JPS63314315A - ２サイクルエンジン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 Ａ１発明の目的 （１）　　産業上の利用分野 本発明は、排気ポートが開口するシリンダブロックのシ
リンダ孔内壁に、その周方向に排気ポートと並んで複数
の掃気ポートを開口し、排気ポートのシリンダ孔への開
口部と、この排気ポートに隣接する掃気ポートのシリン
ダ孔への開口部との間の隔壁を、シリンダ孔内を往復動
するピストンの下降方向に向って排気ポートの中央に近
づくように傾斜して形成した２サイクルエンジンの改良
に関する。

（２）従来の技術 かかる２サイクルエンジンは、排気ポートのシリンダ孔
への開口面積、並びに複数の掃気ポートのシリンダ孔へ
の総合開口面積を共に最大にして、高速運転時の給気効
率を高め、良好な出力性能を発揮し得るものとして、従
来より自動二輪車に広く利用されている。

（３）発明が解決しようとする問題点 しかしながら、かかる２サイクルエンジンでは、排気ポ
ートとそれに隣接する掃気ポートとは上下方向でも相互
に極めて近接することになるため、掃気ポートを通る混
合気の流速が比較的遅い低速運転時には、排気ポートに
隣接する掃気ポートからシリンダ孔に流入した混合気が
排気ポートへ吹抜けるため、給気効率がむしろ低下して
しまうという問題があり、低速出力性能の改善が望まれ
ている。

本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、本来の
優れた高速出力性能を維持しつつ、低速出力性能を向上
させることができる前記２サイクルエンジンを提供する
ことを目的とする。

Ｂ１発明の構成 （１）問題点を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明は、排気ポートに隣
接する掃気ポートにこれを開閉し得る開閉弁を設けたこ
とを特徴とする。

（２）作　用 エンジンの低速運転時には、開閉弁を開弁じて排気ポー
トに隣接する掃気ポートを閉鎖すれば、該掃気ポートか
ら排気ポートへの混合気の吹抜けを防止することができ
、しがも、これに伴い排気ポートから離れた他の掃気ポ
ートを通る混合気の流量延いてはその流速が増し、これ
によってシリンダ孔を効果的に掃気することができる。

また、高速運転時には、開閉弁を開弁ずれば、従来通り
全ての掃気ポートを通して流速の速い混合気をシリンダ
孔内に供給し得るので、本来の高い掃気効率及び給気効
率は確保される。

（３）実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説明すると
、第１図及び第２図において、２サイクルエンジン１の
本体は、クランク室２ａを有するクランクケース２、シ
リンダ孔３ａを有するシリンダブロック３、及び燃焼室
４ａを有するシリンダヘッド４をこの順に相互に結着し
て構成される。

尚、説明中シリンダ３ａ内において「上」とはシリンダ
ヘッド４側を、また「下」とはクランクケース２側を指
すものである。

シリンダブロック３には、その−側壁にシリンダ孔３ａ
及びクランク室２ａに開口する掃気兼吸気ポート５が形
成され、またその他側壁にシリンダ孔３ａに開口する排
気ポート６が形成される。

掃気兼吸気ポート５の外端は、そこに設けられるリード
弁７を介して図示しない気化器と連通され、また排気ポ
ート６の外端は図示しない排気管に連なる。

掃気兼吸気ポート５及び排気ポート６間に挟まれるシリ
ンダブロック３の相対向する両側壁には、掃気兼吸気ポ
ート５側から順に第１．第２．第３掃気ポート８゜、８
□、８３が対称的に形成され、これらによってクランク
室２ａとシリンダ孔３ａとが相互に連通される。各掃気
ポート８．〜８３のシリンダ孔３ａへの開口部は、第２
図に明示するように排気ポート６と反対側に指向してい
て、シリンダ孔３ａに供給した混合気が排気ポート６へ
できるだけ素通りしないようになっている。

シリンダヘッド４には、その燃焼室４ａに電極を望ませ
る点火栓９が螺着される。

第３図に示すように、シリンダ孔３ａの内壁において、
排気ポート６、掃気兼吸気ポート５及び第１〜３掃気ポ
ート８１〜８３は、全ての下縁をシリンダ孔３ａの軸方
向同一レヘルに整列されており、また排気ポート６の上
縁は掃気兼吸気ポート５及び第１〜第３ポート８Ｉ〜８
．の上縁より高い位置に配置しである。

また、排気ポート６のシリンダ孔３ａへの開口面積、並
びに掃気兼吸気ポート５及び第１〜第３掃気ポート８１
〜８コのシリンダ孔３ａへの総合開口面積を可及的大き
く得るために、相隣る排気ポート６及び第３掃気ポート
８３間の隔壁１ｏは、下方に向って排気ポート６の中央
部に近づくように傾斜して形成される。

排気ポート６の上下両縁の中央部は、上下に延び且つシ
リンダ孔３ａの内壁に連結する補強壁ｌｌを介して相互
に連結される。

第４図に示すように、排気ポート６に隣接する各第３掃
気ポート８コの途中には開閉弁１２が設けられ、この開
閉弁１２には、これをエンジン！の低速運転時に閉弁し
高速運転時に開弁するよう、作動装置１３に連結される
。

尚、第１図中、符号１４はシリンダ孔３ａを往復動する
ピストンを示す。

次にこの実施例の作用について説明する。

ピストン１４の上昇行程時には、掃気兼吸気ポート５及
び第１〜第３掃気ポート８．〜８３のシリンダ孔３ａの
開口部がピストン１４により閉じられると共に、クラン
ク室２ａの減圧に伴いリード弁７が開かれるので、図示
しない気化器から掃気兼吸気ポート５を通して混合気が
クランク室２ａに吸入される。

一方、燃焼室４ａ側では前行程で供給された混合気が圧
縮され、ピストン１４が上死点に達する直前で点火栓９
の火花放電によりその混合気が点火されて燃焼し、上死
点を過ぎたピストン１４を下降せしめる。

こうしてピストン１４が下降行程に移れば、ピストン１
４により先ず排気ポート６が開かれるので、排ガスが排
気ポート６へ流出し、続いて掃気兼吸気ポート５及び第
１〜第３掃気ポート８．〜８、が開かれる。一方、クラ
ンク室２ａでは昇圧し、これに伴いリード弁７は閉じら
れる。

このときエンジンｌが低速運転状態にあって作動装置１
３が開閉弁１２を閉弁していれば、第３掃気ポート８３
は閉鎖されるので、クランク室２ａの混合気は、その第
３掃気ポート８３を通らず、掃気兼吸気ポート５及び第
１．第２掃気ポート８鵞、８２を通過してシリンダ孔３
ａに供給され、そして掃気兼吸気ポート５側へ斜めに上
昇して燃焼室４ａ側で反転しながら排気ポート６へ向か
うので、残留する排ガスを排気ポート６へ押し出し、即
ち掃気を行う。

このように低速運転時に、排気ポート６に隣接する第３
掃気ポート８３を閉鎖することは、流速の遅い混合気が
第３掃気ポート８．から排気ポート６へ吹抜けることを
防止し得るのみならず、排気ポート６から離れた第１．
第２掃気ポート８Ｉ、８□を通る混合気の量を増加させ
、延いてはその流速を速めることになるので、掃気効率
の向上に極めて有効である。

エンジン１が高速運転状態になれば、作動装置１３が開
閉弁１２を開弁じ、第３掃気ポート８３を導通させるの
で、ピストン１４の下降行程では、クランク室２ａの混
合気が第３掃気ポート８３をも通過するようになるが、
そのときの流速は比較的速いため、排気ポート６へは吹
抜けず、他の掃気ポート８．．８．を通過した混合気と
同様に掃気兼吸気ポート５側上方へ進んで反転し、シリ
ンダ孔３ａ内をよく掃気することができ、本来の高い掃
気効率を維持することができる。

第５図及び第６図は本発明の２サイクルエンジンと、こ
れと同形式の従来の２サイクルエンジンとの性能試験の
結果を示すもので、第５図からは、本発明エンジンでは
、絞弁の大開度域での給気効率を低下させることなく、
小開度域での給気効率を向上させていることがわかり、
また第６図からは、本発明エンジンでは、高速運転時の
出力を低下させることなく、低速運転時の出力を向上さ
せていることがわかる。

Ｃ０発明の効果 以上のように本発明によれば、排気ポートに隣接する掃
気ポートにこれを開閉し得る開閉弁を設けたので、開閉
弁を操作することにより、この種エンジン本来の高速出
力性能を維持しつつ、低速出力性能を向上させることが
でき、したがって加速性が良好となると共に燃費の低減
をもたらすことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本発明の一実施例を示すもので、
第１図は２サイクルエンジンの縦断側面図、第２図は第
１図の■−■線断面図、第３図はシリンダ孔内壁の展開
図、第４図は第２図のＩＶ−■線断面図、第５図は本発
明エンジンと従来エンジンとの給気効率に関する比較試
験結果を示す線図、第６図は本発明エンジンと従来エン
ジンとの出力に関する比較試験を示す線図である。 １・・・２サイクルエンジン、３・・・シリンダブロン
ク、３ａ・・・シリンダ孔、５・・・掃気韮吸気ポート
、６・・・排気ポート、８．〜８．・・・第１〜第３掃
気ポート、１０・・・隔壁、１２・・・開閉弁、１３・
・・作動装置、１４・・・ピストン

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 排気ポートが開口するシリンダブロックのシリンダ孔内
   壁に、その周方向に排気ポートと並んで複数の掃気ポー
   トを開口し、排気ポートのシリンダ孔への開口部と、こ
   の排気ポートに隣接する掃気ポートのシリンダ孔への開
   口部との間の隔壁を、シリンダ孔内を往復動するピスト
   ンの下降方向に向って排気ポートの中央に近づくように
   傾斜して形成した２サイクルエンジンにおいて、排気ポ
   ートに隣接する掃気ポートにこれを開閉し得る開閉弁を
   設けたことを特徴とする２サイクルエンジン。