JPS6331732B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は呼気のアルコール含量を測定する際所
定の時間径過後に試料採取を開始する試料採取法
に関する。

人体の呼気へのアルコール排出機構に関する現
在までの観念によれば、信頼しうる呼気アルコー
ル試料は、肺とのガス交換に参加し得ない被検者
の死空間に相当する容量がすでに排出され、さら
にいわゆる“深い肺空気”（肺胞空気）が現れる
まで待ち、それゆえアルコール濃度が飽和値を占
めた場合に初めて採取することができる。

新たな結果はこの観念に反する。この結果によ
れば呼気は口腔、咽頭腔および上気道の粘膜にお
いても呼気に十分に時間を与えれば血液アルコー
ルと平衡に達することが明らかになつた。したが
つてこの空気は深い肺空気と同様に血液アルコー
ル含量の測定に利用することができる。

アルコール濃度を測定する公知の測定法または
装置は現在までの観念から出発している。

アルコール濃度を測定する公知装置は呼気のア
ルコールを時間制御装置により決定された時点に
測定する。この時点は吐出時間内に始まる所定の
時間の経過によつて決定される。呼気流量はこの
時間内に所定の最低流量以下へ低下してはなら
ず、かつつねに吐出方向へのみ流れなければなら
ない。この２つの条件が充足されない場合エラー
検出器が測定の無効を決定する。所定の時間間隔
は被検者が測定時点ですでに口腔および気管から
空気を吐出し、次に測定器が肺胞からの呼気のア
ルコール濃度を測定することを保証する。所定時
間の経過は全呼気量のとくに少なくとも80％の最
低呼気量が吐出された時点により決定される。積
分器が呼吸の際の呼気通過量を時間で積分し、そ
れから最低呼気量後の時間の経過を決定すること
ができる。この実施方式は被検者の体格に無関係
であると考えられる。しかしこの方法は測定を望
まない被検者によつて生ずる測定エラーに対して
不確実である。故意に浅い吸入によつてはるかに
小さい呼吸量が誤認される。自動的にたとえば全
呼気量の80％で生ずる最低呼気量はその際ほとん
ど口腔および咽頭腔からしかこない。正確な測定
に決定的な肺胞空気はその際完全には検出されな
い（西独公開特許公報第2428352号参照）。

もう１つの公知法およびその装置によれば、目
的は試料採取の間連続的に瞬間的アルコール濃度
を測定する赤外線測定器により解決される。

限界値コンパレータでアルコール濃度上昇速度
の尺度となる測定値の時間的変化が決定される。

測定値の表示器への伝送は上昇速度が所定の限
界値を下回るときに初めて行われる。この第１条
件は上昇速度の低下とともに口腔および咽頭腔か
らの往復運動空気分が次第に低くなり、限界値を
下回る際には装置の測定導管には肺胞空気しか存
在しないことから生ずる。測定値を伝送するため
の他の条件として流量計によつて求めた呼気の流
速は測定値伝送まで所定時間の間、所定値を超え
ていなければならない。この条件によつて測定法
の所定の経過が保証される。アルコール濃度の測
定は呼気の流れに配置した応答時間の早い赤外線
測定器によつて行われる。上昇速度の決定に必要
な測定値の高度の解析のため高価な赤外線分析器
を必要とするのが欠点である。肺胞空気の信頼し
うる検出は簡単で安価な、しかし緩慢なアルコー
ル測定器では実施できない（西独公開特許公報第
2610578号参照）。

本発明の目的は口腔、咽頭腔および上気道の粘
膜と平衡状態にある空気試料（口腔平衡試料）を
呼気アルコール含量測定のため採取する方法およ
び装置を得ることである。

この目的は方法に関する限り、試料採取の初め
弁によつて閉鎖された試料導管中の所定の限界圧
力を呼気吐出によつて超えることによつて圧力測
定値発信器が所定時間のための時計を始動させ、
その時間の終了後時計が、試料導管中の圧力がそ
の間に限界値より低下しなかつた場合、弁を開
き、吐出空気を弁の新たな閉鎖まで十分な時間の
間公知アルコール測定器の試料室へ流入させ、そ
こで分析することによつて解決される。

有利な実施例は特許請求の範囲第２項および第
３項に記載される。

本発明により達成される利点はとくに口腔平衡
試料の決定および採取が非常に確実、簡単であ
り、かつごまかしのできないことにある。この方
法は高価な流量および（または）容積測定を前提
としない。試料は呼気が血液アルコールと平衡に
達する十分に長い時計の経過後にしか試料室へ導
入されない。呼気は被検者の大小にかかわらず有
効に所望の上部呼気空間からのみ採取される。た
とえばごまかしによる吐出の中断により試料室は
ただちに閉鎖される。新たに口腔へ入つた外気は
再び血液アルコールと平衡に達する所定時間の経
過後に初めて試料室へ吐出される。

本発明の装置は試料室に通ずるマウスピースを
備える試料導管が時計を介して電気的に作動する
弁を有し、この時計がマウスピースと弁の間の試
料導管へ接続した限界値発信器として形成された
圧力測定値発信器によつて制御されることを特徴
とする。有利な実施例によれば圧力測定値発信器
へ表示装置が接続される。

この特徴により有利に簡単な構造の装置が得ら
れる。複雑な流量および容積測定装置を必要とし
ない。少数の構成要素は高価な回路装置を必要と
しない。試料室内のアルコール測定自体には公知
のアルコール測定器、それゆえ測定の遅い簡単な
装置を使用することができる。

次に本発明を図面により説明する。

被検者は息をついでマウスピース１へ吐出する
ように要求される。マウスピース１からアルコー
ル測定器の試料室６に通ずる試料導管２は試料採
取の初め電気的に作動する弁３によつて閉鎖され
ている。それゆえ試料導管２内に圧力が発生し、
この圧力は圧力測定値発信器４によつて検出され
る。圧力測定値発信器４は限界値発信器として形
成される。所定の限界圧力たとえば10ミリバール
を超えると、後置の時計５が始動する。時計５は
所定時間たとえば10秒の終りまで動き、次に弁３
の開放を励起し、それによつて呼気は試料室６へ
流入する。しかし試料導管２内の圧力がこの時間
の間に限界圧力より低下すると、時計５はリセツ
トされ、限界値を新たに超えると再び始動する。
この接続により弁３の開放後、粘膜と平衡に達す
る呼気のみが試料室６へ達することが保証され
る。呼気を口腔、咽頭腔および上気道の呼気に制
限するため、時計５は所定の時間後弁３を閉鎖す
る。

呼気試料を試料室６へ収容した後、そこで公知
のアルコール測定器により分析する。

表示装置７は被検者に圧力限界値の到達および
試料採取の終了を表示する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の装置のブロツク図である。 １……マウスピース、２……導管、３……弁、
４……圧力発振器、５……時計、６……試料室、
７……表示器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 所定時間経過後かつ弁によつて閉鎖された試
   料導管内の圧力が呼気流れによつて所定の圧力限
   界値を超えた後に試料採取を開始する、呼気のア
   ルコール含量測定の際に試料を採取する方法にお
   いて、圧力限界値を超えた後、圧力測定値発信器
   ４が所定の時間間隔のための時計５を始動させ、
   その際弁３が試料導管２を閉鎖のままに保持し、
   試料導管内の圧力がその間に限界圧力より低下し
   なかつた場合所定の時間間隔の経過後、時計５が
   弁３を開放し、呼気をアルコール測定装置の試料
   室６へ導入し、次に弁３を所定の時間間隔の後時
   計５によつて再び閉鎖することを特徴とする呼気
   のアルコール含量測定の際に試料を採取する方
   法。 ２ 時計５が試料導管２内の圧力が限界値より低
   下することによつてリセツトされ、新たに限界値
   を超えることによつて次の時間間隔が開始する特
   許請求の範囲第１項記載の方法。 ３ 圧力測定値発信器４の後方に配置した表示装
   置７が限界圧力を超えたことおよび試料採取が終
   つたことを表示する特許請求の範囲第１項または
   第２項記載の方法。 ４ 所定時間経過後かつ弁によつて閉鎖された試
   料導管内の圧力が呼気流れによつて所定の限界値
   を超えた後に試料採取を開始する、呼気のアルコ
   ール含量測定の際に試料を採取する装置におい
   て、試料室６に通ずるマウスピース１を備える試
   料導管２が時計５を介して電気的に作動される弁
   ３を有し、この時計５がマウスピース１と弁３の
   間の試料導管２へ接続した限界値発信器として形
   成された圧力測定値発信器４によつて制御される
   ことを特徴とする呼気のアルコール含量測定の際
   に試料を採取する装置。 ５ 圧力測定値発信器４へ表示装置７が接続され
   ている特許請求の範囲第４項記載の装置。