JPS6334140Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、フロツピーデイスクドライブ機構な
どにおけるヘツド位置調整に好適なヘツド調整用
デイスクに関する。

たとえば、近年著しい普及がみられるワードプ
ロセツサなどフロツピーデイスクを使用する機器
においては、少なくとも同一機種について、同一
のデータ記録装置でデータが書き込まれたフロツ
ピーデイスクが使用可能でなければならない。こ
のためには、少なくとも、フロツピーデイスクド
ライブ機構におけるヘツドの取り付け状態が、同
一フロツピーデイスクを使用する機器について
は、同一でなければならないことになる。

ヘツドの取り付け状態の調整は、従来、製造ラ
イン中の品質管理工程で行なわれており、基準の
記録トラツクが形成されたヘツド調整用デイスク
を用いて仮調整されたヘツドの精密調整を行なつ
ている。

ヘツドの位置調整は、このようなヘツドの取り
付け状態の調整項目のうちでも特に重要なもので
ある。これは、指定された位置に対する設定され
たヘツド位置のデイスク内周側あるいは外周側へ
のずれを調整するものであつて、その調整方法と
して、偏心した環状トラツクを用いる方法が知ら
れている。

第１図はかかるヘツド位置調整方法に用いられ
るヘツド調整用デイスクの一例を示す説明図であ
つて、１はヘツド調整用デイスク、２はインデツ
クスホール、３，４は記録トラツク、５は被調整
ヘツドの軌跡、Ｏは回転中心点、Ａは偏心点であ
る。

同図において、ヘツド調整用デイスク１の回転
中心点Ｏから所定距離隔たつて透孔でなるインデ
ツクスホール２に設けられており、回転中心点Ｏ
とインデツクスホールとを結ぶ直線Ｘ−X′上の
偏心点Ａを中心点とする互いに同心円状の環状記
録トラツク３，４が形成されている。

記録トラツク３，４の位置は次のように設定さ
れている。かかるヘツド調整用デイスク１をター
ンテーブル（図示せず）に装着して回転中心点に
関して矢印Ｂ方向に回転させると、当然のことな
がら記録トラツク３，４は偏心している。

ところで、ヘツドの位置調整は、フロツピーデ
イスクの記録領域の中央に位置する記録トラツク
（以下、中央記録トラツクという）にヘツド（図
示せず）が正確に一致するように行なうことが一
般的であり、かかる中央記録トラツクに正確に一
致したときのヘツドの軌跡を軌跡５とすると、こ
の軌跡５が、直線Ｘ−X′上の回転中心点Ｏに関
して偏心点Ａ側の点Ｐで記録トラツク４と一致
し、また、直線Ｘ−X′上の回転中心点Ｏに関し
て偏心点Ａとは反対側の点Ｑで記録トラツク３と
一致するように、記録トラツク３，４の位置が設
定される。

そこで、ヘツド調整用デイスク１を回転し、位
置を仮調整（粗調整）したヘツドで再生走査する
と、１回転中記録トラツク３に記録された信号と
記録トラツク４に記録された信号とが時間的にづ
れて再生される。

一方、発光ダイオードとホトトランジスタなど
の光学手段により、インデツクスホール２の位置
が検出されるが、いま、ヘツドがヘツド調整用デ
イスク１に関して直線Ｘ−X′に直交する直線Ｙ
−Y′上の点Ｒにあるときに、インデツクスホー
ル２が検出されてパルス信号（以下、ホール信号
という）が得られたものとする。そこで、このホ
ール信号ｃを時間基準とすると、第２図に示すよ
うに、まず記録トラツク４から信号ａが再生さ
れ、次に、記録トラツク３から信号ｂが再生され
る。これら信号ａ，ｂは、たとえば、62.5KHzの
同一周波数信号であるが、ホール信号ｃによつて
信号ａ，ｂの区分が可能となる。

ところで、ヘツドがヘツド調整用デイスク１の
内周側に位置づれしているとすると、ヘツドは記
録トラツク３からづれて記録トラツク３からの再
生信号ｂはピークが小さくなり、また、ヘツドは
記録トラツク４は２度交叉することになるが、そ
の再生信号ａのピークは最大値を保つている。ヘ
ツドがヘツド調整用デイスク１の外周側に位置づ
れしているときには、逆に、記録トラツク３から
の再生信号ｂのピークは最大値を保ち、記録トラ
ツク４からの再生信号ａのピークは小さくなる。
したがつて、信号ａ，ｂのピークの比（ローブ
比）を求めることにより、ヘツドの位置づれの量
および方向を高い精度で検出することができ、精
密なヘツド位置調整が可能となる。

ところで、かかる従来のヘツド調整用デイスク
を用いてヘツド位置を調整する方法では、２つの
記録トラツク３，４からの再生信号ｂ，ａを区別
できることが必須の要件であり、このために、デ
イスクドライブ機構ではインデツクスホールの検
出手段を必要とする。したがつて、デイスクドラ
イブ機構には、フロツピーデイスクのデータ書き
込み、読み出し動作に直接関係のない手段を必要
とし、また、かかるインデツクスホール検出手段
のないデイスクドライブ機構に対しては、記録ト
ラツク３，４からの再生信号ｂ，ａの区別ができ
ず、ヘツドの位置調整ができないという欠点があ
つた。

本考案の目的は、上記従来技術の欠点を除き、
被調整ヘツドでもつて時間基準となる信号を得る
ことができ、インデツクスホールを検出すること
なく２つの偏心する記録トラツクからの信号を区
別することができるヘツド調整用デイスクを提供
するにある。

この目的を達成するために、本考案は、被調整
ヘツドの軌跡に沿つて所定周波数のインデツクス
バーストを記録した点に特徴がある。

以下、本考案の実施例を図面について説明す
る。

第３図は本考案によるヘツド調整用の一実施例
を示す説明図であつて、６はインデツクスバース
トであり、第１図に対応する部分には同一符号を
つけて説明を一部省略する。

第３図において、先に述べたように、所定の位
置に正確に位置づけされたヘツド（図示せず）の
軌跡５は、回転中心点Ｏと偏心点Ａとを通る直線
Ｘ−X′上の点Ｐで記録トラツク４に一致し、ま
た、直線Ｘ−X′上の点Ｑで記録トラツク３に一
致するものとすると、回転中心点Ｏにおいて直線
Ｘ−X′に直交する直線Ｙ−Y′と軌跡５との交点
（インデツクスホール２から反時計方向に270゜の
点）を含み、軌跡５に沿う領域にインデツクスバ
ースト６を記録する。すなわち、インデツクスバ
ースト６は記録トラツク３，４の中間部に記録さ
れる。

インデツクスバースト６は、記録トラツク３，
４に記録された信号と同一周波数（たとえば、
62.5kHz）とすることができ、この周波数の信号
の数サイクルからなる。

そこで、位置が粗調整された被調整ヘツドで再
生走査すると、被調整ヘツドの軌跡は軌跡５の近
傍に形成されるから、ヘツド調整用デイスク１の
１回転についてみると、第４図に示すように、イ
ンデツクスバースト６、記録トラツク４に記録さ
れた信号ａ、記録トラツク３に記録された信号ｂ
の順で再生される。したがつて、再生されたイン
デツクスバースト信号を時間基準とすることによ
り、記録トラツク３，４から再生される信号を区
別することができる。

以上のように、この実施例では、インデツクス
ホール２を利用する必要がなく、このために、デ
イスクドライブ機構にインデツクスホールの検出
手段がなくとも、被調整ヘツドの位置調整を高精
度に行なうことができて位置調整の自動化も可能
となるし、また、逆に、デイスクドライブ機構は
インデツクスホールの検出手段も不要となつて構
成が簡略化される。

なお、上記実施例では、インデツクスバースト
６の周波数を、記録トラツク３，４に記録されて
いる信号の周波数と同一としたが、これらの信号
の周波数と異ならせてもよい。

また、インデツクスバースト６の記録位置とし
ては、必ずしも、上記実施例のように、軌跡５が
記録トラツク４に一致する点Ｐより前の記録トラ
ツク３，４の中間位置とする必要がなく、記録ト
ラツク３，４の他の中間位置とすることもできる
し、さらに、たとえば、インデツクスバースト６
と記録トラツク３，４に記録された信号との周波
数を異ならせるなどして、被調整ヘツドで再生さ
れた信号中インデツクスバースト６が区別できる
限り、インデツクスバースト６は軌跡５に沿う任
意の位置に記録することができる。

また、上記実施例は、フロツピーデイスクドラ
イブ機構のヘツド位置調整の場合について説明し
たが、光デイスクによる記憶装置など他のデイス
クを用いる機器のヘツド位置調整用としても、本
考案を適用することができることは明らかであ
る。

以上説明したように、本考案によれば、被調整
ヘツドにより時間基準となるインデツクスバース
トを検出することができ、インデツクスホールを
検出することなしに偏心せる２つの記録トラツク
から再生された信号を区別することができるもの
であつて、インデツクスホールの検出手段を有し
ないデイスクドライブ機構に対しても、ヘツドの
位置調整を可能とし、また、インデツクスホール
を設ける必要もなく、デイスクドライブ機構もイ
ンデツクスホールの検出手段を省略可能にして構
成を簡略化させ、上記従来技術の欠点を除いて優
れた機能のヘツド調整用デイスクを提供すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のヘツド調整用デイスクの一例を
示す説明図、第２図は第１図のヘツド調整用デイ
スクから被調整ヘツドにより得られる信号の一例
を示す波形図、第３図は本考案によるヘツド調整
用デイスクの一実施例を示す説明図、第４図は第
３図のヘツド調整用デイスクから被調整ヘツドに
より得られた信号の一具体例を示す波形図であ
る。 １……ヘツド調整用デイスク、３，４……偏心
した記録トラツク、５……ヘツドの軌跡、６……
インデツクスバースト、Ｏ……回転中心点、Ａ…
…偏心点。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転中心点に対して偏心せる互いに同心円状の
   第１、第２の記録トラツクを有し、所望の位置に
   ある被調整ヘツドの軌跡が、前記回転中心点を中
   心点として環状をなし、前記第１、第２の記録ト
   ラツクの中心点と前記回転中心点とを結ぶ直線上
   でのみ前記第１、第２の記録トラツクと重なるよ
   うに、前記第１、第２のトラツクが形成されてな
   るヘツド調整用デイスクにおいて、前記所望の位
   置にあるときの前記被調整ヘツドの軌跡上に所定
   周波数のインデツクスバーストが記録された該軌
   跡の１周に比べて充分短かい１つの領域を設け、
   位置が粗調整された該被調整ヘツドが該領域を再
   生走査することにより得られる該インデツクスバ
   ーストにもとづいて、前記第１、第２の記録トラ
   ツクからの再生信号の区別を可能に構成したこと
   を特徴とするヘツド調整用デイスク。