JPS6344812B2 - - Google Patents
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- JPS6344812B2 JPS6344812B2 JP3823181A JP3823181A JPS6344812B2 JP S6344812 B2 JPS6344812 B2 JP S6344812B2 JP 3823181 A JP3823181 A JP 3823181A JP 3823181 A JP3823181 A JP 3823181A JP S6344812 B2 JPS6344812 B2 JP S6344812B2
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
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- Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は金属の純化方法に関するものであり、
詳しくは溶融金属、特に溶融アルミニウムから、
分別結晶法により、高純度の金属を取得する方法
に関するものである。 容器内に収容された溶融金属に冷却管を挿入
し、冷却管の内部に冷却媒体を流通させて冷却管
表面に金属晶出物を成長させることにより金属を
純化することは公知である。例えば特公昭50−
20536には、溶融アルミニウム中に黒鉛管を挿入
し、その表面にアルミニウムの結晶を析出させる
ことが記載されている。 このような分別結晶法による金属の純化におい
ては、冷却管には下記のような性能が要求され
る。 (イ) 純化されるべき金属を汚染しないこと。すな
わち、純化の対象となる溶融金属中で変化せ
ず、かつこれに不溶であること。 (ロ) 熱伝導が良好なこと。 (ハ) 機械的強度が大きいこと。 (ニ) 多数回の反復使用に耐えること。 上記の特公昭50−20536で用いられている黒鉛
製の冷却管は、上述の諸条件のうち(ハ)および(ニ)の
要件に欠ける。すなわち黒鉛は機械的強さ、特に
靫性に欠けるので、特公昭50−20536の如く冷却
管を溶融金属中に固定的に配置して表面に生成す
る結晶をたえず剥離させる場合はともかく、後述
の如く冷却管を回転させながらその表面に金属晶
出物を成長させ、次いで多量の金属晶出物の付着
した冷却管を溶融金属から取出す場合には、冷却
管が破損する恐れがある。また黒鉛は高温の酸化
性雰囲気中において酸化消耗しやすい。 金属製の冷却管は一般に大きな熱伝導率および
機械的強度が期待できるが、純化されるべき溶融
金属を汚染する。この汚染は、冷却管を純化され
るべき溶融金属と同質の金属で製作すると回避で
きる。しかし、このような冷却管では、純化され
るべき金属が冷却管からエピタキシヤルに成長す
るので、冷却管を繰り返し使用できない。さら
に、このような冷却管では、その外面が溶融点近
傍の温度となるため機械的強度が低下し、また変
形して反復使用に耐え難い。 本発明者らは、金属製冷却管の表面に、純化さ
れるべき溶融金属中で変化せず、かつこれに不溶
で、しかも素地金属との熱膨張率の差の小さい物
質を溶射することにより、前述の諸条件を満足す
る冷却管を製造し得ることを知得し、本発明を達
成した。 すなわち本発明の要旨は、容器内に収容されて
いる溶融金属中に冷却管を挿入し、冷却管内に冷
却媒体を流通させて冷却管の表面に金属晶出物を
成長させる金属の純化方法において、耐熱性の金
属製本体の表面に溶融金属を汚染せず且つ素地の
金属との熱膨張率の差が小さい物質の溶射層を有
する冷却管を使用することに存する。 本発明について更に詳細に説明すると、本発明
は種々の金属の純化に適用できるが、特にアルミ
ニウムの純化に好適である。アルミナの電解によ
り製造される一次電解アルミニウムは、たかだか
スリーナイン、すなわち99.9%の純度を有するに
すぎないが、市場においては更に高純度のアルミ
ニウムに対する強い需要がある。従来、この需要
は三層電解法による二次電解アルミニウムにより
満されていた。しかし二次電解アルミニウムは高
価なので、一次電解アルミニウムをより安価に純
化する方法が求められている。本発明はこのよう
な要求にこたえるものであり、本発明によれば
99.8%以上、特に99.9%以上の純度の一次電解ア
ルミニウムを原料として、二次電解アルミニウミ
に匹敵する高純度のアルミニウムを容易に取得す
ることができる。 本発明方法で用いる冷却管は、金属製本体の表
面に耐熱性不活性物質の溶射層を形成したもので
ある。冷却管の本体を構成する金属としては、純
化の対象とする溶融金属の温度において、大きな
機械的強度を有するものが用いられる。例えばア
ルミニウムの純化の場合には、純化操作は約660
℃で行なわれるので、冷却管の本体は耐熱鋼、ス
テンレス鋼、鋳鉄、ベリリウム銅、チタン合金等
で製作される。冷却管の形状は円筒状のものが普
通であり、内部に冷却媒体を流通させ易いように
内管を挿入して二重管とするのが好ましい。冷却
管の表面には耐熱性不活性物質の溶射層を形成す
る。耐熱性不活性物質としては、純化の対象とな
る溶融金属を汚染しないものを用いなければなら
ない。すなわち溶融金属中で変化せず、かつ溶融
金属に溶解しないものでなければならない。この
ような物質としては、硼化チタン(TiB2)、窒化
アルミニウム(AlN)、アルミナ、マグネシア、
ジルコニア、ジルコンカーバイド(ZrC)、チタ
ンカーバイド(TiC)などがある。溶射層の厚さ
は、素地金属を十分に被覆するに足るものでなけ
ればならない。若し溶射層に欠陥があると、その
部分から素地金属が溶出して、純化されるべき溶
融金属を汚染する。通常は0.03mm以上の厚さの溶
射層があれば十分である。溶射層は素地金属より
も熱伝導性が悪いので、溶融金属の汚染防止に必
要な以上に厚い溶射層を形成することは不利であ
る。一般に溶射層の厚さは0.03〜0.10mmが好まし
い。 金属製本体と溶射層との組合せは、両者の熱膨
張率の差ができるだけ小さくなるように選択する
のが好ましい。両者の熱膨張率の差が大きいと、
冷却管が使用時にうける熱履歴に応じて、金属製
本体と溶射層の不整合が生じ、溶射層が破損して
金属製本体が直接に溶融金属に接触してこれを汚
染するに至る。通常は被覆層と素地との膨張率の
差が2×10-5/℃以下となるように両者を組合せ
る。 本発明方法による溶融金属の純化は、溶融金属
中に上記の表面に溶射層を有する冷却管を挿入
し、冷却管の内部に冷却媒体を流通させることに
より行なわれる。これにより冷却管の表面を通し
て熱が抽出されるので、溶融金属から純化された
金属の結晶が冷却管の表面に析出する。例えば特
公昭50−20536の方法に従い、溶融金属中に冷却
管を固定的に配置し、冷却管の表面に析出した金
属の結晶を強制的に剥離させて容器底に突き固め
る方法を採用することができる。しかし好ましく
は、冷却管を回転させながらその表面に純化され
た金属の結晶を析出させ、次いで金属晶出物の付
着した冷却管を溶融金属から引き上げ、加熱して
金属晶出物を融解させる方法が採用される(この
方法の詳細は、昭和56年3月13日付の本出願人の
出願に係る「アルミニウムの純化法」に記載され
ている)。この方法では一般に回転速度が大きい
ほど金属晶出物の純度が向上するので、通常は周
速度が5m/分以上、好ましくは10m/分以上と
なるように冷却管を回転させる。また、他の分別
結晶法と同じく、晶出速度が大きいほど一般に晶
出物の純度が低下する。従つて晶出物に要求され
る純度に応じて回転速度および晶出速度を調節す
る。本発明で用いる冷却管の本体は金属製なの
で、この方法で要求される多量の晶出物が付着し
た状態での高速回転、および運搬等に耐えること
ができる。 以上詳細に説明したように、本発明で使用する
冷却管は、耐熱性の金属製本体の表面に純化の対
象とする溶融金属を汚染せず且つ素地の金属との
熱膨張率の差が小さい物質の溶射層を形成したも
のなので、熱伝導性にすぐれ、機械的強度が大き
く、長時間の反復使用に耐えることができる。 以下に実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はその要旨をこえない限り、以
下の実施例に限定されるものではない。 実施例 1 外径30mm、長さ400mm、肉厚3mmの底の閉鎖さ
れたステンレス管に、硼化チタン(TiB2)を溶
射して冷却管を製作した。溶射はプラズマダイン
社製のスプレーガンSG/Bを用い、アークガス
およびパウダーガスとしてアルゴンを、補助ガス
としてヘリウムを用い、電圧50V、電流750Aで
行なつた。この冷却管の素地金属と溶射層との熱
膨張率の差は約1×10-5/℃である。 電気抵抗炉に収容した黒鉛ルツボにアルミニウ
ムの一次電解地金の溶湯を入れた。溶湯中に上記
で製作した冷却管を挿入した。溶湯温度を約662
〜663℃に保持し、冷却管を200rpmで回転させな
がらその内部に室温の窒素ガスを50/分で流通
させた。この条件で15分間晶出操作を行なつたの
ち冷却管を残余の溶融アルミニウムから引上げ、
別の黒鉛るつぼ中で加熱してアルミニウム晶出物
を溶融させた。結果を第1表に示す。 【表】
詳しくは溶融金属、特に溶融アルミニウムから、
分別結晶法により、高純度の金属を取得する方法
に関するものである。 容器内に収容された溶融金属に冷却管を挿入
し、冷却管の内部に冷却媒体を流通させて冷却管
表面に金属晶出物を成長させることにより金属を
純化することは公知である。例えば特公昭50−
20536には、溶融アルミニウム中に黒鉛管を挿入
し、その表面にアルミニウムの結晶を析出させる
ことが記載されている。 このような分別結晶法による金属の純化におい
ては、冷却管には下記のような性能が要求され
る。 (イ) 純化されるべき金属を汚染しないこと。すな
わち、純化の対象となる溶融金属中で変化せ
ず、かつこれに不溶であること。 (ロ) 熱伝導が良好なこと。 (ハ) 機械的強度が大きいこと。 (ニ) 多数回の反復使用に耐えること。 上記の特公昭50−20536で用いられている黒鉛
製の冷却管は、上述の諸条件のうち(ハ)および(ニ)の
要件に欠ける。すなわち黒鉛は機械的強さ、特に
靫性に欠けるので、特公昭50−20536の如く冷却
管を溶融金属中に固定的に配置して表面に生成す
る結晶をたえず剥離させる場合はともかく、後述
の如く冷却管を回転させながらその表面に金属晶
出物を成長させ、次いで多量の金属晶出物の付着
した冷却管を溶融金属から取出す場合には、冷却
管が破損する恐れがある。また黒鉛は高温の酸化
性雰囲気中において酸化消耗しやすい。 金属製の冷却管は一般に大きな熱伝導率および
機械的強度が期待できるが、純化されるべき溶融
金属を汚染する。この汚染は、冷却管を純化され
るべき溶融金属と同質の金属で製作すると回避で
きる。しかし、このような冷却管では、純化され
るべき金属が冷却管からエピタキシヤルに成長す
るので、冷却管を繰り返し使用できない。さら
に、このような冷却管では、その外面が溶融点近
傍の温度となるため機械的強度が低下し、また変
形して反復使用に耐え難い。 本発明者らは、金属製冷却管の表面に、純化さ
れるべき溶融金属中で変化せず、かつこれに不溶
で、しかも素地金属との熱膨張率の差の小さい物
質を溶射することにより、前述の諸条件を満足す
る冷却管を製造し得ることを知得し、本発明を達
成した。 すなわち本発明の要旨は、容器内に収容されて
いる溶融金属中に冷却管を挿入し、冷却管内に冷
却媒体を流通させて冷却管の表面に金属晶出物を
成長させる金属の純化方法において、耐熱性の金
属製本体の表面に溶融金属を汚染せず且つ素地の
金属との熱膨張率の差が小さい物質の溶射層を有
する冷却管を使用することに存する。 本発明について更に詳細に説明すると、本発明
は種々の金属の純化に適用できるが、特にアルミ
ニウムの純化に好適である。アルミナの電解によ
り製造される一次電解アルミニウムは、たかだか
スリーナイン、すなわち99.9%の純度を有するに
すぎないが、市場においては更に高純度のアルミ
ニウムに対する強い需要がある。従来、この需要
は三層電解法による二次電解アルミニウムにより
満されていた。しかし二次電解アルミニウムは高
価なので、一次電解アルミニウムをより安価に純
化する方法が求められている。本発明はこのよう
な要求にこたえるものであり、本発明によれば
99.8%以上、特に99.9%以上の純度の一次電解ア
ルミニウムを原料として、二次電解アルミニウミ
に匹敵する高純度のアルミニウムを容易に取得す
ることができる。 本発明方法で用いる冷却管は、金属製本体の表
面に耐熱性不活性物質の溶射層を形成したもので
ある。冷却管の本体を構成する金属としては、純
化の対象とする溶融金属の温度において、大きな
機械的強度を有するものが用いられる。例えばア
ルミニウムの純化の場合には、純化操作は約660
℃で行なわれるので、冷却管の本体は耐熱鋼、ス
テンレス鋼、鋳鉄、ベリリウム銅、チタン合金等
で製作される。冷却管の形状は円筒状のものが普
通であり、内部に冷却媒体を流通させ易いように
内管を挿入して二重管とするのが好ましい。冷却
管の表面には耐熱性不活性物質の溶射層を形成す
る。耐熱性不活性物質としては、純化の対象とな
る溶融金属を汚染しないものを用いなければなら
ない。すなわち溶融金属中で変化せず、かつ溶融
金属に溶解しないものでなければならない。この
ような物質としては、硼化チタン(TiB2)、窒化
アルミニウム(AlN)、アルミナ、マグネシア、
ジルコニア、ジルコンカーバイド(ZrC)、チタ
ンカーバイド(TiC)などがある。溶射層の厚さ
は、素地金属を十分に被覆するに足るものでなけ
ればならない。若し溶射層に欠陥があると、その
部分から素地金属が溶出して、純化されるべき溶
融金属を汚染する。通常は0.03mm以上の厚さの溶
射層があれば十分である。溶射層は素地金属より
も熱伝導性が悪いので、溶融金属の汚染防止に必
要な以上に厚い溶射層を形成することは不利であ
る。一般に溶射層の厚さは0.03〜0.10mmが好まし
い。 金属製本体と溶射層との組合せは、両者の熱膨
張率の差ができるだけ小さくなるように選択する
のが好ましい。両者の熱膨張率の差が大きいと、
冷却管が使用時にうける熱履歴に応じて、金属製
本体と溶射層の不整合が生じ、溶射層が破損して
金属製本体が直接に溶融金属に接触してこれを汚
染するに至る。通常は被覆層と素地との膨張率の
差が2×10-5/℃以下となるように両者を組合せ
る。 本発明方法による溶融金属の純化は、溶融金属
中に上記の表面に溶射層を有する冷却管を挿入
し、冷却管の内部に冷却媒体を流通させることに
より行なわれる。これにより冷却管の表面を通し
て熱が抽出されるので、溶融金属から純化された
金属の結晶が冷却管の表面に析出する。例えば特
公昭50−20536の方法に従い、溶融金属中に冷却
管を固定的に配置し、冷却管の表面に析出した金
属の結晶を強制的に剥離させて容器底に突き固め
る方法を採用することができる。しかし好ましく
は、冷却管を回転させながらその表面に純化され
た金属の結晶を析出させ、次いで金属晶出物の付
着した冷却管を溶融金属から引き上げ、加熱して
金属晶出物を融解させる方法が採用される(この
方法の詳細は、昭和56年3月13日付の本出願人の
出願に係る「アルミニウムの純化法」に記載され
ている)。この方法では一般に回転速度が大きい
ほど金属晶出物の純度が向上するので、通常は周
速度が5m/分以上、好ましくは10m/分以上と
なるように冷却管を回転させる。また、他の分別
結晶法と同じく、晶出速度が大きいほど一般に晶
出物の純度が低下する。従つて晶出物に要求され
る純度に応じて回転速度および晶出速度を調節す
る。本発明で用いる冷却管の本体は金属製なの
で、この方法で要求される多量の晶出物が付着し
た状態での高速回転、および運搬等に耐えること
ができる。 以上詳細に説明したように、本発明で使用する
冷却管は、耐熱性の金属製本体の表面に純化の対
象とする溶融金属を汚染せず且つ素地の金属との
熱膨張率の差が小さい物質の溶射層を形成したも
のなので、熱伝導性にすぐれ、機械的強度が大き
く、長時間の反復使用に耐えることができる。 以下に実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はその要旨をこえない限り、以
下の実施例に限定されるものではない。 実施例 1 外径30mm、長さ400mm、肉厚3mmの底の閉鎖さ
れたステンレス管に、硼化チタン(TiB2)を溶
射して冷却管を製作した。溶射はプラズマダイン
社製のスプレーガンSG/Bを用い、アークガス
およびパウダーガスとしてアルゴンを、補助ガス
としてヘリウムを用い、電圧50V、電流750Aで
行なつた。この冷却管の素地金属と溶射層との熱
膨張率の差は約1×10-5/℃である。 電気抵抗炉に収容した黒鉛ルツボにアルミニウ
ムの一次電解地金の溶湯を入れた。溶湯中に上記
で製作した冷却管を挿入した。溶湯温度を約662
〜663℃に保持し、冷却管を200rpmで回転させな
がらその内部に室温の窒素ガスを50/分で流通
させた。この条件で15分間晶出操作を行なつたの
ち冷却管を残余の溶融アルミニウムから引上げ、
別の黒鉛るつぼ中で加熱してアルミニウム晶出物
を溶融させた。結果を第1表に示す。 【表】
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 容器内に収容されている溶融金属中に冷却管
を挿入し、冷却管内に冷却媒体を流通させて冷却
管の表面に金属晶出物を成長させる金属の純化方
法において、耐熱性の金属製本体の表面に溶融金
属を汚染せず且つ素地の金属との熱膨張率の差が
小さい物質の溶射層を有する冷却管を使用するこ
とを特徴とする方法。 2 金属製本体の表面に硼化チタン(TiB2)の
溶射層を有する冷却管を使用することを特徴とす
る特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 溶射層とこれに接する素地金属との熱膨張率
の差が2×10-5/℃以下である冷却管を使用する
ことを特徴とする特許請求の範囲第1項または第
2項記載の方法。 4 冷却管を回転させながらその表面に金属晶出
物を成長させたのち金属晶出物の付着した冷却管
を残余の液体金属から分離し、次いで加熱して金
属晶出物を融解させることを特徴とする特許請求
の範囲第1項ないし第3項のいずれかに記載の方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3823181A JPS57152434A (en) | 1981-03-17 | 1981-03-17 | Purifying method for metal |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3823181A JPS57152434A (en) | 1981-03-17 | 1981-03-17 | Purifying method for metal |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS57152434A JPS57152434A (en) | 1982-09-20 |
JPS6344812B2 true JPS6344812B2 (ja) | 1988-09-07 |
Family
ID=12519524
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3823181A Granted JPS57152434A (en) | 1981-03-17 | 1981-03-17 | Purifying method for metal |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS57152434A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0444418Y2 (ja) * | 1988-04-28 | 1992-10-20 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH068471B2 (ja) * | 1989-02-28 | 1994-02-02 | 昭和アルミニウム株式会社 | 金属の精製方法 |
JP2015145017A (ja) * | 2014-02-04 | 2015-08-13 | 昭和電工株式会社 | 冷却体 |
-
1981
- 1981-03-17 JP JP3823181A patent/JPS57152434A/ja active Granted
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0444418Y2 (ja) * | 1988-04-28 | 1992-10-20 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS57152434A (en) | 1982-09-20 |
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