JPS6335528B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は物体の搬送装置に関し、より詳細には
物体をハンドリングするためのつかみ手段に物体
を気送または液送によつて搬送入したり、または
つかみ手段が一連の作業を終えた後に、他所へ物
体を気送または液送によつて搬送出するための、
物体の搬送装置に関する。

従来、物体を気送する場合には、第１図Ａに示
すように、まず気送すべき物体（図示せず）を物
体送受装置２１に投入し、バルブ２２，２３を
閉、バルブ２４，２５を開とし、ブロワ２６を作
動させてバルブ２５より空気を吸引し、この空気
を物体送受装置２１に送り、物体を搬送チユーブ
１１経由で搬送部１に気送し、その後、搬送部１
をマニピユレーター１６を使用して開口し、物体
をマニピユレーター１６で取り出していた。逆に
物体を搬送部１から物体送受装置２１に送る場合
は、マニピユレーター１６を用いて搬送部１を開
口し、しかる後に物体をマニピユレーター１６に
よつて搬送部１に投入し、搬送部１を閉口した
後、バルブ２４，２５を閉、バルブ２２，２３を
開とし、ブロワ２６を作動させて搬送部１より空
気を吸引し、この吸引空気によつて物体を搬送部
１から物体送受装置２１に気送していた。

そして第１図Ｂに示すように、マニピユレータ
ー１６にはハンド部２７が取り付けられており、
このハンド部２７をマニピユレーター１６の操作
によつて開閉し、搬送部１の開閉および搬送部１
での物体２８の出入を行なつていた。

しかしながら、マニピユレーター１６は搬送部
１の開閉のための、ハンド部２７で円筒状蓋２９
をつかみ、回転させる動作、および搬送部１から
物体２８を取り出したり、投入したりするための
動作などの煩雑な動作を必要とし、時には物体２
８を把持しそこねて、搬送部１外に物体２８を落
すなどの欠点があつた。

これらの欠点は、いづれも機械的に異質な搬送
部１と、マニピユレーターハンド部２７を接続す
るために生ずる問題と考えられる。

したがつて、搬送部とマニピユレーターの両者
を結合して物体の受け渡しを行なうに際して両者
の間に機械的な動作変換を設ける必要があり、機
械的な動作を必要としないという気送または液送
の利点が失なわれてしまうのである。

すなわち、従来の気送または液送による搬送部
に開閉蓋を設けておき、搬送中は圧力保持のため
に蓋を閉じておくが、物品を搬送部から取り出す
とき、または搬送を開始するにあたり物品を搬送
部に入れるときには、蓋をあけるものが多い。

たとえば第１図Ｃでは円筒状の蓋２を矢印ａ方
向に回転させて搬送部１を開閉し、第１図Ｄでは
引出し状の蓋３を矢印ｂ方向に引出したり押し込
んで開閉し、第１図Ｅでは平板状の蓋４を矢印ｃ
方向に上下して開閉させていた。

また第１図Ｆに示すように、搬送部１はロータ
５を有しており、被搬送物体を被搬送物体挿入口
６からロータ５の凹部７に挿入し、ロータ５を矢
印ｄ方向に90゜回転させ、流体供給口８から気体
または液体を供給して被搬送物体を矢印ｅ方向に
搬送していた。

しかしながら、これらいづれの方法も、物品を
搬送部１から出し入れするという動作の他に、搬
送部１の蓋の開閉、あるいはロータの回転動作が
必要であり、上記のように動作を複雑にしてい
た。

したがつて物体をハンドリングするマニピユレ
ーターが単純な作業しか行なわないときには、蓋
やロータがあるという理由だけでマニピユレータ
ーに余分な動作を設ける必要を生じ、もしマニピ
ユレーターを自動化する場合には、本来必要のな
い蓋開閉やロータ回転のための駆動軸を余分に設
ける結果ともなる。

そこで本発明は、かかる従来の欠点を解消すべ
くなされたものであり、搬送部に全く可動部を必
要とせず、信頼性が高く、かつ、メンテナンスが
不用であるなどの特長を有するものである。

すなわち本発明に係る物体の搬送装置は、物体
を流体により送り出し、または受け取るための、
搬送チユーブの末端に設けた搬送部と、この搬送
部から物体を受け取り、またはこの搬送部を経て
物体を送り出すための、マニピユレーターに設け
たつかみ部とからなり、該搬送部および該つかみ
部は夫々内筒と外筒とからなる二重筒構造であつ
て該内筒同志および外筒同志はその端部において
接続、開放自在であり、該搬送部の外筒に前記流
体の給排出管を設け、かつ該つかみ部の内筒と外
筒を連通させると共に、該つかみ部の内筒内に搬
送された物体を受け止め、かつ該搬送部と開放し
た後に、搬送された物体を該つかみ部の内筒内か
ら押し出す機能を有し、前記マニピユレーターに
よつて操作されるハンドリング機構を該つかみ部
の内筒内に備えたことを特徴とするものである。

以下、本発明を図面に示した実施例にもとづき
説明する。

第２図および第３図は本発明の第１実施例を示
し、第２図の搬送部１０は前述した従来の搬送部
１と同様に、後述するつかみ部１５（以後、マニ
ピユレーターのつかみ部を例にとり説明する）か
ら物体を気送または液送により搬送出したり、あ
るいは物体が気送または液送により搬送入される
搬送チユーブ１１の末端に設けられており、物体
が通過する内筒１２と、物体を搬送出する気体や
液体の流路を構成する外筒１３とから構成され、
内筒１２は搬送チユーブ１１に連結されている。
また外筒１０には流体の給排出管１４が取り付け
られている。

第３図は、第１実施例における、つかみ部１５
を示し、上記搬送部１０から物体を受け取つてこ
れをハンドリングしたり、あるいは搬送部１０に
物体を搬送出するマニピユレーター１６に設けら
れており、物体を保持するための内筒１７と、物
体を搬送出するための気体や液体の流路となる外
筒１８とから構成され、外筒１８と内筒１７は開
孔部１９で連通し、内筒１７の底部には物体をハ
ンドリングするための機構２０が設けられてい
る。

そして、搬送部１０とつかみ部１５とは、内筒
１２と１７、および外筒１３と１８の先端部が
夫々密着し、搬送部１０とつかみ部１５の内筒同
志、および外筒同志が夫々接続することにより連
結される。

なお、搬送チユーブ１１および搬送部１０を複
数個設けて複数の場所から物体を流体により搬送
チユーブ１１の末端に設けた搬送部１０を通して
一つのマニピユレーターのつかみ部１５に受け取
り、または送り出すこともできる。

なお、内筒１２，１７および外筒１３，１８は
円筒ばかりでなく、角筒、たとえば四角筒や六角
筒とすることができる。

今、マニピユレーターの作業が分析試料の採取
である場合を例にとつて本発明の装置の作用を説
明すれば、被搬送物体は試料採取容器２１であ
り、マニピユレーターはつかみ部１５の内筒１７
内に搬送チユーブ１１を経て気送または液送され
た試料採取容器２１を、連結状態にある搬送部１
０から受け取る。このとき、試料採取容器２１の
送入によつて押し出された気体または液体は、開
孔部１９を通り、外筒１８および１３内を経て流
体給排出管１４に導かれ、排出または回収され
る。試料採取容器２１が、つかみ部１５の内筒１
７内に収容された後に流体の供給を中止し、搬送
部１０と、つかみ部１５を分離する。

ついで、つかみ部１５の内筒１７内に送入され
た容器２１は、マニピユレーターによる分析試料
の採取に適切な位置に、たとえばスプライン係合
によつて歯車の回転運動をスプラインシヤフトの
前進運動に変えることにより、ハンドリング機構
２０によつて押し出され、試料採取容器２１を保
持しながら、これを試料採取口（図示せず）に押
しつけるか、試料注入針（図示せず）に刺し込む
などの操作をして試料採取容器２１に試料を採取
する。

試料の採取終了後、搬送部１０と、つかみ部１
５を再び連結し、流体給排出管１４から開孔部１
９を経て、たとえば空気が供給され、試料採取容
器２１につかみ部１５から圧送して搬送部１０に
送入し、更に搬送チユーブ１１を経て容器２１を
目的場所、たとえば分析室に送る。

第４図および第５図は本発明の第２実施例を示
し、第４図に示した搬送部１０と第５図に示し
た、つかみ部１５とは、内筒、外筒が夫々嵌合に
より連結されるようになつている。

以上述べたように本発明によれば、マニピユレ
ーターのつかみ部１５と搬送部１０とは、内筒同
志および外筒同志が、または筒状体同志が夫々、
接続、分離自在になつているので、つかみ部１５
が搬送部１０の蓋の役目を兼ねており、しかも、
つかみ部１５が始めから搬送部１０の一部を構成
しているので、搬送部１０への物体、たとえば試
料採取容器２１の出し入れのための機械的動作を
全く必要としない。

したがつて、搬送部１０には全く機械的な可動
部が無くなり、メンテナンスが著るしく容易であ
り、かつ構造が簡単なので故障も少なく、長期間
にわたつて使用に供することができるので装置の
信頼性を高めることができる。

本発明の装置は、放射性溶液や有毒物質を含む
溶液の分析試料採取容器の搬送、および外界より
遮断された無菌室間の試料の移送等に好適に用い
られる。

【図面の簡単な説明】

第１図Ａは従来の気送管系の全体概要図、第１
図Ｂは第１図ＡのＰ部詳細図、第１図Ｃ、第１図
Ｄ、第１図Ｅおよび第１図Ｆは従来の搬送部の斜
視図、第２図および第３図は本発明の第１実施例
を示す断面図、第４図および第５図は第２実施例
を示す断面図である。 １０……搬送部、１２，１７……内筒、１３，
１８……外筒、１４……搬送用流体供給管、１５
……つかみ部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 物体を流体により送り出し、または受け取る
   ための、搬送チユーブの末端に設けた搬送部と、
   この搬送部から物体を受け取り、またはこの搬送
   部を経て物体を送り出すためのつかみ部とからな
   り、該搬送部および該つかみ部は夫々内筒と外筒
   とからなる二重筒構造であつて該内筒同志および
   外套同志はその端部において接続、開放自在であ
   り、該搬送部の外筒に前記流体の給排出管を設
   け、かつ該つかみ部の内筒と外筒を連通せしめる
   と共に、該搬送部と該つかみ部との接続を開放し
   た後に、搬送された物体を該つかみ部の内筒内か
   ら押し出す機能を有するハンドリング機構を該つ
   かみ部の内筒内に設けたことを特徴とする物体の
   搬送装置。