JPS6219963Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、虫，ほこりなどによる誤動作を防止
した散乱光式煙感知器に関するものである。

従来の散乱光式煙感知器は、感度を高めるため
光源から放射される光線の放射領域の断面が受光
器の視野領域と交わる煙通路において狭くなるよ
うに集光させて形成されたものが知られている
が、その煙通路に虫，ほこりなどが侵入しただけ
でも煙による散乱光と同じように上記光線のほと
んどが散乱されて受光器に入射して誤動作するお
それがある。

そこで上記放射領域の断面積を広くして虫，ほ
こりなどによる散乱光を少なくすることによつて
上記のような誤動作を防止したものも知られてい
るが、このような散乱光式煙感知器は光源と受光
器とが互いにその光軸すなわちそれらの放射方向
および受光方向が上記煙通路で交差するように設
けられるので、その煙通路における放射領域の断
面積を広くする場合その断面が受光器に対して厚
くなると、火災発生時に上記放射領域に進入する
煙による散乱光が他の煙に妨げられて受光器に届
かなくなる不都合が生じるため、同断面が受光器
に対しては薄くなるようにしなければならず、従
来のものは、光源として放射角度の広いものを用
いるとともに、その光源から放射される光線を上
記光源の前面に配置された遮蔽板のスリツトを通
して放射させることによつて、煙通路における放
射領域の断面が受光器に対して薄くかつ幅広く形
成されるようになつている。

このように光源と受光器とが互いにその光軸が
交差するように配置された散乱光式煙感知器にお
いて、従来の光源から放射される光線の煙通路に
おける放射領域の断面が受光器に対して薄くかつ
幅広く形成されるものは、上記放射領域が光源の
前面に配置された遮蔽板によつて形成されるの
で、感知器内に侵入したほこりなどが遮蔽板のス
リツト端面に堆積すると光線が屈折されて受光器
に入射して誤動作の原因となり、また煙通路には
光源から放射される光線のうち一部がスリツトを
通して放射されるのみで光源の効率が悪い欠点が
あつた。

本考案は上記の点にかんがみ、この種の散乱光
式煙感知器において、光源から放射される光線の
煙通路における放射領域の断面を、その光線を光
源の前面に配置されたレンズまたは反射鏡などに
よつて受光器に対して薄くなるように集光させて
形成することにより上記のような欠点を排除した
もので、以下図面についてその実施例を説明する
と、まず第１図および第２図において、１は暗室
で、上下蓋板２および３と複数の側壁板４とで構
成され、上記蓋板２および３と側壁板４との間
に、また各側壁板４の間に適宜の間隙を置いて暗
室１の内外を連通する光学的に遮断された通気孔
５を有する。そして上記暗室１内は、一側壁板４
の内面に放射角度の広い光源６が反射側の側壁板
４に向けて設けられ、また上部蓋板２の内面ほぼ
中央部に台座７を介して入射角度の広い受光器８
が下部蓋板３に向けて設けられている。そしてさ
らに光源６の前面に、その放射方向に沿つた縦断
側面においては凸状に、また同方向に沿つた横断
平面においては平状に形成されたレンズ９が配置
されている。

また第３図および第４図において、第１図およ
び第２図と同じように上下蓋板２および３と複数
の側壁板４とで構成された暗室１の上部蓋板２の
内面端部に光源６が、またほぼ中央部に受光器８
が透明ガラスなどでできた遮煙板１０で覆われて
下部蓋板３に向けて設けられている。そしてさら
に光源６の前面に、その放射方向に沿つた縦断側
面においては凹状に、また同方向に沿つた横断平
面においては平状に形成された反射鏡１１が配置
されている。

したがつて上記両実施例において、光源６から
放射される光線は、その放射方向に沿つた横断平
面においてはそのまま放射状に直進するのでその
放射角度が変らないが、同方向に沿つた縦断側面
においてはレンズ９または反射鏡１１によつて集
光されて平行光線となり、上記光線の煙通路にお
ける放射領域の断面が受光器８に対して薄くかつ
幅広く形成される。

なお煙通路からの散乱光が受光器８前面の煙に
影響されないように上記受光器８は第１図のよう
に光源６から放射される光線に接近させて設けた
ほうがよいが、この受光器８の入射角度が狭く上
記煙通路における視野領域が狭くなる場合には受
光器８を上記光線に接近させる代りに第３図のよ
うにそこに透明な遮煙板１０を設けて受光器８を
覆つてもよい。また上記実施例では、レンズ９お
よび反射鏡１１が光源６の放射方向に沿つた縦断
側面においてのみそれぞれ凸状および凹状に形成
され、同方向に沿つた横断平面においてはともに
平状に形成されているが、さらにこの横断平面に
おいてもそれぞれ凹状および凸状に形成すればそ
の横断平面において光源６から放射される光線の
放射角度が広くなるので光源６としてたとえば発
光ダイオードのような放射角度の狭いものを用い
ることもできる。

以上のように本考案によれば、この種の散乱光
式煙感知器において、光源から放射される光線の
煙通路における放射領域の断面が、光源の前面に
配置されたレンズまたは反射鏡などによつて受光
器に対して薄くかつ幅広く形成されるので、従来
のような遮蔽板が不要となるため、その遮蔽板の
スリツト端面に堆積したほこりなどによつて光線
が屈折されて誤動作することがなく、また光源か
ら放射される光線がすべて煙通路に放射されるの
で光源の効率が高くなるなどすぐれた効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の縦断側面図、第２
図は第１図の横断平面図、第３図は他の実施例の
縦断側面図、第４図は第３図の横断平面図であ
る。 １……暗室、６……光源、８……受光器、９…
…レンズ、１１……反射鏡。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 光源と受光器とが互いにその光軸が交差する
   ように配置された散乱光式煙感知器において、
   光源から放射される光線の煙通路における放射
   領域の断面が、光源の前面に配置されたレンズ
   または反射鏡によつて受光器に対して薄くかつ
   幅広く形成される散乱光式煙感知器。 ２ レンズが、光源の放射方向に沿つた縦断側面
   において凸状に形成された実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の散乱光式煙感知器。 ３ レンズが、さらに光源の放射方向に沿つた横
   断平面において凹状に形成された実用新案登録
   請求の範囲第２項記載の散乱光式煙感知器。 ４ 反射鏡が、光源の放射方向に沿つた縦断側面
   において凹状に形成された実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の散乱光式煙感知器。 ５ 反射鏡が、さらに光源の放射方向に沿つた横
   断平面において凸状に形成された実用新案登録
   請求の範囲第４項記載の散乱光式煙感知器。