JPS6328106Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、折込型注出スパウトの展開操作を容
易にした紙容器に関するものである。

（従来の技術） 牛乳カートンに代表される紙容器は、表裏両面
に熱可塑性樹脂の被覆を施した板紙素材を成形し
たものであつて、特に切妻型頂部に折込型注出ス
パウトを有するものが広く使用されている。従
来、この折込型注出スパウトの構造には２種類あ
つて、一方はスパウト形成時に相互に剥離される
４個のパネルに抗接着剤を施すもの（実公昭46−
4660号）、他方は、内容物充填後にこの部分の熱
接着をすることなく、その上に位置する垂直フラ
ツプのみを熱接着して密封するものである。

（考案が解決しようとする課題） しかし、上記した従来の紙容器は、いずれも密
封性と易開封性とを調和良く満足しているとはい
えないのが実情である。

本考案は、密封性と易開封性の両面からの要求
を調和良く実現した紙容器を提供することを目的
とする。

（課題を解決するための手段） 本考案に係る紙容器は、表裏の全面に熱可塑性
樹脂を被覆した板紙素材から成形された切妻型頂
部に折込型注出スパウトを有する紙容器におい
て、紙容器成形時に相互に全面接着されスパウト
形成時に相互に剥離されるパネルの少なくともい
ずれか一方に、紙層内剥離を可能にするハーフカ
ツトを施したことを特徴とする。

（作用） 紙容器の開封に際して、相互に全面接着されて
いるパネルが引き剥がされようとするときに、ハ
ーフカツトで形採られた部分が、この切込み部を
契機として紙層中の層間剥離に移行する結果、剥
離による注出スパウトの展開操作が容易にでき
る。

（実施例） 以下、図面に従つて説明する。第１図は本考案
の実施例に係る紙容器の折込型注出スパウトの展
開状態を示す斜視図である。図中、折込型注出ス
パウトは、注出側フラツプ１，２とその各々に接
着する隣接フラツプ３，４とから構成されてい
る。更に、この隣接フラツプ３，４の内面側には
台形状のハーフカツト５が施されている。

このハーフカツトにより、折込型注出スパウト
の展開時に、注出側フラツプ１と隣接フラツプ３
との相互間、並びに注出側フラツプ２と隣接フラ
ツプ４との相互間について、その各々の剥離操作
が容易になる。つまり、剥離はフラツプどうしの
接着面ではなく、一方のフラツプの紙層内で生
じ、剥離された面が他方のフラツプに接着した状
態で両フラツプが分離されるが、ハーフカツト
は、この紙層内での剥離を促す効果がある。

第２図、第３図、第４図及び第５図は、本考案
に係るハーフカツトを施す位置を示す紙容器内面
の頂部展開図であり、１及び２は注出側フラツ
プ、３及び４は隣接フラツプであり、５はハーフ
カツトである。このように、ハーフカツトは、注
出側フラツプのみ、或いは隣接フラツプのみに設
けても良く、またその双方に設けても良い。

ハーフカツトによる輪郭は矩形、台形等任意で
あり、この他第５図に示すような、く字型に開放
した形状等、紙層内剥離に契機を与えるだけのハ
ーフカツトでも良い。尚、ハーフカツトの深さは
表層の熱可塑性樹脂層を切込み、紙ベース中に達
していれば足りる。表層の熱可塑性樹脂層の下
に、アルミ箔層や他の合成樹脂層が施されている
場合にも、これらの層を切込み、紙ベース中に達
することが必要である。

また、第３図に示す如く、注出側フラツプ１と
２との中間スコアの上端に対称形の切欠き６を入
れておくと、剥離は一層、容易になる。

（考案の効果） 以上、詳述した通り、本考案に係る紙容器は、
折込型注出スパウトの展開操作が容易であると共
に、密封性も万全であつて、その実用的価値は高
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例に係る紙容器の斜視
図、第２図、第３図、第４図及び第５図は、いず
れもハーフカツトを施す位置を示す紙容器頂部の
展開図である。 １，２……注出側フラツプ、３，４……隣接フ
ラツプ、５……ハーフカツト、６……切欠き。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表裏の全面に熱可塑性樹脂を被覆した板紙素材
   から成形された切妻型頂部に折込型注出スパウト
   を有する紙容器において、紙容器成形時に相互に
   全面接着されスパウト形成時に相互に剥離される
   パネルの少なくともいずれか一方に、紙層内剥離
   を可能にするハーフカツトを施して、パネル間の
   剥離を容易にした紙容器。