JPS6331447B2 - - Google Patents

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JPS6331447B2
JPS6331447B2 JP58032039A JP3203983A JPS6331447B2 JP S6331447 B2 JPS6331447 B2 JP S6331447B2 JP 58032039 A JP58032039 A JP 58032039A JP 3203983 A JP3203983 A JP 3203983A JP S6331447 B2 JPS6331447 B2 JP S6331447B2
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JP
Japan
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endoplasmic reticulum
membrane
red blood
ghost
blood cell
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JP58032039A
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JPS59157033A (ja
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Hiroyuki Oono
Noriko Seki
Hidetoshi Tsuchida
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は動物由来の赤血球のゴースト膜のフ
ラグメントから薬理物質の担体として利用できる
小胞体を製造する方法およびそのように製造され
た小胞体に関する。
代用血液の開発や、標的とする細胞や組織へ薬
理物質を自在に送り込むことのできる薬剤の開発
において、薬理物質の担体としてリポソームが利
用されるようになつてきた。このようなリポソー
ムは従来リン脂質、またはリン脂質とコレステロ
ールを主成分とし、これに他の成分を加えるか、
加えずに得たものから形成されている。リン脂質
リポソームは毒性が少なく、また種々の薬理物質
を封入することができ、さらには脂質膜で外界か
ら完全に隔離されているので種々の破壊酵素や免
疫機構による攻撃から免れ得る等の種々の利点を
有する。
しかしながら、従来のリン脂質からなるリポソ
ームはその中に内包ないし担持した薬理物質の固
定化という点、安定性の点および生体適合性の点
でなお改善の余地があり、また例えば、単一クロ
ーン抗体を結合する際等における反応性の点でも
充分に満足できるものではなかつた。
したがつて、この発明の目的は従来のリン脂質
リポソームが持つ殆んど全ての利点を保持しつつ
その欠点を改良した、薬理物質の担体として利用
できる小胞体およびその製造方法を提供すること
にある。
この発明によれば、動物由来の赤血球を低張溶
液で処理して赤血球ゴースト膜を調製し、ついで
このゴースト膜に剪断力を作用させてフラグメン
ト化し、このフラグメントを等張溶液中で生体温
度下に静置して小胞化させることを特徴とする小
胞体の製造方法が提供される。
以下、この発明をさらに詳しく説明する。
この発明に従つて、小胞体を作製するには、ま
ず動物由来の赤血球を洗浄後常法に従つて低張溶
液例えば低張トリス緩衝液で処理して溶血させヘ
モグロビンその他の細胞質を除いた赤血球ゴース
ト膜を調製する。
このゴースト膜を等張溶液例えば等張トリス緩
衝液中に分散させこれに剪断力を作用させること
によつてフラグメント化させる。この剪断力は超
音波照射、または通常の細胞破砕器を用いた高圧
噴出法によつて提供できるが、フラグメント化を
容易に制御できることから超音波照射が好まし
い。この超音波による処理は、ゴースト膜内に存
在する脂質層、蛋白質、糖蛋白などを破壊させな
いために30分〜40分間以内でおこなうことが望ま
しい。また、等張溶液中のゴースト膜濃度は0.1
ないし10重量%であることが好ましい。
こうしてフラグメント化されたゴースト膜を分
散させた等張溶液を一定の生体(例えば、ヒト)
温度例えば37℃で所定時間(例えば30分〜120分)
静置させる。すると、ゴースト膜フラグメントは
安定な小胞体となる。
この小胞体は剪断力の作用条件により毛細血管
の径よりも小さな0.1μm以下とすることができ
る。
上記等張溶液に薬理物質を存在させておけば、
その薬理物質を内包ないし担持した小胞体が得ら
れる。このような薬理物質としては、例えば、病
原に対する特殊抗体、生理活性物質の誘発剤、薬
剤、酵素、人工酸素運搬体としての鉄−ポルフイ
リン錯体(例えば、Fe()−5,10,15,20−
テトラ(α,α,α,α−o−ピバラミドフエニ
ル)ポルフイリン、Fe()−5,10,15,20−
テトラ−〔α,α,α,α−(o−2,2−ジメチ
ルテトラデカンアミド)フエニル〕ポリフイリン
等)、標識用の色素・螢光物質などがある。また、
ヘモグロビンを封入させることによつて再生赤血
球としても利用できる。
これら薬理物質において、疎水性のものは小胞
体の膜を構成するリン脂質層(疎水場)中に担持
され、親水性のものは小胞体の内水層に担持され
るが、蛋白質のようなものは内水層、膜層または
外水層に突出して膜層に担持・固定される。
こうして得られた小胞体(リポソーム)は赤血
球ゴースト膜中に存在していた蛋白質や糖蛋白質
を小胞体膜に取り込んだリン脂質からなるので、
膜構成分子の運動性は抑制されており、非常に安
定である。例えば、ヒト赤血球は核を持たない特
殊細胞であり、細胞質を取り除くことにより容易
に膜成分のみを単離できる。このヒト赤血球膜は
50%の蛋白質を含み、リン脂質のみまたはこれに
コレステロール等を加えたものからなるリポソー
ムに比較して、膜流動性は低い。また、適用する
動物の種および(または)血液型の適合性され合
致すれば毒性等従来のリン脂質のみまたはこれに
コレステロール等を加えたものからなるリポソー
ムに比べて生体由来の物質であるため生体適合性
に優れている。さらにまた、この発明に従つて調
製された小胞体は糖蛋白が表面に露出されている
ので、その部位において例えば単一クローン抗体
を結合することが容易であり安定性とあいまつ
て、いわゆるミサイル型医薬の製造に極めて都合
がよい。これに加えて、この発明の小胞体は毛細
血管の径よりも小径とすることができるので、赤
血球ゴースト膜自体(これは、新鮮な赤血球のよ
うには形状が自由に変化しない)よりもこの点で
も優れている。
実施例 1 新鮮な成人全血を等張トリス緩衝液(PH7.4、
297オズモル)で3倍に希釈し、4℃で遠心分離
(3000rpm)を5分間おこなつた。遠心分離操作
後、上層部に集つた血漿蛋白質と白血球とをアス
ピレーターにより分離した。この操作を3回繰り
返し、ヒト赤血球を精製した。
この精製赤血球を低張トリス緩衝液(PH7.4、
30オズモル)に分散させ、10分間おだやかに撹拌
し、溶血させた。この液を4℃で20分間遠心分離
(13000rpm)した。その後、溶出したヘモグロビ
ン等を含む上澄液をアスピレーターで分離した。
この操作を4回繰り返して細胞質を含まない赤血
球ゴースト膜を得た。
このゴースト膜を等張トリス緩衝液(PH7.4、
297オズモル)に分散させ、その分散液を15Wの
出力で超音波照射すると、フラグメント化が生起
した。その後、これを37℃で1時間静置すること
により、フラグメントの集合と小胞(リポソー
ム)化が生起し、安定な小胞体が得られた。
この小胞体分散液(6容量%)を2%グルタル
アルデヒド水溶液で処理し、小胞体膜構造を固定
した。その後、この試料溶液をアルミニウム板上
に滴下し、室温で乾燥した後一昼夜真空乾燥し、
電子顕微鏡写真をとつた。この写真を第1図およ
び第2図として示す。第1図の写真は上記超音波
処理を5分間おこなつたもの、および第2図の写
真は上記超音波処理を10分間おこなつたものであ
る。なお、超音波処理時間と小胞体の平径半径と
の関係を第3図に示す。この図から、超音波処理
時間によつて小胞体の径を調節できることがわか
る。
また、この小胞体(リポソーム)分散液に、レ
クチンを添加することにより明確な凝集が生起す
ることから糖蛋白質が、リポソーム外水層に突出
固定されていることを確認した。
さらに、この小胞体リポソーム分散液は、低温
度保存(4℃、14日)においても形態変化を起こ
すことなく安定であつた。これに対して卵黄ホス
フアチヂルコリンとコレステロールより作成した
人工リポソーム分散液は、同条件保存により凝集
し形態変化を通じてラメラとなり、分散状態は大
きく低下した。
実施例 2 疎水性薬理物質である鉄()−5,10,15,
20−テトラ−α,α,α,α−(o−ピバラミド
フエニル)ポリフイリンを50倍モル量の1−ラウ
リル−2−メチルイミダゾールとともにジクロロ
メタンに溶解し、これを遠心分離用チユーブに仕
込んだ。これに窒素ガスを吹きつけ、溶媒を留去
し、チユーブの壁に薄膜を得た。このチユーブ
に、予め一定時間超音波照射してフラグメント化
させたヒト赤血球ゴースト膜水分散液(10容量
%)を加えた後15Wの出力で10分間超音波を照射
して上記鉄ポルフイリン錯体をフラグメント化ゴ
ースト膜の疎水部に埋め込んだ。
この鉄ポルフイリン錯体を埋め込んだフラグメ
ント化ゴースト膜の水分散液に亜二チオン酸を加
えた後37℃で1時間静置し鉄ポルフイリン錯体の
鉄の還元と熟成(小胞体の形成)とを並行して生
起させた。この小胞体分散液に酸素ガスを15秒間
導入し鉄ポルフイリン錯体を酸素化させた。鉄
()ポリフイリン錯体は565nmに可視吸収スペ
クトルのピークを与え、鉄()ポルフイリン錯
体は540nmと570nmに2本の可視吸収スペクト
ルのピークを与える。酸素化した鉄ポルフイリン
錯体の可視吸収スペクトルは550nmに一本のピ
ークを示す。この550nmのピーク強度の変化か
ら上記酸素化鉄ポルフイリン錯体の半寿命は90分
間であることがわかつた。
実施例 3 実施例1で調製したヒト赤血球ゴースト膜を細
胞破砕器でフラグメント化した以外は実施例2と
同様にして鉄ポルフイリン錯体を埋め込んだ小胞
体水分散液を作成した。酸素化鉄ポルフイリン錯
体の半寿命は約75分間と実施例2の場合とほぼ同
じ程度であつた。
実施例 4 フラグメント化赤血球ゴースト膜リポソーム
は、種々の疎水性物質を包埋し、輸送することが
可能である。たとえば、代表的な螢光標識分子で
ある8−アニリノ−1−ナフタレンスルホン酸ナ
トリウム(ANS)あるいは1,6−ジフエニル
−1,3,5−ヘキサトリエン(DPH)を埋込
んだフラグメント化ゴーストリポソームは下に示
すような方法で調製できる。
実施例1に従つて調製した赤血球ゴースト膜を
3容量%となるようにトリス緩衝液中に分散さ
せ、所定量のANSを含むトリス緩衝液を加え、
37℃で24時間ゆるやかに振とうした。次に37℃で
20分間遠心分離(10000rpm)し、ゴースト膜に
取り込まれていない螢光標識分子(ANS)を取
り除いた。遠心分離後、ゴースト膜分散濃度を1
容量%となるようトリス緩衝液で濃度を調整し、
15Wの出力で1分ないし30分間超音波照射をおこ
なつた。次いで37℃で1時間熟成し小胞化した。
この螢光標識化ゴーストリポソーム膜は生体内投
与により細胞膜の融合を介して螢光標識分子を細
胞膜中に輸送するため貪食細胞の食性評価や特定
細胞膜のラベル(標識)に利用できる。螢光標識
ゴーストリポソームの膜流動性は、超音波照射時
間、すなわち、リポソーム半径に依在せず一定で
あることが螢光偏光解消法から明らかとなつた。
実施例 5 実施例1に従つて調製したヒト赤血球ゴースト
膜を等張のトリス緩衝液(PH7.4、297オズモル)
中に分散させた。この分散水溶液を15Wの出力で
30分間超音波照射し、フラグメント化赤血球ゴー
ストを得た。次いでこれを37℃で60分間熟成させ
小胞化させた。これに、実施例2に従つて薄膜状
とした鉄ポルフイリン錯体を混合し、15Wの出力
で10分間超音波照射し熟成させた。こうして得ら
れた小胞体膜は、極めて安定で粒径が小さく約一
週間安定に分散状態を保つた。また、この小胞体
の分散液に酸素を吹き込んで鉄ポルフイリン錯体
を酸素化しその安定性を調べたところ、酸素化錯
体の半寿命は約110分間程度であつた。
実施例 6 実施例2において鉄ポルフイリン錯体として鉄
−5,10,15,20−テトラ−〔α,α,α,α−
(o−ジメチルテトラデカナミド)フエニル〕ポ
ルフイリンを用いた以外は同様にして鉄ポルフイ
リン錯体を担持した小胞体水分散液を得た。
酸素化錯体の半寿命は150分間であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はこの発明に従つてそれぞ
れ異なる時間をかけて調製された小胞体の電子顕
微鏡写真図、第3図は小胞体の半径と超音波照射
時間との関係を示すグラフ図。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 動物由来の赤血球を低張溶液で処理して赤血
    球ゴースト膜を調製し、ついでこのゴースト膜に
    剪断力を作用させてフラグメント化し、このフラ
    グメントを等張溶液中で生体温度下に静置して小
    胞化させることを特徴とする小胞体の製造方法。 2 剪断力が超音波または高圧噴出によつて提供
    されることを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の製造方法。 3 等張溶液が薬理物質を含有し、小胞体内に該
    薬理物質を内包させることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項または第2項記載の製造方法。 4 動物由来の赤血球ゴースト膜のフラグメント
    から形成された小胞体。 5 動物由来の赤血球ゴースト膜のフラグメント
    から形成され、その膜内に薬理物質を内包したこ
    とを特徴とする小胞体。
JP58032039A 1983-02-28 1983-02-28 赤血球ゴ−スト膜フラグメントからなる小胞体の製造方法および小胞体 Granted JPS59157033A (ja)

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JP58032039A JPS59157033A (ja) 1983-02-28 1983-02-28 赤血球ゴ−スト膜フラグメントからなる小胞体の製造方法および小胞体

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JPS59157033A JPS59157033A (ja) 1984-09-06
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AU588299B2 (en) * 1985-04-08 1989-09-14 Rafa Laboratories Ltd. Artificial microcompartmentalization
DK2714017T3 (en) * 2011-06-02 2018-09-03 Univ California MEMBRANE-WRAPPED NANOPARTICLES AND METHOD OF USE
CN111110855B (zh) * 2019-12-26 2023-06-23 深圳百纳心致生命科学有限公司 一种利用红细胞制备的靶向性的囊泡药物

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