JPS6342427B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は不安定光共振器を有するレーザーに関
する。

普通の形の軸上不安定レーザー光共振器は、凸
面鏡に向い合う凹面鏡と、出力平面鏡とを有し、
該平面鏡は、これに当る光を光共振器の外に反射
させるように或る角度をなして凹凸面鏡の間に置
かれる。出力平面鏡は軸穴を有し、これによつて
光の一部は鏡を通過して、光共振器の中に位置す
るレーザー媒質にレーザー作用を維持する。この
ようなレーザー光共振器は、回折理論によつて予
言される視準度に大変近い視準度を有する出力ビ
ームを生じさせることができる利点をもつてい
る。このような形のレーザー光共振器の欠点は、
出力ビームが環状輪郭を有するということであ
る。鏡の外径と内径の比はレーザー光共振器の倍
率Ｍと呼ばれる。Ｍの値が減少すると、一連のリ
ングで取り囲まれる中央スパイクからなる出力ビ
ームの遠視野回折像は中央スパイクからこれを取
り囲むリングへの強度の移動によつて薄れる。こ
れは、出力平面鏡の穴をレーザー光共振器の光軸
から遠ざかる位置へ移すことによつて放善され
る。しかし乍ら、回折像、特に中央スパイクの形
が最早円形でないという別の欠点がもたらされ
る。

本発明によれば、軸外し穴を有する出力平面鏡
を含む不安定光共振器を有し、レーザー放射がこ
の軸外し穴を通過してレーザー光共振器の中の活
性媒質にレーザー作用を維持するレーザーにおい
て、出力平面鏡は、これに投射するレーザー放射
に楕円形輪郭を与えるように形作られかつ位置決
めされ、楕円の長軸が出力平面鏡の穴の片寄りの
方向に延びていることを特徴とするレーザーを提
供する。

完全に片寄つた穴について、出力平面鏡の最適
な離心率は1.35の範囲にある。

今本発明を、例示として、添付図面を参照して
説明する。

第１図および第２図を参照すると、在来の軸上
不安定光共振器をもつ横方向励起気体レーザーは
気体の活性媒質２用の容器１からなる。容器１は
透明な端壁３を有し、かつ陽極電極４および陰極
電極５を収容し、これら電極によつて活性媒質２
をレーザー状態に励起させることができる。容器
２は、凹面鏡７と凸面鏡８とによつて形成された
光共振器６の中に置かれる。光共振器６の中には
又出力平面鏡９が置かれ、この平面鏡９はレーザ
ー放射をレーザー光共振器６の外へ反射させるよ
うに位置決めされている。出力平面鏡９は中心穴
１０を有し、レーザー放射の一部がこの中心穴を
通過することができるので、レーザー作用が開始
されてレーザー媒質２に維持される。出力平面鏡
９は、これが、第２図に示すように、凹面鏡７と
凸面鏡８との間を走るレーザー放射に円形な環状
輪郭を与えるような形状および位置である。

第２図は、レーザー光共振器の倍率Ｍの３つの
値についての遠視野回折像を示す。Ｍ＝00、即ち
出力平面鏡９に中心穴１０がないものに対する値
は、回折像の中央スパイクと第１の明るいリング
との間に理論上の理想的なエネルギー分布を与え
る。他のリングがあるが、これは第１のリングよ
りも大変弱く、従つて無視される。Ｍが減ずる
と、その分強度は回折像の中央スパイクから第１
の明るいリングへ移されることがわかる。不幸に
して、代表的には、２つの領域におけるＭの値
が、効果的なレーザー作用を作るのに必要とされ
る。

第３図は、穴１０の中心と出力平面鏡９の幾何
学的軸線との角度分離が増すときのＭ＝２の値に
ついての情況を示す。回折像の中央スパイクの最
大の明るさは第２図の明るさから変つてはいない
けれども、Airyのdisc内に含まれる強度が増すこ
とがわかる。

第４図は本発明を具体化している出力平面鏡９
についての相応する曲線および鏡の輪郭を示す。

再び、これらの曲線はＭ＝２の値について描か
れている。改良形の平面鏡９は軸外し穴１０のよ
うな楕円形の開口を有し、平面鏡９の長軸と穴１
０の長軸は互に一致している。第４図でわかるよ
うに、穴１０の片寄り方向に離心率Σ＜１を導入
することの効果は、遠視野回折像を平面鏡９の伸
長平面にフアクター１／Σだけ圧縮することであ
る。かくして、遠視野回折像の中央スパイクを軸
線方向に対称な形状に回復させることができる。
ただ、外側のリングはゆがめられる。しかし乍
ら、これらリングの弱さのために、これは重要で
はない。

これをなすのに要するΣの値はＭの函数であ
り、Ｍ＝２の値に対して、Σの最適な値は1.35で
あることが知られる。

楕円開口をもつ出力平面鏡の使用は、レーザー
作用が、一方向に伸びた領域で起るという利点を
有している。例えば、横方向流れ高出力気体レー
ザーでは、レーザー領域はレーザー媒質の流れ方
向に伸ばされる。レーザー媒質の利得が一様であ
れば、離心率Σをもつ光共振器はフアクターΣだ
けモード容積および取出される強度を増す。レー
ザービームの軸線上のピーク強さはフアクター
Σ2だけ増大される。Airyのdiskで囲まれる強度
は、楕円形開口の片寄りによつて（Ｍに依存する
フアクターによつて）、取出された全体の増大し
た強度によつて、および楕円形開口によつて導び
かれる中央スパイクのゆがみによつて増大され
る。

Ｍ＝２の値およびΣ1.35の最適な値では、囲ま
れた強度は略２倍になる。

第５図ａおよびｂは、軸外し円形開口鏡および
軸外し楕円形開口鏡の近視野強度分布と遠視野強
度分布を夫々示す。これらの図からわかるよう
に、軸外し円形開口鏡は、中央スパイクが楕円形
状にゆがめられるような遠視野回折像を生じ、こ
れに対して、楕円形開口鏡は遠視野回折像の中央
スパイクに対して円形対称を回復する。

【図面の簡単な説明】

第１図は在来の不安定光共振器を使用している
レーザーの概略図である。第２図は、レーザー光
共振器に用いられる出力平面鏡の輪郭を表示する
とともに、かかるレーザー光共振器の遠視野回折
像の理想的な強度分布を共振器倍率の異なる値に
ついて示す図である。第３図は既存の軸外し出力
平面鏡についての対応する曲線および鏡の輪郭を
示す図である。第４図は本発明の実施態様につい
ての対応する曲線および鏡の輪郭を示す図であ
る。第５図は第３図および第４図の出力平面鏡に
ついての近視野ビーム像および遠視野ビーム像を
示す図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 軸外し穴を有する出力平面鏡を含む不安定光
   共振器を有し、レーザー放射は前記軸外し穴を通
   過してレーザー光共振器の中の活性媒質にレーザ
   ー作用を維持するレーザーにおいて、出力平面鏡
   は、これに投射されるレーザー放射に楕円形輪郭
   を与えるように形作られかつ位置決めされ、楕円
   の長軸が出力平面鏡の穴の片寄りの方向に延びて
   いることを特徴とするレーザー。 ２ 気体のレーザー媒質の流れ方向と一線をなし
   た長軸をもつ長方形の横断面を有するレーザー領
   域を含み、出力平面鏡の輪郭の長軸の直径がレー
   ザー領域の長軸と一線をなしている、特許請求の
   範囲第１項記載の出力平面鏡を有する横方向流れ
   気体レーザー。 ３ 出力平面鏡および穴の長軸直径の比は実質的
   に２に等しく、出力平面鏡および穴の輪郭の離心
   率は実質的に1.35である、特許請求の範囲第１項
   又は第２項記載のレーザー。