JPS63289Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、所定のゴルフクラブヘツドを分割
して部分化した金属殻を一体に固着して成るゴル
フクラブヘツドに関する。

〔従来技術とその問題点〕

近年ウツドクラブに替わり金属製中空クラブヘ
ツドが知られている。かかるクラブヘツドはロス
トワツクス法によつて製作されているが、ピンホ
ール、ラツクが生じ易いと云う問題点が指摘され
る。

このような問題点を解決する手段として、特公
昭39−21878号公報のアイアンクラブヘツドの製
造法が公知である。この製造法はフエース面部を
開放させて板材でソール及びネツクを有する中空
殻を形成し、フエース板を中空殻のフエース面に
取り付けるものである。このようなクラブヘツド
においては、各部の厚さ、例えばソールと上面の
厚みを大幅に調節できないため、ゴルフクラブヘ
ツドの重心調節、バランス調節が正確に行われな
い。

さらに前記のように重心位置を自由に設定でき
ないため、重心を前側下方に設定してスイング時
の慣性モーメントを大きくして、クラブヘツドの
重量が小さい割には手ごたえのあるゴルフクラブ
ヘツドを提供することはできない。

このような問題点を解決する一手段として、す
でに同一出願人は３分割殻によるゴルフクラブヘ
ツドを実願昭57−119435号（実開昭59−24068号）
を提案している。しかしかかる提案においては分
割殻が比較的大きいため、重心を微調節すること
はできなかつた。

〔考案の目的〕

この考案は所定のゴルフクラブヘツドを分割し
て部分化した金属殻を一体に固着するゴルフクラ
ブヘツドにおいて、重心を前側下方に位置させ慣
性モーメントを大きくすると共にこの重心を微調
節して、プレイヤーに合つたゴルフクラブヘツド
を提供することを目的とする。

〔考案の概要〕

この考案は所定形状のゴルフクラブヘツドをフ
エース面殻部、一側の半割ネツク部を設けた上面
殻部、及びソール殻部並びに他側の半割ネツク部
を設けた側周殻部を有する中空体にプレスにより
３分割形成し、これらをシヤフトと共に一体に接
合し、ソール殻部に添着する横杆部の先端にフエ
ース面殻部に添着する下方が幅大の縦杆部を連設
し、かつ前記フエース面殻部、中空体、上面殻部
の順に厚みを薄くするものである。

〔考案の実施例〕

次にこの考案の実施例を添付図面に基づいて説
明する。

第１，２図はこの考案の実施例を示しており１
はフエース面殻部、３は上面殻部、２はソール殻
部２ａ及び側周殻部２ｂを有する中空体である。
これらはプレス等の鍜造によつて形成され、溶接
等によつて一体に接合される。そしてフエース面
殻部１の厚みは２〜４mm、望ましくは３mm、中空
体２の厚みは0.9〜1.6mm、望ましくは1.2mm、上面
殻部３の厚みは0.9〜1.3mm、望ましくは１mmに設
定する。

４は中空部ａの両側に配設する三角型の補強部
材であり、縦杆部４ａがフエース面殻部１の背面
に、この縦杆部４ａの下端に連設する横杆部４ｂ
がソール殻部２ａに溶着等により添着する。さら
に前記縦杆部４ａは上端幅Ｌより下端幅Ｗを大き
く形成し、又縦杆部４ａの上端と横杆部４ｂの中
央寄りには斜杆部４ｃを斜設する。４ｅはこられ
に囲まれた中央抜き部である。４ｄは側周殻部２
ｂに当接する横杆部４ｂの後端である。そしてこ
の補強部材４を内設して前記フエース面殻部１、
上面殻部３及び中空体２の縁部を溶着して中空に
て一体に形成して、ゴルフクラブヘツドを形成す
る。

５はシヤフト６の基端部６ａを挿入固着する為
のシヤフト取付用パイプであり、上面殻部３に連
設した一側半割ネツク部３ａと中空体２に連設し
た他側半割ネツク部２ｃを溶着して形成するネツ
クｂに上端５ｂを固着し、下端５ａをソール殻部
２ａに固着する。

以上のように、フエース面殻部１、上面殻部３
及び中空体２の３分割とすることによつて、プレ
スで各々を製作する際前記各部分の前記の厚みを
自由に設定でき、ゴルフクラブヘツドのスイート
スポツトと密接な関係にある重心位置、重量バラ
ンスを自由に設定できると共に、重心を前記厚み
の相違によつて前側下方に設定できる。しかも、
補強部材４の縦杆部４ａの上端幅Ｌより下端幅Ｗ
を大きくすることによつて、補強部材４の重心も
前側下方に設定でき、この結果補強部材４によつ
てゴルフクラブヘツドの重心を微調節できる。

又製作時において縦杆部４ａの下端に連設した
横杆部４ｂをソール殻部２ａに固着し、次にフエ
ース面殻部１を縦杆部４ａに添着することによつ
て、フエース面殻部１は所望角度のロフトを得る
ことができる。

さらに、予め補強部材４を設けることによつ
て、正確なロフトが形成でき、又補強部材４を選
択して、ゴルフクラブヘツドに内設することによ
り、ロフトの調節機能が発揮できる。したがつて
各プレイヤーの所望するロフトを有するゴルフク
ラブを提供できる。

シヤフト６の取付けはソール殻部２ａに下端５
ａを固着したシヤフト取付用パイプ５により行う
ことによつて、挿着長さを大きくでき堅牢な取付
けが可能となる。又シヤフト６のライに対応して
下端５ａを固着することによつて、正確なライが
設けられる。これは下端５ａの位置を大きく動か
しても、シヤフト６のライ自体は極小であること
を利用するものである。

中空体２に半割ネツク部２ｃを形成し、上面殻
部３に半割ネツク部３ａを形成することにより、
シヤフト取付用パイプ５の上部取付箇所であるネ
ツクｂの製作を正確に、しかも容易にできる。

ゴルフクラブヘツドの各部材をプレス等の鍜造
によつて形成し、これらの縁部を固着しているも
のでは、やや強度的に弱いが、中空部ａに補強部
材４を固着することにより、各部を堅牢に固着す
ることが出来、堅牢なゴルフクラブヘツドを提供
することができ、又補強部材４には斜杆部４ｃを
設けることによつて、シヨツト時に生ずる衝撃力
を広く分散できるため、フエース面殻部１の変形
防止機能を高めることができる。しかも補強部材
４には縦杆部４ａ、横杆部４ｂ及び斜杆部４ｃに
よつて中央抜き部４ｅが形成されるため、補強部
材４の軽量化が図れ、その結果、堅牢さと軽量化
を可能とした。同時に縦杆部４ａの上端幅Ｌを下
端幅Ｗより小さくすることによつて、縦杆部４ａ
の強度が向上し、又ゴルフクラブヘツドの重心位
置の後下方へ調節でき、重心深度を大きくして広
いスイートエリアが可能となる。又重量バランス
の調節も行うことができる。

〔考案の効果〕

この考案は所定形状のゴルフクラブヘツドをフ
エース面殻部、一側の半割ネツク部を設けた上面
殻部、及びソール殻部並びに他側の半割ネツク部
を設けた側周殻部を有する中空体にプレスにより
３分割形成し、これらをシヤフトと共に一体に接
合し、ソール殻部に添着する横杆部の先端にフエ
ース面殻部に添着する下方が幅大の縦杆部を連設
し、かつ前記フエース面殻部、中空体、上面殻部
の順に厚みを薄くするものであり、従来技術に比
較して、前記３分割殻の厚みの相違によつて重心
を前側下方に設定でき、さらに補強部材の縦杆部
の幅の相違によつて、補強部材ひいてはゴルフク
ラブヘツドの重心を微調節できる。さらに半割ネ
ツク部によつて、製作の簡素化が図れる等産業上
の効果も発揮できる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示しており、第１図
は分解状態を示す斜面図、第２図は要部の断面図
である。 １……フエース面殻部、２……中空体、２ａ…
…ソール殻部、２ｂ……側周殻部、２ｃ……半割
ネツク部、３……上面殻部、３ａ……半割ネツク
部、４……補強部材、４ａ……縦杆部、４ｂ……
横杆部、４ｃ……斜杆部、５……シヤフト取付用
パイプ、６……シヤフト、ａ……中空部、ｂ……
ネツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 所定形状のゴルフクラブヘツドをフエース面殻
   部、一側の半割ネツク部を設けた上面殻部、及び
   ソール殻部並びに他側の半割ネツク部を設けた側
   周殻部を有する中空体にプレスにより３分割形成
   し、これらをシヤフトと共に一体に接合し、ソー
   ル殻部に添着する横杆部の先端にフエース面殻部
   に添着する下方が幅大の縦杆部を連設し、かつ前
   記フエース面殻部、中空体、上面殻部の順に厚み
   を薄くすることを特徴とするゴルフクラブヘツ
   ド。