JPS6330009Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はポツト式バーナに関する。

従来、周壁に多数の小孔を穿設した横長筒状の
有底ポツト本体の内部に複数のリング板を配設
し、大燃焼を行なうようにしたポツト式バーナは
実公昭52−48425号公報により公知であるが、こ
のバーナは一般的にポツト本体の底壁の面積即ち
燃料蒸発面積が大きいため微小燃焼を行なわせる
ことが困難である。

そのため近年、第１図乃至第３図に示すように
ポツト本体１を小径の横長筒状とする一方、該本
体１上に水平断面が横長トラツク形状で、周囲に
多数の小孔６を穿設した環状壁５を配置し、これ
により微小燃焼はポツト本体１で行ない大燃焼は
環状壁５内部で行なうようにしたバーナも提案さ
れている。

しかし、このようなバーナ構造であつても微小
燃焼を安定に行なうことは難しい。というのは横
長筒状のポツト本体１内の長手方向両側には第２
図に示すように小孔２を通じての空気が集中する
ため、この部分で炎が上昇しがちになるからであ
る。

それ故、本考案の目的とするところはポツト本
体内の長手方向両側に集中する空気を拡散し、も
つて炎の上昇を抑制することにある。

以下本考案の実施例を第４図乃至第７図により
説明する。

先ず１は周壁１１に多数の小孔２を穿設した横
長筒状の有底ポツト本体であり、従来例同様水平
断面が横長トラツク形状をしていて内部に第１の
上部リング板３と第１の下部リング板４を配設支
持している。５は環状壁であり、この壁５は有底
ポツト本体１の上部に配設され、また該ポツト本
体１の周壁１１の水平断面形状と同様に横長トラ
ツク形状を有し、かつ該周壁１１より外径が大き
くなつている。そしてまた環状壁５には多数の小
孔６が穿設されていて、その下部には一体に底壁
部７が設けられ、該底壁部７の開口部に有底ポツ
ト本体１がシーム溶接により接合されている。と
ころで環状壁５には第２の上部リング板８と第２
の下部リング板９が配設支持されている。そして
第２の上部リング板８には第４図および第５図に
示すように脚１４を介して多孔板材からなる予混
合器１３が吊り下げられている。ここで予混合器
１３はポツト本体１の底壁１２から上昇してくる
気化燃料と小孔２，６からの空気とを均等に混合
させる働きがある。

また最下段のリング板（第１の下部リング板）
４とポツト本体１の底壁１２との間には炎上昇抑
制板としての板材２０が配置され、脚１５，１６
により第１の下部リング板４に支持されている。
ところで板材２０にはポツト本体１内の長手方向
両側に対応して多数の孔２３を有する炎上昇抑制
素子２１，２２が対に配置され、第６図から明ら
かなように中央には開口１０が設けられている。

以上のような構成からなる実施例は燃焼直後は
燃料が有底ポツト本体１に供給されて燃焼し、そ
の燃焼熱によつて気化が促進される。

また燃料の気化ガスは途中で小孔２からの空気
と混合しながら第１の下部リング板４内を通り、
次いで第１の下部リング板４上方で、上段の小孔
２からの空気とさらに混合しようとするが、微小
燃焼では混合ガスが第１の下部リング板４を通過
する近辺で可燃範囲となるため第１の下部リング
板４近くの小孔２にて微小炎を形成する。

次に大燃焼を行なうため燃料供給を増すと、ポ
ツト本体１内での混合ガスはその濃度が濃くなる
ためポツト本体１内では燃焼できずにさらに上昇
する。そして予混合器１３を通じて空気を徐々に
取り入れ、可燃範囲となつた段階で環状壁５の小
孔６にて燃焼する。このため最大燃焼時には最上
段の小孔６からの二次空気により燃焼が達成され
る。

ところで微小燃焼時には燃料供給量が少なく、
小孔２からの空気過多が燃焼に大きく影響する。
特にポツト本体１内の長手方向両側にはその構造
上空気過多が生じやすく炎が上昇することは既に
述べたとおりである。しかし実施例では最下段の
リング板４とポツト本体１の底壁１２との間にお
けるポツト本体１内の長手方向両側に多数の孔２
３を持つ炎上昇抑制素子２１，２２を対に配置し
たため、ポツト本体１の底壁１２両側に集まる空
気は第４図に示す矢印のように拡散され、したが
つて炎が上昇することは防止される。

また炎上昇抑制板としての板材２０には開口１
０が設けられているため、下方の小孔２から噴出
された空気は第７図に示すように開口１０を通過
し、このことで空気と気化ガスは十分に混合され
る。

以上実施例により説明してきたが、炎上昇抑制
素子２１，２２は第８図に示すように別個独立に
設けてもよく、勿論炎上昇抑制素子２１，２２を
最下段のリング板４に固定せずに独立の構造物に
固定することも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のポツト式バーナの横断面図、第
２図は同様の平面図、第３図は同様の正面図、第
４図は本考案実施例の横断面図、第５図は同様の
実施例におけるリング板、炎上昇抑制板および予
混合器の分解斜視図、第６図は同様の実施例にお
ける炎上昇抑制板の平面図、第７図は本考案実施
例の縦断面図、第８図は本考案の他の実施例を示
す要部斜視図である。 １……有底ポツト本体、２……小孔、３……第
１の上部リング板、４……第１の下部リング板、
８……第２の上部リング板、９……第２の下部リ
ング板、１０……開口、１１……ポツト本体の周
壁、１２……ポツト本体の底壁、２０……板材、
２１……炎上昇抑制素子、２２……炎上昇抑制素
子、２３……孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 周壁に多数の小孔を穿設した横長筒状の有底
   ポツト本体の内部に複数のリング板を配設する
   とともに、最下段のリング板と該ポツト本体の
   底壁との間におけるポツト本体内の長手方向両
   側に多数の孔を持つ炎上昇抑制素子を対に配置
   したことを特徴とするポツト式バーナ。 (2) 前記対の炎上昇抑制素子は一枚の板材に設け
   られている実用新案登録請求の範囲第１項記載
   のポツト式バーナ。 (3) 前記炎上昇抑制素子を有する板材には開口が
   設けられている実用新案登録請求の範囲第２項
   記載のポツト式バーナ。 (4) 前記炎上昇抑制素子は前記最下段のリング板
   に固定されている実用新案登録請求の範囲第１
   項または第２項または第３項記載のポツト式バ
   ーナ。