JPS6328900Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ペンキ塗装をする際に用いる塗装用
刷毛に関する。

従来、刷毛先の基部を植設、結束等の適宜固定
手段で刷毛本体の刷毛先保持部に固定保持し、該
刷毛先保持部と対向する刷毛本体位置に傾斜状に
延伸して取付けられる柄部とから構成される塗装
用刷毛がある。この刷毛において柄部を傾斜させ
た理由は、柄部を把持し易いものにして、塗装作
業を容易にさせんとすることにあつた。ところ
で、この刷毛を用いて垂直部を塗装する場合に
は、刷毛先に浸したペンキが刷毛本体又は柄部を
伝わつて床や手に垂れ落ることがあつた。これは
刷毛本体に取付けられた柄部の傾斜方向と同一方
向に位置する刷毛本体の一側横縁上に、刷毛先保
持部の一端縁部よりも外方へ膨隆した形状の突出
部が存在していたため（即ち刷毛先の巾寸法が刷
毛本体の最大巾寸法よりも小さい状態）、この突
出部に余剰ペンキの垂れが伝わることが原因であ
つた。ペンキの垂れ落ちは、床や手を汚すため、
円滑な塗装作業を阻害し、かつ塗装作業後の清掃
を余儀無くさせる等の問題を惹起していた。

本考案は、上記の問題を解消した塗装用刷毛を
提供せんとするものである。

つぎに本考案を図面の実施例について説明する
と、第１図は従来刷毛にて垂直部を塗装する状態
の側面図であり、この場合にはペンキの垂れ落ち
が認められ、第２図はこの垂れ落ちを防止するた
め柄部の傾斜方向を上方へ向けたものであり、こ
の状態においては塗装作業が難儀なものとなる欠
点がある。第３図は本考案の刷毛の側面図、第４
図は同縦断正面図を示している。

図中符号１は毛を束ねた刷毛先であり、この刷
毛先１は、木製、合成樹脂製等適宜の素材からな
る刷毛本体２に植設、結束等の保持手段により固
定されている。刷毛本体２の刷毛先１を固定した
部位は刷毛先保持部２ａであり、この刷毛先保持
部２ａの対向する位置には柄部３が傾斜状に延伸
して取付けられている。また刷毛先保持部２ａの
一端と上縁部８における柄部３の取付位置とを結
ぶ刷毛本体の片側横縁２ｂ上には、前記刷毛先保
持部２ａの一端２ｃ位置よりも刷毛本体の内方へ
窪んだ形状の凹陥部４が形成されている。

符号５はペンキの垂れ落ち、６は被塗装面であ
り、７は従来塗装用刷毛の突出部であり、またｌ
１は刷毛先の巾寸法、ｌ２は刷毛本体の最大巾寸
法である。

従来の塗装用刷毛には突出部７が存在し、被塗
装面６が垂直部である場合には、塗装作業時にこ
の突出部７が刷毛先１の位置よりも下方、即ち刷
毛先保持部２ａの縁部２ｃ位置よりも下方に位置
することになるため、刷毛先１に浸したペンキが
片側横縁２ｂに沿つて突出部７に流れ、突出部７
に溜まつたペンキが垂れ落ちていた。本考案では
突出部７の位置に凹陥部４を形成したので、前記
と同様の塗装作業時には凹陥部４が刷毛先１の位
置よりも上方、即ち刷毛先保持部２ａの一端２ｃ
位置よりも上方に位置することとなり、ペンキが
片側横縁２ｂに沿つて流れることがなく、そのた
め垂れ落ちが全くない（第３図参照）。

本考案によれば、柄部３を常時下向状態にして
塗装作業を行つてもペンキの垂れ落ちという問題
が発生せず、従来のように柄部を上向状態にする
という不自然な塗装姿勢をとる必要は全くない。

よつて本考案は円滑で快適な塗装作業を保証
し、垂れ落ちペンキの清掃という煩らわしさから
作業者を解放する等のすぐれた効果を具有する。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来の塗装用刷毛の側面
図、第３図は本考案の側面図、第４図は同縦断正
面図である。 １……刷毛先、２……刷毛本体、２ａ……刷毛
先保持部、２ｂ……片側横縁、２ｃ……刷毛先保
持部の一端、３……柄部、４……凹陥部、５……
ペンキの垂れ落ち、６……被塗装面、７……突出
部、８……上縁部、ｌ１……刷毛先の巾寸法、ｌ
２……刷毛本体の最大巾寸法。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刷毛本体の刷毛先保持部に刷毛先の基部を固定
   し、該刷毛本体における刷毛先保持部と対向する
   位置に存する上縁部の一側端部位置に、該上縁部
   に対して傾斜状に延伸して取付けられた柄部とか
   ら構成される塗装用刷毛において、刷毛先の巾寸
   法が刷毛本体の最大巾寸法よりも小さくなく、か
   つ刷毛先保持部の一端と前記上縁部における柄部
   取付位置とを結ぶ刷毛本体の片側横縁上に、上記
   刷毛先保持部の一端よりも刷毛本体の内方へ窪む
   形状の凹陥部が形成されていることを特徴とする
   塗装用刷毛。