JPS6342372Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、赤外センサによる検出視野を分割す
るための赤外センサ用集光器に関する。

例えば、赤外センサを利用した侵入警報器にお
いては、赤外光源としての人体が監視範囲に入つ
たとき、高い感度が得られるよう、凹面鏡やレン
ズ等の光学系により人体からの赤外線放射エネル
ギを赤外センサに集光する必要がある。したがつ
て、警報器の監視範囲がせまくなるため、通常
は、複数の凹面鏡を用い、赤外センサによる検出
視野を複数に分割して、監視範囲における複数の
小領域からの輻射赤外線が赤外センサに入射され
るように構成することが必要である。

ところが、従来では、多数の凹面鏡を、互いに
位置と角度を少しずつ異ならせて並設したいわゆ
るマルチミラー方式の集光器によつて検出視野を
分割していたため、次のような欠点があつた。

即ち、凹面鏡そのものが比較的高価である上、
多数の凹面鏡を所定の位置関係に組付けるため、
製造が難しく、しかも、集光器が大型化し、集光
器及び赤外センサを収容するケースも大型化する
のである。

本考案は、上記の従来欠点に鑑み、容易かつ安
価に製造できる小型化が可能な赤外センサ用集光
器を提供するものであり、赤外線透過材料よりな
る板体に、監視範囲からの赤外線放射エネルギの
うち、特定方向から入射する赤外線のみを赤外セ
ンサの光軸に平行になる様屈折させる複数の単位
プリズム集合体を、前記特定方向を互いに異にし
た状態に形成してなるプリズム集合体と、赤外線
透過材料製のフレネル・レンズとを、赤外センサ
への光路中に、並設して構成したことを特徴とし
ている。

以下、本考案を、侵入警報器の集光器に適用し
た実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は侵入警報器の要部を示す。１は焦電検
出器等の赤外センサ、２は赤外センサ１を収容す
るケースである。ケース２の前面に形成した赤外
線透過窓には、本考案の特徴とする集光器Ａが窓
材に兼用された状態に取り付けられている。赤外
センサ１による検出視野は、前記集光器Ａによつ
て複数に分割され、監視範囲における複数の小領
域からの輻射赤外線が赤外センサ１に入射される
ように構成してある。

従つて、侵入者が監視範囲に入ると、いずれか
の検出視野を横切るので、赤外センサ１への赤外
線入射量が変化し、赤外センサ１が検出信号を発
して図外のブザー等が作動することになる。

前記集光器Ａは、検出視野を分割するための薄
板状のプリズム集合体３と、プリズム集合体３を
透過した赤外線を集光する薄板状のフレネル・レ
ンズ４とを組合わせたものである。

前記プリズム集合体３は、第２図に示すよう
に、ポリエチレン等の赤外線透過材料よりなる板
体の表面を複数に区画すると共に、区画された表
面部分ごとに多数の平行な溝５…を形成すること
によつて、複数の単位プリズム集合体６^a，６^b，
６^c，６^d，６^e，６^f，６^gを形成したものであり、
各単位プリズム集合体６^a，６^b，６^c，６^d，６^e，
６^f，６^gは、前記溝５…のきざみ深さ及びきざみ
方向を互いに異ならせることによつて、監視範囲
からの輻射赤外線のうち、特定方向から入射する
赤外線のみを、つまり、各々の単位プリズム集合
体６^a，６^b，６^c，６^d，６^e，６^f，６^gに対応する
前記小領域からの輻射赤外線のみを赤外センサ１
の光軸に平行になる様屈折させるべく構成されて
いる。

前記フレネル・レンズ４は、第３図に示すよう
に、ポリエチレン等の赤外線透過材料よりなる板
体の表面に、多数の同芯円状の溝７…を形成し、
これら溝７…間に位置するリング状部分８…を
夫々適当な曲面をもつ凸レンズ状にすることによ
つて、一点に焦点を結ぶように構成したものであ
る。

上記の構成によれば、マルチミラー方式の集光
器と同様に、検出視野の分割、集光を行なえるも
のであり乍ら、プリズム集合体３及びフレネル・
レンズ４は、いずれも、ポリエチレン等の赤外線
透過材料よりなる板体に、金型を押し当てて、所
定形状の溝５…，７…を成形するといつた簡易な
方法によつて容易にかつ安価に製造でき、集光器
Ａの小型化、ケース２の小型化が可能である。

また、単位プリズム集合体６^a，６^b，６^c，６^d，
６^e，６^f，６^gは、各々特定方向から入射する赤
外線のみを透過するので、監視範囲の一部に、照
明器具や直射日光の差し込む窓等の外乱物があつ
ても、この外乱物の方向に対応する単位プリズム
集合体の表面に、当該単位プリズム集合体と合致
した形状の型紙を貼り付けたり、あるいは、プリ
ズム集合体３とフレネル・レンズ４との間に挾み
込むことによつて、外乱物からの赤外線を遮ぎる
ことができる。

尚、図示の実施例では、プリズム集合体３及び
フレネル・レンズ４を互いに重ね合わせて、ケー
ス２の開口端部とこれに着脱自在に嵌合固定され
る窓枠９との間に挾持してあるが、予め両者３，
４の周縁部を接着して互いに一体化しておいても
よい。また、ケース２を断面円形に形成する一
方、プリズム集合体３及びフレネル・レンズ４も
円形に形成し、両者３，４を重ね合わせて、ある
いは、予め接着により一体化した状態で、ケース
２の開口端部とこれに螺合するナツト状の窓枠と
で挾持してもよい。また、上記実施例では集光器
Ａをケース２の窓材に兼用構成しているが、別の
透明窓を備えたケース内に集光器Ａ及び赤外セン
サ１を設けて侵入警報器を構成してもよい。

以上のように、本考案は、検出視野を分割する
プリズム集合体と、これを透過した赤外線を集光
するフレネル・レンズとを組合わせて、赤外セン
サ用集光器としたので、ポリエチレン等の赤外線
透過材料よりなる板体に金型を押し当てて、所定
形状の溝を形成するといつた簡易な方法により、
容易かつ安価に製造でき、しかも、マルチミラー
方式の集光器に比べて小型化が可能であり、実施
例のように、集光器をケースの窓材に兼用するこ
とも可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は侵入警
報器の要部縦断面図、第２図はプリズム集合体の
正面図、第３図はフレネル・レンズの正面図であ
る。 １……赤外センサ、３……プリズム集合体、４
……フレネル・レンズ、６^a，６^b，６^c，６^d，６
^ｅ，６^f，６^g……単位プリズム集合体、Ａ……集
光器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 赤外線透過材料よりなる板体に、監視範囲から
   の輻射赤外線のうち、特定方向から入射する赤外
   線のみを赤外センサの光軸に平行になる様屈折さ
   せる複数の単位プリズム集合体を、前記特定方向
   を互いに異にした状態に形成してなるプリズム集
   合体と、赤外線透過材料製のフレネル・レンズと
   を、赤外センサへの光路中に、並設して構成した
   赤外センサ用集光器。