JPS63314815A - 磁気固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （技術分野） 本発明は、磁性体を吸着する磁気作用面を含む、磁気チ
ャックのような磁気固定装置に関し、特に前記磁気作業
面を硬化処理した磁気固定装置に関する。

（従来技術） 磁気チャックのような磁気固定装置にあっては、その磁
気作用面の摩耗を減じることから、前記磁気作用面を硬
化処理することが望まれている。しかし、磁気チャック
のような磁気固定装置にあっては、その磁気作用面が鉄
のような磁性材料すなわち母材と、アルミニューム、黄
銅、プラスチック等の低融点の材料または耐温度特性の
低い非磁性材料との複合材料で構成されていることから
、前記磁気作用面の硬化のために表面焼入れ法、浸炭法
、窒化法等の高温加熱処理により前記磁気作用面を硬化
させることができない。

このことから、特開昭５９−６９２４０号公報に記載さ
れているように、予め硬化処理をした磁性部材を母材と
して用いることが提案されている。しかし、この方法で
は、母材を表面焼入れにより硬化させるため、磁性部材
の内部に熱歪が発生し、これを除去するためのエージン
グ処理をしなけわばならず、従って母材の処理に時間を
要する。また、前記エージング処理が不充分であると、
磁気固定装置の使用中に母材に変形が生じ、該磁気固定
装置を用いる作業の精度が低下する。

鍍金、コーティング等により前記磁気作用面に耐摩耗性
の膜を形成する方法が提案されている。

しかし、この方法で用いる膜材料の磁気的特性が母材で
ある前記磁性部材のそれに比べて著しく劣るため、この
方法により磁気作用面を硬化させた磁気固定装置では、
前記磁気作用面と該磁気作用面に吸着する磁性体との間
に間隙が形成され、従って磁気作用面における吸着力す
なわち磁気的特性の大きな低下を招く。

（発明の目的） 本発明は、磁気作用面が耐摩耗性を有するにもかかわら
ず、母材の内部に熱歪がなく、磁気的特性が低下しない
、磁気固定装置を提供することを目的とする。

（発明の構成） 本発明の磁気固定装置は、磁性体を解除可能に吸着する
磁気作用面を含む磁気固定装置であって、硬質のセラミ
ック材料、サーメット材料または金属材料の溶射物から
なる硬化領域を前記磁気作用面に備える。

（発明の効果） 本発明によれば、磁気作用面に硬化領域が設けられてい
るから、前記磁気作用面が硬化処理されない従来の磁気
固定装置に比べて前記磁気作用面の耐摩耗性が高い。

また本発明によれば、前記硬化領域は母材に与える熱影
響が従来の熱処理による硬化処理に比べて少ないから、
母材の内部に熱歪が存在せず、エージング処理をする必
要がない。

さらに本発明によれば、前記硬化領域は前記磁気作用面
全体に形成する必要がなく、母材の面と同じ高さ位置の
平坦面とすることができるから、前記磁気作用面と該磁
気作用面に吸着する磁性体との間に間隙が形成されず、
従って磁気固定装置の磁気的特性が低下しない。

゛（実施例） 以下、図面に示す本発明の実施例について説明する。

なお、以下の実施例は本発明を磁気チャックに適用した
ものであるが、本願発明は磁気チャックのみならず、他
の磁気固定装置にも適用することができる。

第１図および第２図に示す磁気固定装置１０は、角形の
電磁チャックからなり、またチャック本体１２と、該本
体１２の上に配置された面板１４とを含む。

チャック本体１２は、上方に開口する空間部（図示せず
）を有する磁性材料製のハウジング１６と、前記空間部
内に収容された少なくとも一つの電磁石（図示せず）と
を備える既知のものであり、従ってその詳細な説明は省
略する。ハウジング１２の外側には、前記電磁石の励磁
コイルに接続されたケーブル１８用の端子箱２０が取り
付けられている。

面板１４は、非磁性材料からなるスペーサ２２を間にし
て並列的にかつ交互に配置された細長い複数の第１およ
び第２の磁極片２４．２６を備える。第１および第２の
磁極片２４．２６は、面板１４の幅方向へ伸び、また、
磁性体を吸着する磁気作用面３０を規定する磁極面部を
構成する。面板１４は、磁気作用面３０が上となるよう
に、ハウジング１２の上に配置され、また、複数のボル
トによりハウジング１２に取り付けられている。

面板１４は、また、第１右よび第２の磁極片２４．２６
とともに磁気作用面３０を規定する細長い複数の硬化領
域３２を備える。各硬化領域３２は、硬質の、セラミッ
ク、サーメットまたは金属からなる物質の溶射材を高温
で瞬間的に溶融状態まで加熱し、これを高速で母材の表
面に衝突させることにより、前記材料の皮膜を積層状に
形成する、いわゆる溶射によって形成される。

溶射材としてのセラミック材料には、 Ａ１２０３　、　Ａ１２０３−３ｉ０２　、ＺｒＯ２、
Ｚｒ０２−ＣａＯ１Ｃｒ２０３　、ＺｒＯ２−Ｓ　ｉ０
２　　、ＴｉＯ２、Ａ１２　０３　−Ｔｉ０２　　、Ｎ
　　ｉＯ，ＣｅＯ２、Ｍｇ０Ａ１２　０３　−ＭｇＯ等
の酸化物、Ｂ４　Ｃ，Ｃｒ３　Ｃ２、Ｔｉ　Ｃ。

２ｒＣ，ＷＣ，ＴａＣ，ＭｏＣ等の炭化物、ＡＩＮ、Ｔ
ｉＮ、ＺｒＮ等の窒化物、ＣｒＢ２、ＴｉＢ２．ＺｒＢ
２等のホウ化物、ＭＯＳｉ２、ＣｒＳｉ等の珪化物があ
る。

溶射材としてのサーメット材料には、 ＷＣ−Ｃｏ、Ｔｉｃ−Ｇｏ、Ａ１２０３−Ｃｒ等がある
。

溶射材としての金属材料には、Ａ１、Ｚｎ、Ｍｏ、Ｎ　
ｉ、Ｃｒ、Ｗ、Ｔａ、Ｃｏ、Ｐｂ。

Ｓｎ、Ａｇ、Ｆｅ、Ｔｉ、Ｚｒ、Ｂ、Ｓｉ等がある。

本発明では、上記の各溶射材のうち、各セラミック材料
、各サーメット材料、ＭＯ，Ｃｒ、Ｗ％Ｔａ、Ｃｏ、Ｔ
ｉ、Ｚｒ、Ｓ　ｉ等の硬質のものが用いられる。

各硬化領域３２は、図示の例では、非磁性の、セラミッ
ク、サーメットまたは金属の溶射物からなる。このため
、前記溶射物は、第１および第２の磁極片２４．２６の
間にあって該磁極片に沿って伸びる溝に受は入れられて
いるが１．第１ｓ６よび第２の磁極片２４．２６に配置
してもよい。また、前記溶射物は磁性材料から選ばれて
もよく、この場合、前記溶射物はスペーサ２２または第
１および第２の磁極片２４．２６の上面に配置される。

さらに、各硬化領域３２は、格子状、環状、螺旋状、放
射状等、任意の形状に配置することかできる。

各硬化領域３２は、また、第１および第２の磁極片２４
．２６と同じ高さレベルと、数ミクロン−数１００ミク
ロンの厚さ寸法とを有する。このため、吸着すべき磁性
体は、各磁極片２４．２６の上面および硬化領域により
規定される磁気作用面３０に密着され、従って磁気固定
装置ｌＯの磁気的特性は従来の装置と同じである。

各硬化領域３２は、さらに第３図に示すように、面板１
４の幅方向両側部を残して設けられている。これにより
、前記溶射物が母材から剥離することが防止される。し
かし、第４図に示すように、面板１４の幅方向両側部の
上縁に面取加工を行なってもよい。

前記溶射材を前記溝内にのみ配置するには、前記の材料
を面板１４の上面全体に溶射した後各磁極片２４．２６
上の溶射材を除去する研磨加工を行なってもよいし、ま
た、前記溝に対応する穴を有するマスクを面板１４の上
面に配置し、該マスクを介して溶射してもよい。

磁気固定装置１０は、従来の電磁チャックと同様に、磁
性体を吸着するときは第１および第２の磁極片２４．２
６が異磁極となるように前記電磁石が作用し、前記磁性
体を解放するときは前記電磁石の鉄心が脱磁される。

上記の磁気固定装置１０によれば、磁気作用面３０に硬
化領域３２が設けられ゛ているから、磁気作用面３０が
硬化処理されない従来の磁気固定装置に比べて磁気作用
面３０の耐摩耗性が高い。また、溶射は面仮に与える熱
的影響が従来の熱処理による硬化処理に比べて少ないか
ら、面板１４の内部に熱歪が発生しない。

第５図〜第７図は、本発明を丸形の電磁チャックに適用
した実施例を示す。この磁気固定装置４０は、チャック
本体４２を含む。本体４２の上部には、環状の複数の第
１および第２の磁極片４４．４６が非磁性材料製のスペ
ーサ４８を間にして同心的にかつ交互に配置されている
。第１および第２の磁極片４４．４６は、本体４２の上
面に磁性体を吸着するための作業面５０を規定する磁極
面部を構成する。

本体４２の上面には、各磁極片４４．４６とともに磁気
作用面５０を規定する環状の複数の硬化領域５２が同心
的に配置されている。各硬化領域５２は非磁性の、セラ
ミック、サーメットまたは金属の溶射物からなり、前記
溶射物は第１および第２の磁極片４４．４６の間にあっ
て該磁極片に沿って伸びる環状の溝に受は入れられてい
る。各硬化領域５２は、また、第１および第２の磁極片
４４．４６と同じ高さレベルと、数ミクロン−数１００
ミクロンの厚さ寸法とを有する。

本体４２内には複数の電磁石５４が収容されており、ま
た、本体４２の側部には電磁石５４に励磁電流を供給す
るためのケーブル５６を電磁石５４の励磁コイルに接続
するコネクタ５８が取り付けられている。電磁石５４は
、磁性体を吸着するときは第１および第２の磁極片４４
．４６が異磁極となるように作用し、前記磁性体を解放
するときは鉄心が脱磁されるように作用する。

磁気固定装置４０も、磁気作用面５０に硬化領域５２が
設けられているから、磁気作用面５２が硬化処理されな
い従来の磁気固定装置に比べて磁気作用面５２の耐摩耗
性が高い。また、硬化領域５２が溶射物からなるから、
本体４２の内部に熱歪が存在しない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の磁気固定装置の一実施例を示す平面図
、第２図は第１図の磁気固定装置の正面図であって面板
の一部を破断して磁極片、スペーサおよび慄化領域の位
置関係を示す図、第３図は第１図の３−３線に沿って得
た断面図、第４図は硬化領域の端部の形状の他の実施例
を示す第３図と同様の図、第５図は本発明の磁気固定装
置の他の実施例を示す平面図、第６図は第５図の磁気固
定装置の正面図、第７図は第５図の７−７線に沿って得
た断面図である。 １０．４０：磁気固定装置、 １２．４２：チャック本体、 １４：面板、 ２４．２６，４４，４６：磁極片、 ２８．４８ニスペーサ、 ３０．５０：磁気作用面、 ３２．５２：硬化領域。 代理人　弁理士　松　永　宣　行 第３図 第４図 第５図

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）磁性体を解除可能に吸着する磁気作用面を含む磁
   気固定装置であって、硬質のセラミック材料、サーメッ
   ト材料または金属材料の溶射物からなる硬化領域を前記
   磁気作用面に備える、磁気固定装置。
2. （２）前記溶射物は非磁性材料からなる、特許請求の範
   囲第（１）項に記載の磁気固定装置。
3. （３）前記磁気作用面は互いに間隔をおいて交互に配置
   された複数の第１および第２の磁極面部を備え、前記硬
   化領域は前記第１および第２の磁極面部間に配置されて
   いる、特許請求の範囲第（２）項に記載の磁気固定装置
   。