JPS6338455Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は磁気テープ（以下テープと称す）の巻
回部に巻取られるべきテープの後続テープが巻取
り位置に侵入しないようにしたテープカートリツ
ジに関するものである。

従来、カバー部とベース部とからなるケースを
有し、該ケース内のベース部の略中央部に磁気テ
ープを巻回したリールを回転自在に枢支し、該磁
気テープをその巻回部の最内側から引出しケース
前面内側を通つて巻回部の最外側に巻取るように
したテープカートリツジは知られている。

この様なテープカートリツジにおいては、プレ
ーヤとの着脱や収納ケース等への収納あるいは運
搬の際の振動等によつて、リールが急速に回転
し、巻回部の最内側から引出されたテープが巻回
部の最外側に巻回される前に、該巻回されるテー
プに後続するテープが巻取り側に進出して大きく
たるみ、その一部が巻取られるべきテープと巻回
部との間から巻取り位置まで侵入してそれらの間
に狭込まれてしまうことがある。このため、テー
プが損傷するばかりか、テープ走行が不能となる
等の問題点があつた。

本考案は上記の如き問題点に鑑みてなされたも
ので、カバー部とベース部とからなるケースを有
し、該ケース内のベース部の略中央部に磁気テー
プを巻回したリールを回転自在に枢支し、該磁気
テープをその巻回部の最内側から引出し巻回部の
最外側に巻取るようにしたテープカートリツジに
おいて、上記巻回部の最外側に巻取られるべき磁
気テープと巻回部との間でかつ少なくとも上記リ
ールの外周に接する位置から該リールの径方向外
方に延びる隔壁を前記カバー部に設け、これによ
り巻回部に巻取られるべきテープの後続テープが
巻取り位置に侵入しないようにするとともに、上
記ベース部の前面に切欠部を設けるとともに該切
欠部に対応する分だけ上記カバー部の前面側にベ
ース部方向に突出する突面部を設け、該突面部の
ベース部方向長さを上記隔壁のそれと一致させる
ことにより、上記カバー部を水平面に平行に載置
できるようになし、これによつてケース組立て時
のカバー部の積重ねを可能としたことを特徴とす
る。以下、本考案を図面について説明する。

図面は本考案の一実施例を示すもので、図中１
０はカバー部（上半部）１０ａとベース部（下半
部）１０ｂとを重合してなるケースである。ベー
ス部１０ｂの前面には後述する条件を満足する関
係において切欠部１００ｂが設けられ、またカバ
ー部１０ａには該切欠部１００ｂを補足するよう
ベース部１０ｂ方向に突出する突面部１００ａが
設けられている。上記条件は該突面部１００ａの
突出長さを後述する隔壁３０のそれに一致させる
ことである。１１，１２，１３はケース１０の前
面に形成した複数の開口で、開口１１にはプレー
ヤに設けられたキヤプスタン（図示せず）が、ま
た開口１２，１３には同じく磁気ヘツド（図示せ
ず）が作動時にそれぞれ臨む如くになつている。
１４はケース１０のベース部１０ｂの前面内側の
一側方に設けたテープガイド、１５は同じく他側
方に回転自在に設けたピンチローラ、１６はヘツ
ドパツド機構である。１７はケース１０内のベー
ス部１０ｂの略中央に回転自在に枢支したリール
で、その中央にはハブ１７ａが設けられている。
１８はリール１７のハブ１７ａの外周に巻回され
たテープで、このテープ１８はテープ巻回部Ａの
最内側からガイド板１９の傾斜部１９ａを介して
斜めに反転した状態で引出され、上記テープガイ
ド１４、ピンチローラ１５を介して開口１１，１
２，１３に沿つて走行し、さらにポール２０を介
して方向転換し前記テープ引出し部位の反対側か
ら巻回部Ａの最外側に巻取られるようになつてい
る。２１はポール２０と対称位置に設けたポール
である。上記巻取られるべきテープ１８ａは、図
中二点鎖線で示す如く上記ポール２１を介して巻
回部Ａの最外側に巻取られるようにしてもよい。

３０は本考案の特徴とする隔壁で、上記巻回部
Ａの最外側に巻取られるべき磁気テープ１８ａと
巻回部Ａとの間でかつ少なくとも上記リール１７
の外周縁部１７ｂに接する位置から該リール１７
の径方向外側に延びる如く上記カバー部１０ａに
設けられている。３１，３２はスリツトで、隔壁
３０の径方向の内端３０ａから径方向外方に向つ
て所定間隔をおいて該隔壁３０の延び方向と直交
する如く設けられている。

前述した構成よりなるテープカートリツジによ
れば、通常の作動状態においてはテープ１８がテ
ープ巻回部Ａの最内側からガイド板１９の傾斜部
１９ａを介して斜めに反転した状態で引出され、
上記テープガイド１４、ピンチローラ１５を介し
て開口１１，１２，１３に沿つて走行し、さらに
ポール２０を介して方向転換し前記テープ引出し
部位の反対側から巻回部Ａの最外側に巻取られ
る。またプレーヤとの着脱や収納ケース等への収
納あるいは運搬の際の振動等によつて、リール１
７が急速に回転し、巻回部Ａの最内側から引出さ
れたテープ１８が巻回部Ａの最外側に巻回される
前に、該巻回されるべきテープ１８ａに後続する
テープ１８ｂが図中一点鎖線で示す如く巻取り側
に進出して大きくたるんだ場合には、この後続す
るテープ１８ｂは先行するテープ１８ａの巻取り
位置側への侵入を上記隔壁３０によつて防止され
るため、上記後続のテープ１８ｂが巻回部Ａに巻
取られるべきテープ１８ａと巻回部Ａとの間に挟
込まれて損傷したり、テープ１８の回転走行を不
能とするような恐れがない。さらに上記隔壁３０
は、その径方向の内端３０ａが上記リール１７の
外周縁部１７ｂに接する位置にあるから、巻回部
Ａの外周のテープがゆるんでリール１７上から落
下することを阻止できる。さらに上記隔壁３０に
はその延び方向と直交する如くスリツト３１，３
２を設けているため、該隔壁３０の一部を簡単に
折曲げて除去でき、従つてリール１７の外径の大
小に応じて隔壁３０の長さ調節を簡単に行うこと
ができる。さらにまた、カバー部１０ａの突面部
１００ａの突出長さと隔壁３０のそれとが一致し
ているため、このカバー部１０ａを水平面上に載
置しても傾くことがなく、従つてケース組立ての
際に該カバー部１０ａを積上げて載置スペースを
節約できるばかりか、ベース部１０ｂの前面に切
欠部１００ｂが設けられているから、ケース１０
の前面内側とテープガイド１４やピンチローラ１
５との間へテープを挿入する作業が簡易となる。

以上説明した如く本考案に係るテープカートリ
ツジによれば、巻回部の最外側に巻取られるべき
磁気テープと巻回部との間でかつ少なくとも上記
リールの外周に接する位置から該リールの径方向
外方に延びる隔壁を前記カバー部に設けたので、
プレーヤとの着脱や収納ケース等への収納あるい
は運搬の際の振動等によつて、リールが急速に回
転し、巻回部の最内側から引出されたテープが巻
回部の最外側に巻回される前に、該巻回されるべ
きテープに後続するテープが巻取り側に進出して
大きくたるんでも、この後続するテープは先行す
るテープの巻取り位置側への侵入を上記隔壁によ
つて防止されるため、上記後続のテープが巻回部
に巻取られるべきテープと巻回部との間に挟込ま
れて損傷したり、テープの回転走行を不能とする
ような恐れがない。また、上記隔壁はリールの外
周に接する位置から径方向外方に延びるよう設け
られているから、巻回部外周のテープがゆるんで
も上記隔壁の径方向内端によりリール上から落下
することを阻止できる。さらに、カバー部の突面
部の突出長さと隔壁のそれとが一致しているた
め、このカバー部を水平面上に載置しても傾くこ
とがなく、従つてケース組立ての際に該カバーを
積上げて載置スペースを節約できるばかりか、ベ
ース部の前面に切欠部が設けられているから、ケ
ースの前面内側へのテープの挿入作業を簡単かつ
的確に行うことができる等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図
はテープカートリツジの斜視図、第２図はケース
のベース部の内面図、第３図は同じくカバー部の
内面図、第４図は要部の拡大斜視図、第５図はカ
バー部を水平面上に載置した状態の説明図であ
る。 １０……ケース、１０ａ……カバー部（上半
部）、１０ｂ……ベース部（下半部）、１００ａ…
…突面部、１００ｂ……切欠部、１７……リー
ル、１８……磁気テープ、１８ａ……巻取られる
べきテープ、１８ｂ……後続するテープ、３０…
…隔壁、３１……スリツト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カバー部とベース部とからなるケースを有し、
   該ケース内のベース部の略中央部に磁気テープを
   巻回したリールを回転自在に枢支し、該磁気テー
   プをその巻回部の最内側から引出しケース前面内
   側を通つて巻回部の最外側に巻取るようにしたテ
   ープカートリツジにおいて、上記巻回部の最外側
   に巻取られるべき磁気テープと巻回部との間でか
   つ少なくとも上記リールの外周に接する位置から
   該リールの径方向外方に延びる隔壁を上記カバー
   部に設け、上記ベース部の前面に切欠部を設ける
   とともに該切欠部に対応する分だけ上記カバー部
   の前面側にベース部方向に突出する突面部を設
   け、該突面部のベース部方向長さを上記隔壁のそ
   れと一致させたことを特徴とするテープカートリ
   ツジ。