JPS6332757Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車のシガライターソケツトなど
から交流出力を取り出し、交流100Vを電源とす
る家庭用電気製品の使用を可能にするための直流
ソケツト用インバータに関するものである。

近年コーチタイプの自動車が増加しており、車
室内を一般の家屋の居間と同じように使う例が多
くなつている。このため、直流の12Vや24Vで使
用できる電気製品が開発されつつあるが、家庭用
として普及している電気製品をそのまま車室で共
通的に使用したいという希望も多い。

本考案はこのような要望にこたえ、シガライタ
ーソケツトなどの直流ソケツトに挿着して直流を
商用周波数の100V電源に交換し、出力側の100V
のソケツトに扇風機、テレビ、電気毛布などの家
庭用電気製品を接続できるようにした着脱自在の
アダプタ型のインバータを提供したものであり、
本体ケースの頭部の内部にインバータ回路部を内
装し、この頭部の後面に直流ソケツトに挿入され
るプラグ部を突設してこのプラグ部に直流ソケツ
ト内の直流電源端子に接続される入力端子を設け
るとともに、頭部後面の外周部に直流ソケツトへ
の挿着時に直流ソケツトを設けたパネル面に当接
する支持部を突設し、頭部の前面には100Vの交
流出力用ソケツトをその軸線がプラグ部の軸線と
ほぼ交わるような方向に設けてある。すなわち、
入力端子を設けたプラグ部を突設してあるので、
必要に応じてシガライターソケツトなどに挿着す
ることにより、バツテリーから電源の供給を受け
て内装しているインバータ回路部で直流入力を交
流出力に変換し、交流出力用ソケツトに電気製品
を接続して交流100V用の電気製品を使用するこ
とができるのであり、また挿着状態においては頭
部後面に突設した支持部が直流ソケツトを設けて
あるパネル面に当接するので、比較的重量のある
頭部が支えられてプラグ部に無理がかかつたり全
体がぐらついたりすることが防止され、さらに交
流出力用ソケツトはその軸線がプラグ部の軸線と
ほぼ交わるような方向に設けられているので、電
気製品のプラグを交流出力用ソケツトに差し込む
際の力がプラグ部の方向に加わつて、プラグ部を
曲げたり頭部を傾けたりさせるようなモーメント
が発生せず、比較的小形で強度的にも弱くなりや
すい本体ケースに無理がかかることが少なくなる
などの効果を奏することができるのである。

次に本考案の一実施例について図面とともに説
明する。第１図において、１は合成樹脂成形品か
らなる本体ケースであつて、カバー２と基部３で
構成される頭部４と、基部３の後面のほぼ中央に
突設したプラグ５とを有している。頭部４にはプ
リント基板７にサイリスタ８、コンデンサ９、ト
ランス１０などの各種電気部品を取付けて構成し
たインバータ回路部６を収納してあり、プラグ部
５にはプラス側入力端子１１とマイナス側入力端
子１２が設けられ、各端子１１，１２はインバー
タ回路部６に電気的に接続されている。カバー２
にはその前面ほぼ中央に交流出力用ソケツト１
３、電源スイツチ１４、表示灯１５等が設けら
れ、それぞれインバータ回路部６に電気的に接続
されている。この交流出力用ソケツト１３は中心
線を一点鎖線で示しているようにその軸線がプラ
グ部５の軸線と交わるような方向で設けてあり、
電気製品のプラグ（図示せず）を差し込む際の力
はプラグ部５の中心方向に向かい、頭部４を傾け
たりプラグ部５を曲げたりするようなモーメント
が発生しないようにしてある。なお、ソケツト１
３はプラグ部５の軸線からあまり離れないように
設けられるべきであり、ソケツト１３の中心がプ
ラグ部５を軸線に沿つて頭部４の前面側に投影し
た場合の投影面内におさまるような位置に設けら
れる。また基部３の後面の周縁にはプラグ部５を
囲むように環状の突起を突設して支持部１６とし
てあり、計器盤パネルなどのパネル１７に設けら
れている直流ソケツト２０にプラグ部５を挿着し
た際に支持部１６がパネル１７に当接し、頭部４
を支えてぐらついたりプラグ部５に無理な力が加
わつたりしないようにしてある。なお、支持部１
６は基部３に別の部品を取付けたものでもよく、
また環状に連続したものとせず複数個の突起を間
隔を置いて配置したり、挿着した際に下になる側
のみに設けるようにしてもよい。直流ソケツト２
０は自動車に装備されているシガライター用ある
いは外部機器専用のソケツトであり、図はシガラ
イター用の場合を示している。すなわち、２１は
ライターカバー、２２はライターケース、２３は
中央に設けられたプラス側電源端子、２４は碍
子、２５はバイメタル、２６はライターカバー２
１、ライターケース２２と電気的に一体となつた
マイナス側電源端子であり、プラグ部５の入力端
子１１は電源端子２３に、入力端子１２はライタ
ーケース２２に接触するように設けられている。
入力端子１１はばね１８でプラグ部５の先端方向
に付勢され、また入力端子１２はばね性のある金
属片で構成されてプラグ部５の外周方向に付勢さ
れていて、端子部の接触状態が良好に保たれるよ
うになつており、自動車のバツテリーから供給さ
れた直流入力は端子２３，２６、端子１１，１２
を経てインバータ回路部６に供給されて交流に交
換され、ソケツト１３から交流出力として供給さ
れる。

第２図はインバータ回路部６の回路構成の一例
を示すもので図はSCR並列形回路の場合である。
図の構成においてバツテリー２７から直流電圧が
供給されると、サイリスタ８のうちSCR₁がオン、
SCR₂がオフの時、トランスス１０Ｔの中間タツ
プの一方に電流i₁が流れて他の一方にも電圧が誘
起され、コンデンサ９C₁にはバツテリー２７の
電圧の約２倍の電圧が充電される。次にSCR₂の
ゲートにトリガパルスが与えられるとコンデンサ
C₁の電荷はSCR₂、インダクタンスＬ、ダイオー
ドD₁を通つて共振的に放電され、SCR₁がオフと
なつてSCR₂がオンとなる。このような経過が交
互に繰返され、各部品の定数を適正に選定してお
くことによりトランスＴの２次側には商用周波数
の100Vの交流出力が得られるものである。

以上の実施例により明らかなように、本考案の
インバータはシガライターソケツトなどの直流ソ
ケツトに必要に応じて挿着することにより、家庭
用の電気製品をそのまま使用することができ、本
体の形状や交流出力用ソケツトの配置を適正に選
定してあるので、全体がぐらついたりプラグ部に
無理がかかつたりすることもなく、長期間安定し
て使用できる自動車の直流ソケツト用インバータ
を得ることができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の側断面図、第２図
は同上のインバータ回路部の構成の一例を示す結
線図である。 １は本体ケース、４は頭部、５はプラグ部、６
はインバータ回路部、１１，１２は入力端子、１
３は交流出力用ソケツト、１６は支持部、１７は
パネル、２０は直流ソケツト、２３，２６は直流
電源端子である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. インバータ回路部を内装した頭部の後面に、シ
   ガライターソケツトなどの直流ソケツトに挿入さ
   れるプラグ部を突設してこのプラグ部に直流ソケ
   ツト内の直流電源端子に接続される入力端子を設
   けるとともに、頭部後面の外周部に直流ソケツト
   への挿着時に直流ソケツトを設けたパネル面に当
   接する支持部を突設し、頭部の前面には100Vの
   交流出力用ソケツトをその軸線がプラグ部の軸線
   とほぼ交わるような方向に設けてなる自動車の直
   流ソケツト用インバータ。