JPS6336624Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 本考案は螢光灯ソケツトに関するものである。

〔背景技術〕

従来の直管型の螢光灯ソケツトは例えば一方の
ソケツトを固定型とし、他方のソケツトをプラン
ジヤが動く可動型として、螢光ランプの挿入方向
を片方に規制すると共に、点灯回路の電源接続を
夫々のソケツトに対応する極性となるように接続
するものがあつた。第１図はこの場合の電気回路
図であつて、図中A₁は可動側のソケツトを、A₂
は固定側のソケツトを夫々示し、またBlは漏洩
トランスからなる安定器を、Ｃは器具のシールド
部材を示し、更にACは交流電源を示す。

この場合、螢光ランプｌの挿着時に誤つて図示
するように固定側のソケツトA₂へ挿入するラン
プピン１をシールド部材Ｃに接触させても図示す
るような電源極性であれば感電事故を防げるもの
である。またソケツトA₁，A₂の接続を逆にし、
電源極性の接続を誤つても安定器Blのインピー
ダンスを通して回路が形成されるため漏電々流も
少なくできるというものである。図中破線のアー
スは誤つた接続を示す。

しかしながらかかる従来例の場合、電源極性に
ついて注意しなければならない上に、単に最悪の
短絡状態の防止を図るものであるため充分な漏電
防止効果が期待できない欠点があり、更に螢光ラ
ンプｌの挿入方向の制限や、ソケツトを２種類使
用しなければならないという問題があつた。

またこのような螢光灯ソケツト以外に、インタ
ーロツクスイツチを設けた螢光灯ソケツトも従来
からあるが、かかるものではインターロツクスイ
ツチの押釦が照明器具の反射板の取付け、取外し
時に引掛つて反射板の取付け、取外しの作業が困
難であるという欠点があり、そのため反射板に押
釦に対応する切欠を設ける必要があるが外観をそ
こねる等という新らたな問題を生じていた。また
インターロツクスイツチ付の螢光灯ソケツトは第
１図で説明したソケツトと同様に一方側を固定型
とするため螢光ランプの操作方向が片方に規制さ
れて不便であり、しかもインターロツクスイツチ
まで電源線を配線する必要がある上に、点灯回路
に比べて大電流のスイツチ接点容量を必要とする
ため信頼性と、コストの点で不利であるという欠
点があつた。

更にこの他に安全を図るために絶縁型安定器を
使用する方法や、ランプ挿入時の接触を防ぐため
の絶縁材を螢光灯ソケツトの周辺に配設する方法
もあるが、極めてコストが高くなるという欠点が
あつた。

〔考案の目的〕

本考案は上述の問題点に鑑みて為されたもの
で、その目的とするところは螢光ランプの交換を
通電状態又はアース片切状態で行なつても漏電
や、螢光ランプのフイラメントの断線を防止で
き、しかも構造が簡単で、製造コストも安価で、
螢光ランプの挿着操作も容易な螢光灯ソケツトを
提供するにある。

〔考案の開示〕

以下本考案を第２図に示す実施例によつて説明
する。２はソケツト本体で、該ソケツト本体２は
合成樹脂成形品からなる前蓋２ａと器体２ｂとか
ら構成され、器体２ｂの前面開口部に前蓋２ａを
被着してある。３は合成樹脂成形品からなるプラ
ンジヤで、このプランジヤ３は浅皿状に形成され
てその凹所３ａの開口周縁には外向きの鍔３ｃを
設け、またプランジヤ３の中央部にはランプピン
１に対応する一対のピン挿入孔３ｂを一対並行穿
設してある。４は逆く字状に折曲された板ばね
で、この板ばね４は下端を後方へ水平に延設して
器体２ｂ底部に設けた前面開口の係合溝９に圧入
されてソケツト本体２内に一対並行保持される。
５は各板ばね４の前面に密接するように板ばね４
と同じ形状に折曲されたランプピン接触片で、こ
のランプピン接触片５は下端部を固定部材６によ
つて上記板ばね４の下部に一体的にめ等により
固定されているものである。７は略逆つ字状に折
曲されたばね弾性を有するリード線接続片で、こ
のリード線接続片７は下側片を前記板ばね４の水
平延設部位と共に係合溝９に圧入されて固定さ
れ、上側片を後方斜めに向けて延設してその先端
の後向きに突出したアール面部分を、ランプピン
接触片５の中央屈曲部位よりやや上方の前面に弾
接する接触部としてある。８は略逆つ字状に折曲
された板ばねで前記アール面部分よりやや下方位
置に先端が位置し、リード線接続片７の後面に沿
うように配設され下側片を板ばね４の水平延設部
位とリード線接続片７の下側片との間に挾まれる
ようにして係合溝９内に圧入されている。

しかして螢光ランプｌのランプピン１がピン挿
入孔３ｂに挿入されない第２図ａの状態ではプラ
ンジヤ３はばね板４のばね付勢力によつて付勢さ
れたランプピン接触片５の先部によつて前方へ押
圧されソケツト本体１の前蓋２ａの丸孔１０内に
嵌入状態となつている。またこのときランプピン
接触片５中央の屈曲部位より上方の片は前傾して
リード線接続片７の先端のアール面と接触し、リ
ード線接続片７とランプピン接触片５とは接触し
てスイツチオンとなつている。この場合の接触圧
はリード線接続片７のばね性によつて得られる。

そして次に螢光ランプｌのランプピン１をピン
挿入孔３ｂに挿入して螢光ランプｌの先端をソケ
ツト本体１の丸孔１０に押込むと、ランプピン１
の押込み力によつてランプピン接触片５は板ばね
４の弾性力に抗して後方へ押圧変形されることに
なる。そして第２図ｂに示すように板ばね４のス
トロークの約1/2後方へ押圧変形されるとつまり
螢光ランプｌが装着される略正規の位置に至ると
リード線接続片７はばね応力が加わらない状態と
なつて、これ以後ランプピン接触片５が後方へ押
圧変形された場合、リード線接続片７の先端とラ
ンプピン接触片５との開離される状態となる。つ
まり第２図ｃのように更に螢光ランプｌを挿入す
ると、第２図ｂの状態まで接触状態にあつたラン
プピン接触片５とリード線接続片７とは開離しス
イツチオフとなるのである。

つまり、第２図ａの状態において、螢光ランプ
ｌはランプピン１をピン挿入孔３ｂに挿入してか
ら第２図ｂの状態に至る間はリード線接続片７に
接続してある点灯回路の２次側が、リード線接続
片７、ランプピン接触片５を介して螢光ランプｌ
のランプピン１に接続され、第２図ｂの状態から
第２図ｃの状態に至る間、リード線接続片７とラ
ンプピン接触片５との間は開離し、螢光ランプｌ
のランプピン１と点灯回路の２次側とが開離され
るのである。

従つてこの第２図ｃの状態で他端側のランプピ
ン１を他端に設けてある螢光灯ソケツトに挿入す
る場合、他端側のランプピン１がシールド部材等
に触れてアースされても、一端側のランプピン１
はオフ状態であるため、螢光ランプｌを介した通
電回路が構成されず、螢光ランプｌのフイラメン
トの切れや、漏電の発生を防止することができる
のである。

また螢光灯ソケツトより螢光ランプｌを外す場
合にあつても第２図ｂの状態から第２図ｃの状態
に一方の螢光灯ソケツト側において螢光灯ソケツ
トの一端側を押込んで他方の螢光灯ソケツト側の
ランプピン１をピン挿入孔３ｂより引抜き、しか
る後に一方の螢光灯ソケツト側で第２図ｃの状態
からｂを経て第２図ａの状態に螢光灯ランプｌを
引抜いてランプピン１をピン挿入孔３ｂより引抜
くのであるが他方の螢光灯ソケツトより引抜く時
にランプピン１がシールド部材に触れてアースさ
れても一方の螢光灯ソケツト側では第２図ｃの状
態にあるため当該螢光灯ソケツト側のランプピン
１には通電されず、螢光ランプｌのフイラメント
の切れや、漏電の発生を防止できるのである。

〔考案の効果〕

本考案は上述のように構成したプランジヤ、ラ
ンプピン接触片、リード線接続片を備えてあるの
で、螢光ランプを着脱するために螢光ランプの装
着時の略正規位置よりもランプピン接触片を後方
変形させると、ランプピンと接触片に接触してい
たリード線接続片を開離させることができ、その
結果ランプピン接触片の通電を遮断してオフ状態
とするため他端側の螢光ランプのランプピンが誤
つてアースされたとしても螢光ランプのフイラメ
ントの切れや、漏電が防止できるという利点を有
し、更に電源の極性に左右されず、螢光ランプの
挿入方向が制限を受けないものであつて、同じ螢
光灯ソケツトを螢光ランプの両側に使用できて、
固定型、可動型の２種類の螢光灯ソケツトを用い
ていた場合に比べて製品管理が楽であり、しかも
螢光ソケツトのピン接触片の部分でオン、オフす
るので、点灯回路を構成する安定器の２次側をオ
ン、オフする形となり、その結果余分な配線が不
要であり、また安定器の１次側をオンオフする場
合に比べて小容量の接点部材でランプピン接触片
等の通電部材を形成でき、またインターロツク型
の螢光灯ソケツトの場合に比べて構造が簡単で製
造コストも安価で、また押釦が無いため反動板の
着脱等の障害も起きないという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の使用説明図、第２図ａ〜ｃは
夫々本考案の実施例の使用説明用の断面図であ
り、１はランプピン、３はプランジヤ、３ｂはピ
ン挿入孔、４は板ばね、５はランプピン接触片、
７はリード線接続片、ｌは螢光ランプである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ソケツト本体に穿孔した孔にソケツト本体内部
   から前面部を後方へ移動自在に嵌込まれるプラン
   ジヤと、プランジヤに穿孔されたピン挿入孔より
   挿入される螢光ランプの各ランプピンと対接する
   ように先端部を配置してソケツト本体内に並設し
   上記ランプピンの非挿入時に前記先端部でプラン
   ジヤを前方へばね付勢するランプピン接触片と、
   該ピン接触片のばね付勢によつてプランジヤが前
   記孔に嵌込まれた状態から、上記ランプピンがピ
   ン挿入孔に挿入されて螢光ランプが押込まれた際
   に後方変形する上記ランプピン接触片のばねスト
   ロークが螢光ランプの略正規の装着位置に至る間
   ピン接触片から前方向のばね応力を受けてランプ
   ピン接触片に弾接し、前記螢光ランプの略正規の
   装着位置より後方に上記ランプピン接触片のばね
   ストロークがあればランプピン接触片と開離する
   リード線接続片とを具備して成る螢光灯ソケツ
   ト。