JPS6330912Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、焼肉、焼鳥、バーベキユー料理、ま
たは鍋物料理の如く煮炊き等に伴つて多大な煙や
熱気等を発する料理に用いる集煙器に関し、特に
家庭において卓上で此等料理を食する場合に用い
て好適である簡易形集煙器を提供するものであ
る。

近年では、我国の食生活の多様化に対応してガ
ステーブルや卓上用カセツト式ガスコンロが普及
し、各家庭においても上記焼肉の如き料理を卓上
で手軽に楽しむことができるようになつてきた
が、此等の料理は多大な煙（油煙）、熱気、水蒸
気を発するものであり、しかも通常我国の家屋構
造が排煙、排気に適した構造となつておらず、ま
た上記料理の専門店のような大能力の換気扇や集
煙装置を室内に装備することも、費用の点および
室内の美感、体裁の点で現実的でないから、いき
おい室内に煙や熱気等がこもり勝ちとなつて、食
事環境の悪化が避けられず、特に油煙と水蒸気の
働きで天井面や壁面および室内調度品が著しく汚
損されることになつていた。

本考案はかかる点に鑑み、必要に応じ天井に配
設されている既存もしくは新設の排気ダクトもし
くは換気扇に簡単に接続して、上記卓上における
料理に伴つて発生する煙や熱気等を集めてすみや
かに屋外に排出することのできる簡易形集煙器を
提供することによつて、上記の難点を払拭するも
のである。

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する
と、１は導煙筒で、該導煙筒１の上端には、天井
に対して着脱自在に取付けるための接続用フラン
ジ部２を形成すると共に、該フランジ部２の周方
向定間隔おきに複数個の係合長孔３が、導煙筒１
の軸心を中心とする円弧形状に開設され、且つ各
係合長孔３の一端に径大部３ａが形成されてい
る。４は導煙筒１の下端側に装備された集煙フー
ドであつて、該集煙フード４は第３図に示すよう
に導煙筒１に昇降自由に套嵌されたスライドリン
グ５を有し、該スライドリング５の周りに多数本
の傘骨６が放射方向に配置され、且つ各傘骨６が
その基端を枢支ピン７を介しスライドリング５に
上下回動自由に取付けられると共に、此等傘骨６
の上側に傘布８が張着され、更に各傘骨６が該傘
骨中間部と導煙筒下端とをそれぞれ枢支ピン９，
１０を介してむすぶ支骨１１によつて支持され、
しかして集煙フード４が開閉可能に構成されてい
る。即ち集煙フード４においては、第１図のよう
な開傘状態から手動によつてスライドリング５を
上昇させてゆくと、第４図の如きスライドリング
５のA₁→A₂→A₃→A₄→A₅に至る位置変化に伴つ
て支骨１１が枢支ピン１０を中心に上方回動し、
逆に傘骨６が枢支ピン７を中心に下方回動して、
ついには破線のように支骨１１、傘骨６のそれぞ
れが導煙筒１の外周面に沿う如く折畳まれ、故に
第２図の如く集煙フード４が閉傘されることにな
り、そして反対に該閉傘状態からスライドリング
５を下降させれば第１図の如く開傘されることに
なる。

従つて、上記構成を有する簡易形集煙器を天井
の所定位置に取付けるには、例えば第５図の如く
天井１２に既設もしくは新設の排気ダクト（もし
くは換気扇）１３側に予め集煙器吊下げ用の係合
ピン１４を植設させておけば、その使用にあたつ
て、第６図のように該係合ピン１４の頭部１４ａ
を導煙筒１上端の係合長孔３における径大部３ａ
に通し、次に導煙筒１を回転させて係合長孔３に
おける径小部３ｂに上記係合ピン１４を係合且つ
抜止めするワンタツチ操作を加えれば、集煙器を
その導煙筒１が上記ダクト１３に連通する状態で
天井１２から卓上１５に向けて吊り下げることが
できるのである。次いでスライドリング５を下降
させて集煙フード４を開傘すると共に、該集煙フ
ード４の直下で、例えば鍋物等を煮炊きすれば、
これによつて発生する煙、熱気、水蒸気を此等の
有している上昇力によつて集煙フード４内に流入
させ、且つ導煙筒１およびダクト１３を通し屋外
にすみやかに排出させることができる。また、不
使時には上記とは逆操作によつて集煙フード４を
閉傘したのち導煙筒１を天井１２から取外せば、
該集煙器をコンパクト状態で所要箇所に収納させ
ておくことができる。

尚、導煙筒１、スライドリング５、傘骨６およ
び支骨１１は軽量化のためにアルミニウムもしく
はその合金を使用することが望ましく、また傘布
８の内側にアルミニウム箔等の耐火材を貼りつけ
ておけば、該傘布８の引火を防ぐ意味で好適であ
る。

以上のように本考案にかかる簡易形集煙器は、
その導煙筒の上端に備えしめた接続用フランジ部
によつて天井の所定位置に吊設状態として取付け
ておけば、当該集煙器により焼料理や煮炊等に伴
う煙、熱、水蒸気のほぼ全てをすみやかに屋外に
排出させることができるから、食事環境は良好と
なり、天井面や壁面および室内調度品を汚損する
ことが少なく、また不使用状態では天井から取外
すことによつて室内の美感、体裁を損うことがな
い。

しかも、煙等を導煙筒内に集煙するフードは、
該導煙筒に昇降自由に套嵌したスライドリング
に、放射方向に突出する複数本の傘骨を上下回動
自由に取付けると共に、各傘骨を上記導煙筒の下
端に一端を枢着した支骨により支持し、且つ上記
傘骨にわたつて傘布を張着して折畳み可能として
いるので、不使用状態では該集煙フードを閉傘し
てコンパクトに折畳むことにより、収納スペース
を少なくし、且つ持運びや輸送を簡便にすること
ができて実用的である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案にかかる簡易形集煙器の一実施例
を示し、第１図は集煙フード開傘状態の外観斜視
図、第２図は集煙フード閉傘状態の外観斜視図、
第３図は縦断側面図、第４図はフード開閉動作の
説明図、第５図は使用状態の一例を示す図、第６
図は係合ピンと係合長孔との係合動作説明図であ
る。 １……導煙筒、２……接続用フランジ部、３…
…径大部３ａを有する係合長孔、４……集煙フー
ド、５……スライドリング、６……傘骨、８……
傘布、１１……支骨。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 導煙筒１の上端に天井に対して着脱自在に取付
   けうる接続用フランジ部２を形成し、さらに上記
   導煙筒に昇降自由にスライドリング５を套嵌し
   て、該スライドリングに放射方向に突出する複数
   本の傘骨６を上下回動自由に取付けると共に、各
   傘骨６を上記導煙筒の下端に一端を枢着した支骨
   １１により支持し、且つ上記傘骨にわたり傘布８
   を張着して開閉可能な集煙フードを構成したこと
   を特徴とする簡易形集煙器。