JPS6330224B2

JPS6330224B2 -

Info

Publication number: JPS6330224B2
Application number: JP58111511A
Authority: JP
Inventors: Iseichi Shimizu; Masanori Ogya; Shinichi Yoshioka; Kyobumi Watanabe
Original assignee: Asahi Breweries Ltd
Current assignee: Asahi Breweries Ltd
Priority date: 1983-06-21
Filing date: 1983-06-21
Publication date: 1988-06-16
Also published as: JPS6013659A

Description

【発明の詳細な説明】この発明は飲料容器に関するものである。

内容液を外装容器に直接入れず、予め外装容器
内に装入した可撓性のプラスチツク製内袋に入れ
る容器は、例えば実公昭57−26845号公報に開示
されているように従来から知られている。しかし
ながら、前記容器は内容液としてビールなど内圧
のある飲料を収容した場合、その注出に際して次
のような問題が起る。すなわち、容器を傾ける
か、容器の口部に注出具を装着して中から飲料を
注出し、容器内の飲料が減つてくると、外装容器
の内面と内袋の外面との空隙が真空であるため
に、内袋が縮むことなく、該内袋中の飲料におい
て炭酸ガスが液の上方に遊離してしまうというガ
ス抜け現象が起り、したがつて飲料の品質を落さ
ないようにするには飲料をなるべく短時間で注出
して消費しなければならず、このようなことは例
えば数〜数10もの容量を有する大きい容器で
は到底不可能なことである。

この発明は前記従来の問題に鑑み案出されたも
ので、簡単な構成によつて前記のような内圧のあ
る飲料をガス抜けをおこすことなく長時間に亘つ
て断続的に注出することができる飲料容器を提供
することを目的とする。

前記の目的を達成するため、この発明は頂壁に
開口を有し、かつ頂壁以外の壁に内部に圧力流体
を送り込む装置を有する硬質外装容器と、この容
器内に装入されて内部の内圧のある飲料を収容
し、かつ上部に前記開口に嵌着される中空の注出
筒を有する可撓性のプラスチツク製内袋とを具
え、この内袋の注出筒に注出孔を有する栓体が水
密的に固着され、この栓体の注出孔に飲料注出具
の挿入によつて破断される閉鎖膜が固着され、前
記栓体の底壁に弾性部材の端部が固着され、この
弾性部材が前記飲料注出具の挿入によつて端部を
中心に下方に屈曲して注出孔を開放し、かつ飲料
注出具の引抜きによつて端部を中心に上方に屈曲
して注出孔を閉鎖するように構成されていること
を特徴とする。

以下、この発明の実施例を説明する。

第１，２図において１はステンレス製のビール
樽で、この樽１の頂壁には開口２が穿設されてい
る。開口２部には孔３を有する取付板４が螺着さ
れている。孔３には、上下端が開口し、かつ下端
に環状フランジ５が外向きに設けられた係合部
６、及びその上方に嵌合部７を有する中空注出筒
８の前記嵌合部７が嵌合されている。嵌合部７の
上方には雄ねじ１０と外向き環状溝１１が形成さ
れている。雄ねじ１０にはナツト１３が螺着さ
れ、係合部６との間で孔３の周縁部を上下から挾
持している。また環状溝１１には止栓１５のメタ
ルキヤツプ１６の下縁部がかしめられて固着され
ている。止栓１５はメタルキヤツプ１６が装着さ
れるゴム等の弾性材料からなる筒状栓体１７を具
え、この栓体１７の外周にはメタルキヤツプ１６
を担持する環状の水平張出部１８が設けられてい
る。栓体１７の中央部には上方が開口した縦向き
の注出孔２０が凹設されている。注出孔２０の下
方における栓体１７の下端部は、切れ目２１によ
つて薄層の閉鎖壁２２と、これよりは層厚で、か
つ閉鎖壁２２に一端部が連設されている上下方向
に屈曲可能な弾性壁２３とに形成されている。閉
鎖壁２２は後記の注出パイプの挿入による該パイ
プの尖頭によつて破断されるようになつている。

一方、前記フランジ５には、ビール２６を収容
した可撓性のプラスチツク製内袋２５の開口周縁
部が固着されている。２４はキヤツプ、２７は水
密パツキンである。

また、樽１の底壁には雌ねじ孔２８が尖設さ
れ、この雌ねじ孔２８には上下方向に貫通した連
通孔２９を有し、かつ下部外周に外向き環状溝３
０を形成した雄ねじ部材３１が螺着されている。
雄ねじ部材３１の連通孔２９には止栓３２が装着
されている。

次に前記実施例の作用を説明する。

前記のような生ビール樽１からビール２６を注
出するにあたつては、第３図に示すような先端が
尖頭３５に形成された注出パイプ３６が使用され
る。この注出パイプ３６は外周に設けた環状フラ
ンジ３７に袋ナツト３８を係合して具え、かつ基
端に注出用ホース３９を連結しており、このよう
な注出パイプ３６をフランジ３７が止栓１５の上
端面に当接するまで挿入する。この挿入により閉
鎖壁２２がその尖頭３５によつて破断されるとと
もに、弾性壁２３が連設端部を中心にして下方に
屈曲され、この結果、注出パイプ３６内は注出筒
８を介して内袋２５内と連通される。そして、こ
の連通状態を保つために袋ナツト３８を注出筒８
の雄ねじ１０に螺合し、袋ナツト３８の頂壁下面
と止栓１５の上端面で注出パイプ３６のフランジ
３７を挾持する。一方、雄ねじ部材３１から止栓
３２を取外し、連通孔２９に圧力ガス（例えば空
気）を供給する圧力ガス供給部材（図示せず）に
接続された供給パイプ４１の先端を連結する。

前記の状態において供給パイプ４１から圧力ガ
スを二点矢示のように樽１の内面と内袋２５の外
面とで形成される空隙内に供給すると、このガス
の導入によつて内袋２５が押圧されて縮み、中の
ビール２６の上方、すなわち注出パイプ側へ流動
するので、ビール２６は一点矢示のように注出パ
イプ３６及びホース３９を経て外部へ注出され
る。

第３図は内袋２５内のビール２６が半分近く注
出された状態を示しており、この図からわかるよ
うにビール２６中において炭酸ガスの遊離は見ら
れない。

次に、注出を止めるには圧力ガスの供給を停止
する一方、袋ナツト３８の注出筒８に対する螺合
を外して注出パイプ３６を注出孔２０から引抜
く。すると、弾性壁２３がその弾性力によつて連
設端部を中心に上方に屈曲して元の状態に復帰
し、栓体１７の底壁に密着するので、注出孔２０
は閉鎖される。閉鎖後、弾性壁２３はビール２６
の内圧によつて上方に押圧されるのでビール２６
の注出孔２０からの漏洩はない。この後、止栓１
５にキヤツプ２４を被着すれば、内袋２５内のビ
ール２６を前記のように当初の注出前と同様の状
態を保つて収容しつづけることができる。そし
て、所定時間経過後、再度前記のように注出パイ
プ３６を挿入し、かつ圧力ガスを供給することに
より、同様にしてビール２６の注出ができる。前
記ビール２６の注出に際して注出パイプ３６を引
抜くことなく、ホース３９等に開閉弁を設けてお
き、この開閉弁を閉じることによつてその注出を
止めるようにしてもよい。

内袋２５内のビール２６がなくなつたときは、
取付板４を樽１から取外したうえ、開口２から空
の内袋２５を取出す。そして、新しい内袋を前記
内袋に代えて注出筒８のフランジ５に固着し、再
び開口２から樽１内に装入して取付板４を螺着す
ることによつて取付け、内袋内にビールを注入す
るのである。このようにビールの再注入に際して
は内袋のみを取替えればよく、樽１は元のものの
再使用が可能である。

尚、前記実施例では外装容器として生ビール樽
を挙げたが、これに限定するものでなく、他の外
装容器にも適用できることは言う迄もない。また
圧力ガス供給部材に代え圧力液体供給部材を用
い、樽１の内面と内袋２５の外面とで形成される
空隙内に圧力液体を供給するようにしてもよい。
さらに外装容器の材質としては硬質のものであれ
ばステンレスのほか、アルミニウムや合成樹脂で
もよく、その他細部の設計変更的事項は適宜変更
して実施することができる。

この発明は前記のような構成からなるので、内
袋内に収容された内圧のある飲料にガス抜け現象
が起るのを確実に防止することができる。また、
前記飲料が注出時に用いる圧力流体と直接に接触
しないから、圧力流体として炭酸ガスなど特定の
不活性ガスを用いる必要がなく、しかも仮りに圧
力流体として空気を使用しても飲料が酸化される
虞れも、また衛生上の危惧もない。さらに、注出
筒に固着された栓体の注出孔に飲料注出具を挿入
することにより閉鎖膜が破断されるとともに、弾
性部材が端部を中心に下方に屈曲して注出孔を簡
単に開放することができる一方、飲料注出具の引
抜きにより弾性部材が端部を中心に上方に屈曲し
て注出孔を閉鎖することができ、このような飲料
注出具の挿脱という簡単な作業によつて断続的な
飲料の注出を長時間に亘つてできるのに加え、注
出を行なわないときには前記飲料注出具の抜出し
により注出孔を閉鎖する弾性部材が飲料の内圧を
受けて栓体の底壁に押圧され、飲料が注出孔から
漏洩するのを防止することができるという優れた
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例の縦断正面図、第２
図は同上の要部拡大断面図、第３図は同上の作用
を説明する縦断正面図である。１……生ビール樽、２……開口、３……孔、４
……取付板、８……注出筒、１３……ナツト、１
５……止栓、１６……メタルキヤツプ、１７……
栓体、２０……注出孔、２１……切れ目、２２…
…閉鎖壁、２３……弾性壁、２５……内袋、２６
……ビール、２８……雌ねじ孔、２９……連通
孔、３１……雄ねじ部材、３２……止栓、３５…
…尖頭、３６……注出用パイプ、３９……ホー
ス。

Claims

【特許請求の範囲】

１頂壁に開口を有し、かつ頂壁以外の壁に内部
に圧力流体を送り込む装置を有する硬質外装容器
と、この容器内に装入されて内部に内圧のある飲
料を収容し、かつ上部に前記開口に嵌着される中
空の注出筒を有する可撓性のプラスチツク製内袋
とを具え、この内袋の注出筒に注出孔を有する栓
体が水密的に固着され、この栓体の注出口に飲料
注出具の挿入によつて破断される閉鎖膜が固着さ
れ、前記栓体の底壁に弾性部材の端部が固着さ
れ、この弾性部材が前記飲料注出具の挿入によつ
て端部を中心に下方に屈曲して注出孔を開放し、
かつ飲料注出具の引抜きによつて端部を中心に上
方に屈曲して注出孔を閉鎖するように構成されて
いることを特徴とする飲料容器。