JPS6335160B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は圧電バイモルフ素子を用いた圧電型ス
ピーカに関する。

現在実用されているスピーカの多くは動電型ス
ピーカで、コーン紙の取り付けられた可動線輪
を、マグネツトとヨークとの空隙内の磁束と直交
するように配置したものである。このような動電
型スピーカは、構造が複雑で、重く、小型化に限
界があり、また量産が難しく、コストも高いとい
う欠点があり、使用範囲が限られていた。特に、
音声合成用装置などの小型化された機器へ組込む
場合や、IC回路で駆動する場合、動電型スピー
カを使用することはいろいろな点で難しかつた。

そこで本発明は、圧電型スピーカを実用に供し
得るようにすることを目的とする。以下、本発明
の実施例を図面を参照しつつ詳述する。

図において、１は両面に電極の設けられた
PZT等の圧電磁器板を２枚貼り合わせた円板型
圧電バイモルフ素子で、その中央部に穴２が設け
られ、この穴２から放射状に周辺部を残してスリ
ツト３が形成されている。このように圧電バイモ
ルフ素子１を構成すると、特に第５図に示してい
るように、周辺部を支点、中央部を自由端とした
上下方向の大きな振幅を得ることができる。４は
例えば周辺にコルゲーシヨンを設けたコーン紙で
構成されたダイヤフラムで、その頂部が圧電バイ
モルフ素子１の中央部に接着されている。５は中
央に穴を設けた板状のフレームで、両側面の中央
穴側にそれぞれ円環状の段差５ａ，５ｂが設けら
れている。圧電バイモルフ素子１の周辺部はフレ
ーム５の一方側面の段差５ａに接着され、ダイヤ
フラム４の周辺部はフレーム５の他方側面の段差
５ｂに接着されている。すなわち圧電バイモルフ
素子１とダイヤフラム４がフレーム５の穴の内部
に収納されることになる。６，７はフレーム５に
固定された端子で、それぞれ圧電バイモルフ素子
１の所定の電極と接続されている。

上記圧電バイモルフ素子１は複数のスリツト３
により複数のバイモルフ片に分割されたことにな
り、端子６，７からみると各バイモルフ片が並列
接続された状態になつて、素子１の電気的インピ
ーダンスが低くなる。したがつて、素子１を駆動
する回路がインピーダンスの低いICで構成され
た場合にも、素子１と駆動回路とのインピーダン
スマツチングが容易になる。しかも、素子１の各
バイモルフ片への電気結線は各片が連続している
ので一括して行うことができる。また、圧電バイ
モルフ素子１の中央部が自由端になるので、コー
ン紙のようなダイヤフラム４を能率よく駆動でき
る。さらに、圧電バイモルフ素子１とダイヤフラ
ム４をフレーム５の両側面に接着するのみでスピ
ーカをワンタツチで製造できるので、量産的でか
つコストが安くなる。さらにまた、圧電バイモル
フ素子１の各バイモルフ片が自由端の中央部へ向
かつて先細形状になるので、各片の周辺部の質量
が大きくなり、ノード点が周辺部に近寄り、バイ
モルフ片ひいては素子１の変換効率が高くなる。

上記実施例において、圧電バイモルフ素子１と
して、両面に電極の設けられた圧電磁器板を２枚
貼り合わせた例を示しているが、本明細書でいう
圧電バイモルフ素子は、金属板に圧電磁器板や
ZnOなどの圧電膜を複合化した素子も含むもので
ある。

本発明は、上述した構成よりなり、構造が簡単
で、小型で、軽く構成でき、能率が良く、量産的
でコストが安い、しかもインピーダンスマツチン
グのとり易い圧電型スピーカを得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

図は本発明による圧電型スピーカの一実施例を
示し、第１図は縦断面図、第２図は平面図、第３
図は底面図、第４図は圧電バイモルフ素子のみを
示す平面図、第５図は圧電バイモルフ素子の振動
状態を示す図である。 １…圧電バイモルフ素子、３…スリツト、４…
ダイヤフラム、５…フレーム。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 中央部から放射状に複数のスリツトを設けた
   圧電バイモルフ素子の中央部にダイヤフラムが固
   定され、上記圧電バイモルフ素子と上記ダイヤフ
   ラムの周辺部がそれぞれフレームに固定されたこ
   とを特徴とする圧電型スピーカ。 ２ 前記圧電バイモルフ素子と前記ダイヤフラム
   の周辺部は中央に穴を設けた板状フレームの両側
   面にそれぞれ固定された、特許請求の範囲第１項
   記載の圧電型スピーカ。