JPS633838Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はかくし絵玩具に係り、更に詳しくは光
をあてることにより表裏から異なる図柄が現出し
てくるかくし絵玩具に関する。

従来から、紙にスピロピラン系感光性物質を塗
布してなる焼出し印画紙はいわゆる日光写真用印
画紙として用いられ、前記印画紙にネガフイルム
を重ね合せ、そしてネガフイルムを重ね合せた印
画紙を日光にあてて画像を現出させる玩具として
用いられている。

又、スピロピラン系の感光性物質をポリエステ
ルフイルムに塗布してなる焼出し印画紙は製版用
感光フイルムに利用されている。

本考案者は前記日光写真印画紙又は製版用感光
フイルムの構成材料に用いられているスピロピラ
ン系感光性物質の紫外線により発色する作用と紫
外線吸収剤の作用を組み合せ、且つスピロピラン
系感光性物質層及び紫外線吸収剤層をパターン状
に形成することにより、スピロピラン系物質の発
色作用により画像が形成される画とスピロピラン
系物質の発色作用と紫外線吸収剤の作用の二つの
作用により画像が形成される面の二種類の表示面
を有するかくし絵を形成し得ることを見いだし、
かかる知見にもとづいて本考案を完成したもので
ある。

即ち、本考案の要旨は透明基材フイルムの片面
にパターン状の可逆性感光性物質入インキ層が設
けられ、前記透明基材フイルムのもう一方の面に
パターン状の紫外線吸収剤入インキ層が設けられ
ているかくし絵玩具である。

以下本考案につき図面を参照しながら詳細に説
明する。

第１図は本考案に係るかくし絵玩具４を示して
いる。

透明基材フイルム３の片面にポジチブパターン
状の可逆性感光性物質入インキ層１が設けられ、
透明基材フイルム３のもう一方の面にネガチブパ
ターン状の紫外線吸収剤入インキ層２が設けられ
ている。

上記かくし絵玩具１０の表面４Ａに光をあてる
と第２図示の如く、可逆性感光性物質入インキ層
１全体が発色して画像５が形成される。

一方、裏面４Ｂに光をあてると第３図示の如く
可塑性物質入インキ層１のうちの透明基材フイル
ム３を介して紫外線吸収剤入インキ層２が設けら
れている領域は紫外線吸収剤入インキ層２によつ
て光の透過が阻止され、可逆性感光性物質入イン
キ層１のうちの透明基材フイルム３を介して紫外
線吸収剤入インキ層２が設けられていない部分の
みが発色して画像６が形成される。

尚、表面側から光をあてて画像５を形成したの
ち、裏面側から光をあてて画像６を形成したい場
合、画像６を形成せんとする前にかくし絵玩具を
適当時間暗所に保存するか或いは熱を加えて画像
５を消去することが必要である。

上記の本考案において、透明基材フイルムとし
てはポリプロピレン、ポリエチレン、アイオノマ
ー及びそれらの共重合体等のポリオレフイン、ポ
リエステル、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポ
リアミド、酢酸セルロース、セロフアン、ポリ弗
化ビニル、アクリロニトリル、ポリビニルアルコ
ール等を使用することが出来、就中、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、ポリアミド、セロフアン等
が適している。

次に上記の本考案において、感光性物質入イン
キ層として、スピロピラン類、ピスフエニルイミ
ダゾリル、ジニトロベンジルピリジン、アゾ染料
及びチオインジゴ、サリチリデンアニリン類、ハ
ロゲン化銀、金属酸化物に異種金属をドープした
もの等を使用することができ、就中スピロピラン
類、及びジニトロベンジルピリジン等の紫外線の
照射により発色し、暗所に保存することにより消
色する可逆性感光性物質を通常グラビアインキに
おいて使用されているロジン、シエラツクコーパ
ル等の天然樹脂類、塩化ビニール−酢酸ビニール
共重合体、塩化ゴム、環化ゴム、メタクリル酸エ
ステル、ポリエステル、ポリアミド、マレイン酸
樹脂等の合成樹脂類、硝化綿、エチルセルロー
ス、酢酸セルロース等のセルロース類等のバイン
ダーをガソリン、ｎ−ヘキサン、ヘブタン等の脂
肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素等の芳香族炭化水素類、メタ
ノール、エタノール、IPA、ブタノール等のアル
コール類、アセトン、MEK、MIBK、シクロヘ
キサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ
等のエステル類、エチレングリコールモノメチル
エーテル（メチルセロソルブ）、セロソルブ、ブ
チルセロソルブ等のグリコールエーテル類等の溶
剤に溶かしたベヒクル中に分散又は溶解してなる
グラビアインキ、又は前記可逆性感光性物質を通
常シルクスクリンインキにおいて使用されている
油性ビヒクル（粘度100ポイズ程度のアマニ油ス
タンド油、アマニ油、脱水ヒマシ油などにマレイ
ン酸樹脂を溶解した樹脂ワニス、乾性油変性アル
キド樹脂などに、ほゞ同量のホワイトスピリツト
を加えたもの）、セルロース系ピヒクル（ニトロ
セルロース、エチルセルロース、エチルヒドロキ
シセルロース等をそれぞれ溶剤に溶解し、適当な
可塑剤を加えたもの）等のビヒクル中に分散又は
溶解させたシルクスクリンインキを用いてグラビ
ア印刷法、グラビアオフセツト印刷法、シルクス
クリーン印刷法等の印刷法により印刷形成したも
のを使用することができる。

次に上記の本考案において、紫外線吸収剤入イ
ンキ層としては、ベンゾフエノン系物質、ベンゾ
トリアゾール系物質、サリチル酸フエニル系物質
等の波長400mμまで紫外線を吸収する紫外線吸収
剤を前記した如き通常グラビアインキにおいて使
用されているビヒクル中に分散又は溶解したグラ
ビアインキ、又は前記紫外線吸収剤を前記した如
き通常シルクスクリーンインキにおいて使用され
ているビヒクル中に分散又は溶解したシルクスク
リーンインキを用いてグラビア印刷法、グラビア
オフセツト印刷法、シルクスクリーン印刷法等の
印刷法により印刷形成したものを使用することが
できる。

上記の本考案において、紫外線吸収剤入インキ
層としてネガチブパターン状のもののみならずポ
ジチブパターン状のものをも用いることもでき
る。その場合、白抜き模様又は白抜き文字の画像
が形成される。

又、可逆性感光性物質入インキ層としてポジチ
ブパターン状のもののみならずネガチブパターン
状のものをも用いることもできる。その場合、白
抜き模様又は白抜き文字の画像が形成される。

上記の本考案に係るかくし絵玩具は表裏に黒紙
をあてがうか或いは光遮蔽性袋内に収納した状態
で市販される。

以上、詳記した通り、本考案に係るかくし絵玩
具は光をあてることにより、表裏より異なる図柄
を現出させることができる極めて興趣ある玩具で
ある。

次に実施例をあげて本考案につき具体的に説明
する。

実施例 ポリエステルフイルム50μよりなる透明基材フ
イルムの片面に１、３、３−トリメチル−6′−ニ
トロベンゾスピロピランを0.5％含有するポリエ
ステル樹脂系可逆性物質入インキを用い、通常の
グラビア印刷法に従つて円形の輪郭を有する可逆
性感光性物質入インキ層を形成した。

更に透明基材フイルムのもう一方の面に２、
2′、４、4′−テトラヒドロキシベンゾフエノンを
15％含有する酢酸ビニル樹脂−アクリロ樹脂系紫
外線吸収剤入インキを用い、通常のグラビア印刷
法に従つて、前記可逆性感光性物質入インキ層の
円形の輪郭内に位置した三角形の開口部を有する
紫外線吸収剤入インキ層を形成した。

このかくし絵玩具の表面に光をあてると円形の
画像が形成され、一方、裏面に光をあてると三角
形の画像が形成された。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のかくし絵玩具の断面図、第２
図及び第３図は第１図示のかくし絵玩具の表面及
び裏面に光をあてた状態を示す断面図である。 １……可逆性感光性物質入インキ層、２……紫
外線吸収剤入インキ層、３……透明基材フイル
ム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 透明基材フイルムの片面にパターン状の可逆性
   感光性物質入インキ層が設けられ、前記透明基材
   フイルムのもう一方の面にパターン状の紫外線吸
   収剤入インキ層が設けられているかくし絵玩具。