JPS6336280B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は遠心脱水洗たく機の駆動軸に関するも
のである。

〔従来技術〕

この種の洗たく機は、洗たく時にはバスケツト
を停止し、パルセータを低速で回転し、脱水時に
バスケツトを高速で回転するものである。

従来、パルセータとパルセータ軸との係合部に
おいては、成形時の寸法のバラツキ及び組立時の
作業性により、パルセータが、パルセータ軸に垂
直に取付けられず、洗たく時、バスケツトとパル
セータが、当たり回転せず、あるいは、洗たく物
をかみ込む等の不具合があつた。

〔発明の概要〕

本発明は、外枠と、外枠内に防振支持された外
槽と、外槽内に高速回転するように置かれている
バスケツトと、バスケツトの中央内底部に正逆回
転するように設けられているパルセータ等の回転
翼と、バスケツトの底部を支持する回転自在の中
空軸と、中空軸内に回転自在に支持され、上端に
回転翼を支持されている軸と、軸の外周の水密を
とる軸シールと、中空軸の外周の水密をとるシー
ルとを備えた遠心脱水洗たく機の駆動装置におい
て、回転翼を支持する上記軸は上端の外周にスプ
ラインを形成し、スプラインを形成している部分
の下側にスプラインを形成しない部分を設け、ス
プラインのない部分の下部に径の大きくなる段付
部を設けるとともに上端から軸方向に向つて形成
されるねじ穴を形成し、上記段付部にワツシヤー
を取り付け、回転翼の中央に軸挿入穴を形成し、
軸挿入穴は上記軸のスプラインのない部分が嵌合
する内径にするとともに奥の方に上記スプライン
が係合するスプラインを形成し、上記軸に取り付
けた回転翼を、回転翼の中央に挿入した取付ねじ
を軸のねじ穴に螺合することにより、ワツシヤー
に押し付けるようにして締め付たものである。

〔発明の実施例〕

次に本発明を図示の実施例によつて説明する。

第１図は、本発明の駆動装置を適用する脱水洗
たく機の構造の概略を示すものである。

図において、外枠１の上部隔のコーナープレー
ト２は、外槽３に設けた球面座１４と、吊り棒１
３、防音ばね１５を介して、外槽３を防振支持し
ている。外槽３の内部に設けられたバスケツト１
０は、バスケツトの底部下面に固定された中空軸
が外槽３の底部を貫通して回転可能に支持されて
おり、バスケツト１０は脱水用小孔１１をもつと
ともに上部には脱水時におけるアンバランスを軽
減すべくバランサー３４が設けられている。外槽
３の底部にはモータ５、軸受クラツチ装置４、電
磁排水弁９が固定される。

モータ５の回転はモータプーリ７、ベルト６に
よりパルセータプーリ８に伝達される。パルセー
タプーリ８は洗い時はパルセータ１６だけを回転
し、脱水時にはバスケツト１０とパルセータ１６
を一体にして回転する。

次に第２図によつて本発明の駆動装置の構成の
実施例を説明する。

バスケツト１０の軸受部としては、上軸受ケー
ス５６が外槽３の底部に強固に取付けられ、下軸
受ケース４１がねじ６１によつて上軸受ケースに
結合される。上軸受ケース５６の軸受サポート部
５６ａは軸受サポート５７の軸受サポート部５７
ａとでバスケツト軸に対する軸受５５を支承して
いる。このサポート５６，５７は取付ねじ５８に
よつて結合されている。

軸受サポート５７は一体的にシール取付部５７
ｂを有し、脱水機ウオーターシール５３を圧入固
定しており、中空軸フランジ６４との間で水密を
保持するとともに、外槽３の底部６２の中央部に
円筒部を設け前記シール５３の外周との間で外槽
３からの水洩れを防止する。

中空軸フランジ６４は中空軸５０を圧入固定す
るとともにバスケツト１０の捕強された底部６３
に取付ねじ６８により結合される。

中空軸５０に挿入されたパルセータ軸４９には
以下５つの機能をもたせてある。まず、中空軸５
０の内部の軸受５１，５２で軸部４９ｃが支承さ
れる。つば部４９ｄはパルセータ１６のスラスト
方向の荷重を支えるべく軸受５２の端部と摺接す
る。角継手を構成するギヤー取付部４９ｂは軸部
４９ｃより段付で小径となつており、パルセータ
ギヤー４６をも係合させ同時にパルセータギヤー
４６がスラスト方向に抜け出るのを防止するため
に止め輪４７にて係合している。パルセータ軸４
９のつば部４９ｄの上はシール軸部４９ａを有し
前記の中空軸フランジ６４内に圧入されたパルセ
ータ軸シール６７と摺接し、外槽３、バスケツト
１０内の洗たく液が中空軸５０以下の部分へ洩れ
ることを防止している。

また、その上部には段付部６９を有し、パルセ
ータ係合部４９ｅは、シール軸部４９ａより小径
となつており、前記の段付部６９にパルセータワ
ツシヤー７０が係止されている。パルセータワツ
シヤー７０は、パルセータ１６の取付時のパルセ
ータ軸４９に対する垂直度を出し、かつ、パルセ
ータ取付ねじ６６との締めつけにより、パルセー
タ１６をパルセータ軸４９に締結し、パルセータ
取付ねじ６６のゆるみを防止している。

前記のパルセータ軸４９の上端はパルセータ１
６を取付けるためにスプライン係合とし、パルセ
ータ取付ねじ６６でパルセータ１６を固定する。

減速歯車を支持するギヤーフランジ２５には中
空のギヤーフランジ軸２３が圧入などの方法で結
合され、ギヤーフランジ軸２３の内部にはギヤー
軸１７を支承する軸受２４、軸受２６があり、そ
の中間部はグリース溜２７となる。

ギヤー軸１７は以下の５種の形状を具える。即
ち第一段目の減速を行うべき入力歯車としてのギ
ヤー部１７ｄと、スラスト方向の規制を行うべき
つば部１７ｅと、プーリボス２２とプーリ８を軸
継手として結合する角係合部１７ｂと、軸受２
４，２６に嵌合する軸部１７ｃと、プーリボス２
２と両座金９，２０間のプーリ８をナツト１８で
締結するねじ部１７ａである。

ギヤーフランジ軸２３とプーリボス２２にはク
ラツチコイルばね３３が自己の締付力で締代を与
えて嵌合されている。コイルばね３３の下端はフ
ツクが曲げ起されてコイルカラー２１に係合さ
れ、コイルカラー２１の外周には略ノコ状の係止
部２１ａが一体的に設けられている。

ギヤーフランジ軸２３の外周を支えるバスケツ
ト軸用の軸受２８は下軸受ケース４１と軸受サポ
ート２９によつて支持され、軸受サポート２９の
立上り部と、グリース溜部２９ｂ中に設けたスラ
ストベアリング４２はギヤフランジ２５とフラン
ジ軸２３の圧入段付部のスラスト荷重を支承す
る。なお、下軸受ケース４１の下面とサポート２
９はかしめ鋲４０によつて結合され、かつ同じ部
分には下ケース４１の内面に結露した水を逃がす
孔が設けられる。

ギヤーフランジ２５の上面に、取付ねじ３２に
よつて、結合されたギヤードラム４８には中空軸
５０と複数個のギヤーピン４５がインサートによ
つて一体に結合されている。前記のピン４５上に
は中間ギヤー４４が回動できるように嵌合され、
そのギヤー部４４ｂはギヤー軸１７のギヤー部１
７ｄとかみあい、ピニオン部４４ａはパルセータ
ギヤー４６とかみあつている。これによつて第一
段と第二段の減速が行われ、全体として1/2〜1/4
の減速を行うものである。

本発明によれば、ピニオン部４４ａは金属製で
前記ピン４５の回転嵌合部の全長に近い長さとし
その端部に合成樹脂製のギヤー部４６ｂが成形さ
れる。

中間ギヤー４４の潤滑は、ドラム４８内にグリ
ースなどの潤滑剤を封入することによつて行われ
る。

ドラム４８の外周にはブレーキバンド６０が自
己の締付力で巻きつけられており、バンドの一端
のフツクに操作レバー４３のブレーキレバー部４
３ａが係合するとき、ドラム４８が制動停止され
るようになつている。

電磁排水弁９の電磁力によつて操作レバー４３
が作動するとき、そのブレーキレバー部４３ａと
ブレーキバンドのフツクとの係合が外れ、ギヤー
ドラム４８の制動は解除され、クラツチレバー部
４３ｂとコイルカラー２１の係止部２１ａとの係
合が外れ、パルセータ１６の単独回転がバスケツ
ト１０との一体回転に切換えられる。

上記のように構成された洗たく機の動作を説明
すると、洗い時は電磁排水弁９は無電圧状態で閉
じており、操作レバー４３は、ブレーキバンド６
０を制動状態に保持し、クラツチコイルバネ３３
をしてクラツチを解いた状態に保持している。

この状態において、外槽３内への給水が完了
し、モータ５とタイマーが始動すれば、モータ５
はパルセータプーリ８へ回転を伝える。このと
き、中空軸５０への動力伝達は断たれており、ギ
ヤードラム４８はブレーキされているから、パル
セータプーリ８の回転は中間ギヤー４４によつて
減速されてパルセータ軸４９に伝えられ、パルセ
ータを正転27秒−休止３秒−逆転27秒−休止３秒
のようなサイクルで正逆転し、洗いを行う。

遠心脱水を行う場合は、電磁排水弁９の附勢に
よつて、外槽３内から排水し、同時に操作レバー
４３が作動するから、クラツチコイルばね３３は
プーリボス２２とフランジ軸２３を結合し、ギヤ
ードラム４８のブレーキは解除される。よつてバ
スケツト１０内の水が排除されたのちモータ５が
始動すれば、パルセータプーリ８の回転はギヤー
フランジ２５、ギヤードラム４８、中空軸５０へ
と伝わり、バスケツトを一方向に高速回転し、遠
心脱水を行う。

次に上記の洗たく時の減速について説明する。

この種の洗たく機では、通常のバスケツト１０
の直径から所望の脱水力を得るためには、バスケ
ツトの回転数は800〜950rpmに設定すればよい。

従つてプーリ７，８とベルト６により減速は、
モータ５の回転数を800〜950rpmに落すことでよ
い。この回転数はパルセータの減速装置の入力軸
の回転数となる。

洗たく機外槽３の如き反響部材に直結される減
速装置では高速一段目のギヤーのかみあいの良否
は騒音源として重要な意味をもつ。この点で、ギ
ヤー群の第一段目の減速比の値如何は騒音対策の
一つのポイントとなる。

本発明では、全体の減速比を1/2〜1/5とすると
き、第一段目の減速比をその60〜75％とした。

中間ギヤー４４の回転数を300〜670rpmに設定
したことは、電源周波数50Hz、60Hzの整数倍の低
い部分、例えば２次以下に設定できることになる
から、騒音対策上望ましいものである。人の感覚
として、周波数1000〜2000Hz附近にかみあいの周
波数が同調すると、いやらしいギヤー異音として
クレームになるからである。

騒音対策を更に進めるために、第一段目のギヤ
ーの組合せにおいて、ギヤー部１７ｄを金属製と
し、中間ギヤー４４のギヤー部４４ｂを合成樹脂
製としたことは、合成樹脂そのものの減衰性能に
よつて無音ギヤーが得られ有効である。

また、第一段目で全体の減速比の60〜75％を得
ることは、第二段目の減速が比較的低い回転のギ
ヤーのかみ合せとなり、金属製ギヤーで騒音低減
に有効である。

最終パルセータ軸４９でのトルクは通常、40〜
120Kgcmで、165w〜250w程の伝達能力を必要と
するから、中間ギヤー４４は３〜４個で荷重の分
担を軽減させることは、歯幅方向の寸法を減じ、
ギヤーを小形化することができる。

中間ギヤー４４におけるギヤー部４４ｂとピニ
オン部４４ａとの結合について、本発明では、ピ
ニオン部４４ａがギヤー部４４ｂへのインサート
部材として心金に利用される構成とした。

前記のピニオン部４４ａはホブ切削により歯車
部を形成されるとともにピン４５が挿入される回
転嵌合公差をもつ軸孔が設けられる。また、イン
サート部にはギヤー部４４ｂの歯幅に相当する長
さのスプライン、ギヤセレーシヨンまたはローレ
ツトなどを設けておき、ギヤー部４４ｂの樹脂へ
のインサート成形により中間ギヤー４４を一体的
に製作するようになつている。

上記の中間ギヤー４４の構成は、洗たく機用と
して、生産性が高く、強度の点でも信頼性の高い
低騒音の減速歯車装置の提供を可能とするもので
ある。

以上述べたように、本発明は、外枠と、外枠内
に防振支持された外槽と、外槽内に高速回転する
ように置かれているバスケツトと、バスケツトの
中央内底部に正逆回転するように設けられている
パルセータ等の回転翼と、バスケツトの底部を支
持する回転自在の中空軸と、中空軸内に回転自在
に支持され、上端に回転翼を支持している軸と、
軸の外周の水密をとる軸シールと、中空軸の外周
の水密をとるシールとを備えた遠心脱水洗たく機
の駆動装置において、回転翼を支持する上記軸は
上端の外周にスプラインを形成し、スプラインを
形成している部分の下側にスプラインを形成しな
い部分を設け、スプラインのない部分の下部に径
の大きくなる段付部を設けるとともに上端から軸
方向に向つて形成されるねじ穴を形成し、上記段
付部にワツシヤーを取り付け、回転翼の中央に軸
挿入穴を形成し、軸挿入穴は上記軸のスプライン
のない部分が嵌合する内径にするとともに奥の方
に上記スプラインが係合するスプラインを形成
し、上記軸に取り付けた回転翼を、回転翼の中央
に挿入した取付ねじを軸のねじ穴に螺合すること
により、ワツシヤーに押し付けるようにして締め
付たことを特徴とするものである。

この構成によれば次のような良さが期待でき
る。

(1) 回転翼の回転方向の回り止めはスプラインの
係合により確実に行なわれ、かつ軸に対する回
転翼の心出しはスプラインの形成されていない
部分の嵌合により行なわれるので偏心のない確
実な取り付けがとられる。

(2) 回転翼は、取付ねじとワツシヤーにより締く
挾み付けられるように取り付けられるので、取
付ねじ自体の緩み止めが自ずととられ、回転翼
の正逆回転により取付ねじが外れることはな
い。

(3) 回転翼を支持する軸の上端外周にスプライン
を施すことは、取付ねじの締め付けおよび水密
の上からも必要なことである。

すなわち、回転翼を支持する軸および中空軸の
外周はシールにより水密が保たれている。水密性
能を上げるためには軸および中空軸の外径はでき
るだけ径小にすることが望ましい。水密部分の長
さをすくなくできるからであり、しかもシールの
小型化にもなるからである。軸を径小にするとこ
ろにもつてきて、取付ねじのねじ穴を軸の上端中
央に形成しなければならない。しかも軸の上端に
は回転翼の回り止め手段も設けねばならない。回
り止め手段とに、軸の外周をフライスでカツトす
る偏平部にすると、ねじ穴は極めて小径のものし
かとれない。取付ねじによる締め付けは、正逆に
回転する回転翼の取り付けであるので強くする必
要があり、それを行なうためにはあまり小さな取
付ねじは使用できない。ねじ穴はある程度大きな
ものを使用せざるを得ない。このために、回り止
め手段としてはフライス加工による偏平部ではま
ずく、軸の外周に複数のスプラインを設けねばな
らないものである。

このように、スプラインによる回り止めは、水
密および取付けねじによる締め付けをとる上で必
要なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は脱水洗たく機の説明図、第２図は本発
明を実施した軸受クラツチ部の縦断面図である。 １……外枠、２……コーナープレート、３……
外槽、４……軸受クラツチ装置、５……モータ、
６……ベルト、７……モータプーリ、８……パル
セータプーリ、９……電磁排水弁、１０……バス
ケツト、１１……脱水用小孔、１２……トツプカ
バー、１３……吊り棒、１４……外槽球面座、１
５……防音バネ、１６……パルセータ、１７……
ギヤー軸、１８……ナツト、１９……座金、２０
……座金、２１……コイルカラー、２２……プー
リボス、２３……ギヤーフランジ軸、２４……軸
受、２５……ギヤーフランジ、２６……軸受、２
７……グリース溜、２８……バスケツト軸用軸
受、２９……軸受サポート、３０……グリース
溜、３２……取付ねじ、３３……クラツチコイル
バネ、３４……バランサー、４０……カシメ鋲、
４１……下軸受ケース、４２……スラストベアリ
ング、４３……操作レバー、４４……中間ギヤ
ー、４５……ギヤーピン、４６……パルセータギ
ヤー、４７……止め輪、４８……ギヤードラム、
４９……パルセータ軸、５０……中空軸、５１…
…軸受、５２……軸受、５３……脱水機ウオータ
ーシール、５４……グリース溜、５５……バスケ
ツト軸用軸受、５６……上軸受ケース、５７……
軸受サポート、５８……取付ねじ、５９……グリ
ース溜、６０……ブレーキバンド、６１……取付
ねじ、６２……外槽底部、６３……バスケツト底
部、６４……中空軸フランジ、６６……パルセー
タ取付ねじ、６７……パルセータ軸シール、６８
……取付ねじ、６９……段付部、７０……パルセ
ータワツシヤー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 外枠と、外枠内に防振支持された外槽と、外
   槽内に高速回転するように置かれているバスケツ
   トと、バスケツトの中央内底部に正逆回転するよ
   うに設けられているパルセータ等の回転翼と、バ
   スケツトの底部を支持する回転自在の中空軸と、
   中空軸内に回転自在に支持され、上端に回転翼を
   支持している軸と、軸の外周の水密をとる軸シー
   ルと、中空軸の外周の水密をとるシールとを備え
   た遠心脱水洗たく機の駆動装置において、 回転翼を支持する上記軸は上端の外周にスプラ
   インを形成し、スプラインを形成している部分の
   下側にスプラインを形成しない部分を設け、スプ
   ラインのない部分の下部に径の大きくなる段付部
   を設けるとともに上端から軸方向に向つて形成さ
   れるねじ穴を形成し、 上記段付部にワツシヤーを取り付け、 回転翼の中央に軸挿入穴を形成し、軸挿入穴は
   上記軸のスプラインのない部分が嵌合する内径に
   するとともに奥の方に上記スプラインが係合する
   スプラインを形成し、 上記軸に取り付けた回転翼を、回転翼の中央に
   挿入した取付ねじを軸のねじ穴に螺合することに
   より、ワツシヤーに押し付けるようにして締め付
   たことを特徴とする遠心脱水洗たく機の駆動装
   置。