JPS6327986B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、流体が流れる流路中に磁石を置いて
それに鉄サビを付着させる流体中の鉄サビ除去方
法の改良に関する。

従来、流体に浮遊する鉄サビの除去方法として
は、濾過による方法、沈降による方法、比較的単
純な形状の磁石を流体内あるいは外部に置いて鉄
サビを付着させる方法がある。

濾過による方法は、流体を一定の速度で流す必
要がある場合には全く用をなさず、また、濾過装
置の目詰まり、あるいは微生物や細菌の繁殖が生
じるなどの欠点がある。

沈降による方法は微粒子を収集できず、流体の
流れを一部分で止めるか、極めて低速にする以外
に良好な除去ができない欠点がある。

磁石を用いる従来の方法では、磁石を流路全面
に配置するか、又は移動させなければ、鉄サビの
完全な捕獲は困難である。また、鉄サビが付着し
た磁石あるいは捕獲した鉄サビを間歇的に系外に
取出す必要があり、さらに、流速が大きい場合は
鉄サビが磁石に移動するのに抵抗が大きく、捕獲
されにくくなり、また、大きな磁石を流路に挿入
した場合は、流体の流れを阻害するという欠点が
ある。

本発明は、流体中の鉄サビを効率よく除去する
方法に係るもので、磁石による従来の鉄サビ除去
方法を改善し、流体の流れを妨げずに、高い除去
率を有する流体中の浮遊鉄サビ除去方法の提供を
目的とする。

即ち、本発明は、棒状の磁石体を流体が流れる
流路の断面全体をほぼ覆うように錐形に形成し、
同磁石体を流路中に配置して鉄サビを吸着させ、
その後同磁石体を流路の下部に設けた溜り部に移
動させるとともに消磁させて吸着した鉄サビを脱
落させ、同溜り部に脱落した鉄サビを同溜り部に
設けた排出手段により流路の外部に排出すること
を特長とする流体中の鉄サビ除去方法に係り、前
記磁石体を流路及び溜り部の間を周期的に移動さ
せるとともに、溜り部内に磁石体が移動する毎に
周期的に消磁させるようにすればよい。

本発明方法によれば、棒状の磁石体を流体が流
れる流路の断面全体をほぼ覆うように錐形に形成
した磁石体を用いているため、流体の流れを阻害
することなく、かつ効率的に流体中の鉄サビを除
去できる。

次に本発明方法の一実施例を図面に基づいて説
明する。

本実施例を第１図〜第３図に示す。第１図は鉄
サビＳが浮遊する流体Ａが流れる管１の中に円錐
形うずまき状の磁石２を配置した状況を示す。こ
のとき磁石２は磁性を有しており、流体中の鉄サ
ビＳはこの磁石表面に磁化して付着する。その結
果、浮遊する鉄サビＳが除去された流体Ｂが下流
側に流れる。

第３図は管１の横断面図を示すが、ここに示さ
れるように、磁石２には管外部から作動できるハ
ンドル３が取付けられており、これを作動して第
２図に示すように磁石２を管１の下部に設けられ
た溜り部４の中に移動させることができる。ここ
で磁石２は例えば電磁石からなり、第３図に示す
ように磁石２に導線を介して連結された電源６お
よびそれの開閉スイツチ７を作動して磁石２を磁
化あるいは消磁させる。磁化あるいは消磁操作は
ハンドル３と自動あるいは手動により連動させる
ことができ、磁石２が管１の中にある場合は磁化
され、溜り部４の中に移動した場合は消磁され
る。なお、このような磁石２の移動は周期的に行
なわれるものであつて、回転あるいは平行移動な
ど他の手段を用いてもよい。

ところで第２図の状態で、磁石２は溜り部４に
移入すると同時に、一時的に消磁され、付着した
鉄サビを脱落させる。その結果、鉄サビＳは溜り
部４の中に堆積する。この堆積した鉄サビは溜り
部下方に設けられたバルブ５を開けることによつ
て、管路外へ排出される。第２図の状態で磁石が
管１の中から溜り部４に移動した場合、管路には
鉄サビが浮遊した流体が再び流れることになる
が、これの除去は、さらに下流側に１個あるいは
複数個の磁石を同様にして取付け、各磁石を同期
させて周期的に作動させることによつて達成でき
る。

なお、本実施例で使用する磁石の形状は円錐形
うずまき状になつており、第３図に示す管断面か
らは断面のほぼ全面を覆つているために浮遊鉄サ
ビの捕獲はほぼ完全である。また、第１図に示す
断面からは流体の流れを大きく損なわない構造で
あることもよく分る。

磁石の形状としては、本実施例に類似の同心円
状リングを円錐形に組み合せたものも有効であ
る。

以上のように、本発明方法は、前記のように構
成した磁石体を流路内に配置するため、流路中の
流れに対し大きな抵抗とならず流体の流れを阻害
するという欠点がなく、かつ効率的に流体中の鉄
サビを除去できる。さらに磁石体を流路中及び溜
り部の間を周期的に移動させるだけで磁石体に吸
着させた鉄サビを溜り部に集め、溜り部に集めら
れた鉄サビを溜り部に設けられた排出手段により
流路の外部に排出するという簡易な操作を行えば
よく、鉄サビが吸着した磁石体をいちいち流路外
に取り出す等の面倒な操作を要しない。

また磁石体を鉄サビ吸着中に流路内を移動させ
ずとも鉄サビの捕獲はほぼ完全であり、さらに鉄
サビを脱落させるときでも流路の下方に設けられ
た溜り部に磁石体を移動させるだけですむため、
磁石体の移動距離が極めて短かく、操作が容易で
あるなど多くの長所をもち、各種流体配管又は容
器中の流体からの鉄サビ除去等に用いて好適であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図は本発明方法の一実施例を示し、こ
のうち第１図は磁石体を配管１の流路中に位置さ
せた場合を示す配管の縦断面図、第２図は磁石体
を溜り部４内に位置させた場合を示す配管の縦断
面図、第３図は第１図中の―線に沿う横断面
図である。 １…管、２…磁石体、３…ハンドル、４…溜り
部、５…バルブ、６…電源、７…開閉スイツチ、
Ｓ…鉄サビ、Ａ，Ｂ…流体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 棒状の磁石体を流体が流れる流路の断面全体
   をほぼ覆うように錐形に形成し、同磁石体を流路
   中に配置して鉄サビを吸着させ、その後同磁石体
   を流路の下部に設けた溜り部に移動させるととも
   に消磁させて吸着した鉄サビを脱落させ、同溜り
   部に脱落した鉄サビを同溜り部に設けた排出手段
   により流路の外部に排出することを特長とする流
   体中の鉄サビ除去方法。