JPS6331819Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は溶融金属容器の底部に設けられた溶融
金属排出口に取付けられる下ノズルの取付け装置
の改良に係り、上ノズルとの嵌合部の気密を保つ
とともに取付け、取外しを安全に容易に行うこと
ができる。

第１図に示すように、従来の溶融金属容器に取
付けられる下ノズル２はケース１に収納された下
ノズル２が上ノズル３の嵌合部４にモルタル又は
耐熱パツキンなどのシール材を挾んで取付けら
れ、ケース１には突起５が対称に２個固着され容
器の鉄皮６に固着された支持腕７に差込まれコツ
タ８により上方に押付けられる。

又、第２図に示すように下ノズル２を収納した
ケース１の周囲に固着された突起９が容器の鉄皮
６に固着された支持金具１０に嵌合し支持金具１
０の突起９との接触面を勾配としケース１を回動
させて下ノズル２を上ノズル３に押付けるなどの
方法が多く採用されている。

これらの方法は下ノズル２と上ノズル３に剛体
により押付けられている。通常下ノズル２は溶融
金属の種類および温度鋳造条件などにより種々の
耐火材が使われ、金属で作られた下ノズル取付装
置とは素材の線膨脹率が異なる、一方内面が溶融
金属に接している下ノズル２と表面が外気に接し
ている下ノズル取付装置では受熱条件も異なり双
方には熱膨脹差を生じ、下ノズル２の方が膨脹が
大きい場合は下ノズル２と上ノズル３の嵌合部分
４に異状な圧接力を生じ下ノズル２が割れたり、
下ノズル２の寿命が短かくなる。下ノズル取付装
置の方が膨脹が大きい場合は下ノズル２と上ノズ
ル３の嵌合部４にすき間を生じ溶融金属が漏れた
り、外気を吸込むなどの事故をまねくことが多
い。又、下ノズル２は受鋼ごと、又は２〜３回受
鋼ごとに１回取替えられ、取替え頻度が多く、従
来の方式は溶融金属排出口の直下で取替え作業を
するため作業が面倒で安全性も悪い。

本考案はこのような従来の欠点を解決したもの
で、下ノズル２と上ノズル３の嵌合部４に異常な
圧接力を生じさせず、かつ嵌合部４にすき間が生
じないよう常時一定の圧接力を保持させるととも
に下ノズル２の取替作業を安全に、容易に出来る
ようにした装置である。

第３図、第４図は本考案装置の組立図を示し、
第５図、第６図は本装置に使用する下ノズルを示
す、溶融金属容器１１の鉄皮１２にボルト１３な
どで固着された座板１４にねじなどでピストン１
５が固着され、ピストン１５に対し回動およびピ
ストン１５の軸心方向に摺動自由にシリンダー１
６が取付けられている。シリンダー１６の両端に
はピストン１５をガイドするフランジ１７，１８
がボルト１９，２０により取付けられる。ピスト
ン１５の中央部およびフランジ１７，１８には気
密を保つためシールパツキン２１，２２，２３，
２４，２５が取付けられる。

シリンダー１６には下ノズル２６を支持するた
めの支持腕２７，２８が固着され支持腕２７，２
８の先端は円状凹部３２としている。

一方、下ノズル２６はケース２９に嵌挿され、
ケース２９にはピン３０，３１が２個対称に固着
され支持腕２７，２８の先端の円状凹部３２に載
置される。シリンダー１６には流体導入孔３４，
３５が設けられ、流体には通常圧縮空気又は難燃
性油を用い、流体導入孔３４に流体を供給すると
シリンダー１６は上昇し下ノズル２６は押上げら
れ、流体導入孔３５に流体を供給するとシリンダ
ー１６は下降する。

第７図は溶融金属容器１１に下ノズル取付装置
３７を取付けた状態を示す。

溶融金属容器１１の鉄皮１２に固着された下ノ
ズル取付装置３７に載置された下ノズル２６は、
切換弁３８により流体を流体導入孔３４に供給す
ることにより上ノズル３６に圧接され溶融金属の
鋳込が行なわれ、第８図のように切換弁３８を切
替え、流体導入孔３５に流体を供給すると下ノズ
ル２６は下降し上ノズル３６と分離する。シリン
ダー１６を回動させると下ノズル２６はピストン
１５を中心に旋回し取替えの容易な位置に止める
ことができる。シリンダー１６の回動操作は詳述
してないがレバーを取付けて手動操作したり、モ
ーターやエアーシリンダーなどの駆動装置を用い
て行うことができる。

第９図は溶融金属容器１１に取付けられたスラ
イドバルブに下ノズル取付装置３７を取付けた状
態図を示す。油圧シリンダー３９により摺動する
スライド板４０の下部に下ノズル２６が取付けら
れ、下ノズル取付装置３７はスライド板４０を保
持しているスライド金物４１に固着され切換弁３
８によりスライド板４０に下ノズル２６を圧接お
よび分離させることができる。このように下ノズ
ル２６を載置したシリンダー１６は流体導入孔３
４，３５に供給する流体を切換弁３８により切換
えることによつて、上昇及び下降させることがで
き圧接させる力も流体圧力を変えることにより、
一定の最適圧接力に調整することができる。

シリンダー１６を上昇および下降するために、
第１０図のようにシリンダー１６の上部にバネ４
２をセツトし、シリンダー１６の押下げ（下ノズ
ル２６の上ノズル３６への圧接）をバネ４２の力
で行い、下降を流体導入口４３から流体を導入し
て行う。又第１１図のように、シリンダー１６の
下部にバネ４４をセツトしシリンダー１６の上昇
は流体導入口４５から流体を導入して行い、下降
はバネ４４の作用で行うことができる。

又、下ノズル２６の圧接力は通常100〜500Kgで
あり、保持する位置は取替作業を考え、支持腕を
長くする場合もある。この場合、第３図に示す実
施例ではピストン１５に大きな曲げ応力が作用す
るが、第１２，１３図に示す実施例によればピス
トン４６に曲げ応力をかけずに支持腕４８を長く
し、大きな圧接力を出すことができる。

鉄皮１２に円筒状のケース４７が固着されケー
ス４７内に下ノズル２６を保持する支持腕４８を
設けたシリンダー４９が上下に摺動および回動
（約90゜）自在に取付けられ、シリンダー４９には
ピストン４６が取付けられピストン４６の先端は
ケース４７に固着されたフランジ５０にナツト５
１により連結される。流体導入口５２に流体を入
れるとシリンダー４９は上昇し、下ノズル２６は
上ノズルに圧接せられ流体導入口５３に流体を入
れると下ノズル２６は下降し上ノズルから分離し
支持腕４８を回動させて下ノズル２６を交換する
ことができる。この機構の場合、支持腕４８にか
かる力はピストン４６には作用せずケース４７と
シリンダー４９にかかるため支持腕４８を長くす
ることも大きな圧接力をかけることもできる。

下ノズルが圧力流体又はバネ等で上ノズルに圧
接されているため下ノズルと下ノズル取付装置に
膨脹差が生じても接合部には略一定の圧接力が作
用し、従来のように接合部に異常な力が作用して
下ノズルが割れたり、寿命が短かくなることがな
く、又、下ノズルはピストンを中心に回動させ取
替えの容易な位置に移動できるため取替作業を容
易に安全に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のコツタ式下ノズル取付装置、第
２図は従来のバヨネツト式下ノズル取付装置、第
３図は本考案の下ノズル取付装置、第４図は第３
図の矢視Ａ図、第５図は本考案装置に使用する下
ノズル、第６図は本考案装置に使用する下ノズル
の第５図の矢視Ｂ図、第７図は溶融金属容器へ下
ノズルを取付けた状態図、第８図は溶融金属容器
へ取付けた下ノズルの取替え状態図、第９図はス
ライデイングノズルへ下ノズルを取付けた状態
図、第１０図はバネにより上昇する下ノズル取付
装置、第１１図はバネにより下降する下ノズル取
付装置、第１２図は変形実施例、第１３図は第１
２図の矢視Ｃ図である。 図面中の主な符号は、６，１２……鉄皮、１５
……ピストン、１６……シリンダー、２７，２８
……下ノズル支持腕、４２，４４……バネ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 溶融金属容器１１の鉄皮１２又はスライド金
   物４１に固着されたピストン１５に、下ノズル
   ケース２９に設けたピン３０，３１を介して下
   ノズル２６を回動自在に載置する円状凹部３２
   を有する支持腕２７，２８を設けたシリンダー
   １６をピストン１５に対して回動および摺動自
   在に取付けたことを特徴とする溶融金属容器の
   下ノズル取付装置。 (2) 前記シリンダー１６の昇降を圧力流体又はバ
   ネ４２，４４及びこれらの組合せで行う実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の溶融金属容器の
   下ノズル取付装置。