JPS6330454Y2

JPS6330454Y2 -

Info

Publication number: JPS6330454Y2
Application number: JP1982120367U
Authority: JP
Priority date: 1982-08-08
Filing date: 1982-08-08
Publication date: 1988-08-15
Also published as: JPS5924070U

Description

【考案の詳細な説明】ゴルフ用ウツドクラブ（以下これを単にクラブ
と称する。）のヘツドは柿の木製であるから、そ
のままで使用したのではヘツドの打球面がボール
との衝突の際に起るボールとの接触摩擦によつて
直ぐに磨耗する。そこで、従来、このヘツドの打
球面を保護するため、ヘツドの打球面の中央部に
インサートを装着して打球面の磨耗防止とクラブ
の寿命の延長を計つている。

従つて、そのインサートの装着により、ヘツド
の磨耗を防止してクラブの寿命を延ばすことには
成功しているけれども、従来のインサートはヘツ
ド本体の柿材とは異質の固い合成樹脂やその他の
材質であるため、打球の際に上記インサートがボ
ールの反撥性能を著しく低下させている。

これは、ヘツドのインサートがボールに衝突し
た際に起る衝撃波形が固い異質のインサートによ
りインサート全般に広がつて変形して仕舞い、そ
の固い異質のインサートが緩衝材と化してボール
との衝突によつて起る正常な波形がヘツド本体に
伝わらなく、そのためにヘツド本体の柿材の天性
の反撥力を減殺して仕舞う結果となつているから
である。

結局、従来のインサートは、クラブの寿命を延
ばしてはいるけれども、それに引替えてボールの
飛距離を減殺し、従つて、ボールの飛びが悪くな
つている訳である。

そのために、インサートの打球面でボールがつ
ぶれ変形されてそのボール自体の復元力による反
撥力だけでボールの飛距離を出すので、プレーヤ
ーはヘツドの打球スピードを増大することのみに
集中している状態である。

そこで本考案は、ヘツドのインサートがボール
に衝突した際に起る衝撃波形がインサートを経て
ヘツド本体に正しく伝わることがボールの飛距離
増加の大きな要素であることに着目し、柿材また
はそれと同等の衝撃波形を伝える材質の樹木に樹
脂液を吸入させてなるインサートを、ヘツド本体
の打球面にその打球面とインサートの年輪を直角
状態になして装着することにより、該インサート
でヘツドの打球面の摩耗を防止してクラブの寿命
の延長をなす上に、インサートがボールに衝突し
た際に起る衝撃波形は、そのインサートの年輪の
固い秋材部分によつてインサートを正確に伝わ
り、インサートが柿材のヘツド本体と一体化して
作用し、ボールとの衝突の際にボールのつぶれ変
形による反撥力と、ヘツド本体の柿材の反撥力が
相乗されボールは快音を発して飛び、インサート
における音と衝撃波形の伝わりを良くすることに
よつてボールの飛距離を増加するようにしたゴル
フ用ウツドクラブのヘツドに係るものである。

図面に示す本考案の１実施例についてその構造
を説明すれば、１はゴルフ用ウツドクラブのヘツ
ドの本体で、柿の木により作製する。２は本体１
の打球面に取付けるインサートで、本体１と同じ
柿材またはそれと同等の衝撃波形を伝える材質の
樹木より成つて数本のビス３により本体１に装着
する。４は本体１の底面に数本のビス（図示して
ない。）により装着した４弗化樹脂等の潤滑性を
持つた合成樹脂製のソールプレートである。

次にそのインサート２の１例の製作法を説明す
る。

ａ先ず、第３図に示すように、柿の樹木を軸心
と直角方向（以下樹木の軸心方向を縦、軸心と
直角方向を横とそれぞれ称する。）に適宜幅で
切断して適当厚さの輪切り体５を作製する。

ｂ次に、第４図に示すように、輪切り体５の耳
取りを行つて４角形板の素材６を作製する。

ｃその素材６を真空槽内で脱気して完全に空気
を抜き去つた後、該素材６に色素を柱入して着
色加工を行い、その後電気乾燥によつて完全乾
燥する。

ｄ上記の着色乾燥した素材６を真空槽内で完全
に脱気した後、その素材６に二液性樹脂液を柱
入すると、真空状態の中で主に年輪の春材の大
きな導管内への樹脂液の吸入作用が起つて樹脂
液を吸入した素材６ができる。そこで、上記樹
脂液を吸入した素材６を真空槽内から取出し板
面方向に４方から圧縮して数時間放置すると、
その樹脂の反応が弱まり樹脂が固まつて柿材と
樹脂の木質合成圧縮素材６となる。

ｅこの木質合成圧縮素材６を、例えば第４図に
点線で示す位置で４個等に縦切断して第５図に
示す小素材７となした後、該小素材７を、例え
ば第５図に点線で示す位置でインサート２の厚
さの４枚等に横切断して第６図に示す薄素材８
となし、その後、その薄素材８を第６図に点線
で示す位置で縦方向に切つて第７図に示すよう
にインサート２の所定形状素材９を作製する。

ｆこの所定形状素材９を、もう一度真空槽内で
脱気した後、再度二液性樹脂液の真空注入作業
を行つて所定形状素材９の導管内に樹脂液を吸
入させ、その後、その樹脂の化学反応が止まつ
て樹脂が固まり、所定形状素材９の加工が完了
してインサート２が完成される。

その後は、上記インサート２の適当箇所に通
孔を明けて第２図に示すように上記通孔に挿通
するビス３によりインサート２を本体１の打球
面に装着する。

なお、インサート２の素材には、上記柿材に
代え、それと同等の衝撃波形を伝える材質の木
材を用いてもよい。

本考案はゴルフ用ウツドクラブのヘツドを上記
のように構成したから、そのインサートの木材の
年輪中の秋材は導管の径も小さく木部繊維等が多
量でち密に形成されて非常に固いため、二液性樹
脂液は主に年輪中の春材の直径の大きな導管内に
吸入され反応して固まり、木質合成圧縮素材のイ
ンサートは、その木材の年輪の春材および秋材が
へツドの打球面と直角方向に向かい、しかもち密
で固い秋材と、二液性樹脂液が導管内に吸入され
て反応固形化した春材により成つている。従つ
て、インサートの素材が木材である上に、その固
い秋材によつて木材の縦方向に特性を有するた
め、インサートがボールに衝突した際に起る衝撃
波形はそのインサートの固い秋材部分によつて少
しも変形することなくインサートを正常に伝わ
り、インサートが柿材のヘツド本体と一体化して
作用し、快音を発し反撥してボールの飛距離を延
ばすことができ、且つヘツドの反撥係数が高くて
ボールは良好に飛ぶ。

更に、打球の際のフイーリングが非常に良い上
に、打球の際にスイートスポツトが多少外れても
手に低抗感が少なく、クラブの抜けが良くて長時
間使用しても余り疲れない。

その上、インサートは、その木材の縦方向を打
球方向へ向けてヘツド本体に装着するので、イン
サートが固く丈夫でクラブ寿命が長く、且つ構造
は極めて簡単で容易安価に製作できる等の効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例に係るゴルフ用ウツ
ドクラブのヘツド部の側面図、第２図は第１図の
−線断面図、第３図乃至第７図はそのインサ
ートの製作工程の１例を示す作業説明斜面図であ
る。１…ヘツド本体、２…インサート、９…所定形
状素材。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

柿材またはそれと同等の衝撃波形を伝える材質
の樹木を軸心と直角方向に狭幅で切断した薄板に
より作製した所定形状の素材に、順次真空脱気、
色素注入、二液性樹脂液の真空吸入および板面方
向への周囲からの圧縮加工を施してインサートを
構成し、柿材より成るヘツド本体の打球面に、そ
の打球面とインサートの年輪を直角状態になして
上記インサートを装着してなるゴルフ用ウツドク
ラブのヘツド。