JPS6339138Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はダンプ車両における荷箱の下降防止装
置に関するものである。

［従来の技術］ 従来、ダンプ車両において荷箱を傾倒させた状
態で各部の保守点検、整備などを行なう場合に、
誤操作により荷箱が下降するのを防止するため
に、特開昭57−138435号などに示されるように、
荷箱とシヤーシフレームとの間にステーを挾み、
ステーの移動を阻止する安全ピンを差込むように
したものが提案されているが、これは安全ピンの
脱着作業が非能率的でありかつ危険を伴う。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案の目的は上述の問題に鑑み、荷箱の傾斜
時、ステーが自動的に作動する、ダンプ車両にお
ける荷箱の下降防止装置を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案の構成は荷
箱に連結したステーの下端部を、車枠のレールに
前後移動可能に案内し、レールの上側へばねによ
り突出されて止め板に当るストツプレバーと、ス
トツプレバーの突片に衝合してストツプレバーを
レールから排除するための、ダンプレバーと連動
する操作レバーとを車枠に同軸に軸支持してな
り、荷箱の傾倒時ステーの下端部によりストツプ
レバーがばねに抗してレールから排除されるよう
にしたものである。

［作用］ 油圧アクチユエータ５０により荷箱３７が傾け
られると、荷箱３７に軸支持されたステー１２が
自動的に起立し、ステー１２の下端部がレール１
５に沿つて後方へ移動する時、ストツプレバー３
をばね５の力に抗して退けて通過する。

油圧シリンダ５０の誤操作により荷箱３７が下
降すると、ステー２の下端部がストツプレバー３
に当り、荷箱３７の下降が阻止される。この時、
ストツプレバー３は止め板１０によりレール１５
からの排除を阻止される。

ストツプレバー３のレール１５からの排除は、
ダンプレバーと連動する操作レバー２のばね５の
力に抗する操作により達せられる。

［考案の実施例］ 本考案を実施例に基づいて説明すると、第１，
２図に示すように、ダンプ車両はシヤーシフレー
ム３４と、これに装架された運転席４４、車輪３
５，３６と、シヤーシフレーム４４に固着された
ブラケツト３８に軸４１をもつて回動可能に取付
けられた荷箱３７とから構成されている。

荷箱３７を傾倒するために、油圧アクチユエー
タ５０のシリンダ３２がシヤーシフレーム３４に
図示してない軸をもつて支持される一方、ピスト
ンロツド３０がピン４２をもつて荷箱３７のブラ
ケツト４０に連結される。

右側のフレーム３４ｂ（第２図）に前後方向に
延びるレール１５が固定され、このレール１５の
内部にステー１２の下端に支持したローラ１４が
挿入され、荷箱３７の傾倒に伴つてレール１５に
沿つて移動するように構成される。ステー１２の
上端は荷箱３７のブラケツト３９にピン４３をも
つて連結される。

第２図に示すように、油圧アクチユエータ５０
を駆動するために、油圧ユニツト３１が左側のフ
レーム３４ａに取付けられ、シリンダ３２の内部
へ圧油を供給するとロツド３０が押上げられ、荷
箱３７が軸４１を中心として傾けられるようにな
つている。油圧ユニツト３１を作動させるため
に、遠隔操作用ケーブル３３がフレーム３４ａに
沿つて配設され、この一端が油圧ユニツト３１
に、他端が運転席４４の内部に設けたダンプレバ
ー１９にそれぞれ連結される。

第４，５図に示すように、ステー１２の下端部
には軸１３をもつてローラ１４が回転可能に取付
けられる。レール１５はこのローラ１４が抜け出
ないように断面Ｃ字形とされている。第５図に示
すように、レール１５の上面に断面Ｕ字形のブラ
ケツト４が固定され、このブラケツト４に上下方
向に延びる軸６が取付けられる。そして、操作レ
バー２の端部に結合した円筒部７が前記軸６にブ
ツシユを介して回動可能に挿通支持される。

また、ストツプレバー３の中間部分に結合した
円筒部８が軸６にブツシユを介して回動可能に支
持され、円筒部７と円筒部８との間はブラケツト
４に固定した隔壁９によつて仕切られている。円
筒部８の外周にはコイルばね５が巻付けられ、こ
の一端はストツプレバー３に、他端は操作レバー
２にそれぞれ係止され、このばね５の力によつて
ストツプレバー３の端部から上方へ突出する突片
３ａが操作レバー２の縁部に付勢係合されてい
る。第４図に示すように、レール１５の上面には
ストツパレバー３の端部が衝合する断面Ｌ字形に
折曲げられた止め板１０が溶接などにより固定さ
れる。

第３図に示すように、レール１５にブラケツト
２４をもつてアウタチユーブが固定され、これに
挿通された遠隔操作用ケーブル２５の一端がピン
２６をもつて操作レバー２に連結される一方、他
端はダンプレバー１９によつて回動されるレバー
１７に連結される。ダンプレバー１９とレバー１
７とは回動軸２８上に固定支持され、回動軸２８
は車体に固定したラチエツト１８に支持される。

第２図に示すように、ケーブル２５とケーブル
３３は共にレバー１７の端部にピン２２をもつて
連結され、各ケーブル２５，３３を案内するアウ
タチユーブはブラケツト２３をもつてラチエツト
１８に固定される。ダンプレバー１９は軸２８と
平行なピン２９をもつてラチエツト１８に係合す
る爪２０を支持しており、この爪２０はロツド２
７をもつてダンプレバー１９の先端円筒部に嵌合
支持したボタン２１と結合されている。このボタ
ン２１とダンプレバー１９の壁部との間に介装し
たばねによつて爪２０がラチエツト１８に付勢係
合される。

次に、本考案装置の作動について説明する。荷
箱３７を支軸４１を中心として傾倒するには、ま
ず、第３図においてダンプレバー１９を支軸２８
を中心として引起すと、レバー１７によつて各ケ
ーブル２５，３３がそれぞれ押し戻される。この
時爪２０がラチエツト１８を乗り越えて係合し、
ダンプレバー１９の倒れを阻止する。ケーブル３
３によつて油圧ユニツト３１の油圧ポンプが駆動
され、かつ切換弁が操作され、油圧アクチユエー
タ５０のシリンダの内部へ圧油が供給される。ピ
ストンロツド３０が押上げられて荷箱３７が傾倒
される。この時、ケーブル２５によつて操作レバ
ー２が第４図に破線で示すUPの位置まで軸６を
中心として反時計方向に回動され、同時にストツ
プレバー３がばね５の力により止め板１０に押し
当てられる。

荷箱３７の傾倒に伴つてステー１２の下端部が
レール１５に沿つて後方へ移動すると、ストツプ
レバー３をばね５の力に抗してレール１５の側方
へ押し除けて移動する。そして、ローラ１４がレ
ール１５の端板１６の付近に達すると、ストツプ
レバー３がばね５の力によつて引き戻され、止め
板１０に衝合し、ステー１２が前方へ戻るのを阻
止する。

荷箱３７を下降させる場合は、第３図において
ボタン２１を押してラチエツト１８と爪２０との
噛合いを解除し、ダンプレバー１９を倒すと、レ
バー１７によつて各ケーブル３３，２５が引き寄
せられる。このため、油圧ユニツト３１の油圧ポ
ンプが停止され、さらに切換弁が切換えられてシ
リンダの内部が油タンクに接続される。また、第
４図に破線で示すDNの位置へ操作レバー２がケ
ーブル２５により引かれて回動され、これに突片
３ａが係合するストツプレバー３も一緒に回動さ
れてレール１５の側方へ引退し、ステー１２の移
動を許す。したがつて、荷箱３７の自重により油
圧アクチユエータ５０のロツド３０が押し下げら
れるとともに、ステー１２の下端部がレール１５
に沿つて前方へ移動し、荷箱３７がシヤーシフレ
ーム３４の上へ重なる。

［考案の効果］ 本考案は上述のように、荷箱に連結したステー
の下端部を、車枠のレールに前後移動可能に案内
し、レールの上側へばねにより突出されて止め板
に当るストツプレバーと、ストツプレバーの突片
に衝合してストツプレバーをレールから排除する
ための、ダンプレバーと連動する操作レバーとを
車枠に同軸に軸支持してなり、荷箱の傾倒時ステ
ーの下端部によりストツプレバーがばねに抗して
レールから排除されるものであり、荷箱の傾倒時
自動的にステーが作動するから、各部の保守点
検、整備中に、油圧ユニツトが誤動作しても、ス
テーがストツプレバーに当り、荷箱の下降が阻止
される。また、操作レバーが誤差動しても、油圧
ユニツトが作動しなければ、荷箱が下降しない。

ステーの移動を阻止するストツプレバーが、ダ
ンプレバーと連動する操作レバーにより排除され
るので、操作が簡単で、安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るダンプ車両における荷箱
の下降防止装置の側面図、第２図は同平面図、第
３図は同荷箱の下降防止装置におけるステーのロ
ツク機構についての概略構成図、第４図は同平面
図、第５図は同正面断面図である。 ２：操作レバー、３：ストツプレバー、５：ば
ね、６：軸、１０：止め板、１２：ステー、１
４：ローラ、１５：レール、１９：ダンプレバ
ー、２５：ケーブル、３３：ケーブル、３４：シ
ヤーシフレーム、３７：荷箱。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 荷箱に連結したステーの下端部を、車枠のレー
   ルに前後移動可能に案内し、レールの上側へばね
   により突出されて止め板に当るストツプレバー
   と、ストツプレバーの突片に衝合してストツプレ
   バーをレールから排除するための、ダンプレバー
   と連動する操作レバーとを車枠に同軸に軸支持し
   てなり、荷箱の傾倒時ステーの下端部によりスト
   ツプレバーがばねに抗してレールから排除される
   ことを特徴とするダンプ車両における荷箱の下降
   防止装置。