JPS6341007Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は硬膜外又は脊髄麻酔に用いる医療用麻
酔針に関する。手術に於て、全身麻酔又は局所麻
酔とあるが、大手術で硬膜外麻酔と脊髄麻酔とを
併用してその麻酔の効果を持続時間と効果との適
正化をはかるケースが度々ある。硬膜外麻酔だけ
ではその麻酔効果が弱いとか、脊髄麻酔だけでは
その麻酔持続時間が短いとか、等で最近はこれら
の効果の強弱、持続時間の長短を問題視される様
になつてきた。そこで、本考案は、同一の針で上
述した二様の麻酔を同一の穿刺作業で成し得る三
重針型式の穿刺針である硬脊麻針セツトと名称し
て提供するものである。

次に本考案を一実施例の図面によつて詳細に説
明をする。

第１図は、本考案の一実施例の外観形状図であ
る。三重針１の外側の外針１には目盛１ｄを有し
て、該針１の先端はくの字に曲げた針先１ａを形
成してその曲がつた所に、直線状二重針の外針２
の先端刃先が貫通し突出する貫通孔１ｂを形成し
てある。第２図は、外針１に内蔵した二重針の外
針２の外観形状図である。二重針の外針２の刃先
２ａと内針３の刃先３ａ（図イ参照）とは一致し
て外針２を閉塞可能に形成し前記貫通孔１ｂから
該刃先２ａを自在に突出可能にしてある。第３図
は使用態様を示す刃先１ａ部分の断面図である。
図イは、二重針の外針２内へ内針３が刃先２ａ，
３ａとを揃えて完全に挿入されている状態で、硬
膜５を刺通して、次に該外針２をそのまま留置し
て内針３を引き抜て麻酔液を充填した注射筒（図
示せず）が針基２ｃに結合して、くも膜下腔の脊
髄液中５ａへ該麻酔液を注入する図ロは図イの方
法の麻酔か、または図ロで示した如く外針１の刃
先１ａは硬膜外腔５ｂへ刺通して二重針の外針２
（内針３は挿入されて二重針構造を提している状
態の侭）を引抜き内蔵しないでこれに替えて該カ
テーテル４を挿入して、刃先１ａから先端に孔４
ｂを有したカテーテル４の先端４ａを突出させて
このカテーテル４の端末部（図示せず）に該麻酔
液を充填した注射筒（図示せず）を結合して、空
気の注入を事前に防止してその硬膜外腔内５ｂへ
該麻酔液を注入する。前記したように実施して手
術中において、麻酔液を図ロによつて硬膜外腔内
５ｂへ注入した場合は、その薬効強度は図イの場
合のくも膜下腔内５ａの脊髄液中への注入よりも
弱いが持続時間は長い。また図イの場合は、一度
刺通し麻酔液注入後において二重針の外針２（内
針３が挿入されている）を除却して直ちにカテー
テル４を図ロの様に挿入した時は、該外針２を再
び挿入は出来ないので通常は１回を限度としてい
る。しかし、手術の初期に図イで、麻酔効果を強
く与付して、次に図ロで、麻酔時間を延長持続さ
せること等で患者に対する苦痛を除却して、長時
間手術を、同一の穿刺である前記した図イと図ロ
との使用態様の併用で、極めて容易にすることが
可能となつた。以上の様にして本考案の一実施例
によれば、図イの麻酔と図ロの麻酔とを同一穿刺
で実施可能にして、麻酔効果を二様に構成させ
て、長時間手術を容易にすることが出来た等の特
徴を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図…本考案一実施例の三重針１の外観形状
図。第２図…外針１に内蔵する二重針２の外観形
状図。第３図イ，ロ…第１図使用態様を示す刃先
１ａ部分の拡大断面図。図イ…くも膜下腔の脊髄
液中への麻酔液注入の図。図ロ…硬膜外腔内への
麻酔液注入の図。 １……三重針、１……目盛付針外針、１ａ……
刃先、１ｂ……くの字に曲つた部位の貫通孔、１
ｃ……針基、２……二重針の外側針、２ａ……刃
先、２ｃ……針基、３……二重針の内針、３ａ…
…刃先、３ｃ……針基、４……カテーテル、４ａ
……先端部、４ｂ……孔、５……硬膜、５ａ……
くも膜下腔の脊髄液部分、５ｂ……硬膜外腔、５
ｃ……黄勒帯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 三重針に於いて、針管体の刃先をくの字に曲げ
   て該曲げた部分に貫通孔を設け且つ該針の外周面
   に目盛を設けた外針と、該外針に内蔵する二重針
   と、を設けて前記貫通孔から該二重針の刃先が突
   出可能に成した三重針を形成して二様麻酔を可能
   にしたことを特徴とした硬脊麻針セツト。