JPS63313611A - 乾式伸線方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は乾式伸線方法の改良に関する。

（従来の技術とその問題点） 伸線における潤滑剤の効用は、ダイスの焼付き防止、ダ
イスの寿命延長、線材表面の美麗化などにある。

潤滑剤は、大別して油など液状のものと、石けん粉など
の粉状のものとがあり、前者を用いる伸線を湿式伸線方
法、後者を用いる伸線を乾式伸線方法という。

乾式伸線方法は、湿式伸線方法に較べて潤滑性に優れる
ため、難加工材や複合材などの伸線に用いられ、又１回
の減面率が大きくとれるので太物の伸線に用いられる。

粉状の潤滑剤としては、石けんの他にステアリン酸と金
属石けんを主成分とする合成剤の粉末などが使用される
。

乾式伸線方法は、ダイスボックスの中に粉状潤滑剤を充
填し、この粉状潤滑剤の中に線材を通過させて、線材表
面に上記潤滑剤を付着させ、これを伸線する方法である
。

上記の乾式伸線方法において、粉状潤滑剤の中を線材が
通過していくうちに、線材の通路のまわシが空隙となる
所謂トンネル現象が生じる。このトンネル現象を防止す
るために、粉状潤滑剤の中に複数の回転ロールからなる
しごきロールを配置して、この回転ロール群に線材を通
し、この回転ロールを介して線材に粉状潤滑剤を供給し
付着させる方法がとられている。しかしこの方法の場合
は、しごきロールの周囲に空隙が生じて根本的な解決と
はなっていない。

このようなトンネル現象は、伸線速度が早い程おきやす
く、又この現象がおきるとダイスに焼付きを生じ、線材
が断線することになるので、随時伸線機をとめて容器内
の粉状潤滑剤をつき崩す必要があり、生産性が低下する
問題がある。

（問題点を解決するための手段及び作用）本発明は、か
＼る状況に鑑みなされたもので、その要旨とするところ
は、ダイスボックス内に充填された粉状潤滑剤の中に線
材を通過させて、上記潤滑剤を線材の表面に付着させ、
この線材を前記ダイスボックスの出口側に配置されたダ
イスに通して伸線する乾式伸線方法において、上記潤滑
剤に振動又は／及び圧力を付与して伸線することを特徴
とする乾式伸線方法にある。

本発明は、乾式伸線方法において、伸線中粉状潤滑剤に
振動又は／及び圧力を付与してトンネル現象の発生を防
止するものであるが、粉状潤滑剤への振動を、容器、線
材又はしごきロールを介して付与すると簡便且つ効果的
である。

付与する振動は、超音波やバイブレータ−などの電気的
振動でもよく、又機械的な振動でもよくその他任意の方
法を適用することができる。

振動は常時付与する方が効果的であるが、場合によって
は周期的に又は状況をみながら随時付与してもよい。

本発明において超音波などの周波数の高い微振動を付与
すると、線材表面への粉状潤滑剤の付着力が増して潤滑
性が向上する。

粉状潤滑剤を、ダイスボックスとは別の容器に充填して
本発明の方法を実施しても差支えない。

（実施例） 以下に本発明を実施例により詳細に説明する。

第１図は、本発明を実施するための装置の一例を示す説
明図である。

同図において１は粉状潤滑剤、２はダイスボックス、３
はしごきロール、４は振動発生機である。

粉状潤滑剤ｌが容器２内に充填されておシ、この粉状潤
滑剤１の中にしごきロール３が配置されこのしごきロー
ル３は支持具１０を介して振動発生機４に接続されてい
る。

ダイスボックス２の上方に設置された振動発生機４は、
ギヤトモ−ター５の回転を回転板６及びクランクロッド
７を介して軸受８に支持されたスライド軸９に水平往復
動として伝達する仕組みのもので、前記のしごきロール
３は、支持具１０及び連結アーム１１を介して上記のス
ライド軸９に接続されており、スライド軸９の水平往復
動はしごきロール３にそのま＼伝達される。

第２図は、同装置のしごきロール部分の説明図である。

しごきロール３は左右交互に３個の溝付回転ロール１２
が配列されたもので、上記３個の回転ロール１２の溝に
線材１３が挿入され、回転ロールの左右の間隔は線材に
しごきがか＼るように第１図に示した支持具１０の上端
を開閉して調節する〇このしごきロールに設けられる回
転ロールは、３個以上任意の数設けることができる。

〔実施例−１〕 上記乾式伸線装置により、４．５朋φのＡｌ覆鋼線を伸
線した。

ダイスボックス２内に配置された回転ロール３に線材１
３を挿通し、上記回転ロール１２の左右間隔を通過する
線材１３にしごきが加わるように調整してのち、このダ
イスボックス２の中に石けん粉を充填し、次いで線材１
３をダイスボックス２の出口側に配置されたダイスに通
して４．０朋φの線径に１５０ｍ／分の速度で２時間伸
線した。

この間ギヤトモーター５を１　Ｏｒｐｍで回転させこれ
をしごきロール３に振巾ＩＱ＋ｕの水平往復動として伝
達した。

〔実施例−２〕 ダイスボックス内に潤滑剤としてステアリン酸と金属石
けんを主成分とする合成剤の粉末を充填し、この充填粉
末内に３．６顛φの鋼線を通過させダイスを通して３．
２ｎφに１８０ｍ／分の速度で２時間伸線した。

ダイスボックスのふたは浮きぶたとし、このふたの上部
に重りをのせて５Ｋｇ／−の圧力を潤滑剤にかけ、更に
容器の底に電磁式バイブレータ−を押しあてて６００Ｈ
２の振動を付与した。

〔実施例−３〕 容器内に潤滑剤としてステアリン酸と金属石けんを主成
分とする合成剤の粉末を充填し、この充填粉末内に３．
５　ａｘφの鋼線を通過させ、ダイスを通して３．０１
１１φに２００ｍ／分の速度で２時間伸線した。この間
容器入口で上記ｋｉ鋼線にホーンを押しあてて超音波振
動を付与した。

以上実施例１〜３においては、ダイス焼付きや断線をお
こすことなく、表面美麗な線材が終始安定して得られた
。伸線終了後ダイスボックス内を調べ、いずれの場合も
トンネル現象の発生がないことが確認された。

以上１つのダイスを通す単式伸線方法について例を示し
たが、複数のダイスを用いる連続伸線においても同様の
効果が得られる。

〔比較例−１〕 実施例−１と同じ装置を用い、４．５■φのＡＪ覆鋼線
をしごきロール３に通し、ダイスボックス２内に石けん
粉１を充填して４．０　ｔｏφに１００ｍ／分の速度で
伸線した。しごきロール３は固定して用い、振動は付与
しなかった。

その結果、３０分後にダイスに焼付きが生じて断線した
。容器内を調べたところ、潤滑剤の回転ロールの周囲に
トンネル現象がおきていた。

〔比較例−２〕 ダイスボックス内にステアリン酸と金属石けんを主成分
とする合成剤の粉末を充填し、この充填された粉末内に
３．５　ｔｍφの鋼線を通過させて３．０顛φに２００
ｍ／分の速度で伸線した。

その結果、２０分後にダイス焼付きがおき断線した。容
器内を調べたところ、潤滑剤の鋼線の通路の周囲に空隙
ができ、トンネル現象をおこしていた。

（効果） 以上述べたように本発明によれば、乾式伸線方法におい
てトンネル現象の発生が防止されるのでダイスの焼付き
や断線が生ぜず、表面が美麗な線材を長時間安定して製
造することができ、工業上顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施するための装置の一例を示す説明
図、第２図は同装置のしごきロール部分の説明図である
。 １・・・・粉状潤滑剤、２・・・・ダイスボックス、３
・・・・しごきロール、４・・・・振動発生機、５・・
・・ギヤトモ−ター、６・・・・回転板、７・・・・ク
ランクロッド、８・・・・軸受、９・・・・スライド軸
、１０・・・・支持具、１１・・・・連結アーム、１２
・・・・回転ロール、１３・・・・線材。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）ダイスボックス内に充填された粉状潤滑剤の中に
   線材を通過させて、該潤滑剤を線材表面に付着させ、こ
   の線材を上記ダイスボックスの出口側に配置されたダイ
   スに通して伸線する乾式伸線方法において、上記潤滑剤
   に振動又は／及び圧力を付与して伸線することを特徴と
   する乾式伸線方法。
2. （２）潤滑剤への振動の付与をダイスボックス、線材又
   はしごきロールを介して行うことを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載の乾式伸線方法。