JPS6333430B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は大規模共同乾燥調製施設（ライスセン
ター等）において、回転選別筒体を複数備えてな
る多連式穀物用回転選別機に係り、特に穀物用多
連式回転選別機の給穀装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、周面に多数の通孔を形成した回転選別筒
体を複数設けた穀物用多連式回転選別機にあつて
は、回転選別筒体の全部あるいはその内の複数の
回転選別筒体に米粒等の原料穀物を供給するに際
し、選別斑（むら）を生じないため、均等に供給
することが要求され、そのため、実開昭50−9470
号公報で開示されるように（第４図参照）、供給
漏斗１０１の一方の下口１０２を回転ふるい網筒
１０４内の前端部に、他方の下口１０３を回転ふ
るい網筒１０５内の前端部に各々臨ませたもの、
あるいは実開昭48−50560号公報で開示されるよ
うに（第５図参照）、選別筒１０６及び選別筒１
０７に共通の流下路１０８を設けるとともに、流
下路１０８から各選別筒１０７，１０８への取込
口にそれぞれ切替調節弁１０９，１１０を装着し
たもののほか実開昭52−69473号などが知られて
いる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、実開昭50−9470のものは、供給漏斗
１０１内へ穀物を投入するシユートパイプ等の位
置及び角度の違いによつて各回転ふるい網筒１０
４，１０５へ流入する量が不均等になり、一方、
実開昭48−50560のものは切替調節弁１０９，１
１０の調節により均等供給が一応可能であるが、
均等量であることの確認は必ずしも容易ではな
く、かつ、原料の性状等により落下状態が変化す
るので、たびたび調節し直す必要があつた。

また、前記各従来例は共に、前工程の加工機、
例えば籾摺機の処理量の変化に応じて回転選別筒
体への供給量が増減するので選別精度が一定にな
らず、極度に供給量が増えた場合、供給部へ詰つ
たり、機外へあふれ出るといつた事故が発生す
る。

本発明はこれらの点に鑑み、各回転選別筒体へ
均等に穀物を供給するとともに、前工程の加工機
の処理量の多少によつて事故等の発生することの
ない穀物用多連式回転選別機の給穀装置を提供す
ることを技術的課題とする。

〔問題点を解決するための手段〕 前記問題点を解決するため本発明は、周面に多
数の通孔を形成した回転選別筒体を選別機枠内に
複数横架し、回転選別筒体を選別機枠内に複数横
架し、回転選別筒体の全部又は一部に均等に原料
を供給するための複数の流穀路を設けてなる穀物
用多連式回転選別機において、 イ 前記選別機枠の上端部にはその排出口に流量
調節弁を備えた供給ホツパーを設ける。

ロ 前記排出口に接続して振動送穀樋を設ける。

ハ この振動送穀樋の極端排出口と前記各流穀路
上端とを連結する。

ニ さらに、前記供給ホツパーには振動送穀樋連
絡する溢（いつ）流路を設ける。

という技術的手段を講じた。

〔作 用〕

前工程に設けた加工機等から供給ホツパーに投
入される穀物は、いつたん供給ホツパー内に貯留
されるとともに、排出口に設けた流量調節弁の開
度に応じて任意の定量が排出され、振動送穀樋の
振動作用によつて振動送穀樋内全面に均等に拡散
して均一な層高となり、樋端の排出口から複数の
流穀路内へ均等に落下して供給される。そして、
前工程からの送穀量のわずかな増減量は緩衝部と
しての供給ホツパーに吸収されて定量排出に影響
せず、異常な増量時における過剰分は、溢流路を
介して振動送穀樋上に落下する。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の好適な一実施例を図面を参照し
ながら説明する。第１図は側断面図、第２図は一
部を破断した正面図、第３図は第１図の一部拡大
図である。

支台７上に載設した箱形の選別機枠１内に２列
かつ３段に、回転選別筒体２…を水平又は緩傾斜
状に、かつ回転自在に設ける。すなわち、回転選
別筒体２…は、周面に通孔３を多数形成した多孔
板を多角筒（本実施例では８角筒）形状に成形す
とともに一端を原料供給口４に、他端を整粒排出
口５となして原料供給口４側をやや高く支架して
ある。そして、各回転選別筒体２…に同心に設け
た軸の端部に軸着した調車と電動機６の調車とを
Ｖベルト又はチエーンによつて連動連結する。ま
た、各回転選別筒体２の近傍には、各回転選別筒
体２の目詰まりを防止するため、ウレタンゴム等
からなる回転スクレーパを設ける。

選別機枠１の下部は未熟粒用の集穀槽８とな
し、集穀槽８の底部にはスクリユーコンベア９を
横架するとともに、原料供給口４側から順に一番
口１０、二番口１１及び三番口１２を設ける。ま
た、各回転選別筒体２の整粒排出口５の下方には
整粒取出口１３を設ける。

次に、給穀装置について説明する。選別機枠１
の上部枠体１７上にあつて、回転選別筒体２の原
料供給口４側寄りには偏心輪等からなる振動装置
１８を備えた振動送穀樋１９を設ける。振動送穀
樋１９は端部に排出口２０を設けるとともに、排
出口２０側をやや低く傾斜させて設け、排出口２
０の下方には下端を各回転選別筒体２の原料供給
口４内に臨ませた流穀路１５…の上端を一列に並
設し、この流穀路１５…の上端に均分ホツパー１
６を接続し、均分ホツパー１６の供給口２１の上
方に振動送穀樋１９の排出口２０を臨ませる。

振動送穀樋１９の排出口２０の他側である供給
側２５の上方には供給ホツパー２３を設ける。供
給ホツパー２３は上端を投入口３１となすととも
に下端を排出口２４となし、排出口２４には流量
調節弁２２を設け、流量調節弁２２の回動軸部か
ら延出するレバーには分銅３０をスライド可能に
装着し、流量調節弁２２を排出口２４に向けて付
勢してある。また、供給ホツパー２３の一側に
は、その下端の排出口２７を振動送穀樋１９上に
臨ませた溢流路２６を付設する。そして、振動送
穀樋１９の中程には弾機２９によつて供給側へ付
勢された穀粒均（なら）し板２８が吊設される。

次に、上記実施例における具体的作動について
説明する。前工程の籾摺機（図示せず）の玄米排
出口からシユート等を経て供給ホツパー２３の供
給口３１へ投入された米粒（玄米）は、しだいに
その量が増えてくると流量調節弁２２に抗して排
出口２４から振動送穀樋１９内に落下する。振動
送穀樋１９の供給側２５に落下する米粒は、振動
装置１８による振動作用によつて振動送穀樋１９
内全面に拡散しながら排出口２０側へ流下し、穀
粒均し板２８に抗して流下する際、さらに振動送
穀樋１９の幅方向全面に均等にならされ、米粒層
高が均一化される。

このようにして均平化された米粒は排出口２０
から落下し、均分ホツパー１６を介して各流穀路
１５内に均分に供給される。そして、各流穀路１
５内へ供給される量は、前工程の籾摺機の処理量
が一定であれば変動することはないが、通常は目
標の設定流量に対して±10〜20％の増減は避けな
れない。そこで、まず、供給ホツパー２３への投
入流量が減つた場合について述べる。瞬間的な原
料の場合は、供給ホツパー２３内に貯留された米
粒によつて定量排出が続行されるが、投入量が漸
次減少して供給ホツパー２３内の貯留量が一定量
以下になつた場合は、分銅３０の重量によつて流
量調節弁２２が閉じて排出を停止する。そして、
貯留量が前記一定量を超えると流量調節弁２２が
開いて再び定量排出を開始し、定量以下の少量で
排出されることはない。次に、投入流量が増えた
場合であるが、一時的に増量は定量排出に影響を
及ぼすものではないことは言うまでもなく、漸次
増加した場合及び異常な増量の場合は、増量分だ
け溢流路２６からオーバーフローして振動送穀樋
１９上に落下し、供給ホツパー２３の排出口２４
から流出する米粒と共に下流側の穀粒均し板２８
によつて均平化されて各流穀路１５内へ均等に供
給され、供給ホツパー２３内に米粒が詰まつた
り、供給口３１から溢れて機外へ散乱することが
ない。

各流穀路１５内へ均分状に供給された米粒は、
それぞれ回転選別筒体２の原料供給口４内へ供給
され、回転選別筒体２内で撹拌されながら整粒排
出口５側へ搬送される。そして、この間に、通孔
３よりも粒厚の小さい未熟粒等が漏出して集穀槽
８内に落下し、スクリユーコンベア９によつて一
番口１０、二番口１１及び三番口１２からそれぞ
れ排出され、他方、各整粒排出口５から落下する
整粒は、整粒取出口１３から機外へ取り出され
る。通孔３から漏出する未熟粒等は、比較的粒厚
の小さいものから順に落下する傾向があり、三番
口１２よりも二番口１１、さらに二番口１１より
も一番口１０のものが小さい。

なお、流量調節弁は上記のものに限られず、手
動にて開度を調節する場合もある。

〔発明の効果〕

以上述べたように本発明にれば、その排出口に
流量調節弁を備えた供給ホツパーを設けるととも
に、前記排出口に接続して振動送穀樋を設け、こ
の振動送穀樋の樋端排出口と、各回転選別筒体へ
連結した複数の流穀路の上端とを連結し、さら
に、前記供給ホツパーには振動送穀樋に連絡する
溢流路を設けたので、流量調節弁によつて任意の
排出量を設定すると、前工程の加工機からの搬送
量のわずかな多小があつても排出量が増減せず、
振動送穀樋の振動作用によつて樋内全面均一の層
高に形成されて複数の流穀路に均等に供給され、
各回転選別筒体間においても、また、作業時間の
経過上からも選別精度のむらが生じない。また、
異常に多量の穀物が供給ホツパーに投入された際
の過剰分は、溢流路を介して振動送穀樋に落下し
て各流穀路に均分に供給され、供給ホツパー内で
詰まつたり、機外に溢れ出たりする事故がなく、
ライスセンター等においてラインを停止すること
によるこの上ないロスを防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例の側断面図、第２図は一
部を破断した正面図、第３図は第１図の一部拡大
図、第４図および第５図は従来例の正面図であ
る。 １……選別機枠、２……回転選別筒体、３……
通孔、４……原料供給口、５……整粒排出口、６
……電動機、７……支台、８……集穀槽、９……
スクリユーコンベア、１０……一番口、１１……
二番口、１２……三番口、１３……整粒取出口、
１５……流穀路、１６……均分ホツパー、１７…
…上部枠体、１８……振動装置、１９……振動送
穀樋、２０……排出口、２１……供給口、２２…
…流量調節弁、２３……供給ホツパー、２４……
排出口、２５……供給側、２６……溢流路、２７
……排出口、２８……穀粒均し板、２９……弾
機、３０……分銅、３１……供給口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 周面に多数の通孔を形成した回転選別筒体を
   選別機枠内に複数横架し、回転選別筒体の全部又
   は一部に均等に原料を供給するための複数の流穀
   路を設けてなる穀物用多連式回転選別機におい
   て、前記選別機枠の上端部にはその排出口に流量
   調節弁を備えた供給ホツパーを設けるとともに、
   前記排出口に接続して振動送穀樋を設け、この振
   動送穀樋の樋端排出口と前記各流穀路上端とを連
   結し、さらに、前記供給ホツパーには振動送穀樋
   に連絡する溢流路を設けたことを特徴とする穀物
   用多連式回転選別機の給穀装置。