JPS6336643Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、抵抗器、ダイオード、コンデンサー
等の円柱状電子部品にカラーコーテイングを行う
カラーコーテイング装置に関するものである。

近時、所謂リードレスの円柱状の抵抗器やコン
デンサーが使用されている。例えば抵抗器にあつ
ては、先ず第１図Ａ及び第２図Ａに示すように碍
子r₁の両側にキヤツプr₂を嵌合し、次いで第１図
Ｂ及び第２図Ｂに示すように碍子r₁の外周にキヤ
ツプr₂の間において中塗装による塗膜r₃を形成
し、次いで第１図Ｃ及び第２図Ｃに示すように上
塗装による塗膜r₄を形成し、然る後、第１図Ｄ及
び第２図Ｄに示すように塗膜r₄の外周に複数条の
塗料によるカラーコーテイングr₅を施し、乾燥す
る。

従来のカラーコーテイング装置にあつては、塗
装円板の塗装面に、外周に複数条の突条を有する
転写ローラにより塗料を同時に転写させていた。
しかしながら超小型の抵抗器Ｒの場合、カラーラ
イン幅及びライン間隔を狭くしなければならない
が、前記の如く転写ローラに複数条の突条を細
く、また狭い間隔で形成するには自ら限界があつ
た。また転写ローラの突条を或る程度、細く、ま
た狭い間隔で形成したとしても、これら突条に
別々の塗料を混合しないように塗布するのが困難
であり、これにより塗装円板に正確な複数条の塗
料を附着させることができない。従つて抵抗器Ｒ
が不良品となり、非経済的であつた。

本考案の目的は、前記の如き所謂リードレスの
円柱状電子部品に正確なカラーコーテイングを行
うことができるようにしたカラーコーテイング装
置を提供しようとするものである。

本考案は、前記目的を達成するため、円柱状電
子部品の両側部を支持して搬送する搬送装置と、
この搬送装置の途中の上部に回転可能に設けられ
た塗装円板と、この塗装円板の外側複数個所に設
けられ、塗装円板の塗装面に周方向複数条に塗料
を順次附着させる塗料附着装置とを備え、塗装円
板の塗装面に別々の個所で塗料の附着を行い、複
数条の塗料のラインを構成することができるよう
に構成したことを特徴とするものである。

以下、本考案のカラーコーテイング装置を抵抗
器のカラーコーテイングに実施した例を図面に基
いて詳細に説明する。第３図乃至第６図に示すよ
うに搬送板１は肉薄のステンレス、バネ鋼等、可
撓性を有する帯状材により無端状に形成され、抵
抗器Ｒの挿入孔２が長手方向に等間隔で列設され
ている。各挿入孔２は搬送板１の幅方向に位置す
る両側部が抵抗器Ｒのキヤツプr₂の外端部を僅な
余裕を持たせて挿入し得るように狭く形成され、
中間部が広く形成され、後述する塗料の附着汚れ
を防止し得るようになつている。また挿入孔２の
幅は抵抗器Ｒの長さと略等しく形成され、抵抗器
Ｒが挿入孔２内で軸方向に移動するのを規制して
いる。搬送板１は架台（図示省略）に取付けられ
た支持ローラ３に支持され、反転駆動装置を構成
する一対のプーリー（図示省略）に掛けられてい
る。而してモーターの駆動によりプーリーを回転
させ、搬送板１を矢印方向に走行させることがで
きる。搬送板１の移送側の下側に案内レール４が
配置されている。案内レール４はその両側部に抵
抗器Ｒを搬送板１の挿入孔２中に位置させた状態
でキヤツプr₂の外端部の移動を案内する案内面５
を備え、その外側に搬送板１の走行を案内する案
内面６を備えている。この案内レール４は架台に
抵抗器Ｒの搬送方向及び逆方向に往復動可能に支
持され、往復動装置により往復動される。また架
台の両側には所望間隔で搬送板１の側縁に接触
し、その横振れを規制する横振れ規制具としてベ
アリング７が軸８により支持されている。

而して抵抗器Ｒは第３図及び第４図に示すよう
に供給装置（図示省略）により走行している搬送
板１の挿入孔２に順次供給されている。搬送板１
の挿入孔２に挿入された抵抗器Ｒはそのキヤツプ
r₂の外端部が案内レール４の案内面５に支持され
る。而して搬送板１の走行に伴い、挿入孔２内の
抵抗器Ｒは挿入孔２の孔壁により押され、案内レ
ール４の案内面５上を回転しながら搬送される。
この搬送の途中で、塗装装置（図示省略）により
抵抗器Ｒの碍子r₁の外周に中塗装r₃、上塗装r₄が
施され、更にカラーコーテイングr₅が施される。
このカラーコーテイングを行うため、第５図及び
第６図に示すように搬送板１における抵抗器Ｒの
搬送方向の途中の上部に塗装円板９が設けられて
いる。この塗装円板９はゴム製で、外周複数個所
（図示例では６個所）に等間隔で塗装面１０が突
設されている。塗装円板９はその回転軸１１が架
台に支持され、駆動装置（図示省略）により反時
計方向に回転される。塗装円板９の各塗装面１０
は周方向に複数条（図示例では３条）に塗料が附
着される。

塗装円板９の各塗装面１０に塗料を附着させる
装置の一例としてローラによる転写方式が採られ
ている。即ち、前記塗装円板９の塗装面１０に外
接するように３個のマスター円板１２が設けられ
る。各マスター円板１２は薄肉の金属製で、塗装
円板９の周方向に順次、位置をずらせると共に塗
装円板９の幅方向に順次、位置をずらせるように
配置され、各マスター円板１２はその軸１３が架
台に回転可能に支持されている。各マスター円板
１２にはゴムローラ１４が外接され、その軸１５
が架台に回転可能に支持されている。各ゴムロー
ラ１４の外側に位置して架台に塗膜規制板１６が
取付けられ、各ゴムローラ１４の外周塗料の附着
量を均一にすることができる。各ゴムローラ１４
には塗料供給装置１７により塗料が附着される。
即ち、各ゴムローラ１４に金属製の円板１８が外
接され、その軸１９が架台に回転可能に支持され
ている。各円板１８はその外周一部が架台に支持
された塗料タンク２０内の塗料に浸漬されてい
る。

次に本考案の動作について説明する。前記の如
く抵抗器Ｒが搬送板１により搬送され、塗装装置
を通過すると、この抵抗器Ｒは塗装円板９の塗装
面１０が比較的弱い圧力で当接されて一回転以上
回転され、この間、円板１８、ローラ１４及びマ
スター円板１２を順次経て外周に３条の塗料が附
着された塗装面１０により、上塗装r₄上にカラー
コーテイングr₅が施される。

第７図及び第８図に示すものは、本考案の他の
実施例である。前記実施例では軟らかい塗料を用
いているが、本実施例では、硬い塗料の供給装置
１７を用いたものであつて、インクツボ２１内の
塗料のローラ２２によりローラ１４に転写するよ
うにし、量調整装置２３の調整により塗料のロー
ラ２２に対する附着量を調整するようにしたもの
であり、その他の構成は前記実施例と同様であ
る。尚、マスター円板１２等を増減することによ
り抵抗器Ｒに３条より少い、或は３条より多い所
望数条のカラーコーテイングを施すことができ
る。また抵抗器Ｒの搬送方向を逆向きにすること
もできる。この他、本考案は、その基本的技術思
想を逸脱しない範囲で種々設計変更することがで
きる。

以上の説明より明らかなように本考案によれ
ば、塗装円板の外側複数個所に塗料附着装置を設
け、これら塗料附着装置により塗装円板の塗装面
に周方向複数条に塗料を順次附着させるようにし
ている。このように塗料附着装置を別々に設けて
塗装円板に順次附着させるようにしているので、
塗装円板に対するライン幅及びライン間隔を容易
に狭くすることができ、塗料が混合することなく
正確にカラーコーテイングを行うことができ、電
子部品が小型化しても正確にカラーコーテイング
を行うことができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａ乃至Ｄは抵抗器の製造工程を示す正面
図、第２図Ａ乃至Ｄはそれぞれ第１図Ａ乃至Ｄの
横断面図、第３図乃至第６図は本考案のカラーコ
ーテイング装置の一実施例を示し、第３図は抵抗
器の製造工程と搬送装置の関係を示す平面図、第
４図は第３図の−矢視断面図、第５図は全体
側面図、第６図はその説明用正面図、第７図及び
第８図は本考案の他の実施例を示し、第７図は全
体側面図、第８図は説明用正面図である。 １……搬送板、２……挿入孔、４……案内レー
ル、９……塗装円板、１０……塗装面、１２……
マスター円板、１４……ゴムローラ、１６……塗
膜規制板、１７……塗料供給装置、Ｒ……抵抗
器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円柱状電子部品の両側部を支持して搬送する搬
   送装置と、この搬送装置の途中の上部に回転可能
   に設けられた塗装円板と、この塗装円板の外側複
   数個所に設けられ、塗装円板の塗装面に周方向複
   数条に塗料を順次附着させる塗料附着装置とを備
   えたことを特徴とするカラーコーテイング装置。