JPS6336264B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、取付口部を備えた本体、液体容
器、吸入管付きノズル、ノズル固定の固定部を有
する医療用のアトマイザーに関するものである。

従来、この種のアトマイザーにおいては、実公
昭31−15851号公報や昭和12年実用新案出願公告
第4809号に示されているように、下方から吹き出
す空気などの吸引作用によつて薬液を吸引し飛散
させるものが知られている。また薬液の取扱いの
簡便さや構造を簡単にするための工夫として、圧
縮空気または酸素取入用の取付口部とマウスピー
スまたは吐出口バルブ取付用の取付口部とを本体
が一体に備え、かつ薬液の吸引作用を生じさせる
ノズルとその固定部を本体に一体に形成し、そし
て薬液を入れる液体容器を前記本体に対して着脱
自在となるようにした構成を有するものがあつ
た。しかしながら、前述したアトマイザー全体が
液体容器と本体とに分割できるものにあつては、
本体、ノズルおよびその固定部がすべて一体に形
成され、分解不能で分解掃除ができず、分解でき
る部分は、本体にねじこまれた液体容器のみであ
るため、内部をきれいに洗浄することが難かしか
つた。この点、特に手入れが難かしい部分は、本
体の結合コーンに設けた孔とノズルの孔とを連結
する空間部であつて、この空間部には、バクテリ
アその他の異物が推積、付着し易く、これらを取
り除くことは殆ど不可能であつた。クリーナ液を
用いて洗浄すればクリーナ液に含まれている刺戟
的な組成物がアトマイザーの前記空間部に残り、
アトマイザー使用時に患者の肺に吸いこまれる危
険がある。

このように、従来のアトマイザーでは、前記空
間部に溜つたバクテリアなどの有害物を除去する
ことが難かしいため、空気または酸素と共に、こ
れら有害物が患者の肺に吸いこまれる危険があ
り、さらに、空間部のつまりによりアトマイザー
が使用不能となるなどの欠点があつた。

そこで、この発明は、簡単で、かつ安全、確実
な方法で洗浄できる自家治療または病院治療用の
アトマイザーを提供することを目的とするもので
ある。

この発明の目的は、ノズルとその固定部を本体
に対し着脱可能としたアトマイザーによつて達成
できるものであり、その他の特長は、特許請求の
範囲第２項乃至第５項に記載したとおりである。

この発明に係るアトマイザーは、ノズルと空間
部とがすべて完全に洗浄でき、またノズルを固定
するスリーブ状の固定部は薬液の水滴が大粒の
まゝ外部へ放出されないよう規制するものであ
り、さらに、分解、組み付けが手早く簡単に行
え、構造が簡単であるため、製造コストが安いな
どのすぐれた作用効果を奏するものである。

つぎに、この発明を図示の代表的実施例により
詳細に説明する。

第１図において、医療用のアトマイザーは、符
号１０により示されている。アトマイザー１０
は、液体容器１２のカバー体として作用する本体
１１と、この本体１１に螺合する液体容器１２
（薬液容器）とから構成されている。そして、本
体１１には、ノズル１３とその固定部１４とが設
けてある。

ノズル１３には、液体容器１２内へ伸びる吸引
管１５が取り付けてあり、本体１１には、圧縮空
気または酸素取入用の取付口部１６と、マウスピ
ース（吸口）または吐出口バルブを取り付ける取
付口部１８とが設けてある。

本体１１の上部側面から下部内方に向け、アト
マイザー１０の加圧管を結合する結合コーン１７
が一体に設けてある。そして、結合コーン１７の
最下端には、空間部２３と連通する孔１９が設け
てある。同様に、ノズル１３にも空間部２３と連
通の孔２０が設けてある。この孔２０は、空間部
１７の孔１９よりも僅かに大径になつている。

第２，３図に示すように、ノズル１３の固定部
１４は、スリーブ状（これに限定されない）にな
つており、ボルト状の止着部２２が設けられてい
て、本体１１の取付口部１６，１８の下部に着脱
自在に止着されている。さらに、固定部１４は第
５図に示してあるノズル１３の溝２５に嵌合する
案内部２４を備えていてこれによつて、ノズル１
３と固定部１４とは確実に合体するようになつて
いる。固定部１４には、ノズル挿入用の孔２８が
開口していて、周縁に肩部２８ａが設けられてお
り、この肩部２８ａは孔２８より一回り大径とな
つている。

アトマイザー１０のノズル１３は、第４，５図
に示すとおり、下方側で空間部２３と連通する孔
２０を有しており、この孔２０よりも僅か下方
に、球面体を呈する散布体２１が位置しており、
この散布体２１に薬液が滴下すると霧状に分散さ
れるようになつている。また、ノズル１３には、
固定部１４の案内部２４を受ける溝２５が設けて
ある。さらに、ノズル１３には、空間部２３と一
端で連通し、他端で吸入管１５と連通する管状部
２６が設けてある。ノズル１３の上端には、環状
のつば部２７が突設しており、これが前記した固
定部１４の肩部２８ａに嵌合してノズル１３と固
定部１４との合体を確実なものとする。

アトマイザー１０の操作は、従来公知のものと
同様であり、結合コーン１７の孔１９を介して加
圧された空気または酸素流が空間部２３へ流入
し、これによる吸引力により液体容器１２から液
体（薬液）が吸入管１５を介して吸引され管状部
２６を通つて空間部２３へ入り、前記の加圧され
た空気流（酸素流）に混入され、ノズル１３の孔
２０から散布体２１へ加圧状態で滴下され、これ
によつて逐次滴下の水滴は霧状に拡散され、取付
口部１８側から送られてくる空気または酸素流と
共に取付口部１６側へ流れ、患者の肺へ吸入され
るものであるが、取付口部１６側にバルブ付きマ
ウスピースを取り付ければ霧状の薬液の吸入量を
段階または無段階的に調節することができる。

この発明のアトマイザーにおいて、重要な点
は、ノズル１３と固定部１４とが本体１１に対し
着脱自由に取り付けられていることであり、これ
によつて、アトマイザー１０の分解掃除、洗浄が
可能となり、また、固定部１４はスプラツシユガ
ードとして作用し、大径の水滴がそのまゝ取付口
部１６側へ吸きとばされないように作用する。

前記した実施例は、この発明を限定するもので
はなく、特許請求の範囲に記載された要旨内での
改変形はすべてこの発明に含まれるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の一実施例を示す一部縦断
側面図、第２図は固定部の平面図、第３図は固定
部の断面図、第４図はノズルの平面図、第５図は
ノズルの断面図である。 １０……アトマイザー、１１……本体、１２…
…液体容器、１３……ノズル、１４……固定部、
１５……吸入管、１６……取付口部、１７……結
合コーン、１８……取付口部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 圧縮空気または酸素取入用の取付口部１６と
   マウスピースまたは吐出口バルブ取付用の取付口
   部１８とを備えた本体１１が、吸引管１５を備え
   たノズル１３を有して、吸引管１５を入れる液体
   容器１２を前記本体１１に着脱自在に取付けたア
   トマイザー１０において、前記ノズル１３と、こ
   のノズル１３を囲包するようにして本体１１側に
   固定し取付口部１８への水はねを防止する固定部
   １４とが、本体１１に対し着脱自在に取り付けら
   れていることを特徴とする医療用のアトマイザ
   ー。 ２ 固定部１４には、ボルト状の止着部２２が設
   けてあり、この止着部により固定部１４が本体１
   １に備えた取付口部１６，１８の下方部に取り付
   けられるようになつていることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載のアトマイザー。 ３ 固定部１４には、ノズル１３の溝２５に嵌ま
   る案内部２４が設けてあり、これによつてノズル
   １３と固定部１４とが合体するように構成されて
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項およ
   び第２項記載のアトマイザー。 ４ ノズル１３の上部には、環状の肩部２７が設
   けてあり、固定部１４に設けたノズル１３挿入用
   の孔２８には、前記肩部２７が嵌まる段部２８ａ
   が設けてある特許請求の範囲第１項乃至第４項記
   載のアトマイザー。