JPS6331250B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、例えば航空機燃料の給油装置の一
部として使用される燃料の不純固形物除去装置に
関するものである。

一般に、航空機燃料の品質を確保することは給
油装置の基本機能となつており、通常はフイルタ
ーセパレータによつて遊離水分の分離、夾雑物の
過を実施しているが、このフイルターセパレー
タのみでは十分な過作用を果すことができない
場合があるので、従来の給油装置においては、給
油ポンプの吸込側に40〜60メツシユ程度の金網を
配備して、フイルターセパレータとは別個に燃料
中に混入する不純物を過している。しかしなが
ら、この方法では金網に付着した不純物の目詰り
によつて給油作業に支障をきたすばかりか、その
不純物を除去するために一旦給油作業を停止しな
ければならないという不都合があつた。

この発明は、上記問題を解決することを企図し
てなされたもので、その側壁部に燃料流入管を接
続しかつその底部に不純固形物排出管を接続する
外部缶体の同心内部に、フイルタ部材を着脱自在
に配備しかつその底部に燃料流出管を接続する内
部缶体を配設することにより、不純固形物を遠心
分離し、しかも、給油作業中に不純物を排出でき
るようにしたことを特徴とする燃料の不純固形物
除去装置を提供しようとするものである。

以下にこの発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

図面はこの発明の不純固形物除去装置の縦断面
図を示すもので、図中、１はほぼ有底筒状に形成
された外部缶体であつて、その側壁の一部には燃
料流入管２が接続されており、また、上部開口部
にはその中心部に上蓋ハンドル３をもつて開閉す
る上蓋４を有する缶体上蓋５が被着され、底部に
は不純固形物を排出するための排出管６が接続さ
れている。この場合、排出管６には底弁７と排出
弁８とが適宜間隔をおいて取り付けられている。

また、前記外部缶体１の同心内部には、その開
口部が外部缶体１の上部より若干下方に位置する
ほぼ有底筒状の内部缶体９が配設されており、こ
の内部缶体９の同心内部にはフイルタ部材である
円筒状の金網１０が着脱自在に配備され、また、
内部缶体９の底部には燃料流出管１１が接続され
ている。この場合、前記金網１０は、その上部に
形成された外向きフランジ１０ａが前記内部缶体
９の開口部に形成された内向きフランジ(9)ａ上に
載置されるとともに、蝶ねじ１２等の固定具で固
定され、取り外すときには前記上蓋４を開蓋して
外部へ取り外せるようになつている。

上記のように構成されるこの発明の不純固形物
除去装置は、給油システムの中で主に給油ポンプ
（図示せず）の吸込側配管途中に組み込まれて、
給油ポンプ吐出側配管途中に組み込まれたフイル
ターセパレータと共働して過作用を行うもの
で、その使用に当つて、まず、底弁７を「開」に
するとともに、排出弁８を「閉」の状態にしてお
く。そして、前記燃料流入管２から外部缶体１内
に燃料が流入すると、燃料中の不純固形物は流入
速度に伴う遠心効果によつて外部缶体１の内壁に
沿つて沈降して外部缶体１の底部及び底弁７を通
つて排出弁８以前の排出管６内に溜まり、また、
不純固形物を分離した燃料は内部缶体９内に溢流
して不純固形物より細かい不純物等が金網１０に
よつて過された後、燃料流出管１１へ流出して
給油ポンプ側へ給油される。したがつて、給油作
業中において、ある程度不純固形物が溜つたとき
には、まず底弁７を閉じて、排出弁８を開放すれ
ば不純固形物のみを給油作業に影響を及ぼすこと
なく排出することができる。なおこの場合、排出
管６を透明部材で形成するか、排出管６の底弁７
と排出弁８との間に外部から目視できる窓部を形
成しておけば、不純固形物の溜まり具合を外部か
ら観察することができる。

以上に説明したように、この発明の不純固形物
除去装置によれば、その側壁の一部に燃料流入管
を接続しかつその底部に不純固形物排出管を接続
するほぼ有底筒状の外部缶体の同心内部に、この
外部缶体の上部より若干下方に開口するほぼ有底
筒状の内部缶体を配設し、内部缶体の同心内部に
フイルタ部材を着脱自在に配備するとともに、そ
の底部には燃料流出管を接続して成るので、燃料
流入管から外部缶体内に流入する燃料中の不純固
形物は遠心効果によつて分離沈澱し、不純固形物
を分離した燃料は内部缶体内に溢流して燃料流出
管側へ流出する際フイルタ部材によつて不純固形
物以外の不純物等が過され、給油ポンプ側へは
品質の良好な燃料が給油されるという利点があ
り、しかも、給油作業中に不純固形物のみを排出
することができるので、給油作業を能率良く行う
ことができる。また、この発明の装置によれば特
に下記に示す場合に有利となる。すなわち、 (1) 給油ポンプの吸込側に接続されるタンク等の
燃料貯蔵槽自体の異物除去能力が低下する場合
に給油装置側で除去能力を高めることができ
る。

(2) 給油ポンプの吸入側にホースを接続する場
合、連結作業時等の異物混入に対処できる。

(3) 寒冷地において、タンク内水分の氷結による
氷塊混入に対処できる。

(4) ストレーナの目詰り頻度を低減化して、点
検、整備に要する時間を少なくし、航空機給油
のターンラウントタイムを少なくできるなどの
優れた効果が得られるので、その利用価値は顕
著である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の不純固形物除去装置の一例を
示す縦断面図である。 図において、１……外部缶体、２……燃料流入
管、６……不純固形物排出管、７……底弁、８…
…排出弁、９……内部缶体、１０……フイルタ部
材（金網）、１１……燃料流出管である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ その側壁の一部に燃料流入管を接続しかつそ
   の底部に不純固形物排出管を接続するほぼ有底筒
   状の外部缶体の同心内部に、この外部缶体の上部
   より若干下方に開口するほぼ有底筒状の内部缶体
   を配設し、この内部缶体の同心内部にフイルタ部
   材を着脱自在に配備するとともに、その底部には
   燃料流出管を接続して成り、前記燃料流入管から
   外部缶体内に流入される燃料中の不純固形物を遠
   心作用により外部缶体の内壁側に分離し、前記内
   部缶体内に溢流する燃料をフイルタ部材によつて
   過した後、前記燃料流出管側へ流出させるよう
   にしたことを特徴とする燃料の不純固形物除去装
   置。