JPS6345216B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は回転ブラシ付電気掃除機の回転ブラシ
用クラツチ装置に関する。

従来の回転ブラシ付電気掃除機の回転ブラシ部
は、第１図に示すような構成になつている。すな
わち、本体１内に回転ブラシ２とこの回転ブラシ
２を回転させるためのモータ３を有しており、モ
ータ３の回転はベルト４により回転ブラシ２と一
体に回転するプーリ５へ伝えられ、また、回転ブ
ラシ２は軸受６を介して本体１に回転自在に取り
付けられ、回転ブラシ２により掻き集められた塵
埃は吸込口７から吸い込まれるものである。この
ような従来の構成では、モータ３と回転ブラシ２
がベルト４により直接連結されているため、回転
ブラシ２がカーペツトの端等を巻き込んでロツク
するとベルト４も同時にロツクし、ベルト４とモ
ータ３のシヤフト８間でスリツプが生じ、このス
リツプ箇所が発熱してベルト４が破断する現象が
生じ問題となつていた。

本発明は、モータの始動時には駆動側で従動側
を押圧保持して回転を伝達するとともにモータが
所定の回転数に達した後は従動側で駆動側を押圧
保持して回転を伝達し、かつ回転ブラシがロツク
した時は、従動側による駆動側への押圧保持が解
除されて回転の伝達を絶つ回転ブラシ用クラツチ
装置を提供し、前記従来の回転ブラシ付電気掃除
機の具有する欠点を解消してベルト切れの発生を
防止し、回転ブラシ付電気掃除機の使用性を向上
させることを目的とするものである。

以下本発明の実施例を第２図〜第７図に基づい
て説明する。

第２図は本発明に基づくクラツチ装置を装着し
た回転ブラシ部を示し、本体１０内の回転ブラシ
１１とモータ１２が、ベルト１３およびベルト１
４によりクラツチ装置１５を介して連結されてい
る。駆動側プーリ１６はモータ１２のシヤフト１
７の５〜７倍の外径を有し、モータの回転を減速
させている。従動側プーリ１８およびブラシ側プ
ーリ１９は同径で、単にモータ１２からの回転を
クラツチ装置１５を介して回転ブラシ１１へ伝え
る役目のみを果たしている。回転ブラシ１１は軸
受２０により本体１０に回転自在に取り付けられ
ており、回転ブラシ１１により掻き集められた塵
埃は吸込口２１より吸い込まれる。

クラツチ装置１５の詳細を第３図および第４図
に基づいて説明する。クラツチ装置１５は駆動側
２２と従動側２３とからなり、駆動側２２におい
てベアリング２４を介して軸２５に回転自在に外
嵌された駆動側プーリ２６には、一対の半円環状
の駆動側アーム２７Ａ，２７Ｂがそれぞれピン２
８，２８および止め輪２９，２９，２９，２９に
よつてスペーサ３０，３０を介して軸２５と同心
的に取り付けられている。一方、従動側２３にお
いてベアリング３１を介して軸２５に回転自在に
外嵌された従動側プーリ３２には、一対の半円環
状の従動側アーム３３Ａ，３３Ｂがそれぞれピン
３４，３４および止め輪３５，３５によつてスペ
ーサ３６，３６を介して軸２５と同心的に取り付
けられ、かつ従動側アーム３３Ａ，３３Ｂは駆動
側アーム２７Ａ，２７Ｂに内嵌されている。駆動
側アーム２７Ａ，２７Ｂは、その内周面にて従動
側アーム３３Ａ，３３Ｂの外周面を押圧保持する
ように、両駆動側アーム２７Ａ，２７Ｂ間に亘つ
て掛装された駆動側ばね３７Ａ，３７Ｂにて互い
に引き合わされており、また、ピン２８，２８，
２８，２８が挿通する穴部３８，３８，３８，３
８は、駆動側２２が高速で回転した時に、遠心力
によつて両駆動側アーム２７Ａ，２７Ｂが駆動側
ばね３７Ａ，３７Ｂの力に勝つて互いに離間移動
可能なように長穴となつている。これに対し従動
側アーム３３Ａ，３３Ｂは、互いの端面同志が当
接するとともに、両従動側アーム３３Ａ，３３Ｂ
間に亘つて掛装された従動側ばね３９Ａ，３９Ｂ
にて互いに引き合わされており、またピン３４，
３４，３４，３４が挿通する穴部４０，４０，４
０，４０は、従動側が高速で回転されたときに、
遠心力によつて両従動側アーム３３Ａ，３３Ｂが
従動側ばね３９Ａ，３９Ｂの力に勝つて互いに離
間移動し、かつ上記アーム３３Ａ，３３Ｂの外周
面にて駆動側アーム２７Ａ，２７Ｂの内周面を押
圧可能なように、駆動側アーム２７Ａ，２７Ｂに
設けられた穴部３８，３８，３８，３８よりも長
さ方向に余裕がとられている。なお、駆動側２２
および従動側２３は、それぞれ止め輪４１，４１
によりスラスト方向への移動が規制されている。

以上の構成において、第２図に示すモータ１２
が起動してベルト１３を走らせると、第３図およ
び第４図における駆動側プーリ２６が回転され、
それに伴なつて駆動側アーム２７Ａ，２７Ｂも一
諸に回転される。このとき、駆動側ばね３７Ａ，
３７Ｂの作用により駆動側アーム２７Ａ，２７Ｂ
はその内周面にて従動側アーム３３Ａ，３３Ｂの
外周面を押圧保持しているため、駆動側２２から
従動側２３に回転が伝達される。モータ１２の回
転が高速になると、駆動側アーム２７Ａ，２７Ｂ
は、その遠心力が駆動側ばね３７Ａ，３７Ｂの力
に勝ち、ピン２８，２８，２８，２８に案内され
る穴部３８，３８，３８，３８の許容範囲だけ互
いに離間移動して外方へ拡がり、これと同時に、
従動側アーム３３Ａ，３３Ｂもまた、その遠心力
が従動側ばね３９Ａ，３９Ｂの力に勝ち、互いに
離間移動して外方へ拡がる。このとき、前述のよ
うに従動側アーム３３Ａ，３３Ｂの穴部４０，４
０，４０，４０の方が駆動側アーム２７Ａ，２７
Ｂの穴部３８，３８，３８，３８よりも長さ方向
に余裕がとられているため、従動側アーム３３
Ａ，３３Ｂの外周面が駆動側アーム２７Ａ，２７
Ｂの内周面をその遠心力にて押圧保持することに
なり、したがつて、駆動側２２から従動側２３へ
の回転の伝達が継続される。

この状態において、例えば第２図に示す回転ブ
ラシ１１がカーペツトの端等を巻き込んでロツク
すると、第３図および第４図に示す従動側２３の
回転が停止し、従動側アーム３３Ａ，３３Ｂに働
く遠心力が消滅して、この従動側アーム３３Ａ，
３３Ｂが従動側ばね３９ａ，３９Ｂの作用によつ
て互いに引き合わされることによつて駆動側アー
ム２７Ａ，２７Ｂの内周面から離れる。一方、従
動側２３は回転したままであるので、駆動側アー
ム２７Ａ，２７Ｂは外方に拡がつたままである。
したがつて、従動側アーム３３Ａ，３３Ｂによる
駆動側アーム２７Ａ，２７Ｂへの押圧保持が解除
されて、駆動側２２から従動側２３への回転の伝
達が絶たれることになる。

したがつて回転ブラシ１１と共に従動側２３が
ロツクしても、駆動側２２はその影響を全く受け
ず自由に回転でき、ベルト１３とモータ１２のシ
ヤフト１７間のスリツプも発生せず、回転ブラシ
１１のロツクによつてベルト１３が破断するとい
う問題は全く無くなる。なお、回転ブラシ１１を
再回転させる場合は、一旦モータ１２を停止し、
回転ブラシ１１へのカーペツト等の巻き込みを解
除し、安全を確認したうえでモータ１２を再起動
させればよい。

第５図は本発明に基づくクラツチ装置を装着し
た回転ブラシ部の他の実施例を示したものであ
る。すなわち、第５図のものでは回転ブラシ１
１、クラツチ装置１５、およびプーリ１９が同軸
上に配置され、モータ１２からの回転をベルト１
３にてプーリ１９に伝えるように構成されてい
る。

本発明に基づくクラツチ装置の他の実施例を第
６図に示す。すなわち、駆動側アーム４２Ａ，４
２Ｂがそれぞれピン４３，４３を中心として揺動
可能に取り付けられ、かつ従動側アーム４４Ａ，
４４Ｂがそれぞれピン４５，４５を中心として揺
動可能に取り付けられたものであり、各アーム４
２Ａ，４２Ｂ，４４Ａ，４４Ｂに遠心力が働く
と、各アーム４２Ａ，４２Ｂ，４４Ａ，４４Ｂは
各ピン４３，４３，４５，４５を中心として外方
に揺動するものであつて、その他の構成および作
用は第３図および第４図に示すものと同じであ
る。

第８図は本発明に基づくクラツチ装置を装着し
た回転ブラシ付掃除機の床ノズル部の外観を示す
ものであつて、４６はボデー、４７は吸気ノイ
ズ、４８はバンパーである。

また、上記実施例における従動側２３の部材を
手動により回転阻止可能にすれば、駆動側２２の
回転は従動側２３へは伝達されず、回転ブラシ１
１が回転しないためベルト１３の負担を緩和でき
る。したがつて、このための構成を追加されたク
ラツチ装置を有する電気掃除機は、例えばカーペ
ツト上では回転ブラシを回転させ、タイル、板
床、畳上では回転ブラシを停止させるという具合
に任意に選択使用でき、その使用性を向上するこ
とができる。

さらに、本発明による回転ブラシ用クラツチ装
置は、上記実施例で述べた回転ブラシ駆動用モー
タを有する掃除機ばかりでなく、吸引フアン用モ
ータにて回転ブラシをも同時に回転させる構成の
掃除機にも利用できる。

以上述べたように本発明によると、掃除機運転
時のブラシロツクによるベルト破断を防止できる
という非常に有用な効果を期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の回転ブラシ付掃除機の回転ブラ
シ部の概略構成例を示す図、第２図は本発明に基
づくクラツチ装置を装着した回転ブラシ部の一概
略構成例を示す図、第３図は本発明に基づく回転
ブラシ用クラツチ装置の一実施例を示す要部側面
図、第４図は第３図の縦断正面図、第５図は本発
明に基づくクラツチ装置を装着した回転ブラシ部
の他の概略構成例を示す図、第６図は本発明に基
づく回転ブラシ用クラツチ装置の他の実施例を示
す要部側面図、第７図は本発明に基づくクラツチ
装置を装着した回転ブラシ付掃除機の床ノズル部
の外観を示す図である。 １１……回転ブラシ、１２……モータ、１３…
…ベルト、１５……クラツチ装置、２２……駆動
側、２３……従動側、２７Ａ，２７Ｂ，４２Ａ，
４２Ｂ……駆動側アーム、２８，３４，４３，４
５……ピン、３３Ａ，３３Ｂ，４４Ａ，４４Ｂ…
…従動側アーム、３７Ａ，３７Ｂ……駆動側ば
ね、３８，４０……穴部、３９Ａ，３９Ｂ……従
動側ばね。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ モータに連動連結された駆動側と回転ブラシ
   に連動連結された従動側とからなり、駆動側に一
   対の半円環状の駆動側アームを回転軸心と同心状
   に配設するとともに、従動側に駆動側アームに内
   嵌される一対の半円環状の従動側アームを配設
   し、モータが始動する時に駆動側アームの内周面
   にて従動側アームの外周面を押圧保持させて回転
   を伝達させ、かつモータが所定の回転数に達した
   時に遠心力によつて駆動側アーム同志が所定間隔
   だけ離間移動するのを許す駆動側ばねを駆動側ア
   ーム間に亘つて掛装し、前記モータが所定の回転
   数に達した時に遠心力によつて従動側アームの外
   周面が駆動側アームの内周面を押圧保持して回転
   の伝達を受けるのを許すとともに、従動側が駆動
   側とともに回転している状態で従動側の回転ブラ
   シの回転が阻止された時に、遠心力の消滅した従
   動側アーム同志を引き合わせ、前記従動側アーム
   による駆動側アームへの押圧保持を解除させて回
   転の伝達を絶つ従動側ばねを従動側アーム間に亘
   つて掛装したことを特徴とする電気掃除機の回転
   ブラシ用クラツチ装置。 ２ 従動側を手動により回転阻止可能にしたこと
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の電気掃
   除機の回転ブラシ用クラツチ装置。