JPS633957Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は封筒、特に書籍、雑誌等の重量物を
郵送するのに最適な封筒に関する。

（従来の技術） 従来、書籍、雑誌あるいは手紙等を郵送するに
は通常の包装紙で包んだり、紙製の封筒に入れて
送るのが一般的である。特に、書籍、雑誌等の重
量物を郵送するには収納物を保護するために厚紙
によつて成型された箱または封筒に入れて郵送さ
れる。そして、封筒は一般に裏面中央で両側の折
返片を折り返して固着し、さらに下端（開口部の
反対側）の折返片を固着して形成される。

（従来技術における問題点） 従来の封筒は折返片を裏面中央で固着するため
に、糊が内側にはみ出さないように固着しなけれ
ばならない。また、書籍のような重量物を入れる
場合には収納物自体に一定の厚みがあるばかりで
なく、入れる時に強い力で押し込むので封筒の下
端が破れるということがあつた。

この考案は上記の点に鑑みてなされたもので、
簡単な構造により堅牢にして、裁断、組み立てが
容易な封筒を提供せんとするものである。

（問題点を解決するための手段） この考案は上記問題を解決するために次のよう
な構成とした。

即ち、表紙片の上端に折り目を介して封かん片
を連設し、表紙片の下端と一側端には折り目を介
して折返片をそれぞれ連設する。さらに、表紙片
の一方の他側端に表紙片とほぼ同一形状の裏紙片
を折り目を介して連設するとともに、この裏紙片
の下端には表紙片の下端に連設した折返片よりも
小さい折返片を折り目を介して連設してなる。こ
のようにして裁断した後、裏紙片と側折返片を固
着し、次いで、表紙片と裏紙片の下端のそれぞれ
の折返片を重ね合わせたまま折り返して裏紙片に
固着することにより構成したものである。

尚、それぞれの折返片の大きさは封筒の大き
さ、原紙の材質並びに収納物の重さ等により適宜
決定すればよい。また、この封筒は以下に説明す
る実施例に限定されるものではなく、書籍、雑誌
に限らず通常の手紙用封筒にも応用できるもので
あり、原紙の材質も実施例に限定されるものでは
ない。

（作用） 裏紙片は表紙片と同じ大きさであり、他側端の
折返片によつて固着されるので、封筒内側に接着
剤をはみ出させることがない。

また、封筒の下端では裏紙片の下端の折返片と
表紙片の折返片とを重ね合わせて二重にした折返
片を裏紙片に固着するので、封筒内に接着剤をは
み出させることがないとともに、いわゆる、二重
底による堅牢な封筒となし得る。

（実施例） 以下、この考案を実施例に基づき詳細に説明す
る。

第１図はこの考案に係る封筒を組み立てる前の
展開図を示し、表紙片１の上端に折り目２を介し
て封かん片３を連設し、下端に折り目４を介して
折返片５を連設する。表紙片１には端縁に平行な
折り目６が方形状に設けられ、この折り目６の四
隅には表紙片１の四隅に向かう折り目７が設けら
れている。また、折返片５には略コ字状の折り目
８が設けられ、この折り目８の角部からは垂直に
延びた折り目９が設けられている。

表紙片１の一側端には折り目１０を介して側折
返片１１が連設されており、側折返片１１にはさ
らに折り目１０と平行な折り目１２が設けられて
いる。折り目１０上には収納物を確認する小孔１
３が穿設されているが、小孔１３は他側端に形成
してもよい。

表紙片１の他側端には折り目１４を介して裏紙
片１５が連設されており、裏紙片１５は表紙片１
とほぼ同一の大きさで、下端には折り目１６を介
して折返片１７が連設されている。この折返片１
７には折り返しを容易にし、折返片５との馴染み
を良くするために複数本の折り目１８が設けられ
ている。折返片１７の大きさは表紙片１に連設し
た折返片５のそれよりも小さく形成され、折り目
８の内側に入る大きさに形成するのが好ましい。

さらに、裏紙片１５には表紙片１と同様に端縁
に平行な折り目１９が方形状に設けられ、この折
り目１９の四隅には裏紙片１５の四隅に向かう折
り目２０が設けられている。裏紙片１５の側端に
は表紙片１と重ね合わせたとき、小孔１３と一致
する切欠２１が形成されている。

また、この実施例では封かん作業を容易にする
ために、封かん片の先端にさらに舌片を配設し、
裏紙片には前記舌片を差し込む切目が設けられて
いる。

即ち、裏紙片１５の上部には封かん片３に連設
した舌片を差し込む切目２３が設けられ、切目２
３は直線の切目２５と両端に連続して設けたコ字
状の切目２６から構成されている。前記コ字状切
目２６を内方に向けることによつて内向きの係止
片２７を形成している。

封かん片３は略台形状または略三角形状に形成
するとともに、折り返しを容易にし、所定の厚み
に対応できるように、折り目２と平行な複数の折
り目３１を設け、封かん片３の先端には折り目３
２を介して舌片３４が連設されている。この舌片
３４の幅は折り目３２よりも広く、従つて、封か
ん片３の先端よりも突出した突出部３５が形成さ
れている。

この突出部３５は舌片３４を切目２３に差し込
み、次いで舌片３４を引き抜こうとしたときに係
止片２７に係止するように構成されている。

次に、前記構成の封筒に使用される原紙の材質
は特に限定されるものではないが、書籍、雑誌等
の重量物の収納には第５図に示すように、波形紙
４０を平滑な厚紙４１に接着してなる二重紙を用
い、波形紙４０を内側にして形成するのが好まし
い。このような二重紙を用いた場合には強い衝撃
から収納物を保護することができ、破損、汚染を
防止できる。

尚、表紙片１及び裏紙片１５等に設けたそれぞ
れの折り目２，４，１０，１４等以外の折り目は
省略してもよく、また、適宜変更、変形してもよ
い。同様に、小孔１３、切欠２１も省略が可能で
あり、封かん片３も舌片３４を連設することもな
く通常の形状としてもよく、この場合舌片３４を
差し込む切目２３を省略することができる。

（組立て及び使用方法） 次に、前記構成に係る封筒の組み立てと使用方
法を説明する。

まず、前記展開図に示す構成のものを封筒に組
み立てるには、折り目１４から裏紙片１５を折り
曲げて表紙片１に重ね合わせる。次いで、折返片
１１を折り目１０で折り曲げて裏紙片１５の上に
重ね合わせて接着剤等で固着する。このとき、小
孔１３はその半分が折り返して重ね合わせられる
とともに、切欠２１が一致するように構成されて
いるから、収納物を確認できる透孔とすることが
できる（第２図及び第３図参照）。

次いで、折返片５と１７とを重ね合わせたまま
折り目４，１６から折り曲げて、折返片５を裏紙
片１５に固着する。これで組み立てが完了する。

次に、封筒に書籍、雑誌等を入れた後、封かん
片３を折り目５で折り曲げて舌片３４を切目２３
に差し込めばよい。切目２３に舌片３４を差し込
めば、舌片３４を引き抜こうとしたとき突出部３
５が係止片２７の下に入り、係止片２７によつて
係止されるから引き抜くことはできず完全に封印
することができる（第３図及び第４図参照）。従
つて、係止片２７または舌片３３を破損させない
限り、開封することはできない。

このように、この実施例の場合には単に舌片を
切目に差し込むだけで完全に封かんすることがで
き、郵送中に不用意に開封することがない。ま
た、封かんにノリ、テープ等によつて固着する必
要がないから作業性の向上と相まつて郵送代のコ
ストダウンを図ることができる。

さらに、折り目６及び１９等を設た場合には、
これらの折り目を外側に折り曲げることにより略
箱型状に形成することができる。従つて、書籍等
用に二重紙や厚紙で形成した場合にも収納物を容
易に収納することができるとともに、封筒の四隅
は突出しているから収納物の角部をパツキン材を
充填することなく保護することができる。

（考案の効果） 以上の説明から明らかなように、この考案に係
る封筒は次のような具体的効果を奏することがで
きる。

(1) 裏紙片と折返片との固着は裏面の中央におい
てではなく、裏紙片の側端縁において行うので
内面に接着剤がはみ出すことがない。

(2) また、下端では折返片を二重にするととも
に、内側の折返片を小さくして外側の折返片に
よつて固着するから、接着剤のはみ出しがない
とともに、一度の塗布で固着することができ
る。

(3) さらに、下端は二重の折返片によつて形成さ
れているから堅牢であり、封入の際にも破損の
恐れがない。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は展開平面図、第２図は裏紙片を折り曲げた状態
の背面図、第３図は封かんした状態の背面図、第
４図は舌片を切目に差し込んだ部分拡大図、第５
図は原紙の断面図である。 １……表紙片、２……裏紙片、３……封かん
片、２，４，１０，１４，１８……折り目、５，
１７……折返片、１１……側折返片、１３……小
孔、２１……切欠、２３……切目、２７……係止
片、３４……舌片、３５……突出部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表紙片の上端に折り目を介して封かん片を連設
   し、表紙片の下端と一側端には折り目を介して折
   返片をそれぞれ連設し、さらに、表紙片の一方の
   他側端に表紙片とほぼ同一形状の裏紙片を折り目
   を介して連設し、この裏紙片の下端には表紙片の
   下端の折返片よりも小さい折返片を折り目を介し
   て連設してなり、裏紙片と側折返片を固着し、次
   いで、表紙片と裏紙片の下端の折返片を重ね合わ
   せたまま折り返して裏紙片に固着することにより
   構成したことを特徴とする封筒。