JPS6335169Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ターボチヤージヤ用軸受機構に関
し、特に詳述すれば、コンプレツサのスクロール
部の昇圧流体を用いて軸の支承をなしている無潤
滑方式のターボチヤージヤ用軸受機構に関する。

ターボチヤージヤは機関の出力増大に効果的で
あることから広く利用されている。ターボチヤー
ジヤは、排気路中に位置するタービンホイールお
よび吸気路中に位置するコンプレツサホイールを
有する軸を、ハウジングにオイル潤滑方式の軸受
により支承しているが、このように排気でタービ
ンホイールを回転させる場合、排気が非常に高温
になることから、軸受によい影響を与えない。高
温排気は軸受を昇温させ、潤滑オイルの早期劣化
を招き、オイル消費の増大或いはオイルポンプの
負荷増大の要因となつている。さらに、排気の軸
受部への浸入は、排気中の不純物を軸受部に付着
させ、軸受の正常な回転を妨げ、強いては、ター
ボチヤージヤを故障させることになる。又、潤滑
オイルのための種々な機構を組込む必要から、タ
ーボチヤージヤの構造を複雑にしターボチヤージ
ヤを大型化させている。

それ故、この考案の目的は、コンプレツサのス
クロール部の昇圧流体を、タービンホイールとコ
ンプレツサホイールを支持する軸まわりに供給
し、該昇圧流体により軸を浮上させる動圧気体軸
受を用いることにより、前述した欠点を解消させ
ているターボチヤージヤ用軸受機構を提供するこ
とを目的とする。

この考案の実施例を添付図面を参照して説明す
る。

ターボチヤージヤ１は、エンジン燃焼ガスの排
気通路の排気入口２および排気出口３を有するタ
ービンケーシング４と、エンジン吸気通路の空気
入口５および加圧空気出口６を有するコンプレツ
サケーシング７と、その中間に位置し、一端にタ
ービンケーシング４の排気通路に位置するタービ
ンホイール８および他端にコンプレツサケーシン
グ７の吸気通路に位置するコンプレツサホイール
９を支持する軸１０を支承するハウジング１１と
を備える。

ハウジング１１は、軸１０を通すボア１２を有
しボア１２の両端に、セラミツクス材等からなる
動圧気体軸受１３を固定させる。軸１０は、その
中間部でボア１２の内周面との間に室１４を作る
よう小径となつており、軸１０の両端は、動圧気
体軸受１３の内周面との間に空気の流れを許容す
る隙間１５を作るよう大径となつており、この軸
両端部１６で軸１０を動圧気体軸受１３を介して
ハウジング１１に支承させる。室１４とコンプレ
ツサのスクロール部１７とは通路１８を介して連
通させる。

動圧気体軸受１３に、その長手方向に複数個の
穴（図示なし）を穿設させてもよい。又、軸受１
３の外周面に斜めに切られた複数個のスリツト１
９を設けてもよい。

以上の構成において、矢印ＡからＢの方向への
排気の流れにより、タービンホイール８が回転す
ると、これと一体の軸１０およびコンプレツサホ
イール９が回転し、エンジン吸気通路の空気はコ
ンプレツサホイール９により加圧され、空気出口
６より流出する。この際、加圧された空気は、ス
クロール部１７から通路１８を介して室１４に入
り、次いで、動圧気体軸受１３と軸１０の両端部
１６との間の隙間１５に流入し、軸受負荷を高
め、軸１０を浮上させる。かくして、無潤滑によ
る軸受が可能となる。さらに、この隙間１５を流
れる加圧空気は軸受部を冷却し、且つ軸受部に付
着しようとする不純物を除去させる。かくして、
軸受の耐久性を向上し得る。軸１０にその長手方
向に穴を設けた場合、冷却効果を一層高めること
ができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の一例を組込んだターボチヤージ
ヤの断面図である。 図中；１……ターボチヤージヤ、８……タービ
ンホイール、９……コンプレツサホイール、１０
……軸、１１……ハウジング、１２……ボア、１
３……動圧気体軸受、１４……室、１５……隙
間、１７……スクロール部、１８……通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端に排気路中に位置するタービンホイールを
   且つ他端に吸気路中に位置するコンプレツサホイ
   ールを備える軸を、ハウジングのボア内に通し且
   つ該ハウジングに回転自在に軸支させているター
   ボチヤージヤ用軸受機構において、コンプレツサ
   のスクロール部を前記ボアに穿設した通路を介し
   て前記ボアの両端部間と連通させ且つ前記軸を前
   記ハウジングに対し前記ボアの両端部に設けた動
   圧気体軸受を介して軸支させていることを特徴と
   するターボチヤージヤ用軸受機構。