ａを有する洗浄ノズル３１が設けられ
ているとともに、該両洗浄配管２７，２８のラツ
ク１２の側方に位置する部位には、それぞれ該ラ
ツク１２の円弧周囲の接線方向に洗剤溶液又はす
すぎ水を噴射する駆動ジエツト３２，３３が設け
られていて、食器Ｓ群の洗浄時ないしすすぎ時に
は該ラツク１２を回転駆動するようになされてい
る。

さらに、上記第２の洗浄配管２８の駆動ジエツ
ト３３の上流側には、流量−圧力制御用開閉弁３
５が介設されていて、該開閉弁３５は食器Ｓ群の
洗浄時には開き、食器Ｓ群のすすぎ時には閉じら
れるものである。尚、図中、３６は洗剤溶液タン
ク１３に流れ込むすすぎ水を排水する排水管、３
７はすすぎ水タンク１５の満水を検出するフロー
トスイツチ、３８は該フロートスイツチ３７に連
動し、すすぎ水タンク１５の満水時に給水管１７
を閉じる給水用開閉弁である。

次に、上記実施例の作動について説明する。食
器Ｓ群の洗浄時、洗浄用開閉弁２０は開かれ、す
すぎ用開閉弁２２は閉じられ、流量−圧力制御用
開閉弁３５は開かれる。このことにより、洗剤溶
液タンク１３の洗剤溶液が洗浄ポンプ２５で圧送
され、第１および第２の洗浄配管２７，２８を経
てその一部が両駆動ジエツト３２，３３からラツ
ク１２の円弧周面の接線方向に噴射されて、ラツ
ク１２を回転駆動すると同時に、残りの洗剤溶液
が洗浄ノズル２９，３０，３１から上記食器Ｓ群
に向かつて噴出供給されて、食器Ｓ群を洗浄し、
その後、再び集合して洗剤溶液タンク１３に戻る
ことを繰返す。その際、洗剤溶液は二本の洗浄配
管２７，２８を経て噴出供給されて、食器Ｓ群へ
の洗剤溶液の循環供給が比較的低圧大流量になる
ので、食器Ｓ群の洗浄効果は高められる。

また、すすぎ時、洗浄用開閉弁２０は閉じら
れ、すすぎ用開閉弁２２は開かれ、流量−圧力制
御用開閉弁３５は閉じられる。このことにより、
すすぎ水タンク１５の温水のすすぎ水が洗浄ポン
プ２５で圧送され、第１の洗浄配管２７のみを経
てその一部が駆動ジエツト３２からラツク１２の
円弧周面の接線方向に噴出されて、ラツク１２を
回転駆動すると同時に、残りのすすぎ水が洗浄ノ
ズル２９，３１から食器Ｓ群に向かつて噴出供給
されて、該食器Ｓ群をすすいだのち、排水管３６
から外部に排出される。その際、すすぎ水は第１
の洗浄配管２７のみを経て噴出供給されて、食器
Ｓ群へのすすぎ水量が上記洗浄時の洗剤溶液循環
量よりも少なくなつてほぼ適切量になると共に水
圧が高圧になるので、食器Ｓ群に対するすすぎが
無駄なく良好に行われる。

従つて、食器Ｓ群に対する洗浄効果を高め且つ
すすぎ効果を良好に保持しながら、すすぎ水量を
低減して、すすぎ水タンク１５を小容量のものに
選定でき、装置全体のコンパクト化を図ることが
できる。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、洗浄時
の洗剤溶液の循環供給とすすぎ時のすすぎ水の供
給とを同一ポンプで行う食器洗浄機において、洗
浄時には二本の洗浄配管を介する洗剤溶液の循環
供給として、その循環量を多くする一方、すすぎ
時には一本の洗浄配管のみを介するすすぎ水の供
給として、そのすすぎ水量を上記洗浄時の洗剤溶
液循環量よりも少なくしたので、食器に対する洗
浄効果を高め且つすすぎ効果を良好に保持しなが
ら、すすぎ水タンクを小容量のものに選定でき、
その分、装置のコンパクト化を図ることができる
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の実施例を示し、
第１図は全体構成図、第２図は第１図の−線
断面図である。 ５……洗浄室、６……ポンプ室、Ｓ……食器、
１２……ラツク、１３……洗剤溶液タンク、１５
……すすぎ水タンク、２５……洗浄ポンプ、２７
……第１の洗浄配管、２８……第２の洗浄配管、
２９，３０……洗浄ノズル、３５……流量−圧力
制御用開閉弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 洗剤溶液を貯溜する洗剤溶液タンク１３と、す
   すぎ水を貯溜するすすぎ水タンク１５とを備え、
   洗浄時には上記洗剤溶液タンク１３の洗剤溶液を
   洗浄室５内に循環供給する一方、すすぎ時には上
   記すすぎ水タンク１５のすすぎ水を洗浄室５内に
   供給するようにした食器洗浄機であつて、上記洗
   剤溶液タンク１３およびすすぎ水タンク１５に選
   択的に連通接続される洗浄ポンプ２５と、各々一
   端が該洗浄ポンプ２５に連通接続され、他端に洗
   浄室５に配設された洗浄ノズル２９，３０を有す
   る二本の洗浄配管２７，２８と、該両洗浄配管２
   ７，２８の一方に介設され、洗浄時に開き、すす
   ぎ時に閉じる開閉弁３５とを備えたことを特徴と
   する食器洗浄機。