JPS6344064Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は厨房等に使用する自動消火装置の噴出
嘴に関する。

〔従来の技術および考案が解決すべき問題点〕

従来この種の厨房等に使用する自動消火装置
は、食品関係のため粉末系消火剤を使用すること
は不可能で、一般に水系消火剤を使用しているも
のであるが、この噴出嘴ａは例えば第５図に示す
ように、消火器に連結する水系消火剤の送出管１
に取付ねじ２を介して噴出管３を取付け、該噴出
管３の先端部外周に熱感知板４の筒状部５を嵌装
して該噴出管の先端部と筒状部とを直接ハンダ等
の低温溶融金属で固着している。そこで火災発生
等の危急時に熱感知板４を噴出管３に固着した溶
融金属を火炎によつて溶融して該熱感知板４を下
方に落下させて水系消火剤を噴出管３から噴出さ
せるものであるが、熱感知板４を固着する筒状部
５が噴出管３の先端部に直接固着している関係
上、平生噴出管内の水系消火剤で冷却されている
ため、溶融金属を火災熱によつて溶融させるため
の時間が比較的長時間要し、危急時に間に合わな
いおそれが屡々発生していたものである。また噴
出管３の先端部に筒状部５を低温溶融金属で固着
する際、低温溶融金属の溶着はみ出しないしバリ
が噴出管３内に入り込み危急時の水系消火剤の噴
出に支障を来たすおそれもある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、このような従来の厨房等に使用する
自動消火装置の噴出嘴における欠点を除去するた
めに提案されたものであつて、本考案の要旨とす
る所は水系消火器本体とは接続送出管を経て分離
設置される自動消火装置の噴出嘴において、該噴
出嘴の噴出管３の先端外周に先端部が断面Ｌ形の
受け部を形成している支持用具８を両者３と８の
先端部間に間隙ｄを存して取付け、この支持用具
８の受け部内に傘状熱感知板９の中央凹陥部１０
の周辺の凸状立上り上辺部を低温溶融金属１１を
介して凹凸嵌合と同時に溶着し、かつ上記噴出管
３の先端内周にＯ−リング１３を介して止栓１４
を嵌合させ、この止栓１４の下端を上記感知板９
の中央凹陥部１０で支持せしめたことを特徴とす
る自動消火装置における噴出嘴に存するものであ
る。

〔実施例〕

第３，４図に示すようにＡは水系消火剤の消火
器で適宜厨房壁６等に正立状態に懸吊して、その
送出管１（ホース又は銅パイプ等）を例えば壁６
の天井部等に沿つて厨房レンヂ７上部に導き、該
送出管の先端部に噴出嘴ａを取付けるものである
が、本考案は該噴出嘴を次のように構成した点に
特徴を有するものである。

即ち、第１図イ，ロ，ハに示すように水系消火
剤の送出管１に取付ねじ２を介して選択されたノ
ズル径を有する噴出管３を接続し、該噴出管３の
先端にその外周と適宜の間隔ｄを保持して感知板
の固着支持用具８を取付け、該支持用具８の先端
に形成した断面Ｌ形の受け部内に傘状の熱感知板
９の中央凹陥部１０周辺の凸状立上り上辺部をハ
ンダ等の低温溶融金属１１を介して凹凸嵌合と同
時に固着し、噴出管３の先端内周段部１２にＯ−
リング１３を介して止栓１４を嵌合すると共にこ
の止栓１４の下端を上記感知板９の中央凹陥部１
０で支持させ、平生はこの止栓１４によつて水系
消火剤の噴出管１からの噴出を阻止している。

また噴出管１，３内の水系消火剤と、同噴出管
３の凹状受け部に感知板９の中央凹陥部１０の凸
状立上り上辺部を固着している低温溶融金属１１
は、止栓１４および間隙ｄで隔てられているの
で、平生は低温溶融金属１１は水系消火剤で冷却
を受けることがない。従つて感知板９が火災の熱
を受けた場合には溶融金属１１は容易かつ確実に
溶融するので、感知板９は確実に自重落下するこ
とになる。この感知板９が落下すると止栓１４の
中央凹陥部１０による支持がなくなることから、
止栓１４は噴出管１内の水系消火剤の内圧により
Ｏ−リング１３に抗して噴出管１の先端より離脱
する。またハンダ等の低温溶融金属１１は支持用
具８の先端の凹状受け部と感知板９の凸状立上り
上辺部との凹凸嵌合面間に介装され、両者を固着
するようになつているので、この固着作業は感知
板９を上に、支持用具８を下にした逆さの状態で
容易に実施でき、しかも噴出管３の噴出嘴に溶着
はみ出しやバリ等を形成するおそれがない。

そして噴出管３の内周先端にはノズル径を選択
できる絞り部があり、またその内周奥部には第２
図ａ，ｂ，ｃに示すように多数の斜状すり割り案
内１５…と、中央に放射透孔１５′とを有する消
火剤噴射駒ｂを設けて消火剤が噴出するときに中
央の放射透孔１５′から直接垂直に放射させると
ともに、斜状すり割りによつて消火剤を斜状に一
旦内周に当て更に反射させて、広範囲に消火剤を
散布できるようにしたものである。

なお１６は熱誘導孔、１７，１８は消火器に取
付けた注入バルブと圧力計、１９はフードを示
す。

〔考案の効果〕

叙上のように構成した本考案は、水系消火剤の
噴出管３の先端に第５図の従来のように熱感知板
４の筒状部５を直接低温溶融金属で固着すること
なく、熱感知板の固着支持用具８を該噴出管３の
先端外周と適宜間隔ｄを保持して取付け、この支
持用具８に噴出管との間に止栓１４を介在して傘
状熱感知板９を低温溶融金属１１で固着したもの
であるから、火災発生等の危急時には、溶融金属
が平生冷却されているようなことがないから極め
て早く溶融して熱感知板を落下させることがで
き、従つて熱感知板による抑えの解放された止栓
は水系消火剤の内圧によつて噴出管の先端から確
実に離脱し、水系消火剤を早急に厨房等の発火場
所に噴出させることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の詳細図で、イは要部縦断面
図、ロは止栓の平面図、ハは傘状熱感知板の正面
図、第２図は噴出管の詳細図でａは縦断面図、ｂ
は斜状すり割り案内駒の正面図、ｃは平面図、第
３図は収納時の消火器の斜面図、第４図は厨房に
取付けた状態を示す斜面図、第５図は従来の噴出
嘴の縦断面図である。 ａ…噴出嘴、Ａ…消火器、ｄ…間隔、３…噴出
管、８…支持用具、９…傘状熱感知板、１２…内
周段部、１４…止栓、１５…斜状すり割り案内。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水系消火器本体とは接続送出管を経て分離設置
   される自動消火装置の噴出嘴において、該噴出嘴
   の噴出管３の先端外周に先端部が断面Ｌ形の受け
   部を形成している支持用具８を両者３と８の先端
   部間に間隙ｄを存して取付け、この支持用具８の
   受け部内に傘状熱感知板９の中央凹陥部１０の周
   辺の凸状立上り上辺部を低温溶融金属１１を介し
   て凹凸嵌合と同時に溶着し、かつ上記噴出管３の
   先端内周にＯ−リング１３を介して止栓１４を嵌
   合させ、この止栓１４の下端を上記感知板９の中
   央凹陥部１０で支持せしめたことを特徴とする自
   動消火装置における噴出嘴。