JPS632953Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動販売機の商品移動送り出し装置に
係るもので、特にループ状にコンベアを設けた冷
凍食品用の自動販売機に関する。

（従来の技術） 従来、商品移動装置１は第１図に示すように、
商品載置棚１を有するコンベア２をプーリ，４に
掛け渡し、プーリ３と同軸の回転円板５の周縁部
に設けた細孔６にモータ７の回転軸８に固定した
ギア２３を歯合させて、コンベア２を駆動し、前
記載置棚１を順次商品排出装置に移動させるよう
になつているものが知られている。

また商品送り出し装置は第２図乃至第４図に示
すように、商品送り出し板９を枢軸１３で支持
し、軸受板１２１を介して軸方向に摺動可能に上
面及び前面を開口し底面前方を切欠いた箱形状の
摺動部材１５を設け、該摺動部材１５に上記商品
送り出し板９の商品との係合端９１と反対側の端
部９２をピン１４結合して、該摺動部材１５の前
後摺動によつて、該商品送り出し板９が前記枢軸
１３の周りに旋回動作するようになすとともに、
上記商品送り出し板９が常に待機状態に戻るよう
に上記摺動部材１５がスプリング１８に付勢され
ており、コンベア２を駆動する回転軸８に連動す
る回転アーム２０を設け、該回転アーム２０の一
回転の間、該アーム２０の先端が上記摺動部材１
５の下部の係合板１９に一時的に係合して、上記
摺動部材１５をスプリング１８の付勢力に抗して
摺動させるようになつており、これによつて商品
送り出し板９の商品送り出し動作が行なわれるも
のが知られている（特開昭55−53794号）。

また、特公昭53−2759号の商品移動送り出し装
置においては、複数の爪を有するカム板の回転に
より送り出しアームを介して送り出し板を揺動さ
せ、商品の送り出しを同時に行なう機構が示され
ている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、特開昭55−53794号における自動販売
機の商品移動送り出し装置にあつては、摺動部材
１５と商品送り出し板９とをピン１４結合するた
めに、摺動部材１５が複雑な箱形状となつて部品
点数が多く製作組立コストが嵩む難点がある。

また、特公昭53−2759号の商品移動送り出し装
置にあつては、商品の形や大きさに応じて送り出
し板の揺動角を変えるには、カム板の爪の高さを
切削加工で変える必要があり、しかも大きな爪を
要する場合はカム板全体を交換しなければなら
ず、更に揺動角の微調整は極めて困難である。

本考案は、かかる事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、摺動部材の形状が簡単でしか
も商品送り出し板の揺動角を容易に調整できると
共に微調整も可能な自動販売機の商品移動送り出
し装置を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記目的を達成するため、上下方向に
間隔を有して設けられた一対のプーリに掛け渡さ
れた商品載置棚を有するループ状コンベアと、該
コンベアに近接して設けられ上下方向に延設され
た回転軸と、該回転軸の上端部に連結された駆動
モータと、該回転軸の中間部に設けられた歯車
と、該歯車と周縁部に均等に配設された細孔とが
歯合するよう前記一方のプーリに同軸に設けられ
た円板と、前記コンベアの前方に設けられ前記商
品載置棚の移動と連動して商品を該商品載置棚の
前方に設けた商品排出位置に送り出す商品送り出
し板とを備え、該商品送り出し板は前後方向に回
動自在に中間部を軸支され商品と当接する下端部
が常に後方向に戻るようばね付勢されている自動
販売機の商品移動送り出し装置において、前記商
品送り出し板の上端部には前後方向に摺動可能な
摺動棒の水平方向に屈曲した先端部を軸支し、前
記回転軸には半径方向に挿通延在させたピンを回
転軸の半径方向へ移動調整可能に設け、該摺動棒
の中間には上下方向に突出した突起を該ピンの先
端の回動軌跡内に設けたことを特徴とする。

（作用） 本考案によれば、回転軸の上端に設けられた駆
動モータを作動させて該回転軸を回転させると、
該回転軸の中間に設けられた歯車が一方のプーリ
と同軸に設けられた円板の周縁の細孔と歯合する
ので、プーリが回転してコンベアを上下方向に駆
動し、商品を収納した商品載置棚を商品排出装置
に移動させる。一方、回転軸の半径方向に延在し
たピンが回転軸とともに回転し、その先端の回動
軌跡内に設けられた摺動棒の突起と一時的に係合
し、摺動棒をばね付勢力に抗して後方向に摺動さ
せる。そうすると、コンベアの前方に設けられ前
後方向に回動自在に中間部を軸支され上端部に摺
動棒の先端部を軸支した商品送り出し板の下端部
が前方向に回転し、前記商品載置棚の商品と当接
してそのまま商品を前方向に送り出す。次に前記
回転軸のピンが摺動棒に突起から離れると、前記
ばね付勢力により商品送り出し板の下端部は後方
向に回転しもとの位置に戻る。

また、回転軸のピンを伸縮調整すれば、摺動棒
の摺動距離と商品送り出し板の揺動角度が変わる
ため、異なる寸法の商品送り出しに容易に対処で
きる。

（実施例） 第５図及び第６図は本考案の一実施例を示し、
従来例との同一構成部分は同一符号にて表わす。
即ち第５図は、本考案による自動販売機の要部を
示す断面図で、第１図の従来例と同様に等間隔を
もつて商品載置棚１を有するコンベア２を一対の
スプロケツト３（下側のスプロケツトは図示せ
ず）に掛け渡し、スプロケツト３と同軸の回転円
板５の周縁部に設けた細孔６にモータ７の出力軸
７１に連結する回転軸８に連動のギア２３を歯合
させて、コンベア２を駆動し、載置棚１を順次商
品排出位置に移動させるようになつている。

商品排出装置には、枠体１２にピン１３で支持
された商品送り出し板９の先端、即ち商品との係
合端９１が配置されている。他方、商品送り出し
板９の商品との係合端９１と反対側の端部９２に
は摺動棒１５が遊合状態で軸支されている。

摺動棒１５は枠体１２上のギアボツクス１２２
に取付けた軸受板１２１へ一端を挿通され、他端
はＬ形に曲げて前述のように商品送り出し板９の
端部９２に遊合させる。この結果、摺動棒１５は
軸方向に摺動可能であり、このとき商品送り出し
板９をピン１３の周りに旋回動作させる。ところ
で商品送り出し板９の端部９２と枠体１２との間
にスプリング１８が掛けられ、摺動棒１５が第５
図で示すように前方へ、従つて商品送り出し板９
の先端が後退した待機位置に戻るように付勢され
ている。

また摺動棒１５にはその摺動方向と直角方向に
突部１９としてのピンが挿入されている。なおピ
ンの代わりにＥリングを摺動棒１５に嵌めこみ突
部１９を形成することもできるし、摺動棒１５自
体の折り曲げ形成により突部１９を形成してもよ
い。また回転軸８にも直角方向にピン２０を挿通
延在させ、ピン２０の先端２０１を回転軸８から
離間させる。このことで回転軸８の一回転の間
に、上記摺動棒１５の突部１９に一時的に係合さ
せる。尚、ピン２０は軸方向に可動となし、従つ
てピン２０としては径方向に縮まるようなスプリ
ングピンが選ばれる。

ここで回転軸８はモータ７の出力軸７１に連動
するが、該モータ７の出力軸７１にはモータ７の
停止スイツチ（図示せず）が付設され、出力軸７
１が一回転するとモータ７は停止するようになつ
ている。また回転軸８にはギアボツクス１２２に
内蔵されたギア２４が結合され、さらに枠体１２
等を軸受け部とした軸１６に結合された２枚のギ
ア２２，２３のうち上側のギア２２は前記ギア２
４と歯合される。また回転円板５を回転させるギ
ア２３と該ギア２３の上側のギア２２とは同時の
回転する。

本実施例によれば、モータ７を回転すると、回
転軸８に直結したギア２４と噛み合つたギア２２
と同時にギア２３が回転し、この結果、回転円板
５が第５図中時計方向に回転することでスプロケ
ツト３が駆動され、コンベア２が駆動される。ま
たこのコンベア２駆動時には、回転軸８が第６図
中矢印ａ方向に回転されているため、ピン２０と
摺動棒１５の突部１９とが係合しこれによつて摺
動棒１５が第６図中矢印ｂ方向に後退して商品送
り出し板９の先端を第５図中矢印ｃ方向のように
前方へ移動するので商品の送り出しが行なわれ
る。またピン２０の引き続く回転によつてピン２
０の先端は第６図中２点鎖線の軌跡のように突部
１９から離れて行き、これによつて摺動棒１５
は、スプリング１８の引張り力で前方へ移動し、
商品送り出し板９の先端は第５図中矢印c′方向の
ように後退する。一方次の載置棚１の商品は排出
位置に位置づけられる。

なお、図示の実施例では、一商品排出は、一対
のスプロケツト３の1/2回転で行なわれ、これに
よつて載置棚１が一つずつ前進するようになつて
いる。一方回転軸８が一回転する間に一対のスプ
ロケツト３は1/2回転するようにギア２２，２３，
２４のギア比等が選ばれている。具体的にはギア
２４に対するギア２２のギア比は1/2であり、ギ
ア２３の歯数は回転円板５の細孔数の1/4である。

なおギア２２，２３，２４は載置棚１の移動距
離を調整するためのものであり、その枚数は限定
されず移動距離が短かければ、ギア２２と２４を
組み合わせるだけでもよく、勿論ギア２４を直接
回転円板５に歯合させてもよい。

また、商品送り出し板９の先端の移動距離と移
動開始時期は回転軸８からピン２０先端までの離
間距離とピン２０の初期角度により決定されるた
め、前記移動距離を調整するときにはピン２０を
没入したり、突出させたりし、移動開始時期の調
整はモータ７の出力軸７１と回転軸８とを連結す
る以前に回転軸８をわずかに進ませておいたり、
遅らせておけばよい。

（考案の効果） 以上詳述したように、本考案における自動販売
機の商品移動送り出し装置によれば、複雑形状の
摺動板が不要になり、回転軸のピン長さを変える
だけで商品送り出し板の揺動角が容易に調整でき
ると共に微調整も行なえる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す商品移動送り出し装置を
示す自動販売機の断面図、第２図は従来例の商品
移動送り出し装置を示す斜視図、第３図は第２図
の要部拡大斜視図、第４図は従来例を示す動作説
明図、第５図は本考案実施例を示す断面図、第６
図は本考案実施例を示す平面図である。 １…商品載置棚、２…コンベア、３…スプロケ
ツト、５…回転円板、６…細孔、７…モータ、８
…回転軸、９…商品送り出し板、９１…商品との
係合端、９２…商品送り出し板の端部、１２…枠
体、１３…ピン、１５…摺動棒、１８…スプリン
グ、１９…突部、２０…ピン、２２，２３，２４
…ギア。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下方向に間隔を有して設けられた一対のプー
   リに掛け渡され商品載置棚を有するループ状コン
   ベアと、該コンベアに近接して設けられ上下方向
   に延設された回転軸と、該回転軸の上端部に連結
   された駆動モータと、該回転軸の中間部に設けら
   れた歯車と、該歯車と周縁部に均等に配設された
   細孔とが歯合するよう前記一方のプーリに同軸に
   設けられた円板と、前記コンベアの前方に設けら
   れ前記商品載置棚の移動と連動して商品を該商品
   載置棚の前方に設けた商品排出位置に送り出す商
   品送り出し板とを備え、該商品送り出し板は前後
   方向に回動自在に中間部を軸支され商品と当接す
   る下端部が常に後方向に戻るようばね付勢されて
   いる自動販売機の商品移動送り出し装置におい
   て、前記商品送り出し板の上端部には前後方向に
   摺動可能な摺動棒の水平方向に屈曲した先端部が
   軸支され、前記回転軸には半径方向に挿通延在さ
   せたピンを回転軸の半径方向へ移動調整可能に設
   け、該摺動棒の中間には上下方向に突出した突起
   を該ピンの先端の回動軌跡内に設けたことを特徴
   とする自動販売機の商品移動送り出し装置。