JPS6332509B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は製鉄所などで、大量に使用される河
川水、工業用水などのゴミの分離濾過に関する。

従来の濾過器は一般にバケツト型と云われる多
孔板にて作られたバケツトの内側にメツシユの金
網を張つて作られたもので、ゴミで目詰まりする
と、ふたを開放してコシ網の目詰まりをブラシな
どを用いて、ときには酸洗いなどをしてクリーニ
ングするもので、此の間運転を止め、手間をかけ
て厄介な雑務であつた。

また高級な濾過器になると、差圧逆洗型自動濾
過器と称して、金網を多孔板でサンドウイツチ状
にした円筒の中に、目詰りしたとき、自動的にま
たは手動で、中心に中空の軸を装置しこれにワイ
ヤブラシおよびゴミ吸込用のホツパを連結回動
し、容器内の圧力と、外部大気圧の差を利用し
て、中空軸から大気中に排出する構造である。

この構造は秀れた方法であるが、網の面をワイ
ヤブラシ、ホツパでの摺動があるため、金網の磨
耗が著しいと云う欠点があつた。

本発明は、従来の頻繁な分解掃除および金網の
破損から解放される水とゴミの分離濾過方法を提
供するもので、円筒容器１内に、多孔板の内側に
メツシユの網が張設された液体通過面積比20〜25
％の逆円錐型コシ網３を装置し、円筒容器１の上
部に流体進入口を絞つた入口管４、下部に出口管
５を切線方向に備え、円筒容器１の上方口ふた２
に設けた軽質ゴミ取出口６をコシ網３上辺より下
方まで延長し、円筒容器１の底部に重質ゴミ取出
口７を設けてなるサイクロン分離器を用い、ゴミ
を含んだ源水を入口管４から導入して容器１内で
渦流を発生させ、渦流中の重質ゴミを重質ゴミ取
出口７から排出させると共に、軽質ゴミ６を渦流
中心部に生ずる上昇流に乗せ軽質ゴミ取出口６よ
り排出させることを特徴とする。

この発明を図面にもとづいて説明すると、第１
図において、本体１、サイクロン型コシ網３、ふ
た２の三点にて構成されている。

本体１には接線方向に取付けられた上部の入口
管４、下部に出口管５、下方向に重質ゴミ排出管
７が設けられている。

サイクロン型コシ網３は多孔板の内側にメツシ
ユの金網が張られている排出管７に接続されてい
る。その流体の通過面積比は全面積に対して20％
〜25％である。従つてこの分離器は75％〜80％が
液体サイクロンであり20％〜25％が濾過器であ
る。ここで、流体の通過面積比が25％を越える
と、渦流となる流体の流量及び圧力が過少とな
り、後述する軽質ゴミを排出し得るに足るサイク
ロンが生じない。逆に20％に満たなければ渦流と
なる流体流量が及び圧力が過多となる。従つて、
圧力損失が大きく、出口管５から流出する流体の
圧力が低下し、処理水の利用に支障をきたす。

ふた２には中央に軽質ゴミ排出管６が第１図の
ように下端がコシ網３懐まで延長固着されていて
本体にボルト・ナツトで締着されている。

このサイクロン分離器にゴミを含んだ原水を流
速２ｍ／sec〜3.5ｍ／secでポンプ圧または自然
流下で導入すると、容器の中で渦流となる。その
渦流の中心附近は流体の遠心力が働いて極低圧と
なり、軽質ゴミ排出管６の中は出口が開放のため
大気圧である。渦流中のゴミは旋回流の下向流に
よつて下降し、重質ゴミはそのまゝ下方のゴミ排
出管７より排出される。軽質ゴミは一旦下降して
も渦流中心部に生づる竜巻状の上昇流によつて巻
き上げられ軽質ゴミ排出管６内の大気圧に吸込ま
れて外部へ排出される。尚、軽質ゴミ排出管６の
下端の延長長さは自由であり、例えば第３図に示
すようにコシ網３の下半部分まで延長してもよ
い。このとき、軽質ゴミ排出管６の下端における
外周面とコシ網３の内周面との間の空間面積をゴ
ミ排出管７の横断面積とほぼ等しくなるようにす
れば排出管７による排出が良好に行われる点で有
利である。

ゴミの分類について述べると、此の場合のみに
限つて重質ゴミとは液体の中で遠心力の働らくゴ
ミであり、遠心力の働らかないゴミ例えば100μ
にもおよばない微細な比重20以上の土砂などは重
質ゴミとは云へない。

目詰まりを起し易いゴミは軽質ゴミであつて重
質ゴミは殆んど目詰りの対象とならない。此の重
質ゴミはサイクロン網３に沿つて下降排出され、
軽質ゴミは中心附近の低圧に引かれて下降しても
中心に生づる上昇流で忽ち外部に排出される。此
のような状態であるから網の目詰りが非常に少な
いため長期間の濾過に耐えることができる。

この発明は以上説明したように簡単な構造で分
解掃除の手間を省き、可動部分がないため故障が
なく極めて効率のよい水とゴミの分離濾過方法で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は縦断面図、第２図は一部横断面図であ
り、第３図はその変形例を示す縦断面図である。 １……本体、２……ふた、３……コシ網、４…
…入口管、５……出口管、６……軽質ゴミ排出
管、７……重質ゴミ排出管。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 円筒容器１内に、多孔板の内側にメツシユの
   網が張設された液体通過面積比20〜25％の逆円錐
   型コシ網３を装置し、円筒容器１の上部に流体進
   入口を絞つた入口管４、下部に出口管５を切線方
   向に備え、円筒容器１の上方口ふた２に設けた軽
   質ゴミ取出口６をコシ網３上辺より下方まで延長
   し、円筒容器１の底部に重質ゴミ取出口７を設け
   てなるサイクロン分離器を用い、ゴミを含んだ源
   水を入口管４から導入して容器１内で渦流を発生
   させ、渦流中の重質ゴミを重質ゴミ取出口７から
   排出させると共に、軽質ゴミ６を渦流中心部に生
   ずる上昇流に乗せ軽質ゴミ取出口６より排出させ
   ることを特徴とする水とゴミの分離濾過方法。